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不倫の仕返しは危険?法的制裁でリベンジを

作成日:
s.miyagaki

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

不倫されたあなたが、今、「仕返し」をしたいと強く思っているのは当然の感情です。裏切られた怒りや悲しみから、「相手に同じ苦しみを味わわせたい」「社会的な制裁を与えたい」「復讐してやりたい」と考えるのはごく自然なことです。

しかし、その衝動的な感情のまま行動してしまうと、かえってあなたが不利な状況に陥り、本来得られるべき「最善の結果」を得るチャンスを自ら手放してしまうことになりかねません。このコラムでは、感情に任せた「仕返し」がなぜ危険なのか、そして法的に正しい方法で相手方へ制裁を与えるための「王道」がどのようなものなのかを、法律事務所の弁護士がわかりやすく解説します。

なぜ不倫の「仕返し」をしたくなるのか?

裏切り者への怒りと罰を与えたい心理

不倫という裏切り行為は、あなたの心の平穏を奪い、自尊心を深く傷つけます。最も信頼していた人に裏切られた怒り、そして自分だけがつらい思いをしている不公平感から、「相手に罰を与えたい」という感情が湧き上がるのは当然です。この強い感情が、相手の社会的評価を貶めたり、精神的に追い詰めたりする「仕返し」へと駆り立てる原動力となります。しかし、法律は個人の感情的な復讐を許容していません。感情的な「仕返し」は、法的な枠組みから逸脱した「自力救済」と見なされ、あなた自身が法律違反を問われるリスクがあることを理解することが重要です。

二度と不倫をさせないという強い動機

「仕返し」の動機には、怒りだけでなく、「二度と不倫をさせない」という強い再発防止の願いも含まれています。相手に恐怖や苦痛を与えることで、今後同様の行為を思いとどまらせたいと考えるのは、当然の心理です。しかし、感情に任せた行動では、相手をさらに頑なにし、話し合いでの解決を困難にする可能性があります。本当に不倫を終わらせ、あなたの安心を取り戻すためには、一時的な感情の満足よりも、法的な拘束力を持たせることで、確実に相手を制御する道を選ぶことが賢明です。

衝動的な「仕返し」が法律違反になるリスク

感情に任せた「仕返し」は、あなた自身が法的な責任を負うリスクを伴います。なぜ危険なのか、具体的なNG行為と、それに伴うリスクを見ていきましょう。

職場や周囲への暴露による名誉毀損罪のリスク

不倫の事実を、不倫相手の勤め先や家族、友人に言いふらす行為は、たとえそれが事実であっても、相手の社会的評価を下げる名誉毀損罪に問われる可能性があります。また、会社に押しかけて業務を妨害すれば業務妨害罪にもなりかねません。相手を困らせたい、社会的地位を失わせたいという気持ちは理解できますが、これらの行為は、罪に当たるとされるおそれがある上、相手に精神的苦痛を与えたとして、逆に損害賠償請求をされるリスクも伴います。

SNSやネットでの拡散が招く法的責任

現代において特に危険なのが、SNSやインターネット上での暴露です。SNSに相手の顔写真や実名、不倫の事実を晒す行為は、名誉毀損罪侮辱罪に該当する可能性が高いです。一度拡散された情報は完全に消すことが難しく、その影響は半永久的に残ります。あなたの強い怒りが、結果としてあなた自身を「加害者」の立場に追いこんでしまうリスクをよく理解しておくべきです。

脅迫や嫌がらせ行為の刑事罰と民事責任

「ただ仕返しをしたいだけ」という気持ちから行われる行為にも、法律は厳しく目を光らせています。パートナーや不倫相手に「不倫をばらす」と脅したり、暴力を振るったりすれば、脅迫罪暴行罪といった刑事罰の対象です。また、相手の自宅に大量の郵便物を送りつけたり、頻繁に無言電話をかけたりする嫌がらせ行為は、相手に精神的苦痛を与えたとして民事上の損害賠償を請求される可能性があります。

「報復不倫」があなたの権利を奪う理由

感情的な「仕返し」のなかでも、特に危険なのが「報復不倫」です。これは、あなたの本来の権利である慰謝料請求権を失いかねない致命的な行為です。なぜ報復不倫が危険なのか、その法的な理由を解説します。

仕返し不倫は自身も貞操義務違反となる

「配偶者が不倫をしたのだから、仕返しに自分も不倫をしてもいいはずだ」と考えるかもしれません。しかし、日本の法律では、婚姻関係にある夫婦は互いに貞操義務を負うとされています。したがって、あなたが報復として不倫を行った場合、あなた自身もこの義務に違反した「有責配偶者」となります。その結果、あなたが不倫相手や配偶者に慰謝料を請求するへの悪影響があるだけでなく、逆に相手から慰謝料を請求される事態に発展する可能性もあります。

違法な報復が慰謝料減額につながる可能性

慰謝料は、不倫によって受けた精神的苦痛に対する賠償として認められます。しかし、慰謝料の金額は、被害者側の行動も考慮して決定されます。もしあなたが違法な「仕返し」行為(名誉毀損、嫌がらせなど)を行った場合、裁判所は「被害者が自らの手で報復を行い、相手も一定の制裁を受けた」と判断し、本来あなたが受け取るべき慰謝料を減額することがあります。感情に任せて行動した結果、法的に認められた「制裁」であるはずの慰謝料が減ってしまうという、最も不利益な事態を招くことになります。

