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逸失利益とは?損害賠償請求で損しないために計算方法や具体例を解説

作成日:更新日:
s.miyagaki

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

交通事故のケガが原因で、以前と同じようには働けなくなってしまったら、「逸失利益」と呼ばれる賠償金を加害者側の保険会社に請求できます。
逸失利益には「後遺症による逸失利益」と「死亡逸失利益」の2つがあります。
後遺障害等級の程度や、事故前の被害者の収入や年齢など、様々な事情が考慮されますので、人によってもらえる金額は異なります。
特に逸失利益は、損害賠償の項目の中でも高額になりやすいですが、加害者側の保険会社の提案は低額であることが多く、交渉により増額できる可能性があります。
適切・正当な額の逸失利益を受け取るためにも、逸失利益の考え方や計算方法をしっかり把握しておくことが重要です。

この記事を読んでわかること

  • 逸失利益とは
  • 逸失利益と損害賠償、慰謝料、休業損害との違い
  • 逸失利益をもらえないケース
  • 後遺症による逸失利益の計算方法
  • 死亡逸失利益の計算方法
  • 逸失利益を計算した具体例

ここを押さえればOK!

交通事故によるケガで以前と同じように働けなくなった場合、加害者側の保険会社に「逸失利益」と呼ばれる賠償金を請求することができます。逸失利益には後遺症による逸失利益と死亡逸失利益の2つがあります。
逸失利益の計算方法は複雑です。後遺症による逸失利益の計算式は、【基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数】ですが、個人の事情により考慮すべき事実は異なります。
逸失利益は、損害賠償の中でも高額になりやすいですが、保険会社の提案は低額であることが多いため、交渉により増額することができる可能性があります。
示談する前に弁護士に相談し、交渉により逸失利益を増額できる可能性があるか確認するようにしましょう。

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この記事の監修弁護士
弁護士 南澤 毅吾

東京大学法学部卒。アディーレ法律事務所では北千住支店の支店長として、交通事故、債務整理など、累計数千件の法律相談を対応した後、2024年より交通部門の統括者。法律を文字通りに使いこなすだけでなく、お客様ひとりひとりにベストな方法を提示することがモットー。第一東京弁護士会所属。

逸失利益とは

交通事故の被害者は、受けた損害に応じて様々な種類の損害賠償を請求することができます。
そのうちの一つが、「逸失利益」です。
逸失利益とは、交通事故によるケガがなければ同じように働けていたのに、働くことができずに失ってしまう、将来得られたはずの収入のことを言います。
「後遺症による逸失利益」と「死亡逸失利益」の2種類あります。

(1)後遺症による逸失利益とは

後遺症のために、「首が痛くて仕事に集中できない」「仕事に行けない」という被害者の方がいます。
後遺症がなければ以前と同じように働けて同じような収入が得られたはずなのに、後遺症のために働けず、得られたはずの収入を得ることができません。
このように、後遺症のために失った、被害者が将来にわたって得られるはずであった利益のことを、後遺症による逸失利益といいます。

ケガで後遺症が残ったというだけでは、逸失利益を請求するのは困難です。
後遺障害等級の認定を受けることが必要です。

(2)死亡逸失利益とは

交通事故の被害者が亡くなってしまったら、生前働いて得ていたような収入はもう得られません。
このように、死亡したために失った、被害者が将来にわたって得られるはずであった利益のことを、死亡逸失利益といいます。

逸失利益と損害賠償・慰謝料・休業損害の違い

交通事故の損害賠償をする場面では、様々な専門用語が出てきます。
それぞれ大切な意味を持っていますので、混同せずに理解する必要があります。
ここでは、逸失利益と混同しやすい他の用語として、損害賠償、慰謝料、休業損害との違いを説明します。

(1)逸失利益と損害賠償の違い

交通事故の被害者は、交通事故で受けた様々な損害について、加害者にお金を請求することができます。このお金のことを「損害賠償」といいます。
損害賠償と一言でいっても、被害者が受ける損害の内容は人によって異なり同じではありません。
損害を受けた内容によって、請求できる金額や項目は異なってきます。
例えば、ケガをしていない人は、車の修理費用などは損害賠償請求できても、当然ですがケガの治療費などは請求することができません。
逸失利益は、損害賠償の中の一つの項目で、被害者が後遺障害等級認定を受けたか、亡くなったことにより、失ってしまった将来得られるべき利益が存在するときに請求することができます。

