「家庭内別居中の浮気は慰謝料請求が難しい」ということを聞いたことがあるでしょう。
なぜ家庭内別居中の浮気は慰謝料請求が難しいのでしょうか。
この記事では、家庭内別居とは何か、その中での浮気による慰謝料請求が難しい理由、そして可能なケースや成功のポイントについて詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
- 家庭内別居とは(家庭内別居と仮面夫婦の違い)
- 家庭内別居中の浮気での慰謝料請求が難しいとされる理由
- 家庭内別居中の浮気でも慰謝料請求ができるケース
- 家庭内別居中の浮気で慰謝料請求を成功させるポイント
ここを押さえればOK!
家庭内別居で浮気による慰謝料請求が難しいのは、家庭内別居が婚姻関係の破綻と見なされる可能性が高いためです。
ただし、浮気が家庭内別居前から続いていた場合や、浮気開始時に婚姻関係が破綻していなかった場合は慰謝料請求が請求可能です。
家庭内別居中の浮気の慰謝料請求の成功には、浮気が家庭内別居前から続いていたことや、浮気開始時点で婚姻関係が破綻していなかったことの証明が重要です。
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法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件部にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。
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@ikeda_adire_law
家庭内別居とは
まず、家庭内別居とはどういう状態なのかについて説明します。
(1)家庭内別居とは
家庭内別居とは、一般的に夫婦が同じ住居に住みながらも実質的に別々の生活を送る状態を指します。例えば、会話がほとんどない、食事や洗濯などの家事をそれぞれが個別に行う、寝室が別々であるといった状況が挙げられます。
(2)家庭内別居と仮面夫婦の違いとは
家庭内別居と似た言葉として「仮面夫婦」があります。
仮面夫婦は外見上夫婦として振る舞いますが、内面では感情的に疎遠な夫婦のことをいいます。一方、家庭内別居は外見にも現れ、実質的な共同生活が崩れている状態です。
家庭内別居中の浮気での慰謝料請求が難しいとされる理由とは
家庭内別居中の浮気での慰謝料請求は難しいといえます。
なぜなら、家庭内別居中の夫婦は、婚姻関係が既に破綻していると見なされるからです。
そもそも浮気の慰謝料とは、浮気によって婚姻関係の崩壊されたことに対するお金です。そのため、浮気が開始された時点で夫婦関係が破綻していると判断されると、浮気が婚姻関係の崩壊の原因とはされず、慰謝料請求が困難になります。
夫婦の婚姻関係が破綻していると判断されるケースとは
家庭内別居中だからといっても、ただちに夫婦の婚姻関係が破綻しているとはいえません。
夫婦の婚姻関係が破綻していると判断されるケースとは、例えば次のような場合です。
- 家庭内別居の期間が長期にわたっている
- DVやモラルハラスメントを受けている
- 家事育児を協力せずに全く別で行っている
- 生計が別々である
- 離婚に向けて話し合いをしている
- 長期間にわたり寝室が別で性交渉がない
- 夫婦の会話がなく、家庭内でもほとんど顔を合わさない
- 一緒に外出する機会もない など
家庭内別居中であっても、夫婦の関係修復に向かって話し合っている場合や家事育児を分担して行っている場合などには夫婦関係が破綻しているとはいえないでしょう。
家庭内別居中の浮気でも慰謝料請求が可能なケースとは
家庭内別居中の浮気は慰謝料請求が難しいのはこれまで説明したとおりです。
しかし、次の2つのケースでは家庭内別居中の浮気でも慰謝料請求が可能といえます。
(1)浮気が家庭内別居前から続いていた場合
家庭内別居中でも、浮気が家庭内別居前から続いていた場合、慰謝料請求が可能です。
このケースでは、浮気が婚姻関係の破綻を引き起こした原因の1つともいえます。浮気がなければ、家庭内別居をするほど夫婦関係が悪化することはなかったかもしれません。
そのため、家庭内別居前から浮気が続いていた場合、家庭内別居中の浮気であっても、慰謝料請求の対象となります。
(2)浮気開始時点で婚姻関係が破綻していなかった場合
