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本人が慰謝料を支払えない場合、親族に支払い義務はあるのか

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今回採り上げる法律相談はこちら―――。

先日、息子の交際相手だった方の親御さんが怒鳴り込んできました。私たち親は、息子がその女性と結婚するものだと思って顔合わせなどもしていたのですが、息子は別の女性ともどうやら交際していたようで、浮気がばれて婚約破棄したという状況らしいんです。どうやら息子に尋ねてみても、浮気をしていたのも息子から別れを切り出したのも事実のようです。ただ、お金がないので、手切れ金というのか、慰謝料はお支払いできない、と……。
息子は成人していますが、親としてこの問題を放置していいものやら決めかねています。そこで、私たち親に慰謝料の支払い義務があるのかを教えていただけませんか。

今回のケースにおいて、相談者の息子がしたのは婚約破棄・浮気であって、法律上は「債務不履行」または「不法行為」と呼ばれます。浮気を原因とするものなので、当事者である息子は、法律上、慰謝料を支払わなければならないとされる可能性が高いでしょう。

もっとも、その親族が慰謝料の支払い義務を負うかどうかは別問題です。今回は、弁護士が「本人が慰謝料を支払えない場合、親族に支払い義務はあるのか」について解説します。

「債務不履行」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

債務不履行とは?債務不履行が生じたときの対応策も紹介

「不法行為」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

民法709条とは?具体的な事例で損害賠償請求についてくわしく解説

「婚約破棄」について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

婚約破棄とは?婚約成立の条件や慰謝料が請求できるケースについて解説

婚約破棄における慰謝料

婚約とは、男女が結婚の約束をすることをいい、契約の一種です。

婚約破棄自体は、一方的な申し出で行うことができますが、婚約破棄されたからといって、必ずしも「精神的苦痛を受けた」として、慰謝料を請求できるとは限りません。
婚約破棄は様々な理由でなされますが、正当な理由がある場合には、債務不履行または不法行為による損害賠償を請求することはできないとされています。

例えば、分かりやすく、肉体関係を伴う浮気をされた側が婚約破棄したケースを考えてみましょう。
婚約破棄されたからといって、浮気をした側が損害賠償を請求できると考えるのは妥当ではありません。

このような場合には、婚約破棄には正当な理由があると考えられますので、損害賠償を請求できません。

冒頭の事例でいえば、浮気された女性の側から婚約破棄しても女性側が慰謝料を支払うという話には基本的にならないのに対し、男性側から婚約破棄をすれば慰謝料の話になるということです。

婚約破棄で支払うことになる損害賠償の内訳

不当に婚約を破棄した場合、損害賠償を請求される可能性があります。

損害賠償の内容は、財産的存在と精神的損害の2種類に分けられますので、それぞれについて説明します。

(1-1)財産的損害の損害賠償請求

財産的損害とは、婚約後に結婚するための準備をしてかかった費用などのことをいいます。

たとえば、次のようなものが挙げられます。

  • 結婚指輪の購入費
  • 式場、披露宴のキャンセル料
  • 新婚旅行のキャンセル料
  • 新居の購入費・家具の購入費

どういった内容の損害が認められるかは、ケースバイケースです。損失が生じていたとしても、加害行為との因果関係がなければ、加害者に対して請求することはできません。

(1-2)精神的損害の損害賠償請求

精神的損害とは、不当な婚約破棄によって被った精神的苦痛に対する慰謝料のことをいいます。慰謝料については、婚約破棄に至った経緯、婚約破棄の理由、婚前交渉の有無(妊娠・堕胎・出産の有無)、交際期間の長短、結婚退社(寿退社)の有無など様々な事情を考慮して算定されますが、数十万~100万円程度となることが多いようです。

