「不貞慰謝料を請求されている。相手は怒っていて、自分で対処するのは億劫だけど、弁護士に依頼したらさらにお金がかかる…」
不貞慰謝料を請求された場合、このようなジレンマに陥ってしまうことは珍しくありません。
不貞慰謝料の請求を受けている場合、示談交渉を弁護士に依頼すると費用はかかりますが、当然、受けられるメリットもあります。
この記事を読んで、弁護士に依頼するメリット・デメリットについてしっかり検討してください。
この記事を読んでわかること
- 不貞の慰謝料交渉を弁護士に依頼する5つのメリット
- 弁護士費用が必ずしもデメリットにはならないこと
- 弁護士選びの3つのポイント

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件部にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。
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不貞の慰謝料交渉を弁護士に依頼する5つのメリット
不貞(不倫)の慰謝料交渉を弁護士に依頼することには、次の5つのメリットがあります。
- 交渉のストレスが軽減される
- 弁護士なら行政書士や司法書士(一部を除く)と異なり交渉も対応してくれる
- 「払わなくていい慰謝料」を支払ってしまうリスクを減少させることができる
- 慰謝料を減額できる可能性が高まる
- 妥当な示談条件で解決できる可能性が高まる
これらについてご説明します。
(1)交渉のストレスが軽減される
「不貞の慰謝料を請求されるなんて……もうどうしたらいいのか分からない」
突然多額の慰謝料を請求され、しかも相手が怒っているとなると、交渉するのは、精神的なストレスがとても大きいものですよね。
しかし、 弁護士に依頼すれば、慰謝料の請求者と直接交渉する必要はなく、弁護士が代わりに交渉してくれます。
そして、弁護士は、交渉の状況をあなたに報告し、あなたの希望を確認した上で、次の対処法を提案してくれます。
そのため、 弁護士に依頼することで、精神的なストレスが軽減できるでしょう。
(2)弁護士なら行政書士や司法書士(一部を除く)と異なり交渉も対応してくれる
「検索してみたら弁護士だけでなく司法書士や行政書士もでてきたけれど……何が違うの?」
いろいろと自分で調べてみた結果、不貞慰謝料の交渉を依頼する先の専門家として、司法書士や行政書士を思い浮かべた方もいるかもしれません。
また、司法書士や行政書士のほうが、弁護士よりも安い価格でサービスを提供しているかもしれません。
しかし、 法律上、不貞慰謝料の交渉の代理人になれるのは、原則として弁護士だけです。
行政書士は、書面を代筆することはできますが、法律上、不貞慰謝料交渉の代理人を務めることはできません。
そのため、「直接交渉するのが辛い」と感じても、請求者との交渉を行うのはあくまで自分になります。また、慰謝料の請求にどう対応したらよいのか分からない場合でも、法律相談に乗ってもらうこともできません。
また、司法書士は、一部の司法書士(認定司法書士)に限り、請求額が140万円以下の場合に限って不貞慰謝料事件の代理人や法律相談をすることができますが、不貞慰謝料は請求額が140万円を超えることも少なくありません。
弁護士と司法書士・行政書士とでは扱える業務の範囲に違いがあります。
いくら請求されているのか、文書の代筆をしてもらうだけでいいのかなど、あなたのケースや希望に応じて、誰に依頼するのか決めると良いでしょう。
(3)「払わなくていい慰謝料」を支払ってしまうリスクを減らすことができる
請求されている慰謝料が実は払わなくてもいいものだったとしたら、そんなお金を払うのはとてももったいないことだとは思いませんか?
