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彼氏が既婚者!?独身偽装の慰謝料請求|相場・方法・証拠を弁護士が解説

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「信じていた恋人が、実は既婚者だった…」
その事実は、あなたの信頼を踏みにじり、費やした時間を無意味なものだと感じさせているかもしれません。その怒りと悲しみ、そして「許せない」という強い思いは、決して間違っていません。
その許せない思いは、「慰謝料」という法的に正当な形で相手に償わせることができるかもしれません。

この記事では、弁護士が、慰謝料請求の根拠となる「貞操権の侵害」とは何か、具体的な慰謝料の相場、請求に不可欠な証拠、そして逆にあなたが不利になるNG行動まで、次の一歩を踏み出すために必要な知識を解説します。最後まで読めば、心の区切りをつけ、あなたの尊厳を取り戻すための道筋が見えるはずです。

ここを押さえればOK!

恋人が実は既婚者だった場合、「貞操権(誰と性的関係を持つかを自由に決める権利)」の侵害を理由に、慰謝料を請求できる可能性があります。相手の嘘によって、結婚を前提とした真摯な関係があると信じて肉体関係を持ったことが不法行為とみなされるためです。
慰謝料の相場は数十万円から数百万円で、交際期間、肉体関係の頻度、結婚の約束の有無など個別的な事情で変動します。
請求を成功させるには、「相手が独身だと偽っていた証拠(LINE等)」や「肉体関係があった証拠」などの客観的な証拠集めが重要です。

請求手続きは、まず書面送付から始め、示談交渉、決裂した場合は裁判へと進むのが一般的です。ただし、感情的になって相手の配偶者に事実を暴露したり、職場に押しかけたりする行為は、名誉毀損で逆に訴えられるリスクがあるため絶対に避けるべきです。
また、相手の配偶者から不貞行為で訴えられるリスクもあるため、法的な問題を整理し、精神的負担を軽減するためにも、弁護士に相談することが推奨されます。

独身偽装の被害に遭いお悩みの方は、一度アディーレ法律事務所にご相談ください。

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独身だと偽っていた相手への慰謝料請求|法的根拠は「貞操権の侵害」

独身だと偽っていた相手に慰謝料を請求することは、事情によっては可能です。
その法的根拠は、あなたの「貞操権(ていそうけん)」を侵害されたことにあります。
貞操権とは、「誰と性的関係を持つかを自分の意思で自由に決定できる権利」のことです。
相手が既婚者であると知っていれば、あなたは肉体関係を結ばなかったはずです。つまり、相手の嘘によって、あなたは性的な自己決定権を侵害されたといえ、これが不法行為にあたるため、精神的苦痛に対する慰謝料を請求できるのです。
ただし、慰謝料請求が認められやすいケースと、そうでないケースがあるので注意が必要です。

【貞操権侵害と認められやすいケース】

  • 肉体関係(性交渉)があった場合
  • 独身だと嘘をつかれて信じていた場合
  • 結婚を前提とした交際や婚約をしていた場合

【貞操権侵害と認められにくいケース】

  • 肉体関係(性交渉)がない場合
  • 結婚を前提としない恋愛関係
  • 一夜限りの関係

【ケース別】独身偽装(貞操権侵害)の慰謝料相場は数十万~百万円

独身偽装による慰謝料の相場は、おおむね数十万円~百万円程度です。
ただし、これはあくまで目安であり、法律で金額が定められているわけではありません。慰謝料の額は、あなたの受けた精神的苦痛の大きさに応じて、個別の事情を考慮して決定されます。事情によっては、この相場より低くなることも、高くなることもあります。
具体的には、以下の要素が重要視されます。

慰謝料で考慮される主な要素5つ

独身偽装の被害に遭い、貞操権侵害に基づく慰謝料を請求する際に、考慮される主な要素を説明します。

(1)交際期間の長さ

通常、期間が長いほど精神的苦痛は大きいと判断されます。

(2)肉体関係の頻度や回数

通常、肉体関係の頻度や回数が多いほど、精神的苦痛も大きいと判断されます。

(3)結婚の約束や婚約の有無

実際に結婚指輪を買ったり、両親に結婚の挨拶をしたり、ウェディングフォトを取ったりなどの行動があると、結婚への期待度が高いとされますので受けた精神的苦痛も大きいと判断される傾向にあります。

