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失業中の病気やケガを理由に雇用保険から傷病手当を受け取るには?

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失業後に病気やケガをして働けなくなった場合、一定の要件を満たせば、雇用保険から「傷病手当」というお金を受け取ることができます。
では、具体的にどのような方が傷病手当を受け取ることができるのでしょうか。
傷病手当について、弁護士が解説します。

雇用保険の傷病手当とは

健康保険では、業務とは関係のない要因で発生したケガや病気により4日以上勤務ができない人を対象に、傷病手当金が支給されます。
雇用保険にも、健康保険と同じような趣旨の「傷病手当」と呼ばれる手当があります。

(1)傷病手当とは

傷病手当とは、受給資格者が失業後、ハローワークに来所して求職の申し込みを行った後に、15日以上引き続いて病気やケガのために仕事につくことができない場合に支給される手当です。
14日以内の病気やケガの場合には基本手当が支給されるのですが、14日を超えると基本手当が支給されなくなるため、代わりに傷病手当が支給されます。
傷病手当の支給額は基本手当と同額です。

なお、病気やケガを理由に、他の法令に基づいて、傷病手当と類似した給付(※)を受けると、当該給付日については、傷病手当は支給されません。

※傷病手当と類似した給付の例:

  • 健康保険の傷病手当金
  • 労災保険の休業補償給付

参考:基本手当について|ハローワーク インターネットサービス
参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省

(2)傷病手当と傷病手当金の違いとは

雇用保険から支給される「傷病手当」と、健康保険から支給される「傷病手当金」は、似ていますが、次のような違いがあります。

(2-1)ケガや病気をした時期

雇用保険の傷病手当は、失業をして求職の申し込みをした後にケガや病気で仕事ができないときにもらえるお金です。
他方で、健康保険の傷病手当金は在職中にケガや病気で働けなくなったときにもらえるお金です。
なお、健康保険の傷病手当金は、一定の条件を満たすと、退職後も引き続き受け取れます。

(2-2)申請先

傷病手当は雇用保険からおりるものなのでハローワークに申請することになります。
他方で、傷病手当金は健康保険からおりるものなので健康保険組合や協会けんぽといった保険者に申請することになります。

(3)支給開始可能時期

雇用保険の傷病手当は、求職の申し込み後に、病気やケガのため仕事につけなくなった日から15日目以降に支給されます。
他方で、健康保険の傷病手当金は労務不能になった連続した3日間を経た後の4日目以降に支給されます。

参考:基本手当について|ハローワーク インターネットサービス
参考:傷病手当金について|全国健康保険協会

(4)傷病手当を受け取れる条件とは

傷病手当を受け取るには以下の4つの条件があります。

  • 雇用保険の基本手当を受け取れる資格があること
  • 失業後にハローワークに求職の申し込みをしていること
  • 病気やケガのため、15日以上仕事に就くことができない状態であること
  • 上記の病気やケガは、求職の申し込み後に発生していること

参考:傷病手当が支給される場合は|北海道 労働局 北海道ハローワーク

傷病手当を受給できる期間

傷病手当を受け取れるのは、「基本手当の所定給付日数」から「すでに基本手当が支給された日数」を差し引いた日数を上限として、「病気などのために働けない期間」です。

傷病手当の受給を受けた日数分は、基本手当の所定給付日数から差し引かれます。
基本手当の所定給付日数は離職理由や年齢、保険加入期間で異なります。

(1)病気・ケガで働けない期間が15日未満の場合

傷病手当は受け取れるのは、求職申し込み後に病気・ケガで働けない期間が15日以上ある場合のみなので、15日未満の場合は受け取ることができません。
この間は基本手当を受給することになります。

病気・ケガで働けない期間が15日未満の場合で、病気やケガを理由に失業認定日にハローワークに行けない場合は、原則として事前にハローワークに連絡して失業認定日を変更してもらう必要があります(診断書等の一定の書類が必要となります)。
この手続きを踏まずに、失業認定日にハローワークに行かないと、原則として前回認定日以降の基本手当を受給できなくなってしまいますので気を付けましょう。

参考:雇用保険受給のQ&A|東京労働局 ハローワーク渋谷

(2)病気・ケガで働けない期間が15日以上30日未満の場合

求職申し込み後、病気・ケガで働けない期間が15日以上になると、他の要件を満たしていれば傷病手当を受け取ることができます。
14日まで基本手当を受け取っていた場合、15日目以降は本人が申請をすれば傷病手当に切り替えできます。
傷病手当が受け取れる期間は、基本手当の所定給付日数が上限となります。