法的に勝つための「仕返し」の準備

本当に相手に「仕返し」をしたいと願うなら、感情に流されず、法的に確実に相手を追い詰める戦略が必要です。その第一歩となるのが、法的な制裁を課すための準備です。

感情で動く前に不貞行為の証拠を確保する

不倫の事実が発覚したとき、真っ先に相手を問い詰めたくなる気持ちはよくわかります。しかし、その前にまずやるべきことは、不貞行為の証拠を確保することです。法律上の「不貞行為」とは、夫婦の一方が配偶者以外と肉体関係を持つことを指します。証拠がない状態で相手を問い詰めると、相手は証拠を隠滅したり、ウソをついて不貞行為を否定したりする可能性があります。それでは、合法的な「仕返し」である慰謝料請求ができなくなってしまいます。

慰謝料請求に必要な法的有効な証拠とは

慰謝料請求を成功させるためには、肉体関係があったことを客観的に証明できる証拠が必要です。具体的には、不倫相手とホテルに出入りする写真や動画、肉体関係があったことがわかるメッセージのやり取り、探偵事務所の調査報告書などが有効です。これらの証拠は、あなた自身が収集することも可能ですが、法的に有効な証拠を正確に判断するためには、弁護士に相談することをおすすめします。

合法的な制裁「慰謝料請求」の実行

法的な準備が整ったら、いよいよ合法的な「仕返し」を実行に移す段階です。不倫に対するもっとも確実な法的制裁は、金銭的な賠償、すなわち慰謝料請求です。

不倫相手と配偶者への慰謝料請求手続

慰謝料は、不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手にも請求することができます。慰謝料請求は、まず内容証明郵便などの方法で請求書を送付し、話合いでの解決を目指すのが一般的です。もし話合いで合意に至らない場合は、裁判所に調停や訴訟を提起することになります。弁護士に依頼すれば、法的な観点から最適な手続を選択し、あなたの代理人として相手と交渉することができます。

慰謝料の相場と高額になる要因

不倫の慰謝料には明確な相場はありませんが、一般的には数十万円から数百万円の範囲になることが多いです。金額は、不倫の期間や回数、不倫によって夫婦関係が破綻したか(離婚に至ったか)どうか、不倫相手の悪質性など、さまざまな要素を考慮して決定されます。特に、不倫が原因であなたが離婚を決意した場合など、精神的苦痛が著しいと認められれば、より高額な慰謝料が認められる可能性が高まります。

今後の人生を決める離婚と再構築の選択肢

慰謝料請求と併せて、今後の夫婦関係をどうするかという判断も重要です。この決断もまた、合法的な「仕返し」の一環として戦略的に行う必要があります。

離婚時の財産分与・親権などの交渉

不倫を機に離婚を決意した場合、慰謝料だけでなく、離婚に伴うさまざまな条件についても取り決めを行う必要があります。具体的には、夫婦の共有財産をどう分けるか(財産分与)、未成年の子どもの親権をどちらが持つか、養育費はいくらにするかなどです。これらの交渉は、あなたの今後の人生を大きく左右する重要なものです。弁護士に依頼することで、感情に流されず、法的な権利を適切に主張し、有利な条件で離婚を成立させることを目指すことができるでしょう。

離婚しない場合の再発防止策と夫婦間契約

「離婚はしたくないけれど、不倫の再発は絶対に避けたい」と考える場合でも、合法的な制裁を与える手段はあります。たとえば、配偶者との間で「二度と不貞行為はしない」という誓約書を交わし、これを公正証書として作成する方法です。これにより、将来万が一再び不倫があった場合に、高額な違約金を請求する法的根拠を事前に確保することができます。

弁護士に依頼するメリット

感情的な「仕返し」ではなく、法的に認められた権利を適切に主張しするためには、弁護士への相談が重要です。弁護士に依頼することには、衝動的な行動のリスクを回避し、適切な権利を主張できるという大きなメリットがあります。

衝動的なリスクを回避し冷静な交渉を実現する

不倫の当事者同士で話し合うと、感情的な対立がエスカレートし、法的なリスクを伴う危険な「仕返し」に走ってしまいがちです。弁護士に依頼すれば、あなたが相手と直接やり取りする必要がなくなるため、精神的な負担が軽減される可能性があります。弁護士は、法律の専門家として、冷静かつ客観的に交渉を進め、不当な要求や言動に惑わされることなく、あなたの利益を最優先に交渉を代行します。

慰謝料を獲得するための戦略的サポート

弁護士は、単に交渉を代行するだけでなく、慰謝料を獲得するための戦略的なサポートを提供します。法的に有効な証拠の選定、慰謝料の相場や増額要素の分析、そして相手の反応に応じた適切な交渉方法の選択など、法律な知識と経験に基づいてあなたをサポートします。最終的に、法的な手続を通じて慰謝料という形で「けじめ」をつけることは、単なる金銭的補償に留まらず、傷つけられたあなたの自尊心を回復させることにも繋がります。

まとめ

不倫された方が抱く復讐心は、正当な感情の表れですが、その実行手段は法律の枠内で行う必要があります。感情的な「仕返し」は、あなた自身を刑事・民事の責任にさらし、本来手に入れられたかもしれない慰謝料を自ら減額させるリスクを負うという、戦略的敗北を招きます。

真に成功する「仕返し」とは、感情的な満足ではなく、法的に適切な権利を主張し、相手に経済的制裁を課すことです。そのために重要なのは、衝動的に行動する前に、まず証拠を確保し、次に弁護士に相談することです。アディーレ法律事務所では、不倫の慰謝料請求を扱っており、あなたの権利を守るため、戦略的なサポートを提供します。まずは、お気軽にご相談ください。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2025年5月時点。

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