(2)逸失利益と慰謝料との違い

交通事故の「慰謝料」は、被害者が受けた様々な精神的苦痛に対して、それを慰謝するために認められる損害賠償のことを言います。

慰謝料には入通院慰謝料・後遺症慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。
そのうち後遺症慰謝料は、逸失利益と同じく後遺障害認定を受けることが前提となっていますので、混同してしまうことがあります。
後遺症慰謝料は、残ってしまった後遺障害により受ける精神的苦痛を慰謝するためのお金です。
そのため、後遺障害による将来の収入減を補償するための逸失利益とは、意味が違います。

加害者側の保険会社から提案される示談の内容は、逸失利益と後遺症慰謝料を分けて考慮せず、後遺症慰謝料に含めてくるケースもあります。そうすると、一つ一つの項目について、適切な賠償金額が支払われているかの判断がつきにくいので注意が必要です。

(3)逸失利益と休業損害との違い

「休業損害」とは、交通事故によるケガのため、通常通り働くことができずに収入が減少したことによる損害のことをいいます。
逸失利益も休業損害も、「事故でケガをしなければ得られたはずの収入」という点では、同じ種類の損害なので混同しがちです。
しかし、実務においては、完治又は症状固定前の収入減少については休業損害、症状固定後の後遺障害による収入減少については逸失利益として、別項目として損害賠償請求します。
また、休業損害はケガで働けなかった期間に応じて、その収入を補償する目的で支払われるものですので、逸失利益とは異なり後遺障害等級認定がなされなくても請求することができます。
例えば、ケガをして仕事を休んだけど全快して復帰した方は休業損害を請求し、ケガの治療で仕事を休み、かつ後遺症が残って後遺障害等級認定を受けた方は、休業損害と逸失利益両方を請求することになります。

逸失利益をもらえないケース

逸失利益は、後遺障害等級認定を受ければ必ず請求できるものではありません。
将来の収入減少=損害ととらえますので、実際に収入が減っていない・減っていても少ない場合や、将来にわたって収入が減る可能性がない場合には、逸失利益が認められない可能性があります。

後遺症による逸失利益の計算方法

後遺症による逸失利益の計算式は次の通りです。

【基礎収入】×【労働能力喪失率】×【ライプニッツ係数】=逸失利益

後遺症による逸失利益による実際の計算は、収入の変化、どれだけ働けなくなったか、年齢など様々な要素を考慮して行われ、大変複雑です。
しかし、一つ一つの要素(数字)が適切な値でないと、結果として受け取れる逸失利益の額が不当に低くなり損をしてしまうおそれがあります。
一つ一つの要素ごとに、細かく増額可能性がないかを検討する必要があるのです。
ここでは、逸失利益の計算で考慮される要素について解説します。

(1)基礎収入

「基礎収入」は、逸失利益算定の基礎となる収入です。
原則として、事故前の現実の収入額を基礎とし、将来現実の収入額以上の収入を得られる証拠があれば、その収入額が基礎となります。
例えば、一般的な会社員は、通常、事故前年の源泉徴収票をもとにした事故前の現実の収入が基礎収入とされます。

学生・幼児などは、賃金センサスを参照して基礎収入額が決まります。
賃金センサスとは、厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査のことで、毎年、性別・学歴・年齢・産業、企業規模等で分類した平均賃金を公表しています。
例えば、大学生の場合は、大卒で就職できる蓋然性があるとして、賃金センサスの大卒の男女別全年齢平均賃金を基礎とします。

被害者が、事故時おおむね30歳未満の若い有職者である場合は、一般的に若いと現実の給与が低額であることも多く、労働能力喪失期間が長期間に及ぶ場合、全年齢平均の賃金センサスを基礎とします。

また、現実の収入が賃金センサスの平均額を下回る場合、平均賃金が得られる蓋然性があれば、平均賃金を基礎とします。

現実の収入よりも高い収入が得られる蓋然性があれば、そちらが認められることもあります。
「事故前は低かったけど、正社員に登用される話があり、正社員になっていればもっと給与は上がっていたはず」などという事情がある場合には、基礎収入についてどう考えればよいのか、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

