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もらい事故にあったら慰謝料はいつもらえる?示談交渉の開始時期も解説

作成日:更新日:
kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「信号待ちで停車していたら、もらい事故にあった……。この場合、慰謝料はいつもらえるの?」

被害者側に事故の責任がない「もらい事故」。
もらい事故でけがをした場合には、基本的には加害者に対して慰謝料を含む損害賠償金を請求できます。

慰謝料を受け取ることができる時期は、示談が成立した後です。
もらい事故の被害にあった方は、ご自身の事故で、慰謝料を含む各賠償項目についてどの程度賠償が認められるのか事前にしっかりと把握して、適正な賠償額で示談をすることをお勧めします。

今回の記事では、次のことについて弁護士がご説明します。

  • もらい事故の特徴
  • もらい事故で請求できる損害賠償
  • 慰謝料が支払われるタイミング
  • 慰謝料の算定基準
この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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もらい事故とは?

もらい事故とは、次に挙げるような、事故の原因について被害者側に過失がない事故のことです。

  • 赤信号で停車中に、後続車に衝突された
  • 突然対向車がセンターラインをはみ出してきて衝突した
  • 駐車場に駐車中に衝突された
  • 信号無視をした車両に交差点内で衝突された

もらい事故は、被害者側の過失がありませんから、基本的には被害者の保険が使えません。
そのため、保険会社による「示談代行サービス」を利用できず、ご自身で示談交渉をしなければいけません。
他方、もらい事故は被害者側の過失がありませんから、「過失相殺」による賠償額の減額がなく、被害者に過失がある場合に比べて最終的に受け取る賠償額が高額になります。

もらい事故について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

もらい事故で請求できる損害賠償は?

もらい事故でけがをした場合、基本的には次の項目について該当するものを加害者(及びその保険会社)に請求できます。

治療に関する費用

治療費・付添看護費・通院付添費・入院雑費・通院交通費など

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

交通事故によりけがをして入通院を余儀なくさせられた精神的苦痛に対する慰謝料

休業損害

交通事故にあって仕事を休んだために収入が減った分の損害

物損

交通事故により破損した車両の修理代などの物損に関するもの
さらに、けがが完治せず症状固定後も後遺症が残ってしまった場合には、基本的には後遺障害等級認定を受けると次の項目についての賠償の請求ができます。

後遺障害逸失利益

交通事故にあわなければ得られたであろう将来分の利益(減収分)

後遺症慰謝料

後遺症を負わされたことについての精神的苦痛に対する慰謝料

後遺障害等級認定について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

なお、もらい事故にあったけれど、けがはせずに物損だけだったという場合には原則として慰謝料の請求はできません
「物」が壊れた場合には、壊れた「物」の賠償がされれば被害者の精神的な苦痛も慰謝されるだろうと考えられているからです。

物損事故について例外的に慰謝料を請求できるケースについて詳しくはこちらの記事もご参照ください。

もらい事故の慰謝料はいつもらえる?

慰謝料を含む損害賠償金をもらえるのは、基本的には示談が成立した後です。

示談交渉のタイミングは、一般的には次のとおりです。

示談のタイミングは、特に決まっているわけではありませんが、このタイミングでないと被害者に発生した最終的な損害が確定しないのです。

示談はいったん成立すると、原則としてやり直しができません。

ですから、交通事故による損害が全て確定し、ここで示談をしても大丈夫というタイミングでする必要があります。

なお、加害者の保険会社から示談金が支払われる場合、一般的には示談成立から2週間程度で支払われることが多いです。

でも、このタイミングでは賠償金を受け取れるのが大分先になりますね。
もっと早く受け取れる方法はありませんか?

