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3月末に辞めたい人必見!損しない退職術と法的権利を弁護士がわかりやすく解説

弁護士 山内 涼太

監修弁護士:山内 涼太

(アディーレ法律事務所)

特に力を入れている分野:労働事件

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

3月末は新しいスタートを切る絶好のタイミングですが、仕事が忙しい時期だけに「今辞めたら無責任かな?」「強く引き止められたらどうしよう……」と不安になる方も多いですよね。
本記事では、3月末に退職するメリットや、知っておかないと損をする社会保険料の仕組み、そして会社のルール(就業規則)よりも優先される「法律上の守られる権利」について、プロの視点から優しく解説します。

円満に引き継ぎを終わらせるコツから、有給休暇をしっかり使い切る方法、万が一会社から引き止めや脅しにあった時の対処法までまとめました。この記事を読めば、法律という心強い味方を得て、自信を持って新しい生活へ踏み出す準備が整うでしょう。

ここを押さえればOK!

3月末は新生活への移行やボーナス受給後の転職に適した時期ですが、繁忙期ゆえの強引な引き止めに悩む方も少なくありません。
しかし、法的には期間の定めのない雇用契約をしている労働者なら「2週間前の告知」で退職できます。また、期間の定めのある雇用契約の労働者も、やむを得ない事由や1年以上の勤務があれば期間途中での退職が可能です。

金銭面では、3月31日に退職することで3月の社会保険料を会社と折半でき、4月1日入社の転職先へ空白なく保険を移行できるメリットがあります。3月30日に退職すると、3月の社会保険料は給料から天引きされません。

有給休暇の全消化は労働者の正当な権利です。退職者に対して会社は休暇時期をずらす権利(時季変更権)を使えないため、残日数を確認して計画的に消化しましょう。
万が一、会社から「損害賠償」を盾に脅されたり退職届の受取りを拒否されたりしても、多くの場合、それらに法的根拠はありません。

自力での交渉が困難な場合は、弁護士による退職代行を利用するのも一つの手です。弁護士なら有給取得や未払い賃金の交渉も代理で行えますので、一人で悩まずアディーレ法律事務所にご相談ください。

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3月末で退職するメリットとおすすめされる理由

年度末の退職は、実は働く人にとって非常に理にかなった選択です。具体的なメリットを整理してみましょう。

(1)年度末はキャリアの節目として新生活へ移行しやすい

3月末は、多くの会社にとって「1年の区切り」です。一般的に、退職する人が多い時期だといわれており、組織の変更や異動に合わせて、後任の方への引き継ぎもスムーズに進めやすいという特長があります。

事前に転職活動を行い、4月から新しい職場でスタートを切れば、職歴に空白を作ることなく、気持ちよく新生活を始められるのが最大の魅力ですね。

(2)冬のボーナス受給と4月入社のタイミング

3月末の退職なら、一般的に前年12月に支給される冬のボーナスをしっかり受け取ってから辞められるため、お財布事情にも優しい選択といえます。
また、多くの企業が4月入社に向けて求人を出しているので、転職先の選択肢もぐっと広がります。

ボーナスをもらってしばらくしてから、就業規則で定められている期間内に退職を伝えることで、周囲の顔色を伺いすぎず、円満に手続きを進めやすくなります。

就業規則の「3ヶ月前申告」よりも法律が優先される理由

就業規則には、「退職するときにいつまでに申し出るべきか」という記載があります。
しかし例えば、「辞める3ヶ月前に言わなきゃダメ」という会社のルールがあっても、実は法律のルールの方が力が強いのです。

(1)正社員は法律により「2週間の告知」で辞める権利がある

期間の決まっていない雇用契約をしている方(正社員)であれば、民法という法律によって、退職の意思表示を行ってから「2週間」が経てば辞められることになっています(民法627条1項)。
たとえ会社のルールで「3ヶ月前」「6ヶ月前」と決まっていても、基本的には法律のルールが優先されます。

