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慰謝料の受け取り方で税金がかかるケースがある!税計算の方法についても解説

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離婚の際に、夫婦間で慰謝料、財産分与、養育費について金銭的な給付の約束がなされることがあります。
金銭や財産を受け取った場合、相手や自分に税金がかかるのかどうか心配になりますね。
そこで今回は、特に慰謝料を受け取った場合の課税関係や、税額の計算方法について解説します。

慰謝料に税金はかかる?

慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償として支払われる金銭であり、加害者から受けた損害を填補するもの、すなわち、マイナスをプラスマイナスゼロに戻すものであって、利益をもたらすものではありません。
したがって、離婚の際の慰謝料が金銭的給付でなされたのであれば、社会的に見て相当な範囲である限り非課税所得とされています(所得税法9条・所得税法施行令30条)。
つまり、お金で慰謝料を受け取っても、原則として当事者双方に贈与税や所得税はかかりません。

養育費の受け取りも、通常子どもの扶養に必要と認められる範囲内のものであれば、贈与税はかかりません(所得税法9条1項15号、相続税法21条の3第1項2号)。
通常、養育費は例えば「月5万円」などと合意して毎月支払われますが、将来分の養育費が一括して支払われる場合があります。
一括払いの養育費は税務上贈与とみられる可能性が高いと考えられていますので、贈与税の課税対象となるおそれがあります。

財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して形成した共有財産の清算が主目的であり、分与を受けたからといって利益を得るものではないので、原則として、受け取ったのがお金でも不動産等の資産でも、贈与ではなく贈与税はかかりません(不動産の名義変更時に登録免許税などの諸費用は必要となります)。
ただし、財産分与として取得した額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当とみられる場合は、過当な部分について贈与税の対象となります(相続税法基本通達9-8)。
一方で、不動産等の資産を財産分与で譲渡した場合には、贈与税の対象とはなりませんが、譲渡所得税の対象となりますので、分与した側に譲渡所得が生じれば課税対象となります。

慰謝料と養育費は、多くの場合金銭で支払われますが、財産分与では、不動産等の資産が分与されることも少なくありありません。
「何で支払われるか」でかかってくる税金の種類が異なりますので、注意が必要です。

例外的に慰謝料に税金がかかるケースとは

慰謝料を受け取っても、原則として、金銭給付で、かつ社会的に相当な範囲であれば、当事者双方に税金はかかりません。
しかし、例外的に、社会通念上慰謝料額としては高額過ぎる場合、不動産を譲渡する場合、偽装離婚の場合、慰謝料であることを証明できない場合などでは、税金がかかるおそれがあります。

(1)社会通念上高額過ぎる場合

離婚の際に、慰謝料が支払われる原因の多くは、夫婦の一方の不貞行為です。
不貞行為による慰謝料の裁判上の相場は、離婚に至った場合で100万~300万円と言われています。
したがって、300万円程度の慰謝料の金銭的給付であれば、社会通念上妥当と判断できる場合が多いでしょう。
婚姻期間が長期間(概ね15年以上)にわたり、不貞行為の内容も悪質であるなどの事情がある場合には、300万円を超えることもありますが、特段の事情がない限り1000万円を超えることは極めて稀です。

(2)不動産を譲渡する場合

数としては少ないと思われますが、不動産を慰謝料として譲渡することを検討している場合には、税金の面で注意が必要です。

(2-1)慰謝料を支払う側にかかる税金

慰謝料を支払う側(不動産を譲渡する側)には、不動産の取得に要した金額よりも慰謝料として譲渡する時の不動産の時価が高い場合には、譲渡する側に所得があったものとして、譲渡所得税がかかる可能性があります。
不動産以外の株式やその他の資産の場合にも、同様に譲渡所得税がかかる可能性があります。

(2-2)慰謝料を受け取る側にかかる税金

一方、慰謝料を受け取る側(不動産を譲り受ける側)は、不動産の時価相当額が、社会通念上慰謝料としては高額過ぎる場合には、過分な分については贈与税がかかる可能性があります。
また、不動産の時価相当額が社会通念上慰謝料額として相当だとしても、不動産を取得すると、原則として不動産取得税と登録免許税がかかります。また、取得後は毎年固定資産税がかかります。

(3)偽装離婚の場合

離婚の際の財産分与や慰謝料、養育費の支払いは、金銭的給付であれば、基本的に双方に税金はかかりません。
しかし、婚姻中の夫婦間の多額の金銭的給付は、基本的に贈与とされますので、贈与税などの税金がかかりますし、一方が死亡した場合に相続が発生した場合には、相続税がかかります。
そこで、税金の支払いを免れたり、財産を隠したりするために、偽装離婚をする夫婦がいます。
偽装離婚と判断された場合には、離婚の際の慰謝料という実態は存在しないため、贈与税などを課税されることになります。

