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6つの数字を計算シートに書けば、簡易に配偶者居住権の評価ができる

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【相談例】
一戸建ての建物に、被相続人の妻(70歳)が亡くなるまで配偶者居住権をつけて、遺産分割をしたいです。
この建物は、築20年、木造、固定資産評価額は建物が500万円、敷地が2000万円です。
配偶者居住権の評価はいくらになりますか(2020年時点)。

配偶者居住権の評価がいくらになるかによって、配偶者が預金などをいくら取得できるのか変わってきます。
そのため、遺産分割をするにあたって、配偶者居住権の評価は重要です。

配偶者居住権の評価の仕方には、様々なものがありますが、今回は、簡易に計算する方法を、わかりやすく、ご説明します。

相談例では配偶者居住権の評価はいくらになるでしょうか。
数字を記入すれば計算できる、計算シートをご用意しましたので、使ってみてください。

計算式

まずは、配偶者居住権の評価の簡易な計算式をご紹介します。
難しい言葉がでてきますが、計算シートで、用語の解説をいたします(計算シートからいきなり読み始めていただいても結構です)。

(1)配偶者居住権の評価の計算式

遺産分割により取得する際の、配偶者居住権の簡易な計算方法は次のとおりです。

(2)(ア)配偶者居住権が付いた建物所有権の価格の計算方法

※計算結果がマイナスになる場合は0円となります。

(3)配偶者居住権が付いた敷地の価格の計算方法

計算シート

(1)書き出そう6つの数字

次の6の数字を□に書き出して、(2)「6つの数字を式へあてはめて完成」の□に入れてしまえば、計算できます。

なお、以下の書類がお手元にあると、正確に記入しやすいです(後ほど説明します)。

  • 建物の固定資産税評価証明書、又は納税通知書
  • 固定資産税評価証明書、又は納税通知書
  • 建物の登記簿謄本

建物の固定資産税評価額
 

固定資産税の納税通知書に、「価格」や「固定資産税評価額」として固定資産税評価額が記載されていることがありますので、その数字を記入しましょう(「課税標準額」ではないので注意しましょう)。

納税通知書に固定資産評価額の記載がない場合は、不動産の所在地管轄する市区町村で、固定資産税評価証明書を交付してもらえますので、これに記載されている固定資産税評価額を記入しましょう。

例えば、23区内の不動産の固定資産評価証明書の取得の仕方は、次のサイトを参考にするとよいでしょう。

参考:証明書が必要なとき|東京都主税局

敷地の固定資産税評価額又は時価
 

建物の法定耐用年数
 

法定耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年3月31日大蔵省令第15号)」別表1に記載されていますので、この数字を記入しましょう。

参考:昭和四十年大蔵省令第十五号 減価償却資産の耐用年数等に関する省令|e-gov法令検索
 
例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造りの住宅の耐用年数は47年、木造の住宅の耐用年数は22年です。

用途(例:住宅)や構造(例:木造)がわからない場合は、建物所在地を管轄する法務局で建物の不動産登記簿謄本を取得しましょう。「種類」と「構造」という欄に記載されています。
不動産登記簿謄本の取得の仕方は次のサイトを参考にするとよいでしょう。

参考:各種証明書請求手続|法務局

建物の経過年数(築何年か)
 

登記簿謄本の「原因及び日付」の欄に、新築の日付が記載されていることがあります。

配偶者居住権の存続年数
 

配偶者居住権の存続期間を決めることができます。
この期間を定めない場合は、終身となります(民法1030条本文)。

終身とした場合の存続期間は、次の厚生労働省のサイトに記載されている、「簡易生命表」の内、(配偶者の)「平均余命」の値を記載します。

参考:結果の概要|厚生労働省

例えば、「平成30年簡易生命表(女)」では、70歳女性の平均余命は、20.10≒20年となります。
この20年を5の□に記入してください。

民法所定の法定利率による複利現価率
 

nを配偶者居住権の存続年数として

で計算できます。
民法404条(2020年4月1日施行)によれば、法定利率は3%であり、その後3年毎に見直しされます。

法定利率3%の場合ですと、上の式の「法定利率」のところには0.03を入れます。
法定利率3%の場合の複利現価率の50年分の計算結果は、こちらに記載していますので、ご参照ください。
例えば、20年ですと、0.554(小数第四位以下四捨五入)となります。

(2)6つの数字を式へあてはめて完成

先ほど書き出した1~6の数字を次の式の□に入れて、完成させましょう。

相談事例の場合

冒頭の相談事例の場合、以下の通り、配偶者居住権の評価は1392万円となります。

配偶者居住権の評価

いかがでしたか?相続人全員が、この簡易な配偶者居住権の評価の仕方では合意しないという場合には、弁護士に相談しましょう。