「不倫相手の配偶者から謝罪文を要求された!どうしたらいい?」
実は、不倫の謝罪文を要求されたからといって、謝罪文を書かなければならないわけではありません。
謝罪文を書いたからといって慰謝料交渉を有利に進められるとも限りませんし、謝罪文を書くことには一定のリスクもあります。
このことを知っておくと、不倫トラブル時に被害者側の要求にそのまま応じて謝罪文を書いてしまうことなく、解決に向けてより適切な対応をとることができます。
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不倫(不貞行為)をしても謝罪文を書く義務はない
「既婚者が配偶者以外と自由な意思で性行為」をした場合を、不貞行為と言います。
そして、不倫が不貞行為にあたる場合、不倫をした当事者には、被害者である不倫をされた配偶者に対する損害賠償の支払い義務が発生します(民法709条)。
もっとも、不貞行為をしたとしても、不倫の謝罪文を書く法的義務が発生するわけではありません。
このため、基本的には、被害者に要求されたとしても謝罪文を書く必要はありません。

不倫の謝罪文を書くことのリスクとは
「それでも、謝罪文を書かないと、相手を怒らせてしまわないだろうか」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、不倫の謝罪文を書くことには次のようなリスクがあります。
- 被害者が納得するまで書き直しを要求される可能性がある
- 後の慰謝料の減額交渉で謝罪文が不利な証拠となる可能性がある
詳しくご説明します。
(1)被害者が納得するまで書き直しを要求される可能性がある
不倫の謝罪文を書いても、その内容に相手が納得するとは限りません。
場合によっては、相手が納得するまで謝罪文を書き直すように要求される可能性もあります。
書き直しを何度も求められることで、精神的にストレスを抱えることにもつながります。
また、被害者が認めるよう要求する事実は、あなたが認識する事実とは異なるのに、それを認めると書くまで納得できないと、書き直しを要求されるケースもあります(例:不貞期間や回数など)。
しかし、事実と食い違うのに認めてしまうと、次にご説明するとおり、後で不利な証拠となってしまう可能性があります。
(2)慰謝料の減額交渉で謝罪文が不利な証拠となる可能性がある
謝罪文を書く中で、被害者にとって有利な事情(こちら側に不利な事情)を書いてしまうリスクもあります。
こちら側に不利な事情としては、不倫期間・回数等の他にも、例えば、次のようなものがあります。
- 不倫をしたときに相手が既婚者であると知っていたり、知ることができたこと
- 不倫をしたときに相手の夫婦関係がまだ壊れていなかったと知っていたり、知ることができたこと
- こちら側から主導的に不倫関係を持つように誘ったこと
このような、こちら側にとって不利な事情を謝罪文という形で文書の形に残してしまうと、それが後の慰謝料減額交渉の中で自分にとって不利な証拠として用いられてしまうことにもなりかねません。
こちら側に不利な事情を謝罪文に書いてしまうと、具体的にどうなってしまうのですか?
例えば、慰謝料交渉の中で、こちら側に不利な事情があることを理由として、高額な慰謝料を払わないと示談できないと主張されてしまうこともあり得ます。
また、訴訟になってしまった場合にも、謝罪文が不利な証拠として働き、謝罪文がない場合よりも増額された慰謝料額を払うように判決で命じられてしまうこともあります。
謝罪文を書く中でこちら側に不利な事情を書いてしまったとしても、後からそのような事情はなかったと主張して覆すことはできないのですか?
多くの場合、いったん書面の形に残してしまうと、後からその内容を覆すことは難しくなります。このため、初めからこちら側に不利な事情を文書の形に残さないということがなにより重要な対策となります。
謝罪文を書く以外にも何か要求されたら?
被害者が、謝罪文を書く以外のことを要求してくることもあります。
例えば、念書へのサインを求められたり、高額な慰謝料を請求されるなどです。
しかし、被害者の要求にそのまま応じることには、後に慰謝料請求をされた場合に不利になるリスクがあるなど、注意が必要です。謝罪文以外の事柄についても、不倫の負い目があるからと言って、被害者の要求にそのまま応じる必要はありません。
(1)念書へのサインを求められた場合
「念書」とは、一般的に、当事者の一方が相手方に対して、一定のことについて約束・確認する書面のことを言います。
(1-1)念書へはサインをしない対応をとるべき
被害者から念書へのサインを求められたとしても、罪悪感やその場をどうにか穏便に済まそうという思いから、安易に念書にサインをするべきではありません。
いったん念書にサインをして認めてしまったことについて後から覆すことは難しくなることがあるため、今後の慰謝料減額交渉を見据えて、念書には基本的にサインをしないという対応をとるべきでしょう。
(1-2)念書にサインしてしまった場合には弁護士に相談するとよい
いったん念書にサインしてしまった場合に、その内容が極めて不当であるなどの理由で念書を覆したいというときには、弁護士に相談するとよいでしょう。
例えば、次のような内容の念書の場合には、サインしてしまったとしても後から覆せる可能性があります。
- 不倫を理由に現在の職場を退職することなど義務のないことを強要された場合
- 慰謝料の額が1000万円以上などというように相場からかけ離れて法外な額を払うことを約束させられた場合
(2)高額な慰謝料を請求された場合
請求された慰謝料の額が相場からかけ離れて高額だったり、自分では支払えないような額の慰謝料を請求されてしまった場合、慰謝料の減額交渉をすることもできます。
この場合、自分だけで減額交渉をするのではなく、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
弁護士に相談・依頼することで、交渉の手続きなどについて代理人として手続きを進めてもらえるほか、慰謝料の額やその他の示談条件について、交渉をして相手との間で落としどころを見出すことで、なるべく早期の解決を目指すことができます。
【まとめ】謝罪文を書く義務はない|謝罪文にはリスクも
相手の勢いに圧倒されたり、不倫をした罪悪感などから、相手の求める謝罪文を書いた方が良いのではないかと思う方も多いです。
ですが、不倫をしたとしても、あくまでも謝罪文を書く法的な義務はありません。
のちのち、冷静になって慰謝料について交渉をしようとした時に、あなたの不利にならないように、謝罪文の要求に応じることはくれぐれも慎重になる必要があります。
弁護士に相談・依頼すれば、弁護士が代理人となることにより、相手も感情的にならず冷静に対処してくれる可能性が高まるなど、慰謝料減額交渉がうまく進む可能性が高まります。
不倫の慰謝料請求をされてお悩みの方は、不倫の慰謝料請求への対応を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。