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22時以降の残業代はいくら?深夜残業の考え方と割増賃金の計算方法

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深夜におよぶ労働に従事した場合には、それに伴った残業代が支払われるべきですよね。

深夜に時間外労働を、つまり深夜残業をした場合にはなおさらです。
こうした深夜残業の場合には、深夜労働に対する割増と、時間外労働に対する割増が重複して適用され、通常の深夜労働よりも上乗せされた割増賃金が発生します。

ところが、残業代の計算は複雑なため、正しい計算をすることは難しく、残業代がごまかされているケースもありうるところです。

せっかく深夜に及ぶ残業をしているのに、適正な残業代をもらうことができずに損をすることがないよう、深夜残業の割増率や割増賃金計算方法について、しっかりと理解しておきましょう。

22時以降の労働は深夜残業になる?

まず、深夜残業の定義及び深夜労働との違い、またそれぞれについての残業代、さらに法定休日に深夜労働した場合の割増賃金について説明していきます。

(1)深夜残業の定義

深夜残業とは、1日の労働時間が法定労働時間(法律で定められた1日の労働時間の上限)である8時間を超え、かつ22~5時の時間帯に労働することをいいます。

一方で、1日の労働時間が8時間を超えなくても、22~5時までの間になされた労働のことは深夜労働といいます。

つまり、深夜残業は、深夜の時間帯に行われた時間外労働ということになります。

(2)深夜残業と深夜労働の残業代

深夜労働を行った場合、通常の賃金に25%の割増率を乗じた割増賃金が発生します。

さらに、深夜残業を行った場合には、深夜労働を行った場合の割増賃金に比べてさらに時間外労働として25%の割増率が上乗せされ、すなわち通常の賃金の50%が加算された割増賃金が支払われることになります。

(3)法定休日に22時以降労働した場合

労働基準法35条に定められている、使用者が労働者に対して付与することを義務付けている「1週間当たり1日以上又は4週間当たり4日以上」という休日のことを「法定休日」といいます。

法定休日に行われた労働のことを休日労働といい、通常の賃金に比べると35%の割増率に基づく割増賃金が発生します。

なお、法定休日には時間外労働の概念がないため、8時間以上労働したとしても、割増率はすべての時間帯で一律35%となります。

一方で、法定休日に深夜労働が行われれば、割増率は35%+深夜労働25%で60%の割増率になります。

この法定休日に対して、会社が独自に定める休日のことを所定休日(法定外休日)と呼びます。週休2日制で土日休みという会社の場合、日曜日を法定休日、土曜日を所定休日(法定外休日)などと定めたりします。

この所定休日に労働をした場合は、「休日労働」にはあたらないため、35%の割増率は適用されないことになります。

なお、残業時間が0時を過ぎて法定休日に及んだ場合、0時以降の労働については翌日の休日労働と深夜労働の割増率が重複して計算され、割増率は60%以上となります。

深夜割増の残業代を計算する方法

続いて、残業代の計算に必要な基礎時給に関する基本的な知識と、基礎時給の計算方法について解説いたします。

(1)残業代の計算に必要な基礎時給

基礎時給とは、1時間あたりの賃金のことをいいます。
そして、基礎時給を計算するには、基礎賃金を求める必要があります。

基礎賃金とは、労働には直接関係のない個人の事情に基づいて支給される手当を除いた賃金のことをいいます。

そのような除外対象となる手当には以下のようなものがあります(労働基準法37条5項、同施行規則21条)。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

基本給を基礎賃金とすると、除外しない手当まで除外してしまうことになるため、残業代が少なく計算されてしまいますから注意しましょう。

この基礎賃金を、月平均所定労働時間で割ることで、1時間あたりの基礎賃金=基礎時給を算出することができます。

(2)月平均所定労働時間数の求め方

基礎時給を求める場合に必要な月平均所定労働時間数は

「月平均所定労働時間=(365日-1年の休日合計日数)×1日の所定労働時間÷12ヶ月」

という計算式により算出できます。
暦によって、当該月の勤務日数や休日の数にばらつきがあるため、年間を通した平均の月労働時間が使用されます。

この計算をするためには、年間休日日数を把握する必要がありますので、就業規則で確認しておきましょう。

  1. 月給制の場合、例えば年間の休日日数が125日であれば、
    (365日-125日)×8時間÷12ヶ月=160時間
    が月平均所定労働時間となります。
  1. 変形労働時間制をとっている場合には、1年単位の変形労働時間制と1ヶ月単位の変形労働時間制でそれぞれ月平均所定労働時間数の計算方法が異なります。

1年単位の場合は、365日×40時間(1週間の法定労働時間)÷7≒2085.7時間これを12で割ると、2085÷12ヶ月=173.75時間が、月平均所定労働時間となります。

1ヶ月単位の場合は、
31日の月が7ヶ月(1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月)
→31日×40÷7=177.1時間

