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左遷をされた場合にはどうすればいい?対処法について解説

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左遷とは、係長から平社員に下げられるなど、役職や地位などを下げられることをいいます。左遷により、賃金も下がることが多いです。
なかには左遷と思っていても、職務経験を増やすために、あえて他部署に異動させる人事であることもあります。
他方で、左遷の理由を聞いても、「左遷に納得いかない」といったケースも多いでしょう。

左遷に納得がいかない場合どうしたらよいのでしょう。
左遷の対処法について、弁護士が分かりやすく解説いたします。

左遷とは

左遷とは、会社の意向により、役職・地位が下げられる、職能資格・資格等級(賃金に直結する労働者の一般的な職務遂行能力)などが下げられることをいいます。
左遷には、「窓際に追いやられる」といったイメージが付きまとうことが多いです。
なお、左遷の語源は、「中国では、右を尊び左を卑しんだことからきている」、という説があります。
左遷に伴い、賃金が減額されるケースが多いです。

【左遷の例】

  1. 部長であった人が課長に降格する
  2. 本店から地方配属となる
  3. 花形とされる部署から、そうではない部署に異動となる

左遷と、降格は一緒?その他人事で用いられる言葉を確認

  • 降格
    左遷とほぼ同じ意味で使われます。
  • 栄転
    左遷と真逆の言葉であり、地位や役職などが上がることをいいます。
  • 出向
    籍を元の会社のままで、別の会社の従業員(または役員)として、新たな会社で勤務をすることをいいます。
  • 転籍
    籍を元の会社から抜いて(元の会社との労働契約関係を終了して)、新たな会社で勤務することをいいます。
  • 配置転換
    同じ勤務地内で、別の部署の配属となることをいいます。
  • 転勤
    勤務地を変更することをいいます。

本当に左遷?込められた意図について検討してみよう

自身では左遷と思っていても、雇い主(人事)は別の意図を持っている可能性があります。
本当に左遷なのか、人事に込められた意図について検討してみる必要があります。

以下で、具体例をご紹介します。

(1)異なる職種についての経験を積んで欲しい

一時的に地位や職種が下がっても、当該従業員を低く評価しているという意図ではなく、異なる職種について経験を積んでほしいという、人材育成の意図が込められていることがあります。

(例)
・今まで経理をしていた人が法務になった場合
⇒人事の意図)会社に関する制度を広く知って、経理・財務として活躍してほしい

・営業職が地方の工場勤務になった場合
⇒人事の意図)製品についての知識を深めて、将来営業職に戻ったときに役立ててほしい

(2)部署を立て直して欲しい

優秀な人が花形部署からその他の部署に行く場合には、会社から、異動先の部署を立て直してほしいという期待が込められていることがあります。

(例)
・経理をやっている人が営業アシスタントになった場合
⇒人事の意図)営業アシスタント部門が混迷しているので、優秀な能力を活かして当該部門を立て直ししてほしい

・本店で営業をしていた人が地方の営業になった場合
⇒人事の意図)業績不振の地域の営業成績と後進の育成を任せたい

左遷は違法になる可能性がある

左遷や、賃金減額は違法になることもあります。
では、どのような場合に違法になるのでしょうか。
降格に関する裁判例を基に解説いたします(※裁判例上は、左遷ではなく降格という言葉を用いることが多いです。なお、ここでは懲戒権の行使としての降格ではなく、人事権の行使としての降格のみ扱います)。

(1)左遷が違法となる場合の判断基準

人事権の行使により、左遷するかどうかについては、使用者に一定の裁量があります(アメリカン・スクール事件 東京地裁判決平成13年8月31日労判820号62頁)。
そのため、この人事権の裁量の範囲内であれば、人事権の行使としての左遷は適法となります。
しかし、人事権の裁量を超えたり、濫用しているような場合は、人事権の行使としての左遷は違法です。
裁判例上、人事権の行使としての左遷(降格)が使用者に認められた裁量を超えるか、濫用にあたるかといった点は、以下の要素を総合考慮して判断される傾向にあります(上州屋事件 東京地裁判決平成11年10月29日労判774号12頁)。

  • 使用者側の事情
    (業務上・組織上の必要性など)
  • 労働者側の事情
    (能力・適性の欠如など)
  • 左遷によって、労働者が受ける不利益の程度などの事情

実際に、人事権の行使としての左遷が違法と判断された裁判例をご紹介いたします。

参考:(48)【人事制度】降格(職位の引下げ)|独立行政法人労働政策研究・研修機構

(1-1)上司などの個人的な感情による左遷は違法

社長の個人的な感情で左遷(降格)した場合に、左遷が違法・無効と判断された裁判例があります(ハネウェルジャパン事件 東京高裁判決平成17年1月19日労判889号12頁参照)。
なお、この裁判例では、3~5ヶ月程度の期間では、労働者の資質や能力を判断するのに十分ではないと、判断されています。