たとえ慰謝料を請求されていたとしても、必ずしもその慰謝料を支払うべき法的義務があるとは限りません。
次の場合には、慰謝料の支払を拒絶することができる可能性があります。
- 不貞行為がなかった場合
- 不貞行為の前から婚姻関係が破綻していた場合
- 不貞行為の故意・過失がなかった場合
- 慰謝料の請求者が不貞行為のもう一方の当事者から十分な慰謝料を受け取り済みである場合
- 慰謝料請求権の消滅時効が完成している場合
弁護士であれば、慰謝料の支払を拒絶できる事情があるかどうかを客観的な立場から適切に判断し、それらの事情があれば示談交渉の中であなたに代わってしっかりと主張してくれます。
(3-1)不貞行為がなかった場合
不貞行為とは、基本的に、既婚者(あるいは配偶者以外の人)と自由な意思に基づいて行う性行為のことです。
そして、不貞行為そのものがない場合には、基本的には不貞慰謝料の支払を拒絶することができます。
不貞行為がない場合としては、具体的には次のようなものがあります。
- 一緒に食事に行ったり遊んだりしただけにとどまるのに、請求者が全くの勘違いで不貞慰謝料請求をしてきている場合
- ある程度親密な仲になっていたものの、不貞行為にまでは及んでいなかった場合
弁護士に依頼すれば、不貞行為がなかったことを説得的に主張し、あなたの代わりに慰謝料の支払義務がないという立場から相手と交渉してくれます。
(3-2)不貞行為の前から婚姻関係が破綻していた場合
不貞行為の時点ですでに交際相手と請求者の婚姻関係が破綻していた場合には、基本的には不貞慰謝料の支払を拒絶することができます。
ただし、婚姻関係が破綻しているかについての明確な基準があるわけではないため、判断が難しいケースも少なくありません。
弁護士に依頼すれば、婚姻関係が破綻していたといえるかを的確に判断し、婚姻関係が破綻していたのであればそのことを、説得的に主張してくれます。
婚姻関係の破綻について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(3-3)不貞行為の故意・過失がなかった場合
不貞行為の際に、不貞行為の故意や過失がいずれもなかった場合には、不貞慰謝料の支払を拒絶することができます。
基本的に、不貞行為の故意とは、 交際相手が既婚者であることを知っていたことをいい、過失とは、 知らなかったことに落ち度がある(不注意で気付くことができなかった)ことをいいます。
弁護士に依頼すれば、あなたに故意・過失がなかったことの根拠となる事実を適切に探し出し、説得的な主張を組み立ててくれるでしょう。
(3-4)慰謝料の請求者が不貞行為のもう一方の当事者から十分な慰謝料を受け取り済みである場合
慰謝料の請求者がすでに不貞行為のもう一方の当事者から十分な慰謝料を受け取っている場合、慰謝料の支払を拒絶・減額できる可能性があります。
例えば、本来支払うべき慰謝料が100万円の場合において、不貞行為の一方当事者が先に不貞慰謝料として100万円を請求者に支払ったのであれば、請求者の慰謝料請求権そのものが消滅するということです。
そのため、慰謝料の請求者が、不貞行為の一方当事者から裁判上の相場を超えるような金額の慰謝料を受け取り済みである場合には、不貞慰謝料の支払を拒絶することができる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、慰謝料の請求者がすでに慰謝料を受け取っている場合に、それによってあなたが不貞慰謝料の支払を拒絶できるかを的確に判断してくれます。
また、拒絶できる場合には、あなたに代わって請求者に対して拒絶できることを主張してくれます。
ただし、不貞行為の一方当事者が請求者に慰謝料を支払った場合、後から他方当事者に慰謝料の「分担」を請求することができます(求償権の行使)。
その場合、先に慰謝料を支払った一方当事者に対して、不倫の責任割合に応じていくらか(多くの場合、半額程度になります)支払わなければならないでしょう。
求償権について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(3-5)慰謝料請求権の消滅時効が完成している場合
慰謝料請求権の消滅時効が完成している場合には、慰謝料の支払を拒絶することができます。
不貞慰謝料請求権の消滅時効は、次のいずれか短いほうで完成します。
- 慰謝料の請求者が不貞行為があったことおよび不貞行為の相手が誰であるかを知った時から3年