(4)妊娠・中絶の事実の有無

妊娠したり中絶したりした事実があると、精神的苦痛が大きいと判断される傾向にあります。

(5)嘘が発覚した後の相手の対応

誠実な謝罪がある場合、慰謝料減額の要素として考慮されることがあります。一方で、一切謝罪がないなどの対応の場合、慰謝料増額の要素として考慮されることがあります。

慰謝料請求に役立つ!集めておくべき4つの証拠

慰謝料請求を成功させるために最も重要なのは、客観的な証拠です。
相手が「独身だとは言っていない」「遊びだった」などと言い逃れをするケースは少なくありません。
あなたの受けた裏切り行為を相手に認めさせ、正当な慰謝料を支払わせるためにも、感情的になる前に、まずは冷静に証拠を集めましょう。
以下の4種類の証拠を揃えることが望ましいです。

(1)相手が「独身である」と偽っていた証拠(LINE、マッチングアプリ等)

例えば、次のような証拠です。

  • マッチングアプリのプロフィールのスクリーンショット(「未婚」の表示があるもの)
  • 「妻とは別れた」「独身だよ」などと書かれたLINEやメールのメッセージ
  • 「結婚しよう」といった将来を約束する内容のやり取り

(2)肉体関係があったことを示す証拠(写真、メッセージ等)

例えば、次のような証拠です。

  • 性交渉があったことを推測させるLINEやメールのやり取り
  • 二人でラブホテルに出入りしたことがわかるやり取りや写真、動画
  • 旅行先のホテルに同室で宿泊したことがわかる予約履歴や領収書

(3)相手の氏名・住所・勤務先など個人情報

慰謝料を請求する相手を特定するために必要です。免許証や封筒の宛名の写真、名刺など、相手のフルネームや住所、所属がわかるものを確保しておきましょう。

電話番号はわかるが、本名や住所が分からないという場合、弁護士会照会で調査することで相手の正体がわかるかもしれません。

弁護士会照会について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

「弁護士会照会制度」とは?不倫相手の住所や連絡先がわかる場合も!

(4)結婚を期待するような交際の事実と期間を示す証拠(写真、プレゼント等)

例えば、次のような証拠です

  • 二人で写っている多数の写真、プレゼント、長期間にわたるメッセージのやり取り
  • 婚姻を前提とした関係だったことが分かる事実(結婚指輪の購入、ウェディングフォト撮影、両親への挨拶、結婚への言及のあるメッセージなど)を示す物

独身偽装の慰謝料を請求する3つのステップ

証拠が集まったら、いよいよ相手に慰謝料を請求します。
手続きは、通常、以下の3つのステップで進めます。いきなり裁判を起こすのではなく、まずは当事者間の話し合いから始めるのが一般的です。

(1)ステップ1:慰謝料請求の書面を送付する

まずは、相手に慰謝料を請求することから始まります。
口頭だと、「言った言わない」とトラブルになることがあるので、メールや書面、内容証明郵便など、書いた内容が残る方法で請求するのがよいでしょう。

これにより、相手にあなたの断固たる意思を伝え、心理的なプレッシャーを与える効果があります。請求書には、①独身偽装の事実、②それによる貞操権侵害、③請求する慰謝料の金額、④支払期限、⑤振込先口座などを記載します。

内容証明郵便の作成方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

慰謝料請求の内容証明を自分で作成する方法|弁護士が記載例や送り方を解説

(2)ステップ2:相手方と示談交渉を行う

請求書を送付した後、相手方と慰謝料の金額や支払方法について話し合い(示談交渉)を行います。相手が弁護士を立ててくることもあります。
交渉がまとまれば、後日のトラブルを防ぐために、必ず合意内容を記載した示談書を作成しましょう。

(3)ステップ3:交渉がまとまらなければ裁判(訴訟)を検討する

相手が請求を無視したり、交渉が決裂したりした場合は、慰謝料請求を求める訴訟を提起することを検討します。
裁判では、集めた証拠をもとに、相手の不法行為を法廷で主張・立証していくことになります。
裁判には、証拠は十分か、獲得できる慰謝料の見込み、勝訴できる可能性はあるのかなど、事前の検討が不可欠です。また、1人で裁判に必要な書面をすべて準備して期日で対応するのは労力と精神的負担がかかります。弁護士への相談・依頼をお勧めします。

要注意!慰謝料請求でやってはいけない3つのNG行動

相手への怒りや悲しみから、感情的な行動に出てしまうと、慰謝料請求が不利になるばかりか、逆にあなたが訴えられてしまう危険性もあります。
相手に制裁を与えたいという気持ちは分かりますが、以下の行動は避けるようにしましょう。