基本手当を受け取ることができない期間である、以下の期間は傷病手当金も支給されません。

  • 待期期間中(7日)
  • 自己都合退職等の場合に設けられる給付制限期間中(2、3ヶ月)

※退職時期・退職事由等によって給付制限期間の有無や長さは異なります。

(3)病気・ケガで働けない期間が30日以上の場合

求職申し込み後、病気・ケガで働けない期間が30日以上になる場合は、

  • 傷病手当を受け取るか、
  • 傷病手当の受給はせずに基本手当の受給期間を延長する(求職活動再開後の基本手当の受給を目指す)

のいずれかを選択することもできます。

基本手当は離職日の翌日から原則1年以内しか受給できず、この原則1年の受給期間を超えると、所定給付日数(給付をもらえる日数)が残っていても、基本手当や傷病手当は受給できなくなるのが原則です。
もっとも、病気やケガで30日以上働けない場合は働けない期間分を当初の基本手当の受給期間に加算することができます。
延長できる期間は最大3年間であり、離職日の翌日から最大4年まで基本手当の受給期間の延長が可能です。
ただし、基本手当の所定給付日数が増えるわけではありません。

なお、病気・ケガで働けない期間が30日以上の場合も、基本手当で定められている7日間の待期期間や2、3ヶ月の給付制限がかかっている間は受給できません。

雇用保険の傷病手当はいくら受け取れる?

1日あたりの傷病手当の金額は基本手当と同額です。
1日当たりの基本手当の金額(基本手当日額)は、原則として、
「離職日の直前の6ヶ月に毎月支払われた賃金(原則として賞与等は除く)の合計÷180」(賃金日額)
のおよそ45~80%となっています。
年齢や収入によって率が異なり、賃金の低い方ほど率が高くなるのが特徴です。

参考:基本手当について|ハローワーク インターネットサービス

基本手当日額には年齢により上限がある

基本手当日額には年齢により上限があるため、傷病手当もこの金額を上限に支給されます。
2020年8月1日時点の、年齢による上限額は以下の通りとなっています。

30歳未満 6850円
30歳以上45歳未満 7605円
45歳以上60歳未満 8370円
60歳以上65歳未満 7186円

基本手当の金額は毎年8月に見直しがあります。
8月前後に傷病手当を受け取りたい場合は、予想した金額と異なる場合がありますので注意が必要です。

傷病手当の申請方法

雇用保険から傷病手当を受け取るには被保険者本人による申請が必要です。
申請の方法や申請時に知っておくべき注意点を解説します。

参考:傷病手当が支給される場合は|北海道 労働局 北海道ハローワーク

(1)申請の手続きはハローワークで

病気やケガが治った後の最初の失業認定日までに、傷病手当支給申請書に受給資格者証などを添えて、住所地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)へ申請する必要があります。
電子申請も可能ですし、郵送や代理人による提出も可能です。

(2)申請時の注意点

申請時の注意点は3つです。

(2-1)申請には期限がある

病気やケガが治った後の最初の失業認定日までに申請しなければなりません。
期限に遅れないように注意しましょう。

(2-2)在職中から病気・ケガで働けなかった場合は申請できない

傷病手当はハローワークに求職の申し込みをした後に病気やケガで働けなくなったときにもらえるものです。
在職中から引き続き病気やケガで働けない場合は、傷病手当金を申請できません。

(2-3)主治医に記入してもらうところは早めに依頼する

申請書には主治医に傷病の内容や「傷病によって職業に就くことができなかったと認められる期間」などを書いてもらう必要があります。
申請書を書いてもらうために時間がかかる可能性があるため、主治医には早めに依頼しておきましょう。

【まとめ】傷病手当はハローワークに申請しよう

傷病手当とは、受給資格者が失業後、ハローワークに来所して求職の申し込みを行った後に、15日以上引き続いて病気やケガのために仕事につくことができない場合に支給される手当です。
傷病手当は病気やケガで働けない期間の生活を支えてくれる重要なお金であり、ハローワークに申請をする必要があります。
傷病手当でご不明な点は、ハローワークにご相談ください。

参考:全国ハローワークの所在案内|厚生労働省

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