加害者の自賠責保険に対して被害者請求をすれば、損害賠償金の一部について示談成立より前に受け取れる可能性があります。

示談成立前に、「被害者請求」によって受け取れる先払い金

加害者の自賠責保険に対して「被害者請求」をすれば、次の自賠責保険の限度額の範囲内で治療費など、必要になるたびに先払いを受けることができます。

自賠責保険の限度額

  • けがによる損害     上限120万円
  • 後遺障害による損害  上限75万~4000万円

さらに、自賠責保険に対する「仮渡金」の請求であれば、より迅速に受け取ることができます。ただし、受け取ることができる金額は、次のとおりです。

仮渡金の限度額

  • けがの程度に応じて5万円、20万円、40万円
    (※損害が確定した時点で仮渡金が損害額を上回る場合には差額を返還する必要があります。)

被害者請求と仮渡金について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

交通事故の被害者請求とは?必要書類と申請の手順を分かりやすく解説

加害者が任意保険に加入している場合、通常は「一括払い」といって治療費は保険会社から病院に直接支払われていることが多いです。自賠責保険に被害者請求をすると、通常「一括払い」を打ち切られますのでご注意ください。

また、交通事故のけがのせいで働けなくてお金に困る場合などは「内払い」といって、休業損害などを保険会社から示談成立前に支払ってもらえることがあります(この分は、示談後に支払われる賠償金から差し引かれます。)ので、示談成立前に賠償金を受け取りたいという場合には、加害者の保険会社にご相談ください。

「慰謝料」の金額を決めるための3つの基準

交通事故にあってけがをした場合の慰謝料には、けがをしたことについての「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」と後遺症が残ったことについての「後遺症慰謝料」があります。

もらい事故にあってけがをして治療をしたけれど後遺症が残ったという場合には、いずれも請求できます。

慰謝料について加害者の保険会社と示談をする際に知っておきたいのは、慰謝料の基準は1つではなく、次の3つがあるということです。

  • 自賠責の基準……自動車損害賠償保障法(自賠法)で定められた、最低限の賠償基準
  • 任意保険の基準……各保険会社が独自に定めた賠償基準
  • 弁護士の基準……弁護士が、加害者との示談交渉や裁判の際に用いる賠償基準

3つの基準を金額の大きい順に並べると、一般に、次の順になります。

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

(※ただし、自賠責保険は交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合などは自賠責の基準がもっとも高額となることもあります)

慰謝料に関する自賠責の基準は法令で金額が明確に決められており、交渉で増減することはありません。

他方、加害者が任意保険に加入している場合、通常は任意保険会社と示談交渉をすることになりますが、保険会社は自社の基準に従った慰謝料金額を提示します。

これに対して、弁護士が交渉をする時は、弁護士の基準に従って交渉します。

その結果、弁護士の基準やそれに近い金額まで増額されることが多いです。

もらい事故は被害者の過失がありませんから、基本的には、弁護士の基準によって慰謝料を計算するのが一番高額になります!

弁護士に頼まなくても、自分で弁護士の基準を使って示談交渉はできないですか?

弁護士の基準は、弁護士でなければ使えないというわけではありませんので、もちろんご自身で交渉することは可能です。
ただ、弁護士でない方が弁護士の基準で交渉しようとしても、保険会社が応じないことが多いです。弁護士の基準で示談交渉したい場合には、弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士の基準を使うと、どのくらい慰謝料の金額が変わりますか?

追突事故などのもらい事故で多い、むち打ちの例を一部ご紹介しましょう。

弁護士が示談交渉をした結果、慰謝料が増額した解決事例【後遺障害等級14級】

傷病名 後遺障害等級 保険会社の提示金額 弁護士による交渉結果 増額分(総額)
1 外傷性頸部症候群
頸椎捻挫
(むちうち)
14級9号 入通院慰謝料 108万8000円  131万7333円 178万9377円
後遺症慰謝料 50万円 110万円
総額 460万6372円 639万5749円
2 外傷性頸部症候群
頸椎捻挫
(むちうち)
14級9号 入通院慰謝料 77万円 89万1000円 121万342円
後遺症慰謝料 40万円 99万円
総額 290万9312円 412万3054円
3 左足首捻挫
手関節捻挫
腰椎捻挫
頸椎捻挫
(むち打ち)
併合
14級
入通院慰謝料 70万9637円 115万円 121万7209円
後遺症慰謝料 40万円 110万円
総額 391万1706円 512万8915円
4 頸椎捻挫
(むち打ち)
14級9号 入通院慰謝料 41万6607円 96万2000円 124万4386円
後遺症慰謝料 32万円 110万円
総額 225万0784円 349万5170円

