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みなし残業制度の基礎知識|代休取得との関係も弁護士が解説

作成日:更新日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

みなし残業制度のもとで働き、「休日労働や深夜労働をした場合の残業代は出るのか?」「代休を取得した場合の給料はどうなるのか?」など不安になったことはありませんか?

会社での残業時間や休日出勤に対する正しい理解がなければ、あなたに不利益をもたらす可能性があります。

本記事では、みなし残業制度の基本から、代休と振替休日の違いなどをくわしく解説します。あなたの労働条件が適正であるかを確認し、より良い働き方を実現するための知識を身につけましょう。

この記事を読んでわかること

  • みなし残業とは
  • 代休と振替休日の違いとは
  • 休日労働や深夜労働をした場合の給与とは
  • みなし残業と代休取得の関係とは

ここを押さえればOK!

みなし残業には「固定残業代制」と「みなし労働時間制」の2種類があり、それぞれ異なる特徴と給与計算の方法が存在します。固定残業代制では、あらかじめ一定時間の残業を行ったものとみなして賃金を支払う制度です。一定時間を超えた残業(超過分)には割増賃金が適用されます。一方、みなし労働時間制では、事前に定めた労働時間だけ働いたものとみなされるため、割増賃金が追加発生することは基本的にありません。

代休と振替休日の違いも重要です。代休は法定休日に労働した代わりに取得する休暇で、休日労働に対する割増賃金が発生します。振替休日は、あらかじめ休日を別の日に移すもので、休日労働に対する割増賃金は発生しません。

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この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

みなし残業とは?

いわゆる「みなし残業」には、「固定残業代制におけるみなし残業」と「みなし労働時間制におけるみなし残業」の2種類があります。

ここで注意すべきなのは、「固定残業代制におけるみなし残業」と「みなし労働時間制におけるみなし残業」はまったく別のものだということです。

(1)固定残業制におけるみなし残業とは

固定残業制におけるみなし残業とは、あらかじめ一定時間の残業を行ったものとみなして賃金を支払う制度です。固定残業代制の下では、実際に残業したか否かにかかわらず、想定された残業時間に対応する一定の固定残業代が支給されます。

そのため、想定された残業時間に実際の残業時間が満たない場合でも、一定の固定残業代が支払われることになります。

一方、想定されていた残業時間を超えて労働をした場合には、会社は労働者に対して割増賃金を支払わなければなりません。

(2)みなし労働時間制におけるみなし残業とは

みなし労働時間制とは、実際の労働時間数とは関係なく、あらかじめ労使間で取り決めた労働時間数の分だけ働いたものとみなされ、それに相当する賃金が支払われる制度のことです。

みなし労働時間が法定労働時間(原則として1日8時間以内・週40時間以内)を超過している場合は、所定の割増率に基づく割増賃金を加算した超過時間分の残業代があらかじめ賃金に含まれています。

みなし労働時間制には「事業場外みなし労働時間制」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の3種類があります。

  • 事業場外みなし労働時間制(労働基準法38条の2)
    労働者が、労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いとき
  • 専門業務型裁量労働制(労働基準法38条の3)
    業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要がある業務(厚生労働省令で定めた19業務)に従事したとき
  • 企画業務型裁量労働制(労働基準法38条の4)
    事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に遂行するために、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者に委ねる業務に従事するとき

(3)固定残業制とみなし労働時間制におけるみなし残業の違いとは

固定残業制とみなし労働時間制におけるみなし残業の違いをまとめると、つぎのようになります。

固定残業制みなし労働時間制
「みなし」の対象残業時間のみが「みなし」の対象労働時間全体が「みなし」の対象
割増賃金発生の有無みなし時間を超えたときには、みなし時間を超えた分について割増賃金が発生します。一定の労働時間だけ働いたものとみなされるため、割増賃金が追加発生することは基本的にありません(ただし、休日労働・深夜労働については発生します)。

代休と振替休日の違いとは?

次に、代休と振替休日の違いについて説明します。

(1)代休とは

代休とは、法定休日に労働を行った代わりに別の日に休暇を取得する制度です。

労働基準法35条では、使用者は労働者に対して、休日を「週に1日以上」または「4週間に4日以上」与える必要があると規定されています。
この休日のことを「法定休日」と呼んでいます。

例えば、土日を休みとしている会社であれば、日曜日を法定休日としていることが一般的です。この場合、日曜日に8時間働いたとすると、その代償として平日に1日休むことができます。

ただ、代休の場合は、前もって休日を振り替えたことにはならないため、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。休日労働をした場合の割増分は35%です。

(2)振替休日とは

振替休日とは、あらかじめ定められた休日を労働日とし、その代わり他の労働日を休日に振り替える制度です。

予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。そのため、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」にはなりません。つまり、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。

休日労働や代休取得をした場合の給与は?

ここでは、休日労働や深夜労働、代休取得した場合の賃金について説明します。

(1)休日労働の割増賃金は払われる?

労働者が法定休日に出勤すれば、会社は休日出勤分の割増賃金を支払わなければなりません。

  • 休日労働:法定休日に労働した場合、35%以上の割増賃金が適用されます。
  • 深夜労働:午後10時から午前5時までの労働には25%以上の割増賃金が適用されます。

例えば、会社が週休2日制を採用し、日曜日を法定休日と定めている場合に日曜出勤をしたとします。この場合、基礎賃金(各種手当を除いた賃金)より35%以上増しの割増賃金を払う必要があります。

(2)代休取得をすると給与控除される?

代休を取得するのに、みなし残業制度をとっているかどうかは関係ありません。
会社に代休取得の制度があれば、みなし残業制度をとっていても代休取得をすることができます。

会社に代休取得の制度がない場合でも会社の裁量次第で、代休を取得することができます。

みなし残業代制は「実際の残業時間がみなし残業時間以下だったとしても決まった残業代が支払われる」という制度です。代休を取得したからというだけで、みなし残業代は減額されません。

もっとも、みなし残業代とは別に払われる休日労働に対する割増賃金がある場合、代休とした勤務日は働いておらず、その日の賃金は発生しませんので、その分が控除されます。

例えば、法定休日に休日出勤し8時間働き、平日(勤務日)に代休を取得した場合を考えてみましょう(1時間当たりの基礎賃金が2000円、1日8時間労働)。

この場合、法定休日に法定休日に休日出勤し8時間働いた場合の賃金は2万16000円です。
法定休日に休日出勤し8時間働いた場合の賃金=2000円×1.35×8時間=2万1600円

そして、代休を取得した1日分の賃金は1万6000円です。
代休を取得した1日分の賃金=2000円×8時間=1万6000円

実際に支払われる賃金は法定休日に働いた賃金から代休1日分の賃金を差し引いた5600円となります。
2万1600円―1万6000円=5600円

なお、代休を「有休」として扱うと就業規則で定められている場合には、代休を取得したとしても代休に対する賃金が減らされるということはありません。

【まとめ】みなし残業には2種類ある!代休取得も可能

みなし残業制度の下でも、休日労働や深夜労働には割増賃金が支払われるべきであり、代休を取得することも可能です。重要なのは、労働契約書や就業規則を確認し、自分の労働条件が適正であるかを把握することです。

特に残業代がきちんと不安がある場合には、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?

アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。

そして、原則として、この報酬は獲得した金銭(例:残業代、示談金)からお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配なくご依頼いただけます(以上につき2024年11月時点)。

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この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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