(2)労働能力喪失率

「労働能力喪失率」とは、後遺症によって事故前と比べて労働能力が低下した割合のことです。

次のような後遺障害等級ごとの労働能力喪失率を定めた表がありますので、それを参考に、職業、年齢、事故前後の実際の仕事の状況などを総合的に考慮して算定します。

後遺障害等級労働能力喪失率
1級100
2級100
3級100
4級92
5級79
6級67
7級56
8級45
9級35
10級27
11級20
12級14
13級9
14級5
参考:労働能力喪失率表|国土交通省

(3)労働能力喪失期間

「労働能力喪失期間」とは、後遺障害によって働けなくなった期間のことをいいます。
労働能力喪失期間は、原則として、「症状固定日から67歳までの期間」か、「被害者の平均余命の2分の1」のどちらか長い方の期間となります。
また、被害者が学生の場合は、労働能力喪失期間の始期は症状固定日ではなく、18歳又は22歳となります。
なお、後遺障害の具体的症状や、職種、地位、能力などによって原則と異なる判断がなされることもあります。
例えば、他覚所見の無いむち打ち症の場合は、5年程度に制限されるのが一般的です。

(4)ライプニッツ係数(中間利息控除)

逸失利益は、被害者が将来受け取るべき利益について、現時点で一括で受け取ります。
被害者は、その金額に応じた利息収入を得られることになり、その分得をします。逆に加害者側は、本来支払う時点まで現金を保有していれば得られた利息分、損することになります。

この不公平を修正するために、利息分に対応するお金(=中間利息)を、一括で受け取る逸失利益からあらかじめ差し引く、「ライプニッツ係数」という数値が利用されます。

2020年4月1日以降の事故については、中間利息は3%で計算します。
ライプニッツ係数は、労働能力喪失期間によって異なり、また症状固定時に18歳未満か18歳以上かでも係数が異なります。

また、ライプニッツ係数は2種類あります。将来受け取れるはずだった退職金など一時金の逸失利益算定の際には「現価表」、将来にわたって継続して受け取れるはずだった給与などは「年金現価表」を参照して、数値を求めます。

具体的なライプニッツ係数を知りたい方(2020年4月1日以降に発生した事故について)は、次のサイトを参考にしてください。

参考:就労可能年数とライプニッツ係数表|国土交通省

死亡逸失利益の計算方法

死亡逸失利益の計算式は次の通りです。

【亡くなられた場合】逸失利益の計算方法

逸失利益=【基礎収入額】×(1-生活費控除率)×【就労可能年数に対応するライプニッツ係数※】

※「就労可能年数」は、生存していれば働けていたであろう年数のことをさし、労働能力喪失期間と同様に算出します。

死亡逸失利益の計算方法は、基本的に後遺症による逸失利益と同じです。被害者が亡くなられた時点で働くことはできず所得が全くなくなりますので、労働能力喪失率は100%となります。
ただ、被害者が亡くなられた場合は、生きていればかかっていたはずの生活費が不要になるという考えから、逸失利益から、被害者本人が必要とした生活費相当額が控除されることになります。

生活費控除

被害者が生きていれば、働いて利益を得られたはずである一方、生活費もかかるはずです。被害者のもとには、生活費を差し引いた分のお金が残ったはずです。
逸失利益として、将来受け取るはずであった利益を現時点で一括で受け取ると、そのかかるはず生活費分、被害者が得することになります。

「生活控除率」とは、被害者が生存していたらかかっていたであろう生活費を、調整するための数値です。
被害者が実際に支出を免れた生活費を厳密に把握し、計算することは困難ですので、実務では、次の被害者の属性に応じた基準を参考に決められます。
参考:日弁連交通事故相談センター東京支部著『民事交通事故訴訟損害賠償算定基準』公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部

被害者の属性生活費控除率
一家の支柱(被扶養者1人の場合)40%
一家の支柱(被扶養者2人以上の場合)30%
女性(主婦・独身・幼児等を含む)30%
男性(独身・幼児等を含む)50%

亡くなられた被害者が年金生活者(老齢厚生年金、老齢国民年金、障害年金など。遺族年金は除く)の場合、通常は平均余命までの年金収入が逸失利益として認められますが、年金部分についての生活費控除率は上記基準よりも高くなる例が多いです。

後遺症による逸失利益の具体例

計算式と要素について説明しました。
ただ一般的な説明では、実際、逸失利益がいくらくらいになるのかはわかりませんね。
具体的ケースを想定して、後遺症による逸失利益がいくらになるのか実際に計算してみましょう。
こちらは抽象的な事例を想定して計算していますので、具体的事例を個別に検討した場合、同じ数字になるとは限らないことに注意してください。

保険会社からの提案額は、不当に低額なことも多いです。
損しないためにも、あなたのケースで交渉により増額可能性があるかどうか、示談前に一度弁護士に相談する事をおすすめします!