なお、後遺障害等級14級の後遺障害慰謝料は、自賠責の基準では32万円、弁護士の基準では110万円です。

弁護士が示談交渉をした結果、慰謝料が増額した解決事例【後遺障害等級12級】

傷病名 後遺障害等級 保険会社の提示金額 弁護士による交渉結果 増額分(総額)
1 右肩腱板断裂
右肩鎖関節損傷
右肩関節捻挫
頸椎捻挫
(むちうち)
12級13号 入通院慰謝料 91万4100円  120万7855円 245万2902円
後遺症慰謝料 100万円 261万円
総額 537万8396円 783万1298円
2 頸椎捻挫
(むちうち)
12級13号 入通院慰謝料 33万6906円 89万1000円 365万1388円
後遺症慰謝料 110万円 290万円
総額 453万1322円 818万2710円
3 中心性頸髄損傷
頸椎捻挫
(むち打ち)
12級13号 入通院慰謝料 81万5900円 118万9200円 494万1514円
後遺症慰謝料 130万円 261万円
総額 802万8307円 1296万9821円
4 頸椎捻挫
(むち打ち)
頸椎椎間板ヘルニア
12級13号 入通院慰謝料 82万円 130万円 371万円
後遺症慰謝料 125万円 285万円
総額 580万円 951万円

なお、後遺障害等級12級の後遺障害慰謝料は、自賠責の基準では94万円、弁護士の基準では290万円です。
いずれの事例も、保険会社の提案は自賠責の金額に近く、弁護士が交渉することにより増額したことがお分かりかと思います。

もらい事故にあって、ご自身で加害者の保険会社と交渉をしなければならない場合、けがの治療と平行して交渉するのは心理的にも負担です。
保険会社の担当者の態度に不快な思いをすることもあるかもしれません。
しばらく治療を継続してもなかなか症状が良くならず、今後、どのような流れになるのか不安を覚えることもあるかと思います。

弁護士に依頼すれば、弁護士が保険会社と交渉しますし、治療中のアドバイスや今後の流れについても相談することが可能です。
交通事故の相談は無料とする弁護士事務所もあります。
もらい事故の被害にあった方は、まずは、一度弁護士にご相談ください。

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットについて詳しくはこちらの記事もご参照ください。

【まとめ】もらい事故の慰謝料は示談交渉後に受け取ることができる。慰謝料を増額したい時は、まずは「弁護士の基準」で交渉すべき

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • もらい事故は被害者に過失がないため、基本的には被害者の保険が使えず、自身で示談交渉をしなければいけない。
  • 示談交渉の開始時期は、けがの治療後、又は後遺症が残った場合には後遺障害等級認定を受けた後。
  • 加害者が任意保険に加入している時は、基本的には保険会社と示談交渉をすることになり、示談成立後から2週間程度で示談金が支払われることが多い。
  • もらい事故によりけがをして、治療後完治した場合には入通院慰謝料(傷害慰謝料)、完治せずに後遺症が残ったため後遺障害等級認定を受けた場合には、入通院慰謝料に加えて後遺症慰謝料の請求ができる。
  • 慰謝料を算定する基準は1つではなく、自賠責の基準・任意保険会社の基準・弁護士の基準がある。もらい事故は被害者の過失がないため、通常は弁護士の基準が最も高額になる。
  • 任意保険会社が提示する示談金も、弁護士が交渉することにより増額される可能性がある。

自分で交渉といっても、相手の保険会社は大手の会社だし、信用して示談を任せておけば良いだろう……。そう思われる方も多いです。
もちろん、保険会社の提案する示談金額も決して少額というわけではなく、実は、慰謝料を算定する基準が3つあるという事情を知らなければ、こんなものかと納得してもおかしくありません。

ですが、今回ご紹介した事例のように、任意保険会社の提案は決してそれ以上の金額は払えないという金額ではありません。弁護士が交渉することによって増額されることは本当に多いのです。
最大限の賠償金を獲得することは、交通事故の被害にあって、痛みに耐え、様々な不便を強いられたあなたの権利です。

もしも、すでに保険会社から示談金の提示があったという方は、保険会社の提示する示談金を鵜呑みにせず、まずは弁護士にご相談ください。 交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年5月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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