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自分の残業代はいくら?「支払われるべき残業代」を具体例で解説

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kiriu_sakura

「自分が支払われるべき残業代が具体的にいくらなのか分からない」

実は、残業代の計算方法は、法律などにより決まっています。

残業代は、「基礎時給×残業時間×割増率」という式によって算出することができます。

このことを知っていると、自分に支払われるべき残業代がいくらなのかを計算することができます。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」の3種類に対する残業代
  • 勤務体系ごとの残業代の計算方法
  • 未払い残業代の請求方法
  • 未払い残業代請求を弁護士に相談・依頼するメリット
この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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残業代には「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」の3種類に対するものがある

いわゆる残業代とは、次の3つの労働に対する割増賃金のことを言います。

  • 時間外労働
  • 休日労働
  • 深夜労働

会社は、「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」に対して、適切な割増賃金を支払う義務があります(労働基準法37条)。
これらについてご説明します。

(1)時間外労働

労働時間には、上限があります。
労働基準法32条により、労働時間の上限は原則1日8時間・1週40時間とされています。
この労働時間の上限のことを「法定労働時間」と言います。
そして、この「法定労働時間」を超える労働が「時間外労働」です。

法定労働時間に対して、「所定労働時間」というものがあります。
「所定労働時間」とは、就業規則や個別の労働契約によって定められた労働するべき時間のことです。そのため、所定労働時間が何時間かは、会社や個々人によって異なります。

所定労働時間を超えて労働した場合、会社は会社のルールに従った残業代を支払わなければなりません。
これに対して、法定労働時間を超えて労働した場合、会社は法令によって定められた割増率による割増賃金を支払う義務があります(労働基準法37条1項)。

(2)休日労働

「法定休日」における労働のことを「休日労働」と言います。
この休日労働をした場合、会社は労働者に法令によって定められた割増率による割増賃金を支払う義務があります(労働基準法37条1項)。

「法定休日」とは、毎週少なくとも1日または4週につき4日以上の休日のことを言います(労働基準法35条)。
これは、法律によって与えなければならないとされた休日であり、「所定休日」とは異なります。
「所定休日」とは、会社が就業規則や個別の労働契約によって定めた休日のことです。
所定休日に労働をした場合には、会社のルールに従った残業代が支払われることとなります。

(3)深夜労働

「深夜労働」に対しては、会社は法令で定められた割増率による割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法37条4項)。

「深夜労働」とは、原則22時~5時の時間帯に労働をすることです。

(4)「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」の割増率

法律で定められた割増率は、次の表のとおりです。

割り増しの理由割増率
時間外労働(月60時間以下)25%以上
時間外労働(月60時間超)50%以上
休日労働(=法定休日に労働した場合)35%以上
深夜労働(=原則22~5時までの時間帯に労働した場合)25%以上
時間外労働(月60時間以下)+深夜労働50%以上
時間外労働(月60時間超)+深夜労働75%以上
休日労働+深夜労働60%以上

※時間外労働(月60時間超)の場合の割増率について、2023年4月1日より前までは中小企業への適用が猶予されています。
2023年4月1日からは、中小企業にも適用されます。
※各条件が重複する場合は、各割増率を足した率で計算されます。
例えば、時間外労働(月60時間以下)かつ深夜労働の部分には、25%+25%=50%の割増率が適用されます。

割増賃金の割増率について、詳しくは次のページをご覧ください。

「割増賃金率」とは?2023年4月からの引き上げも併せて解説

自分に支払われるべき残業代はいくら?勤務体系ごとに計算方法を解説

自分に支払われるべき残業代がいくらなのかは、気になるところですよね。
次の各種の勤務体系ごとに、残業代の計算方法をご説明いたします。

  • 月給制
  • 年俸制
  • フレックスタイム制
  • 裁量労働制

(1)月給制

月給制において、残業代は次の式で計算します。

残業代=1時間当たりの基礎賃金×残業時間×割増率

割増率についてはすでにご説明したとおりです。
この式に含まれる「1時間当たりの基礎賃金」についてご説明します。

「1時間当たりの基礎賃金」とは、残業を1時間するのにつき、いくらもらえるのかという残業代計算の基礎となる金額のことです。
1時間当たりの基礎賃金は、「基礎賃金」の額を1時間当たりに引き直して算出します。

「基礎賃金」は、普段もらっている給与(基本給)の額そのままではありません。
基本給に諸手当を合計したうえで、一部の手当や残業に対して支払われたお金などを差し引いて基礎賃金を計算することになります。

基礎賃金の額=基本給+諸手当-一定の除外手当・残業に対するお金

基礎賃金の額の計算上、差し引かれる手当(除外手当)は次のとおりです。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