(1)相手の配偶者に連絡して事実を暴露する

相手の配偶者に接触し、「あなたの夫に騙された」などと伝える行為は、相手のプライバシーや名誉を傷つける名誉毀損にあたる可能性があります。
貞操権侵害の責任は相手が負うべきであり、慰謝料請求は、独身を偽った本人に対して行います。

(2)相手の職場や実家に押しかけ要求する

相手の職場に押しかけたり、電話をかけたりする行為は、相手の社会的信用を失わせる行為であり、名誉毀損罪などに問われるリスクがあります。
冷静さを欠いた行動は、あなたの立場を悪くするだけです。

(3)相手のスマホに無断でログインするなど違法な証拠集めをする

証拠は重要ですが、その集め方には注意が必要です。相手の許可なくスマートフォンを見たり、パスワードを盗んでSNSにログインしたりする行為は、プライバシー侵害や不正アクセス禁止法違反などに問われる可能性があります。

スマホの証拠収集の注意点について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

iPhoneで浮気調査は可能?自分で調査するリスクと注意点を解説

独身偽装の慰謝料請求を弁護士に依頼すべき3つの理由

独身偽装の慰謝料請求は、ご自身で行うことも不可能ではありません。
しかし、法的な知識や交渉の経験がないと、精神的にも時間的にも大きな負担がかかります。後悔のない解決を目指すためには、弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士に依頼すると、次のようなメリットがあります。

(1)相手の配偶者から訴えられるリスクを回避・軽減できる

最も注意すべき点は、あなたが「不貞行為の相手方」として、相手の配偶者から慰謝料を請求されるリスクがあることです。
弁護士に相談・依頼すれば、あなたが相手の配偶者から慰謝料を請求される立場にあるのか法的に検討することができるでしょう。そのうえで、具体的事情や証拠から「騙された被害者」であること法的に主張できるようであれば、毅然と主張します。
相手配偶者からの請求を回避・減額できる可能性が高まります。

(2)慰謝料の増額が期待できる

弁護士は、あなたの状況でどのような主張が法的に有効かを把握しています。
弁護士が、適切な証拠に基づき、過去の判例も踏まえて毅然と交渉することで、個人で請求するよりも高額な慰謝料の獲得が期待できます。

(3)相手との直接交渉が不要になり、精神的・時間的負担を軽減できる

裏切った相手と直接顔を合わせて交渉することは、精神的に計り知れないストレスとなります。弁護士があなたの代理人として交渉の窓口となることで、あなたは基本的に相手と連絡を取る必要がなくなります。
これにより、心の平穏を保ちながら、仕事や日常生活に集中することができるでしょう。

独身偽装の慰謝料に関するよくある質問(Q&A)

(1)相手の配偶者から不貞慰謝料を請求されたら支払う必要はありますか?

相手が既婚者であることについて、あなたが「知らなかった、かつ、知らなかったことに過失がない」場合は、原則として支払う必要はありません。
相手が独身だと信じさせるために巧妙な嘘をついていた証拠があれば、支払いを拒否できる可能性は高いです。
ただし、独身であることについて「怪しい」と思っていたなどの事情があれば、過失ありと判断され、慰謝料の支払い義務が生じることもあります。

(2)相手にお金がないと言われました。慰謝料は諦めるしかないですか?

すぐに諦める必要はありません。「お金がない」のが本当なのか、相手に資料の提出を求めるなどしてしっかりと確認する必要があります。
また、一括での支払いが無理でも、分割払いであれば支払えることも多いです。

(3)慰謝料を請求できる期間(時効)はいつまでですか?

慰謝料の請求権には時効があります。時効は、①あなたが独身偽装の事実と相手の身元を知った時から3年、または②貞操権侵害の事実があったと時から20年の、いずれか早い方です。
時効が迫っていて慰謝料請求を考えている方は、一日も早く弁護士にご相談ください。

【まとめ】

独身偽装されていたあなたは、相手に貞操権侵害を理由として、慰謝料請求が可能かもしれません。
しかし、ご自身での請求は、時間も労力も必要ですし、精神的負担を伴います。
あなたの受けた心の傷を正当な形で清算し、未来を守るためには、法的な知識を有し、交渉経験のある弁護士のサポートを受けることをお勧めします。

一人で抱え込み、これ以上心をすり減らす必要はありません。あなたの尊厳を取り戻し、新しい一歩を踏み出すために、まずはアディーレ法律事務所にご相談ください。

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