- 不貞行為があったときから20年

※2020年3月31日までに20年が経過している場合は、改正前の民法が適用され、除斥期間により慰謝料請求権が消滅しています。
そのため、慰謝料の請求者が、不貞行為があったことと不貞行為の相手があなたであるということを知った時から3年が経過していれば、慰謝料の支払を拒絶することができます。
慰謝料の支払を拒絶することができる可能性がある事情がいろいろあることは分かりました。
自分でもこれらの事情を主張できそうですが……。
ご自身で慰謝料支払の拒絶事由を主張することも可能です。
しかし、ご自身だけでは、具体的にどの事情が拒絶事情にあたるのかについて判断を誤ってしまったり、見落としてしまったりする可能性もあります。
法律の専門家である弁護士に依頼すれば、客観的に事情を判断し、あなたに代わって適切な主張をしてくれるというメリットがあります。
(4)慰謝料を減額できる可能性がある
請求されている慰謝料の額は、妥当な金額とは言えないことも多いです。
請求する側の気持ちになって考えてみてください。
配偶者に不貞行為をされ、怒りのあまり少しでも多い金額を請求してやろうという気持ちで、本来認められるべき妥当な金額よりも高額な請求をするというのも自然なことではないでしょうか。
不貞慰謝料は、個別の事情によっては減額できる可能性があります。
例えば、不貞行為の期間が短い、請求者夫婦の婚姻期間が短い等といった事情があれば慰謝料を減額できる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、慰謝料の減額につながる事情を探し、減額事情があった場合には、それを適切に主張して減額交渉してくれます。
(5)妥当な示談条件で解決できる可能性が高まる
慰謝料額以外にも、次のような示談条件には注意しましょう。
- 求償権の放棄
- 接触禁止条項
- 口外禁止条項
これらについてご説明します。
(5-1)求償権の放棄
不貞慰謝料の示談をする際に、示談書にあなたが「求償権を放棄する」という条項が入っていることがあります。
求償権の放棄とは、不貞慰謝料の支払の際にあらかじめ求償権を行使しないように約束することです。
求償権の放棄について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
求償権の放棄は、慰謝料減額の交渉材料になり得ます。そのため、求償権放棄の条項が入っている場合には、求償権を放棄することに見合った慰謝料額の支払となっているかを確認することが大切です。
(5-2)接触禁止条項
不貞慰謝料の示談条件には、接触禁止条項が入れられることが多いです。
また、接触禁止条項と合わせて、接触禁止条項に違反した際のペナルティが定められていることがあります。
この ペナルティが、高額すぎる違約金の支払などの極端に不利な内容になっていないか、しっかり確認することが重要です。
どのような内容のペナルティであれば極端に不利な内容なのかについては、判断が難しいこともあるため、弁護士に確認してもらうことをおすすめします。
(5-3)口外禁止条項
不貞慰謝料における口外禁止条項とは、一般的に「不貞行為の事実について当事者以外の第三者には話さない」ということを約束する条項です。
口外禁止条項を定めることで、自分が不貞行為をしたということを秘密のままにしておくことができる可能性が高まります。

デメリットは弁護士費用?そうとは限らない!

弁護士に依頼するデメリットとして真っ先に思い浮かぶのは、弁護士費用がかかることでしょう。
しかし、費用倒れにならないような料金設定にしている弁護士事務所もあります。
費用倒れにならないような料金設定の弁護士事務所を選べば、弁護士費用は大きなデメリットにはならない可能性があります。
例えば、アディーレ法律事務所は「損はさせない保証」という独自の制度を設けています。
アディーレ法律事務所の「損はさせない保証」とは、不貞慰謝料の減額事件を依頼したにもかかわらず、減額が全くできなかった場合や、減額できた金額が基本費用・報酬金などの合計額を下回った場合には、原則としてその不足した分の弁護士費用は支払わなくてもよいという制度です。
これにより、依頼したことで費用倒れになるということは原則ありません。

※減額できた慰謝料金額が基本費用、報酬金、事務手数料、実費、期日等手数料の合計額を上回った場合には、通常どおり、基本費用、報酬金、事務手数料、実費、期日等手数料をいただきます。