基礎賃金の額を算出したら、次は1時間当たりの基礎賃金の額を計算します。
月給制の場合、1時間当たりの基礎賃金は、次の式によって計算できます。

1時間当たりの基礎賃金=基礎賃金の額÷月平均所定労働時間

月によって暦日数や土日祝日の数が異なることから、1ヶ月の所定労働時間は毎月異なります。
このため、月平均所定労働時間は、1年間の所定労働時間から求めます。

月平均所定労働時間=1年間の所定労働時間÷12ヶ月

具体例がないとなかなか自分が支払われるべき残業代がいくらなのかイメージしづらいですよね。
月給制の場合の残業代計算の具体例は次のとおりです。

〈具体例〉
次のような条件だとします。

  • 基礎賃金の額:18万円
  • 1年間の所定労働時間:1920時間
  • 月の残業時間:40時間
  • 割増率25%

1時間当たりの基礎賃金は次のようになります。

  • 月平均所定労働時間=1920時間÷12ヶ月=160時間
  • 1時間当たりの基礎賃金=18万円÷160時間=1125円

したがって、月の残業代は次の額となります。
月の残業代=1125円×40時間×1.25=5万6250円

なお、アディーレ法律事務所のウェブサイトには、未払い残業代を簡易的に計算できる「残業代メーター」があります。
こちらも試してみてください。
※簡易的な計算をするものであるため、実際に請求できる額とは異なることがあります。

(2)年俸制

年俸制の場合でも、残業代は次の式で計算します。

残業代=1時間当たりの基礎賃金×残業時間×割増率

また、1時間当たりの基礎賃金は、次の式で算出することができます。

1時間当たりの基礎賃金=年俸額÷年間所定労働時間

残業代計算の具体例は次のとおりです。

〈具体例〉
次のような条件だとします。

  • 年俸額:500万円
  • 年間所定労働時間:1920時間
  • 月の残業時間:20時間
  • 割増率:25%

1時間当たりの基礎賃金は次のとおりとなります。
1時間当たりの基礎賃金=500万円÷1920時間≒2604円

したがって、月の残業代は次の額となります。
月の残業代=2604円×20時間×1.25=6万5100円

年俸制の残業代の計算方法について、詳しくは次のページをご覧ください。

年俸制だと残業代がもらえない?計算例と請求方法について解説

(3)フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、一定の期間(清算期間)における総労働時間を定めて、その総労働時間に応じて労働者が日々の労働時間を自ら決定して働くことができる制度のことです。
フレックスタイム制では、始業時刻・終業時刻や労働時間の長さがあらかじめ決められていません。
労働者は、基本的には自分の好きな時刻に仕事を始め、自分の好きな時刻に仕事を終了することができるのです。

※会社がフレキシブルタイム(選択して労働することのできる時間帯)及びコアタイム(1日うちで必ず労働しなければならない時間帯)を定めていることが通常ですので、労働者は、その範囲で自分の好きな時刻に仕事を始め、仕事を終了することになります。

終業時刻が決まっていないということは、残業という概念がなく、残業代は発生しないということになるのですか?

いいえ、フレックスタイム制の下でも残業となることがあり、残業代が発生することがあります。
「フレックスタイム制だから残業代は出ない」と誤って考えてしまわないようにしましょう。

フレックスタイム制においても、法定労働時間を超えれば残業代として割増賃金が発生しますが、その計算は次の式によります。

1時間当たりの基礎賃金×残業時間×割増率

フレックスタイム制の下において、残業とは、清算期間における総労働時間を超えて労働することを言います。
そして、フレックスタイム制において会社が定める総労働時間は、清算期間内の週平均労働時間が40時間を超えない範囲内で決めなければならないとされています。
このことから、総労働時間は、次の式によって求められる時間以下でなければなりません。

総労働時間の上限=清算期間の暦日数÷7日×40時間

例えば、次の場合を考えてみましょう。

  • 清算期間:1ヶ月
  • 暦日数:30日

この場合、法律によって定められている月の労働時間の上限(法定労働時間)は、次の式のとおりとなります。

月の労働時間の上限=30日÷7日×40時間≒171.4時間

仮にこの月に190時間働いたとすると、次の時間が時間外労働の残業時間だということになります。

月の残業時間=190時間-171.4時間=18.6時間

したがって、このような場合に1時間当たりの基礎賃金が1600円だったとすれば、時間外労働の残業代は次のとおりとなります。

1600円×18.6時間×1.25=3万7200円

このほか、清算期間が1ヶ月超3ヶ月以内の場合には、残業時間の計算が複雑になります。

清算期間が1ヶ月超3ヶ月以内の場合も含めたフレックスタイム制の残業時間の計算方法について、詳しくは次のページをご覧ください。

【フレックス】残業代の計算方法とは?清算期間と総労働時間の注意点

フレックスタイム制での残業の考え方や残業代の計算方法について、詳しくは次のページもご覧ください。

フレックスタイム制での残業の考え方・残業代の計算方法

(4)裁量労働制

裁量労働制とは、具体的にいつどれだけ働くのかについては労働者の裁量に委ねられており、労働者が働いた時間にかかわらず、あらかじめ定められた一定の時間だけ働いたものとみなす働き方です。
実際に働いた時間にかかわらず、働いたとみなされた時間分の給与が支給されることになります。