(1)後遺障害等級14級のケース(むちうち)

被害者の事情
・50歳
・男性
・基礎収入額 500万円
・労働能力喪失率 5%
・労働能力喪失期間 5年(他覚症状がないむち打ちは5年程度とされることが多い)

計算式、【基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数】に当てはめて計算します。

500万円 × 5% × 5年のライプニッツ係数(4.5797)=114万4925円

このケースの逸失利益は、114万4925円です。

(2)後遺障害等級3級のケース(高次脳機能障害)

被害者の事情
・50歳
・男性
・基礎収入額 500万円
・労働能力喪失率 100%
・労働能力喪失期間 17年

こちらも、計算式、【基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数】に当てはめて計算します。

500万円 × 100% × 17年のライプニッツ係数(13.1661)=6583万30500円

このケースの逸失利益は、6583万30500円です。

このように、後遺障害等級が重くなればなるほど、逸失利益は多額になる傾向があります。
しかし、加害者側の保険会社が初めから、被害者にとって正当な逸失利益額を提案してくることは、ほとんどありません。
増額可能性があるのかどうか、示談前に弁護士に相談するようにしましょう。

死亡逸失利益の具体例

次に、死亡逸失利益についても具体例を想定して計算してみます。

被害者が亡くなられた場合、ご遺族が加害者側の保険会社と交渉することになります。
保険会社はご遺族の心情によりそって丁寧に対応してくれるかもしれませんが、被害者の逸失利益を正当に評価してくれるか、という点は別問題です。

不当に低額の逸失利益の提案を受けていないか、示談前に弁護士に相談するようにしましょう。特に被害者が亡くなられた場合は、増額幅が大きくなる傾向があります。

(1)被害者が有職者のケース

被害者の事情
・50歳
・男性
・一家の支柱・被扶養者2人 生活費控除率30%
・基礎収入額 500万円
・就労可能年数 17年

計算式、【基礎収入×(1-生活費控除率)×ライプニッツ係数】に当てはめて計算します。

500万円 × (1-0.3) × 13.1661 = 4608万1350円

このケースの逸失利益は、4608万1350円です。

(2)被害者が学生のケース

被害者の事情
・20歳大学生
・男性
・独身 生活率控除率50%
・基礎収入額 640万2700円(令和4年賃金センサス(大卒男全年齢平均賃金))
・就労可能年数 45年(22歳から67歳まで)

こちらも計算式、【基礎収入×(1-生活費控除率)×ライプニッツ係数】に当てはめて計算します。

640万2700円 × (1-0.5) × 24.5187 = 7849万2920円

このケースの逸失利益は、7849万2920円です

ただし、個別の事情によってこの計算通りになるとは限りません。例えば、被害者に交際相手がいる場合には、遅くとも30歳までには結婚するとされ、30歳までは生活費控除率50%、それ以降は40%と計算することもあります。

なお、被害者が18歳未満の場合、就労可能年数のライプニッツ係数から、就労開始年齢までのライプニッツ係数を差し引きます。

逸失利益の計算・交渉は弁護士に任せるのがおすすめ

交通事故の被害にあい、損害賠償を請求する場面では、逸失利益のほかにも、次のように様々な事情が問題になります。

  • 過失割合
  • 治療費、交通費
  • 付き添い費用
  • 慰謝料
  • 後遺障害等級認定
  • 休業損害
  • 逸失利益
  • 将来介護費用
  • 物損  など

自分に生じた損害について、一つ一つ漏れなく正確に把握したうえで、それぞれ正当な金額はいくらなのか計算し、加害者側の保険会社と交渉して、自分の主張が正しいことを認めてもらわなければなりません。