ただし、婚約破棄の理由の不当性、それによって相手方が被った精神的損害を重視して、200万~300万円程度の高額の慰謝料が認められる場合もあります。

婚約破棄の慰謝料に加えて、肉体関係を伴う浮気(不貞行為)をして婚約破棄に至った場合には、浮気についての慰謝料を請求される可能性もありますので、慰謝料の額は高額になる傾向にあります。

原則、親族には慰謝料の支払い義務は無い

不法行為または債務不履行をした本人が慰謝料を支払うのは、ある意味当然といえるかもしれません。

しかし、今回の相談で問題となっているのは、子どもの親が慰謝料の支払い義務を負うのかどうかです。結論的にいえば、原則として本人以外の人が慰謝料の支払い義務を負うことはありません。

そのため、冒頭の事例においても、相談者が自らの価値観としてお金を支払うのであればともかく、法律上は慰謝料を支払わなくてよいといえます。

冒頭の事例と異なり、例外的に親族が保証人になっている場合や子どもに責任能力がない場合には支払わなければなりません。

では、くわしく解説していきましょう。

(1)親族が慰謝料を支払う例外のケース1:親族が保証人になっている

冒頭の事例のような不法行為のケースではなく、たとえば雇用契約における身元保証契約など親族が保証人になっている場合には、親族が損害賠償義務を負うことがあります。

また、たとえば、次のような事例では親族が支払い義務を負うことがあります。

婚姻期間中に浮気をしたAさんは、配偶者であるBさんから200万円の慰謝料の支払いを求められたものの、一括で支払うことができなかったため、分割払いにしてくれるようにBさんに頼みました。Bさんは、Aさんの身内が連帯保証人になることを条件として、月々10万円の分割払いに応じました。
この場合、Aさんの連帯保証人となった人は、Bさんから慰謝料の支払いを求められたら、断ることができません。

このように契約上、親族が損害賠償義務を負っている場合には、親族は慰謝料を支払わなければなりません。

もっとも、親族だからといって保証人にならなければならない義務はなく、断ることができますので、保証人になるかどうかを慎重に判断してください。

また、保証人になるためには、法律上の条件を満たした書面に自ら署名することが必要であり、無断で作成された契約書があったとしても、それに基づいてお金を支払う必要はありません。

(2)親族が慰謝料を支払う例外のケース2:本人に責任能力がない

冒頭の事例と異なり、被害者に損害を負わせたのが12歳程度の子どもである場合には、その親権者などが慰謝料の支払い義務を負うことがあります。

民法714条1項では、責任無能力者の監督義務者等の責任が定められています。

前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

引用:民法714条1項

子どもが誰かに危害を加えたからといって、直ちに親権者が損害賠償義務を負うわけではありません。

しかし、親権者等には、その監督すべき子どもが人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう日頃から指導監督する義務がありますので、その義務を怠った場合には、慰謝料を含め損害賠償をしなければならないのです。

慰謝料の支払い義務がなくても親族が立て替えることは可能?

親族に支払い義務はないとしても、本人に慰謝料の支払い義務が認められることがあります。

その場合に、親族として立替払いをすることは可能です。もっとも、相手方の言い分だけを鵜呑みにするのではなく、加害者とされる本人の言い分もしっかり聞くことが大切です。

また、お金を支払うとしても、相手方の言い値をそのまま支払うのではなく、一度弁護士等の専門家に示談金の相場を尋ねてみるのが良いでしょう。

また、相手方の請求が度を越えている場合には、弁護士に対応を任せるのも1つの方法です。場合によっては、脅迫罪や強要罪が成立することもあるでしょう。

【まとめ】慰謝料の支払い義務でお悩みの方は弁護士にご相談ください

成人した人が誰かに精神的苦痛を負わせたとしても、原則としてその親族が慰謝料を支払うことはありません。例外的に、親族が保証人となった場合には、慰謝料の支払い義務を負うこともありますので、ご注意ください。

相手方から慰謝料を請求されてお悩みの方は、弁護士に相談することをおすすめします。

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