裁量労働制では一定の時間だけ働いたとみなされることから、働いたとみなされる労働時間(みなし労働時間)が法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えている場合に限って、法定労働時間を超えた部分が残業とみなされます。
そのうえで、それに対応する残業代が支払われることになります。

また、裁量労働制であっても休日労働や深夜労働に対する残業代は発生するため、休日労働や深夜労働が行われた場合には、これらに対して残業代が支払われることとなります。

〈具体例〉
みなし労働時間:9時間
ある一日に実際に働いた時間:11時間

この場合、法定労働時間である1日8時間を超えた部分が残業となります。
そして、裁量労働制では実際に働いた時間にかかわらず、みなし労働時間の分だけ働いたとみなされることから、この日の残業時間は次のとおりとなります。

残業時間=9時間(みなし労働時間)-8時間(法定労働時間)=1時間

1時間当たりの基礎賃金が2000円の場合には、この日の残業1時間に対する残業代の額は次のとおりとなります。
2000円×1時間×1.25=2500円

実際に働いた時間である11時間という数字を使うのではないということに注意しましょう。

裁量労働制における残業代の計算方法と請求方法について、詳しくは次のページもご覧ください。

裁量労働制でも残業代はもらえる?未払い残業代の計算方法と請求方法

未払い残業代がありそうな場合には会社に対して請求しよう

以上のような方法で算出した残業代と、実際に自分に支払われている残業代の額との間に差が生じてはいないでしょうか。
差が生じている場合には、残業代が正しく支払われていない可能性があります。

正しく支払われていない未払い残業代は、会社に対して請求することができます。
未払い残業代請求というと、どうしてもためらってしまうかもしれません。
ですが、せっかく残業したのに残業代を請求しないのはもったいないことですよね。
また、実際に残業をしたのですから、残業代請求をするのは何もおかしなことではありません。

未払い残業代の請求方法などについてご説明します。

(1)未払い残業代の請求方法

未払い残業代請求の流れは、次のとおりです。

残業代の証拠を集める

未払いとなっている残業代を計算する

会社に内容証明郵便で請求する

会社と交渉して未払い残業代を支払ってもらう

また、会社と交渉しても納得できる額の未払い残業代を支払ってもらうことができなかった場合には、労働審判や訴訟という裁判手続きを取ることもできます。

残業代を請求する詳しい手順については、次のページをご覧ください。

(2)未払い残業代請求は弁護士に相談・依頼するのも一つの選択肢

未払い残業代請求は、残業代請求に詳しい弁護士に相談・依頼するのも一つの選択肢です。

このメリットとしては、次のものがあります。

  • 弁護士が、あなたに支払われるべき残業代の額が本当はいくらなのか、複雑な残業代計算を代わりに正確に行ってくれる。
  • 弁護士があなたに代わって会社との間で交渉を行ってくれるため、あなたが会社と直接やり取りをすることに伴うストレスが軽減される。
  • 仮に労働審判や訴訟といった裁判手続きに進んだとしても、弁護士が労働審判の場ではあなたと一緒に裁判所に出頭してあなたをサポートしてくれる。また、訴訟の場では一定の場面を除いて、あなたに代わって弁護士が裁判所に出頭して手続きを進めてくれる。

弁護士に依頼して解決した事例をご紹介します。

【まとめ】残業代は「基礎時給×残業時間×割増率」という式で算出

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 2021年10月の一定の範囲の労働者の平均的な月間の残業時間は13.4時間、平均的な月間の残業代は2万5199円。
  • 残業代には、「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」の3種類に対するものがある。
    これらに対しては、法定の割増率(時間外労働・深夜労働で25%以上、休日労働で35%以上)で割り増した残業代を支払わなければならない。
  • 月給制を始めとして各種の勤務体系では、残業代は「1時間当たりの基礎賃金×残業時間×割増率」の式で計算する。
  • 未払い残業代がありそうな場合には会社に対して請求すると良い。
  • 未払い残業代の請求の流れは、「残業代の証拠を集める→未払い残業代を計算する→会社に内容証明郵便で請求する→会社と交渉して未払い残業代を支払ってもらう」という流れ。
    会社と交渉しても納得できる額の未払い残業代を支払ってもらえない場合には、労働審判や訴訟という裁判手続きを取ることもできる。
  • 未払い残業代請求は残業代請求に詳しい弁護士に相談・依頼するのも一つの選択肢。
    弁護士に相談・依頼するメリットとしては、弁護士があなたの代わりに複雑な残業代計算を正確に行ってくれることや、弁護士があなたの代わりに会社と交渉をすることでストレスが軽減されることなどがある。

残業をした以上は、しっかりと残業代を支払ってもらいたいものですよね。
ですが、「自分の場合には支払われるべき残業代が具体的にいくらなのか分からない」ということも珍しくありません。
残業代の計算は、ルールが複雑でとても難しいものです。
そんな複雑で難しい残業代計算をあなたの代わりに行い、そして未払い残業代請求をあなたの代わりに行ってくれる弁護士がいます。

アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
そして、原則として、この報酬は獲得した残業代からのお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
※以上につき、2022年8月時点

残業代請求でお悩みの方は、残業代請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

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