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無症候性キャリアで受給できるB型肝炎給付金の内容は?

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yamazaki_sakura

「B型肝炎ウイルスに長年かかっているんだけれど、特に症状はない。それでも給付金はもらえる?また、もらえる給付金の内容は?」

B型肝炎給付金は、慢性肝障害を発症していない無症候性キャリアの方も対象になっています。
無症候性キャリアの方に対する給付の内容は、感染から20年を経過していない場合は600万円、感染から20年を経過している場合は50万円です。さらに、感染から20年を経過した無症候性キャリアについては、給付金とは別に定期検査費の支給等の政策対応を受けることができます。

また、B型肝炎給付金の給付内容は、病態等によって区別されていますが、無症候性キャリアとして国と裁判上の和解をした後に病態が進行した場合、再度訴訟を提起することなく、追加給付金を請求することが可能です。

本記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 無症候性キャリアの意味
  • 無症候性キャリアの給付等の内容
  • 追加給付金
  • 給付金の支給要件
この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

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B型肝炎給付金とは?

B型肝炎ウイルスの持続感染者は110万人以上いるとされています。そして、そのうち40万人以上が幼少期に受けた集団予防接種等における注射器の連続使用が原因であると考えられています。 
B型肝炎訴訟とは、このような注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染してしまった方が、国にその賠償を求める訴訟です。
幼少期に受けた集団予防接種等における注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染してしまった被害者5名が、1989年、国に対してその賠償を求める訴訟を提起し、2006年の最高裁判決により、国の責任が裁判所により認められることとなりました。

その後、2011年6月に国と全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団との間で救済の要件や金額等について定めた「基本合意書」が締結され、2012年1月13日に、救済の要件を満たす被害者等に対して給付金等を支給することを内容とした「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」(これからは「特措法」といってご説明します)が施行されるに至りました。 
B型肝炎給付金とは、この特措法に基づき、B型肝炎訴訟を提起した原告が、国との間で裁判上の和解を成立させた場合に支給される給付金をいいます。

無症候性キャリアとは?

B型肝炎ウイルスへの感染は、短期間の感染でおわる一過性感染と、長期間にわたり感染したままになってしまう持続感染に分かれます。
B型肝炎ウイルスに感染した場合のほとんどは一過性感染となりますが、免疫機能が未発達な出産時ないし乳幼児期に感染すると持続感染することがあります。
無症候性キャリアとは、慢性肝障害を伴わない持続感染者のことをいいます。
持続感染者のうち約10%の方が慢性肝障害を発症しますが、持続感染者の多くは慢性肝障害を発症することなく生涯を過ごします。

無症候性キャリアの給付等の内容は?

無症候性キャリアの給付等の内容はどのようになっているのでしょうか。

(1)給付等の内容

無症候性キャリアの場合、給付等の内容は次のようになります。

20年の除斥期間等を経過していない場合600万円
20年の除斥期間等を経過している場合50万円

定期検査費の支給等の政策対応

給付等の内容は、除斥期間等の経過の有無によって異なります。
無症候性キャリアの場合、B型肝炎ウイルスに感染したときが期間制限の起算点(スタート地点)となります。集団予防接種等を受けたときから20年間を経過すると、除斥期間等を経過していることになります(集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染する可能性があったのは1988年1月27日までですので、一次感染者の場合、すべての方が除斥期間等を経過していることになります)。

これに対して、二次感染者や三次感染者のうち母子感染者の場合は、出生日が期間制限の起算点となりますので、出生から20年間を経過すると、除斥期間等を経過していることとなります。

なお、二次感染者や三次感染者のうち父子感染者については、B型肝炎ウイルスに感染していることを確認できる最初の時点または7歳の誕生日の前日のいずれか早い方の日が起算点となります。

無症候性キャリアの方のうち、20年間の除斥期間等を経過した方については、50万円の給付金に加え、定期検査費の支給等の政策対応がなされます。その具体的内容としては次のとおりです。

  1. 定期検査および定期検査に付随する診療行為等に要する費用
  2. HBVの母子感染を防止するためにかかる費用(ワクチン・グロブリン投与費用、検査費用およびこれらに付随する診療行為等に要する費用)
  3. 同居家族に対するHBVの水平感染を防止するためにかかる費用(ワクチン投与費用、検査費用)
  4. 定期検査手当 定期検査1回につき1万5千円(定額) ※年2回まで

(2)病態が進行した場合の追加給付金

無症候性キャリアとして和解をした後に病態が進行した場合、追加の給付金を請求することができます(特措法8~10条)。
B型肝炎給付金を受給するためには、国を相手に裁判を起こして、裁判上の和解を締結する必要があります。裁判手続きでは、原告が和解要件を証明するための資料を提出した上で、国が和解要件を充足しているか否かを審査することになりますが、この審査にはかなりの期間を要し、裁判を起こしてから給付金を受給するまでには、1年以上かかることも往々にしてあります。

これに対して、無症候性キャリアとして国との間で既に和解を締結している場合には、再度裁判を起こす必要はなく、提出する資料も病態が進展したことを明らかにするための資料だけですので、簡易かつ短期間の手続きで追加の給付金を受給することができます。また、B型肝炎訴訟制度には制度の存続そのものについての期間制限がありますが、追加給付金請求手続きには制度の存続そのものについての期間制限は特に設けられていません。無症候性キャリアとして給付金を受給することは、今後病態が進行した場合の一種の「保険」としても、かなりのメリットがあるといえるでしょう。

追加給付金の金額は、次のようになります。

和解後に発症した病態
死亡
肝がん
肝硬変(重度)
肝硬変(軽度)
慢性肝炎
和解した病態除斥期間等を経過していない無症候性キャリア
3000万円3000万円
3000万円
1900万円650万円
除斥期間等を経過した無症候性キャリア
3600万円
3600万円3600万円
2500万円
1250万円

給付を受けるための要件は?