逸失利益の計算方法だけとっても、大変複雑です。
法律の知識や交通事故の実務経験がない状態で、日々忙しい生活を送ることと並行してこれら行うのは、かなりの労力を必要とし、精神的ストレスも生じるでしょう。

弁護士は、あなたの代わりに、あなたの利益を第一に考えて、1円でも多くの賠償金を受け取れるように加害者側と交渉します。
特に逸失利益は、交通事故の損害賠償の項目の中でも高額になることも多く、その分弁護士の交渉により増額する幅も大きい傾向があります。

「お金に困っているから今もらえるならいくらでもいい」
「交渉にも疲れたし、今の金額でも満足だから」
「丁寧に対応してくれたし、嫌だとは言いにくい」

交通事故の被害者は、このように色々な思いを抱えています。
ですが、適切な額の逸失利益を受け取ることは、被害者の正当な権利です。
示談前に一度、交通事故を得意とする弁護士に相談だけでもしてみることをお勧めします。

逸失利益についてよくある質問【Q&A】

最後に、逸失利益についてよくある質問を紹介します。

Q1事故後に収入が減っていない場合でも逸失利益は請求できる?

原則として請求することはできません。
ただし、実際に収入は減っていなくても、将来の昇進・昇給・転職等で不利益を受ける可能性、本人が特別努力をしていることなどを考慮したうえで、逸失利益が認められるケースもあります。

Q2自営業の基礎収入の計算方法は?

自営業者の場合は、前年の確定申告書の所得をもとに計算します。
申告を少なめにしていたなど、申告額と実収入額が異なる場合には、証拠があれば実収入額を基礎とします。
前年度の所得は少ないけれども、売上高や過去の所得額などを考慮して、前年度の所得を超える額が基礎収入とされることもあります。

Q3専業主婦でも逸失利益を請求できる?

専業主婦(主夫)でも逸失利益を請求することができます。
専業主婦の仕事である家事労働は、無報酬の仕事です。
なので、ケガのために家族のための家事労働ができなくなっても、その対価としての報酬が減るわけではありません。しかし、家事労働は人を雇えばお金がかかるものであり、経済的な価値があると考えられています。
基礎収入額は、原則として、賃金センサスの女性労働者の全年齢平均賃金を基礎とします。男性の場合であっても、女性労働者の全年齢平均賃金を基礎とします。

しかし、加害者側の保険会社が提案してくる専業主婦の逸失利益は低額であることが多いです。
専業主婦の方の場合も、交渉により逸失利益などの損害賠償額が増額する可能性がありますので、一度弁護士に相談してみるようにしましょう。

Q4無職(失業中)でも逸失利益を請求できる?

失業中であっても、働く能力と意欲があり、働く蓋然性が認められる場合には、逸失利益を請求することができます。
失業前の収入を参考にして、再就職によって得られるだろう収入を基礎とします。
失業前の収入が平均賃金より低い場合には、平均賃金を得られる蓋然性があれば、男女別の賃金センサスを参照して基礎収入を判断します。

高齢者であっても、同じように働く意欲と能力、働く蓋然性があれば、企業規模や学歴、男女別年齢別平均の賃金センサスを参照して基礎収入を判断します。

無職だと、あなたに就職活動をしていた、内定を得ていた、働く意欲があったなどという有利な事情があっても、加害者側の保険会社の逸失利益の提案はゼロだったり、低額なことが多いです。

そこであきらめずに、増額可能性がないのか、示談前に弁護士に相談してみるようにしましょう。

【まとめ】保険会社からの逸失利益の提案額は低額であることも多いので、示談前に増額可能性がないか弁護士に相談を!

この記事のまとめは次の通りです。

  • 逸失利益とは、交通事故によるケガがなければ同じように働けていたのに、働くことができずに失ってしまう、将来得られたはずの収入のこと
  • 後遺症による逸失利益と、死亡逸失利益の2種類ある
  • 後遺症による逸失利益の計算式は、【基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数】
  • 死亡逸失利益の計算式は、【基礎収入×(1-生活費控除率)×ライプニッツ係数】
  • 加害者側の保険会社が提案してくる逸失利益は低額であることが多い
  • 逸失利益は、損害賠償の項目の中でも高額になりやすく、交渉による増額可能性が高い

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アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません。
すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様にあらかじめご用意いただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。
弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2024年12月時点)
交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの方は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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