(4)慰謝料であることを証明できない場合

口約束で慰謝料を取り決め、慰謝料を受け取った場合に、税務当局から贈与を疑われる可能性があります。
税務当局が調査する際、金銭的給付が慰謝料であることを証明する文書がなければ、贈与と判断されて贈与税が課税されるおそれがあります。
離婚の際に慰謝料を受け取る際には、必ず「離婚協議書」という合意書面を作成しておくようにしましょう。
離婚協議書について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

離婚協議書とは?作成するうえで知っておきたいポイントや疑問点を解説

慰謝料で不動産が譲渡された場合にかかる税金の計算方法

慰謝料を金銭で受け取る場合は、社会的に過大な額とされない限り、当事者双方に税金はかかりませんが、不動産が譲渡された場合には、当事者双方に税金がかかります。
慰謝料で不動産が譲渡された場合にかかる税金の計算方法について、説明します。

しかしながら、税金については、税率が頻繁に改正されたり、時期や条件によって控除や特例、軽減措置が利用できたりするケースもありますので、詳しい金額が知りたい場合には、税理士などの専門家に相談するようにしてください。

(1)不動産を受け取る側にかかる税金

不動産を慰謝料として受け取る側には、不動産取得税と登録免許税がかかります。

不動産取得税

不動産取得税とは、売買・贈与・建築などで不動産を取得したときに、取得者に都道府県が課税する地方税です。有償・無償の取得にかかわらず課税されます。

不動産取得税の計算式は、次の通りです。

不動産取得税=課税標準額(※1)×税率(※2)

※1 課税標準額は、固定資産評価額です。2021年3月31日までに宅地等を取得した場合、当該土地の課税標準額は、評価額の2分の1となります。
※2 2008年4月1日から、2021年3月31日までの税率は次の通りです。
・土地、家屋(住宅):3%
・家屋(非住宅):4%

参考:不動産取得税|東京都主税局

(2)登録免許税

登録免許税とは、不動産の所有権の移転登記をする際などにかかる税金です。
売買を理由として不動産が譲渡される場合には、基本的に買主が支払うことが多いです。
財産分与として不動産が譲渡される場合は、話し合いによりどちらか一方が負担したり、共同で納付することが多いようです。

登録免許税の計算式は、次の通りです。

登録免許税=課税標準額(※1)×税率(※2)

※1 課税標準額は、固定資産評価額です。
※2 所有権移転登記だと、原則2%

参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

(3)不動産を譲渡した側にかかる税金

不動産を譲渡した側には、不動産の譲渡所得税がかかります。これは、不動産を売った際に、発生した所得に対してかかる税金です。
この譲渡所得税は高額になる場合もありますので、基本的に慰謝料は現金で支払うべきだと考えられますが、どうしても不動産を譲渡する場合には、事前にかかる税金について調べておくようにしましょう。
譲渡所得税は、短期譲渡(所有期間5年以下)と長期譲渡(所有期間5年超)で税率が異なります。

課税譲渡所得の計算式は、次の通りです。

譲渡所得税=課税譲渡所得(※1)×譲渡所得税の税率(※2)

※1 課税譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)
※2 短期所得税の税率=39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

長期所得税の税率=20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

例えば、譲渡所得が1000万円で、長期譲渡の場合にかかる譲渡所得税は、1000万円×20.315%=203万1500円になります。

参考:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁

税金がかからない慰謝料の受け取り方とは

特に不動産を慰謝料として受け取る場合には、双方に高額の税金がかかるおそれがありますので、税金について調べたうえで行うか、避けて金銭給付とする方が無難です。
金銭で受け取る場合にも、社会的に妥当な範囲で受け取るようにしましょう。
また、慰謝料の話し合いの際には、慰謝料の金額や支払い条件、支払い方法について記載した書面を作成し、双方署名押印して証拠を残すようにしましょう。

慰謝料を請求できるケースとは

配偶者が、不貞行為を行った場合には、配偶者及び不貞相手に対して、不法行為に基づく損害賠償として、慰謝料を請求できる可能性があります。
不貞行為を原因とする慰謝料は、離婚してもしなくても請求することができますが、離婚した方が相場は高くなります。
また、配偶者から身体的DVや精神的DVを受けた場合などにも、不法行為として、慰謝料を請求できる可能性があります。

【まとめ】慰謝料の税金についてご心配な方は専門家に相談を

慰謝料を金銭的給付で受け取る場合には、社会的に相当な額であれば、双方に税金はかかりません。
しかしながら、不動産などの資産を慰謝料として受け取る場合には、双方に税金がかかる可能性があります。
したがって、慰謝料は、話し合いによりなるべくお金で受領できるようにした方がよいでしょう。
やむを得ず不動産などの資産で受け取る場合には、事前に税理士に税額を相談するようにしましょう。
慰謝料請求の交渉や離婚の話し合いがうまくいかないときには、弁護士に相談してアドバイスを受けるか、又は弁護士に依頼して交渉を任せることをお勧めします。

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