B型肝炎訴訟給付金の対象となる人は、満7歳となる誕生日の前日までの間で、かつ、1948年7月1日~1988年1月27日までの間に、集団予防接種等を受け、これによって、B型肝炎ウイルスに持続感染してしまった方(このような方を「一次感染者」といいます)です。また、一次感染者から母子感染又は父子感染し、持続感染に至った二次感染者も対象になります。さらに、二次感染者から母子感染又は父子感染し、持続感染に至った三次感染者も対象になり得ます。

(1)一次感染者の要件

一次感染者としてB型肝炎給付金を受給するためには、次の要件を満たす必要があります。

  • B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 満7歳となる誕生日の前日までに集団予防接種等※を受けていること
  • 集団予防接種等※における注射器の連続使用があったこと
  • 母子感染でないこと
  • その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

※「集団予防接種等」とは、集団接種の方法で実施された予防接種およびツベルクリン反応検査を指します。

(2)二次感染者の要件

二次感染者の場合、母子感染と父子感染により要件が異なります。B型肝炎給付金を受給するためには、それぞれについて次のすべての要件を満たす必要があります。

【母子感染の場合】

  • 母親が一次感染者の要件をすべて満たしていること
  • 二次感染者がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 下記アイウのいずれかから、二次感染者の感染原因が母子感染であるといえること
    (ア): 母子のB型肝炎ウイルスの塩基配列が同定されていること
    (イ): 出生直後の時点でB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを明らかにできること
    (ウ): 父子感染等の母子感染以外の感染原因がないこと

【父子感染の場合】

  • 父親が一次感染者の要件をすべて満たしていること
  • 二次感染者がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 二次感染者の感染原因が父子感染であるといえること

B型肝炎給付金の受給をお考えの方は弁護士に相談を

B型肝炎給付金の受給手続きをお考えの方は、次の理由から、弁護士に依頼することをお勧めいたします。

(1)必要資料の収集を代行してもらえる

必要資料の収集は、B型肝炎給付金の受給手続きの中で最も重要な作業ですが、これには専門的知識が必要になる上、多大な労力と時間を要することも稀ではありません。
もっとも、この必要資料の収集を代行している弁護士事務所もあります。資料によっては収集を代行できないものもありますが、このような事務所に依頼をすれば、面倒な必要資料の収集を弁護士の関与の下、スムーズに進めることが可能です。

(2)裁判手続きも弁護士が代理で行う

B型肝炎給付金の受給手続きを弁護士に依頼した場合、裁判手続きも弁護士が代理して行います。
例えば、訴状の作成なども弁護士が代理して行ってくれます。そのため、法的知識に明るくない方であっても、安心して手続きを進めることが可能です。
また、裁判所へ出向くといったことも、原則として弁護士が代理して行いますので、裁判のために仕事を休んだり、準備をする必要も原則としてありません。

【まとめ】無症候性キャリアもB型肝炎給付金の対象。感染から20年を経過した無症候性キャリアは、50万円の給付金のほか、定期検査費の支給等の政策的対応を受けることができる

本記事をまとめると次のようになります。

  • 無症候性キャリアとは、慢性肝障害を伴わないB型肝炎ウイルス持続感染者のこと
  • 無症候性キャリアに対する給付等の内容は、感染から20年経過前であれば600万円、感染から20年経過後であれば50万円のほか、定期検査費の支給等の政策的対応を受けることができる
  • 無症候性キャリアとして和解をした後に病態が進行した場合、比較的簡易な手続きで追加給付金を請求することが可能
  • 必要資料の収集を代行してもらえる上、裁判手続きも依頼者に代理で対応してもらえるので、B型肝炎給付金の受給をお考えの方は弁護士に依頼するのがおススメ

B型肝炎給付金を受給するためには、裁判に提出するための多くの資料を集める必要がある上、訴状等の専門文書の作成も必要となります。また、期日には出廷の必要もあります。給付金の受給まで、多大な時間と労力、そして専門知識が必要となります。

アディーレ法律事務所はB型肝炎訴訟の資料収集の代行(※)から、B型肝炎訴訟、同給付金の申請まで全て代わりに行います。
(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。

また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・給付金請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は給付金受け取り後の後払いとなっております。
そのため、当該事件についてアディーレ法律事務所にご依頼いただく場合、原則としてあらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

さらに、弁護士に依頼して、B型肝炎訴訟で和解した場合には、国から弁護士費用の一部として、訴訟手当金(給付金の4%)が支給されます。
※以上につき、2022年3月時点

B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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