30日の月が4ヶ月(4月、6月、9月、11月)
→30日×40÷7=171.4時間

28日の月(2月)
→28日×40÷7=160時間

これらを平均すると、
(177.1時間×7+171.4時間×4+160時間)÷12=173.775時間

このようにして算出された月平均所定労働時間を利用して、基礎賃金を求めることができます。

(3)22時以降の残業代の計算例

残業代を計算する場合、
「残業代=基礎時給×残業時間×割増率」が基本的な計算式となります。

先に述べたように、深夜労働の割増率は25%、時間外労働も重なると50%の割増率となります。

深夜労働は25%、深夜残業は50%、法定休日労働は35%、法定休日労働+深夜労働は60%の割増率をあてはめることで、それぞれ残業代が計算できます。

割増賃金は3種類

種類支払う条件割増率
時間外
(時間外手当・残業手当)
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき25%以上
時間外労働が限度時間(1ヶ月45時間、1年360時間等)を超えたとき25%以上
(※1)
時間外労働が1ヶ月60時間を超えたとき(※2)50%以上(※2)
休日
(休日手当)
法定休日(週1日)に勤務させたとき35%以上
深夜
(深夜手当)
22~5時までの間に勤務させたとき25%以上

(※1)25%を超える率とするよう努めることが必要です。
(※2)中小企業については、2023年4月1日から適用となります。

参考:しっかりマスター労働基準法 割増賃金編|東京労働局

22時以降の労働における疑問

それでは、22時以降の残業の違法性、固定残業代制、女性の制限など、深夜労働にまつわる疑問について解説いたします。

(1)深夜残業の違法性は?

労働基準法32条で定める法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働は違法となります。したがって深夜の時間外労働も認められないことになります。

しかし、労働基準法36条に基づく36協定を労使間で締結し、労働基準監督署への届出をすれば、時間外労働をしても違法にはなりません。したがって深夜残業(深夜の時間外労働)も可能となります。

また、時間外労働の上限規制に抵触すれば違法となりますが、これには深夜労働に関する規定は置かれていません。

そのため、通常通り、原則として「月45時間、年360時間」が時間外労働の上限となり、これを超えると違法となります。

例外的に、臨時的な特別の事情がある場合、特別条項付き36協定を労使間で締結すれば「月100時間未満」「2~6ヶ月平均80時間」「年720時間」「原則である45時間を超えていいのは年6回まで」という上限の範囲に限っての時間外労働が可能となります。

深夜残業がある場合には、会社が36協定を締結しているか、締結済みの場合は上限を超えていないか、確認しておきましょう。

(2)固定残業代制の残業代は?

固定残業代とは、給与のうちであらかじめ基本給に加算されて支払われる、あるいは特定の手当として支払われる、「想定される一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対する定額の割増賃金」のことを指しています。
想定される残業代は、実際の労働時間にかかわらず固定給として支払われます。

しかし、あらかじめ定めた残業代が、実際の時間外労働や深夜労働の割増賃金を下回る場合には、不足分を追加した残業代を払う義務があります。

また、固定残業代制のもとで深夜労働や休日労働をした場合、深夜労働や休日労働の割増率は、固定残業代制度に組み込まれていないため、別途残業代を請求できることになります。

「固定残業代制は、常に残業代が一定という制度であるから、深夜残業や休日労働でも残業代が発生しない」と勘違いするケースが多いので注意しましょう。

(3)深夜残業に女性の制限はある?

1999年3月までは、業種により女性の深夜残業は原則的に禁止されていましたが、同年4月以降は女性の深夜労働に関する制限はなくなりました。

ただし、妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性)は、深夜業や休日労働、時間外労働をしないことを請求することができます(労働基準法66条)。

(4)深夜労働の休憩時間の扱いは?

夜勤業務では、数時間の仮眠時間や休憩時間が設定されていることが一般的です。

しかし、休憩時間は「自由に利用させなければならない」(労働基準法34条3項)という規定があります。
仮眠時間とはいえ、何らかの事態で業務に直ちに戻る必要がある場合は、労働から解放されているとはいえません。

そのような時間は、使用者の指揮監督下に置かれていると評価できるとして、休憩時間ではなく労働時間にカウントされる場合があります。

(5)未払い残業代がある場合どうすれば?

支払われるべき残業代が未払いの場合、会社に請求することが可能です。
しかし、会社との交渉に不安がある場合や、裁量労働制などの関係で残業代が出ないと思い込み、残業代請求を諦めるケースがあります。

しかし、未払い残業代の問題は、弁護士に相談することによって、適正な残業代の算出、会社との交渉を代行してもらうことができます。
諦めていた未払い残業代を、弁護士に依頼したことで解決した事例も多いため、まずは相談してみましょう。

なお、アディーレ法律事務所のウェブサイトには「残業代メーター」という請求可能な残業代を簡単に計算できるページがあります。

ただし、簡易的に計算するものであるため、実際の請求額とは異なることがあります。

【まとめ】22時以降の残業代は深夜割増賃金で計算されます

今回の記事のまとめは以下のとおりです。

  • 22時以降の労働は深夜労働と深夜残業があり、深夜残業は深夜労働の割増率がさらに上積みされて50%以上となります。
  • 残業代の計算は基礎時給を算出し、残業時間と該当する割増率を乗じることで求められます。
  • 固定残業代制の場合でも、想定される時間外労働の時間を超えた場合や。深夜労働や休日労働の場合には、別途残業代(割増賃金)を請求できます。
  • ただし、36協定の締結及び労働基準監督署の届出をしないと深夜残業は違法となるため、締結しているか確認することが重要です。

未払い残業代の請求を考えている方はアディーレ法律事務所へご相談ください。

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