浮気が発覚した時点で、婚姻関係がまだ破綻していないと判断されれば、慰謝料請求が可能です。
例えば、次のような場合には家庭内別居中であっても婚姻関係が破綻しているとは言えない可能性があります。
- 家庭内別居をしてからそこまで期間が経過していない
- 夫婦として修復を目指している
- 相手から離婚を求められていても、一方が離婚を明確に拒んでいる
- 相手の食事の準備や洗濯は行っている
- 子の養育には夫婦で協力し、子含む家族で出かけたりしている
この場合には、家庭内別居中に開始した浮気であっても、婚姻関係が破綻しているとは認められずに慰謝料請求が認められる可能性があるといえるでしょう。
家庭内別居中の浮気で慰謝料請求を成功させるためのポイント
家庭内別居中の浮気で慰謝料請求を成功させるためには、次のポイントが重要になります。
- 浮気が家庭内別居前から続いていたことを証明する
- 浮気開始時点で婚姻関係が破綻していなかったことを証明する
それぞれ見ていきましょう。
(1)浮気が家庭内別居前から続いていたことを証明する
浮気が家庭内別居前から続いていた場合に慰謝料請求するには、浮気が家庭内別居前から続いていたことを証明する必要があります。
浮気が婚姻関係の破綻前に始まったことを示す証拠としては、例えば次のようなものが挙げられます。
- 肉体関係があることをうかがわせるメールやSNSのメッセージの日付
- 浮気相手とのデートが写った写真の日付
- クレジットカードの残るラブホテル利用履歴 など
(2)浮気開始時点で婚姻関係が破綻していないことを証明する
浮気開始時点で婚姻関係が破綻していなかった場合に慰謝料請求するには、浮気開始時点で婚姻関係が破綻していないことを証明する必要があります。
浮気開始時点で婚姻関係が破綻していないことを示す証拠としては、例えば次のようなものが挙げられます。
- 浮気開始時点で夫婦の関係の修復を図っていたことをうかがわせるメールやSNSのメッセージがある
- 浮気開始時点で子含む家族で出かけたりしている写真がある など
家庭内別居中の浮気に関するよくある質問
最後に、家庭内別居中の浮気に関するよくある質問について回答します。
(1)家庭内別居中の浮気だと慰謝料額は相場より低くなりますか?
家庭内別居中の浮気だと慰謝料額が相場よりも低くなる可能性があります。
そもそも浮気の慰謝料の相場は、数十万から300万円程度です。そして、浮気の慰謝料の金額は、交際期間、不貞行為の回数、浮気が原因で離婚に至ったか、子どもの有無などの個別事情によって変わってきます。
また、浮気が夫婦仲に与えた影響も慰謝料額の増減にかかわります。
例えば、浮気が発覚したことで夫婦仲が悪くなり離婚に至ったという場合には、慰謝料額も増額されやすくなります。一方で、夫婦関係が悪化した原因が浮気以外にも存在する場合には、慰謝料が減額される可能性があります。
(2)家庭内別居中だと夫が嘘をついて浮気していた場合、慰謝料請求できる?
浮気相手に慰謝料請求をしたら、「『家庭内別居中だ』と聞いていた」と浮気相手から反論されることがあります。このように、夫が「家庭内別居中だ」と嘘をついていた場合にも浮気相手に慰謝料請求することはできるのでしょうか。
このような場合、浮気相手が「家庭内別居中だ」という言葉を嘘だと気づけたかどうかがポイントとなります。
浮気相手が注意を払えば夫婦関係が破綻していないことに気がつく状況であった場合には、たとえ浮気相手が「家庭内別居中だ」と聞いていたとしても浮気相手に対し慰謝料請求することができます。
【まとめ】家庭内別居中の浮気でも慰謝料請求が可能なことも!弁護士へ相談を
家庭内別居中の浮気での慰謝料請求は難しいとされていますが、可能なケースも存在します。ポイントは、浮気が家庭内別居前から続いていたか、浮気開始時に婚姻関係が破綻していないことを証明することです。
弁護士であれば、どのような証拠が有利かについてアドバイスや、証拠収集のサポートをしてくれます。浮気慰謝料の請求はアディーレ法律事務所へご相談ください。
アディーレ法律事務所では、浮気・不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません(以上につき、2025年1月時点)。
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