ただし、「1ヶ月前」程度である場合、会社のルールが有効とされることもありますので、会社のルールに従った方が円満に退職できるでしょう。

2週間の経過を待たずにすぐに退職したい場合、弁護士の退職代行サービスを利用して弁護士から即時の退職を申し入れると、即時退職に合意する会社も多いです。

(2)有期雇用の契約社員が年度末に即日退職できる法的条件

契約期間が決まっている雇用契約である契約社員の方は、その期間が終わるまで辞められないのが原則ですが、次のような例外があります。

まず、重い病気やケガ、家族の介護など「やむを得ない事由」がある場合は、期間の途中でもすぐに辞めることが認められます(民法628条)。

また、聞いていた条件と仕事内容が違ったりするなど労働条件が事実と異なる場合には、即時に退職することが可能です(労働基準法15条1項2項)。

さらに、契約期間の初日から1年が経っていれば、一定の場合を除いて、いつでも辞めたいと伝えることができます。

やむを得ない事由がない場合でも、退職代行サービスの利用により弁護士から退職を交渉してもらうと、即時退職に応じる会社が多いです。

「いつ退職を伝えるべきか」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

労働基準法や民法の退職予告の基本|スムーズな退職手続きと注意点

3月31日退職か3月30日退職か?社会保険料の損得計算

退職日をたった1日ずらすだけで、手元に残るお金や将来の負担が変わることをご存知ですか?

(1)月末退職は、会社が当月分の社会保険料を半分負担してくれる

社会保険料は、資格喪失日が属する前月の分まで、給料から天引きされます。
3月31日の「月末」に退職すると、資格喪失日は翌月になりますので、3月の社会保険料は会社とあなたが半分ずつ出し合うことになります。退職した当日まで会社の健康保険が使え、翌日の4月1日に切り替わる形です。
もし次の仕事が決まっていない場合でも、その月の保険料を自分一人で全額払わずに済むため、金銭的な負担を軽くできるのがメリットです。

(2)3月30日退職で「手取り額」を一時的に増やす仕組みと注意点

月末の1日前である3月30日に辞めると、資格喪失日は3月になりますので、3月の社会保険料は給与から引かれません。そのため、最後に受け取るお給料(手取り額)が、社会保険料の控除がない分、数万円程度増えることがあります。

ただし、辞めた翌日から自分で国民健康保険や国民年金に入る必要があり、後から自治体から請求が来ます。
「一時的に手取りは増えるけれど、後で自分で払う分が発生する」という点に注意が必要です。

(3)転職先への入社日が4月1日の場合に社会保険の空白を作らない設定

4月1日から新しい会社で働くなら、3月31日を退職日にするのがよいでしょう。
1日でも「どこにも所属していない日」を作ってしまうと、国民健康保険への切り替えといった面倒な手続きや、その分の支払いが発生してしまいます。
退職日を入社日の前日にピッタリ合わせることで、保険の切り替えが自動的にスムーズに行われ、手間も最小限で済みます。

繁忙期の3月に円満退職するためのスケジュールとマナー

「3月は年度末で繁忙期」という職場も多いかもしれません。そんな職場では、ちょっとした配慮が円満退職につながります。

(1)1ヶ月〜2ヶ月前から逆算して進める確実な引き継ぎ手順

気持ちよく辞めるためには、会社のルールを確認したうえで、辞めたい日の1〜2ヶ月前には上司に伝えておくのが理想的です。
自分の仕事をリストアップし、後を引き継ぐ人が困らないよう、進め方や取引先の連絡先をまとめた「引き継ぎファイル」を作っておきましょう。忙しい時期だからこそ、最後まで責任を持って引き継ごうとする姿勢を見せることが、トラブルを防ぐ一番の近道です。

(2)会社側に納得感を与える「引き止められない退職理由」の伝え方

退職理由を伝える必要はありません。
しかし、上長とのこれまでの関係がある方は、「新しいことに挑戦したい」「家庭の事情」など、前向き、あるいは個人的な理由を伝えるとよいでしょう。
会社への不満を言ってしまうと「そこを直すから残ってくれ」と引き止める隙を与えてしまいます。