※委任事務を終了するまでは契約を解除できます。この場合には、例外として成果がない場合にも解除までの費用として事案の進行状況に応じた弁護士費用をお支払いいただきます。
※依頼者の方の意思で交渉終結前にご依頼を取りやめる場合など制度の対象とならないことがあります。そのほか適用には諸条件がございます。
※ご相談の時点で相手側からの提示額がない場合、経済的利益の有無の基準となる額は面談時にご案内します。
このように、うまく弁護士事務所を選びさえすれば、弁護士費用がデメリットになるとは限らないのです。
それに、弁護士費用を節約したためにそれ以上の高額な慰謝料を支払うことになるというのは、本末転倒ではないでしょうか。

不貞慰謝料交渉を任せたい!弁護士選びの3つのポイント
弁護士にはそれぞれ得意分野があり、全ての弁護士が不貞慰謝料の減額交渉を得意としているわけではありません。
不貞慰謝料交渉を弁護士に任せるにあたって、弁護士選びのポイントとしては次の3つがあります。
- 不貞慰謝料問題を得意としているか
- 費用体系が明確か、費用倒れしないか
- 誠実に対応してくれそうか
(1)不貞慰謝料問題を得意としているか
弁護士事務所は、ウェブサイトで得意分野を公開していることが多いです。
弁護士事務所がウェブサイトに過去の対応件数や解決事例などを載せている場合には、その分野を得意としているのかどうかを判断するための材料となります。
(2)費用体系が明確か、費用倒れしないか
弁護士費用は、弁護士事務所によってさまざまです。
不貞慰謝料交渉が終わってから、思いがけず高額な報酬を請求されることのないように、費用に関しては、何にいくらかかるのか、事前にしっかりと確認しましょう。
(3)誠実に対応してくれそうか
いくら弁護士費用が安かったとしても、誠実に対応してもらえなければ意味がありません。不貞慰謝料を請求されてストレスを感じているのに、せっかく依頼した弁護士事務所からもストレスを受けてしまうことになるのはとてもつらいはずです。
ぜひ誠実に対応してくれる弁護士事務所を選ぶようにしましょう。
誠実に対応してくれそうかどうかは、相談時の印象や感触を基にして検討するとよいでしょう。説明が不親切だったり、相談時点での応対やスピード感が不十分であったりすれば、スムーズな示談交渉をしてくれることは期待しにくいです。
また、相談内容が周囲に聞こえない環境で面談が行われるかなど、プライバシーを厳守しているかどうかについても判断材料にするとよいでしょう。
【まとめ】弁護士に示談交渉を依頼すれば、慰謝料の減額やストレスの軽減が期待できる!
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 不貞の慰謝料交渉を弁護士に依頼することには、次の5つのメリットがある。
- 交渉のストレスが軽減される
- 弁護士なら行政書士や司法書士(一部を除く)と異なり交渉も対応してくれる
- 「払わなくていい慰謝料」を支払ってしまうリスクを減らせる
- 慰謝料を減額できる可能性が高まる
- 妥当な示談条件で解決できる可能性が高まる
- 弁護士費用は必ずしもデメリットではない。
費用倒れにならないように良心的な料金設定にしている弁護士事務所もあり、それを選べば弁護士費用は必ずしもデメリットにはならない。 - 不貞慰謝料交渉を弁護士に任せるにあたって、弁護士選びのポイントとして次の3つがある。
- 不貞慰謝料問題を得意としているか
- 費用体系が明確か、費用倒れしないか
- 誠実に対応してくれそうか
不貞慰謝料の減額交渉を弁護士に依頼するかは、とても迷うところです。
だからこそ、弁護士に依頼するメリット・デメリットをしっかりと確認して、弁護士に依頼するかどうかを決めましょう。
弁護士に依頼すると決めたなら、不貞慰謝料問題を得意としているかなどのポイントを基に、弁護士を選ぶと良いでしょう。
アディーレ法律事務所では、不貞慰謝料を請求された事件のご相談は何度でも無料です。
また、ご依頼いただいた場合、当該事件につき、原則として成果を超える弁護士費用の負担はないため、費用倒れの心配はありません。
(以上につき、2024年4月時点)
不貞慰謝料請求をされてお悩みの方は、不貞慰謝料請求への対応を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。