(1-2)退職勧奨に応じない従業員を、退職に応じさせるためにする左遷は違法

退職勧奨に応じない管理職を、退職に応じさせるために、左遷した場合について、当該左遷(降格)は違法と判断されています(バンク・オブ・アメリカ・イリノイ事件 東京地裁判決平成7年12月4日労判685号17頁、明示ドレスナー・アセットマネジメント事件 東京地裁判決平成18年9月29日労判930号56頁)。

(2)左遷に伴う賃金減額が違法となることがある

左遷に伴い、賃金も減額になることが多いです。
特に職能資格・資格等級を下げる降格は、資格・等級と連動する賃金の減額をもたらすものであり、就業規則上の規定や労働者の同意など契約上の根拠が必要であると考えられています。

人事権の行使による役職の低下については有効でも、それに伴い賃金が減額される場合には、その賃金減額が違法と判断されるケースについて解説いたします。

(2-1)賃金規程等の根拠規定なしに、左遷に伴い賃金を減額した場合

どの職位の場合に賃金がいくらになるのかという賃金体系が、賃金規程等で明示されている場合は、この賃金規程等に従って賃金減額をしても、適法となりやすいです。
他方で、どの職位の場合に賃金がいくらになるのかという賃金体系が、賃金規程等で明示されていない場合には、左遷に伴う賃金減額が違法となりやすくなります(スリムビューティハウス事件 東京地裁判決平成20年2月29日労判968号124頁)。

(2-2)賃金規程等はあるが、賃金の減少割合が過大である場合

賃金規程に従って、左遷に伴う賃金減少をした場合でも、その減少幅が過大である場合には、賃金減額は違法となる傾向にあります。
前述のスリムビューティハウス事件では、左遷(降格)に伴い、4割を超える賃金の減少が行われたことにつき、違法と判断されています。

左遷をされた場合の対応方法

次に、左遷をされた場合にどう対応するべきか解説いたします。

(1)左遷された理由を人事に確認する

まずは、人事に左遷された理由を確認しましょう。
能力が低いことを理由とする左遷ではなく、能力を見込まれての人事異動であった可能性があります。
また、理由が判明すれば、例え、能力が低いことを理由とする左遷であっても納得できることもありますし、今後、評価を上げるための改善ポイントが見えてくることもあります。

人事が、左遷の理由をきちんと答えられなければ、不当な理由によるものであった可能性がありますので、注意しましょう。

(2)左遷された状況を前向きに捉える

たとえ左遷されしまった場合でも、次に置かれた地位・役職で、スキルやノウハウが広がるチャンスの可能性もあります。
また、左遷された悔しさが、労働者としての能力・適性を伸ばす原動力になるかもしれません。
被害者意識を捨てて前向きに状況を捉えることも必要です。

(3)左遷先できっちり結果を出す

また、本当に左遷であった場合にはやむを得ないと割り切ることも必要です。
仕切り直して、左遷先で結果を出して会社に必要な人材としてやり直しましょう。

(4)左遷やそれに伴う賃金の減額が違法かもと思ったら、弁護士に相談する

左遷やそれに伴う賃金の減額が違法かもと思ったら、弁護士に相談すること大切です。
左遷に関する相談を受けてくれる弁護士に依頼すれば、具体的に左遷の無効・撤回に向けて動いてくれます。
左遷が無効であった場合、賃金の差額分(左遷前の賃金と左遷後の賃金の差額)の請求や、左遷前の役職や地位へ戻ると言ったことが可能になります。
さらに悪質な左遷(嫌がらせなど)により、大きな精神的苦痛を与えられた場合には、慰謝料請求が認められる場合もあります。

また、仮に左遷が有効であったとしても、賃金の減額が違法・無効となることがありますので、この場合でも賃金の差額の請求が可能です。
これらの請求などは個人では対応が難しい場合が多々ありますので、弁護士へのご相談をお勧めします。

(5)退職する

左遷にどうしても納得がいかない場合、会社を退職して、能力をきちんと評価してくれる会社に転職するというのも一つの手です。
自分のライフプランに合った選択をしましょう。

【まとめ】この左遷は違法?と迷われている方は弁護士に相談を

左遷をされたら突然のことに納得がいかないことがあるかもしれませんが、まずは冷静な行動を心がけることが大切です。
左遷された理由や意図を人事に確認してみましょう。
左遷と思っていても、この人事異動が、あなたの優秀な能力を活用するためのものであるかもしれません。

他方で、左遷や、左遷に伴う賃金の減少が違法・無効である場合があります。
例えば、上司の個人的感情による左遷や、不合理なまでに大幅な賃金の減少は、違法・無効となることがあります。

左遷が無効であった場合には、差戦前の賃金との差額の請求や、元の役職や地位に戻ることが可能になります。
左遷が有効であるとしても、左遷に伴う賃金の減額が違法である場合もあり、この場合も賃金の差額請求が可能です。
また嫌がらせの一環として左遷が行われた場合、悪質であるとして、慰謝料請求が認められる場合もあります。

このように、左遷や、これに伴う賃金の減額が違法である場合には、様々な請求をすることが可能です。
「違法な左遷かも?」と少しでも思ったら、まずは弁護士に相談して、どのような請求が可能か確認しましょう。

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