「もう次の会社の入社日が決まっています」などとはっきり伝えれば、会社側もあなたの意思を尊重せざるを得なくなり、スムーズに話が進みやすくなります。

有給休暇を100%消化して3月末に辞めるための法的知識

有給休暇を取ることは労働者に認められた正当な権利です。退職前にすべて使い切るようにスケジュールを組むことは、法律的にも全く問題ありません。

(1)退職予定者に対して会社は「有休の時期をずらせ」と言えない

通常であれば、会社には、時季変更権といって、一定の場合に「有休を別の日に変えてほしい」と指定できる権利があります。しかし、退職する人に対してはそれが使えません。
なぜなら、辞めた後に有給を振り替える日がもう存在しないからです。
あなたが指定した日に有給を取らせることは会社の義務であり、これを拒否することは法律に触れる可能性があります。

(2)「引き継ぎ優先で有休拒否」は法律違反の可能性がある

「引き継ぎが終わるまで有休は認めない!」という会社の主張には、実は法的な強制力はありません。もちろん引き継ぎに協力することは大切ですが、それを理由に有休を取らせないことはできません。
もし上長に有休の消化を邪魔されるようなら、人事部門などに直接相談する、弁護士の退職代行サービスを利用して有休取得の交渉をしてもらうなどして、状況の解決を目指しましょう。

会社が退職を認めない・損害賠償を脅してきた時の対処法

もし会社が次のような不当な対応をしてきても、法律という盾を使って自分を守りましょう。

(1)「辞めるなら損害賠償だ」という脅しには屈しない

「急に辞められると損害が出るから訴えるぞ!」という言葉に、法的な根拠があるケースはほとんどありません。
私たち労働者には「辞める自由」が保障されており、普通の退職で賠償が認められることは極めて稀です。
不安を煽って引き止めるような行為は、むしろ会社側の行き過ぎた行動といえるため、怖がる必要はありません。一度、退職代行を行っている弁護士に相談してみるとよいでしょう。

(2)退職届の受け取り拒否には「内容証明郵便」で意思表示を行う

「退職届を受け取ってもらえなかった」というケースもあるようです。
そんな場合でも、退職できないわけではありません。

退職するために民法上求められているのは、「退職の意思を会社に伝えること」です。
退職届を提出することが多いですが、退職届の提出が必須であるわけではありませんので、口頭やメールでも意思表示は可能です。
ただし、証拠として残すためにも、退職届を配達証明付きの「内容証明郵便」で送る方法もあります。
また、弁護士の退職代行サービスを利用して、代わりに意思表示をしてもらう方法もあります。

会社側が退職届を受け取らなくても、退職することはできますので、あきらめないようにしましょう。

退職の拒否に直面した際に、どのような行動をとるべきかについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

退職拒否に直面したら?法律で保障された退職の自由と対処法

自力での交渉が難しい場合に弁護士の退職代行を頼るメリット

会社と話すのが怖かったり、精神的に辛かったりする場合は、弁護士による退職代行を検討してみてください。
弁護士は、あなたの代わりに退職の意思を会社に伝えますので、あなたが直接会社に伝える必要はありません。
また、弁護士は有休取得の交渉や未払い残業代の請求まで、あなたの代理人として交渉することができます。会社による不当な圧力があっても適切に反論し、3月末の退職を全力でサポートします。

【まとめ】

3月末の退職は、年度末に退職して心機一転新しい環境でスタートするにはちょうどいい時期ですが、繁忙期だと職場の引き止めが強くなりやすい時期でもあります。
しかし、法律では基本的に「2週間前の告知」で辞めることが認められており、有休消化などの権利も守られています。

もし、会社が退職を認めてくれなかったり、強引な引き止めに一人で悩んでいたりするなら、ぜひ一度アディーレ法律事務所にご相談ください。弁護士があなたの心強い味方となり、新しい一歩をサポートいたします。

この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

弁護士 山内 涼太

アディーレ法律事務所

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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