運転免許を取得したばかりの初心者ドライバーにとって、初心者マーク(若葉マーク)の表示は避けて通れないステップです。
しかし、初めての運転で、表示義務の期間や正しい表示位置、表示しなかった場合の罰則など、疑問が多いのも事実です。
本記事では、初心者マークに関する基本的なルールから、罰則、よくある質問まで、わかりやすく解説します。
初心者ドライバーとしての心構えも含めて、安心して運転を楽しむための情報をお届けします。
この記事を読んでわかること
- 初心者マークとは
- 初心者マークの表示義務がある期間
- 初心者マークの正しい表示位置
- 初心者マークの種類
ここを押さえればOK!
初心者マークの表示義務は、準中型自動車免許または普通自動車免許を取得してから1年間です。免許停止期間がある場合は、その期間を除いて1年間表示する義務があります。表示位置は車の前後両方に、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置に表示し、フロントガラスやヘッドライトに貼り付けることはできません。
表示義務のある期間に初心者マークを表示しないことは道路交通法違反となり、反則金は準中型自動車免許の場合は6000円、普通車の場合は4000円、違反点数は1点です。免許取得から1年経過後も初心者マークを表示することは可能で、法律上の表示義務はなくても、引き続き表示することで他のドライバーからの配慮を受けやすくなります。
東京大学法学部卒。アディーレ法律事務所では北千住支店の支店長として、交通事故、債務整理など、累計数千件の法律相談を対応した後、2024年より交通部門の統括者。法律を文字通りに使いこなすだけでなく、お客様ひとりひとりにベストな方法を提示することがモットー。第一東京弁護士会所属。
初心者マークとは
初心者マークは、若葉マークと言われることもありますが、正式には「初心運転者標識」と言います。
このマークは、他のドライバーに対して初心者であることを知らせ、配慮を促すためのものです。
初心者マークのサイズや形状、色は道路交通法施行規則で細かく指定されています。
全てのドライバーには、初心者マークを表示している車を保護する義務があります。具体的には、危険防止のためやむを得ない場合を除き、幅寄せや車間距離が取れないような進路変更をしてはいけません。
初心者マークは、初心者ドライバーが安全に運転するために周囲に配慮を求めることで、交通安全の環境を整えるための重要な役割を果たしているのです。
初心者マークの表示義務のある期間は1年間
初心者マークの表示義務は、準中型自動車免許又は普通自動車免許を取得してから1年間です(道路交通法71条の5第2項)。
免許停止期間がある場合は、その期間は除いて1年間表示する義務があります。
準中型自動車免許は、車両重量が3.5t以上7.5t未満で、最大積載量は4.5t未満、定員10人以下の車を運転するのに必要な免許です。よく町を走っている、小さめの宅配車、小さめの引っ越しトラック、保冷設備のあるトラックなどです。
普通自動車は、車両重量が3.5t未満で、最大積載量は2t未満、定員10人以下の車を運転するのに必要な免許です。通勤や、家族での旅行に使うファミリーカーなどがこれにあたります。
初心者マークを表示すべき位置
初心者マークは、表示すればいいというものではなく、次のルールに従って表示する必要があります。
- 車の前後両方に表示(片方だけではだめ)
- 地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置
- フロントガラスやヘッドライトに張り付けることは不可
地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見えやすい位置であれば、左右上下どこでも表示できます。
前方はボンネットに貼り、後方はリアガラスの左上部に表示する方が多いかもしれません。
適切に表示することにより、他のドライバーから見やすくなり、配慮を促す効果が高まります。
初心者マークの表示義務違反の罰則
表示義務のある期間に、初心者マークを表示しないことは道路交通法違反となり違法です。
反則金は、準中型自動車免許の場合は6000円、普通車の場合は4000円です。
違反点数は1点です。
あまり違反の罰則は重くありませんが、安全を守るためのルールですので、忘れずに守るようにしましょう。
初心者マークに関するよくある質問
(1)免許取得から1年経過した後も初心者マークを表示していい?
法律上、免許取得から1年経過後も初心者マークを表示することは可能です。
法律上、表示義務のない人が表示することを禁止する規定・罰則はないためです。
(ただし、1年経過している場合、周りのドライバーに初心運転者を保護する法律上の義務はありません。)
法律上の表示義務はなくても、引き続き表示することで他のドライバーからの配慮を受けやすくなります。
特に運転に自信がない場合や、まだ慣れていない場合には、表示を続けることを検討してもいいかもしれません。
(2)初心者マークにはどんな種類がある?
初心者マークには、ステッカータイプ、マグネットタイプ、吸盤タイプがあります。
マグネットタイプは取り外しが簡単です。
ステッカータイプは、マグネットタイプを利用できないときに利用されることが多いようです。
吸盤タイプは、ステッカータイプ・マグネットタイプと異なり、車の外側ではなく内側に表示するものです。ただし、フロントガラスに張り付けることはできないので、リアガラス(後部ガラス)に利用します。
初心者マークは通販やカー用品店で購入できます。購入するときには、「道路交通法施行規則適合品」「道路交通法施行規則準拠品」などと明記してあるものを買うと安心です。
【まとめ】
初心者マークは、運転免許を取得してから1年間、車両の前後に表示することが義務付けられています。
表示しない場合には罰則が科されるため、正しく表示することが重要です。
また、初心者マークを表示することで他のドライバーからの配慮を受けやすくなり、安全運転に繋がります。
初心者ドライバーとしての心構えやマナーを守り、安全運転を心掛けましょう。