あなたの家族が誰かに損害を与えてしまった…そんな時、あなたにも支払い義務が生じるのでしょうか? 多くの人が抱くこの疑問に、今回は法律の観点からお答えします。
実は、親族だからといって必ずしも慰謝料を支払う義務はありません。しかし、いくつかの例外的なケースでは、家族の代わりに支払いを求められることがあるのです。
では、どのような場合に親族が支払い義務を負うのか、またそれを避けるにはどうすればよいのかを弁護士が詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
ここを押さえればOK!
親族が本人の代わりに慰謝料を立て替えることは可能ですが、相手の要求をそのまま受け入れるのではなく、弁護士に相談するなどして慎重に対応することが重要です。不倫の慰謝料であれば、弁護士に相談することで慰謝料を支払わなくてよくなったり、減額ができたりする可能性があります。不倫の慰謝料請求をされてお困りの方は、アディーレへご相談ください。
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親族には慰謝料の支払い義務は無いのが原則
原則として本人以外の人が慰謝料の支払い義務を負うことはありません。したがって、親族側が任意でお金を支払うのであればともかく、法律上は慰謝料を支払う必要はありません。
ただし、例外的に親族が保証人になっている場合や子どもに責任能力がない場合には、保証人となっている親族や親が支払わなければなりません。
では、例外的場合について、次で詳しく解説していきましょう。
(1)親族が慰謝料を支払う例外のケース1:親族が保証人になっている
たとえば雇用契約における身元保証契約などで、親族が保証人になっている場合には、親族も慰謝料支払う必要がある可能性があります。
また、次のような事例でも親族が支払い義務を負うことがあります。
浮気をしたAさん(仮名)は、配偶者であるBさん(仮名)から200万円の慰謝料の支払いを求められたものの、一括で支払うことができなかったため、分割払いにしてくれるようにBさんに頼みました。
Bさんは、Aさんの親族のCさん(仮名)が連帯保証人になることを条件として、月々10万円の分割払いに応じました。Aさん、Bさん、Cさんは、それぞれ合意内容を書面にました。

この場合、Aさんの連帯保証人となったCさんは、Bさんから慰謝料の支払いを求められたら、断ることができません。
このように契約上、親族が損害賠償義務を負っている場合には、親族は慰謝料を支払わなければなりません。
もっとも、親族だからといって保証人にならなければならない義務はありません。保証人になることは断ることができます。保証人になると責任を負うことになりますので、保証人になるかどうかは、慎重に判断するようにしてください。
また、保証人になるためには、法律上の条件を満たした書面に自ら署名することが必要であり、無断で作成された契約書があったとしても、それに基づいてお金を支払う必要はありません。
(2)親族が慰謝料を支払う例外のケース2:本人に責任能力がない
被害者に損害を負わせたのが12歳程度以下の子どもである場合には、その親権者などが慰謝料の支払い義務を負うことがあります。

民法714条1項では、責任無能力者の監督義務者等の責任が定められています。
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
引用:民法714条1項
これは、12歳程度以下の子どもに責任を負わせるのは妥当でなく、一方で被害者の損害回復が必要とされる観点から、その子どもの監督責任を負う親権者に対して、その責任を負わせる趣旨の規定です。
親権者等には、その監督すべき子どもが他人に危険が及ばないよう注意して行動するよう日頃から指導監督する義務がありますので、その義務を怠った場合には、慰謝料を含め損害賠償をしなければならないとされています。
ただし、子どもが誰かに危害を加えて損害が発生したからといって、直ちに親権者が損害賠償義務を負うわけではありません。子どもに対して適切な監督義務を果していたといえる場合などでは、損害賠償義務を負うことはありません。
慰謝料の支払い義務がなくても親族が立て替えることは可能?
では、本人に慰謝料の支払い義務が認められた場合に、親族が本人の代わりに払ってあげることはできるのでしょうか。
もちろん、親族として立替払いをすることは可能です。もっとも、相手方の言い分だけを鵜呑みにするのではなく、加害者とされる本人の言い分もしっかり聞くことが大切です。
また、お金を支払うとしても、相手方の言い値をそのまま支払うのではなく、一度弁護士等に慰謝料の相場を尋ねてみるのが良いでしょう。
相手方の請求が度を越えている場合には、弁護士に対応を任せるのも1つの方法です。場合によっては、脅迫罪や強要罪が成立することもあるでしょう。
【まとめ】本人が慰謝料を支払えなくても原則親族に支払い義務はない
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 成人した人が誰かに精神的苦痛を負わせたとしても、原則としてその親族に慰謝料支払い義務はない
- 例外的に、親族が保証人となった場合などには、慰謝料の支払い義務を負うこともある
相手方から不倫の慰謝料を請求されてお悩みの方は、すぐに相手方に回答することはせず、一度弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談することで、慰謝料を支払う必要がなくなったり、慰謝料の減額などができるかもしれません。
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