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事故の慰謝料における精神的苦痛とは?慰謝料が増額する要素と注意点

作成日:更新日:
kiriu_sakura

『交通事故にあったので、相手方に慰謝料の請求をしたい』
そんなお悩みのある方はいらっしゃいますか。
交通事故の被害にあった場合、被害者は加害者に対して、治療費などのほかに、精神的損害(=「痛い」・「つらい」などの苦痛)に対する「慰謝料」を請求することができます。

ですが、一言に精神的損害に対する「慰謝料」といっても、具体的なけがの内容や治療経過などによって金額は変わります。
また、慰謝料は、事故により受けた精神的苦痛に対する賠償ですから、通常の交通事故に比べて精神的苦痛が大きく上回ると認められるケースでは、慰謝料の金額も増額されることがあります。

しかも、慰謝料を算出するための基準は1つだけではありません。
加害者が任意保険に加入している場合、慰謝料についても保険会社から提案のあることが多いでしょうが、保険会社の提示する金額をそのまま受け入れるのではなく、ご自身の事故について、本当にその金額が適正なのかよくご検討いただければと思います。
今回の記事では、

  • 交通事故の慰謝料について
  • 慰謝料が増額されるケースについて
  • 示談交渉を弁護士に依頼するメリットについて

ご説明します。

この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

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交通事故の慰謝料とは?

交通事故の被害にあった時、被害者は加害者に対して損害賠償を請求できます。
ここでは『慰謝料』についてご説明します。
『慰謝料』とは事故にあった被害者の、精神的損害(=「痛い」・「つらい」などの苦痛)に対して支払われる金銭です。
交通事故により、被害者に認められる可能性のある慰謝料は、次のとおりです。

慰謝料は、それぞれ該当するものを請求できます。例えば次のようなケースで慰謝料の請求が認められます。

  • けがをして入通院した結果、完治した場合は「入通院慰謝料」のみ
  • けがをして入通院したけれども後遺障害が残ってしまった場合には「入通院慰謝料」と「後遺症慰謝料」の両方
  • 入院して治療をしたけれど死亡した場合には「入通院慰謝料」と「死亡慰謝料」の両方
  • 事故直後に死亡した場合には「死亡慰謝料」のみ

人によって、精神的苦痛を感じる場面や、苦痛の程度などは異なります。
ただ、精神的苦痛には形がありませんから、どの程度の苦痛を受けたのか数値化することはできません。

そこで、交通事故の慰謝料は、事故により通常はこのような精神的苦痛を受けるであろうという場合をある程度一般化して、けがの程度や後遺症の程度などによって、このような場合にはこの程度の損害賠償を認めるという基準があるのです。

ただ、後でご説明するとおり、個別の事案において、受ける精神的苦痛が通常に比べて大きく上回ると認められる場合には慰謝料が増額されることもあります。

慰謝料の基準について、詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故慰謝料の弁護士基準(裁判所基準)とは?増額事例も紹介

(1)入通院慰謝料について

交通事故の被害にあいけがをして、入院や通院が必要になった場合には、ケガで入通院をして受けた精神的苦痛に対して、「入通院慰謝料」(「傷害慰謝料」とも言います)を請求できます。
入通院慰謝料は、入院期間や通院期間に応じて請求できるもので、基本的には被害者の年齢や性別・職業によって変化しません。

(2)後遺症慰謝料について

症状固定後も後遺症が残ってしまった場合、後遺障害等級認定を受けることで(※)、後遺症により受ける精神的苦痛に対して「後遺症慰謝料」を請求できます。
後遺障害等級は、重い順に1~14級まで定められ、等級によって慰謝料の金額は大きく異なります。

※裁判例によれば、後遺障害等級認定を受けずに後遺症慰謝料が認められたケースもありますが、多くの場合で後遺障害等級が後遺症慰謝料請求の前提となります。

(3)死亡慰謝料について

交通事故により被害者が死亡した場合、被害者自身に、死亡により受けた精神的苦痛に対して「死亡慰謝料」が認められます(※実際には、死亡した被害者自身は請求できませんから、相続人が慰謝料請求権を相続した上で慰謝料を請求することになります)。

(4)ご家族の方の近親者慰謝料について

また、次のような場合、交通事故にあった被害者本人だけではなく、ご家族にも固有の「近親者慰謝料」が認められます。

  • 死亡した場合
  • 重い後遺障害を負った場合 など

「慰謝料」は増額されることがある

本来、個々の人の心の痛みは外からは見えませんし、はかりで量れるものではありませんので、本当に正しい「慰謝料」額は誰にもわかりません。
ですが、これまでの数々の交通事故の裁判例などの積み重ねにより、客観的な事情から精神的苦痛に対する慰謝料の金額を計算するという一定の基準が確立しています。

慰謝料の基準について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故における慰謝料の相場や計算方法、請求手順について詳しく解説

ただ、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するためのものですから、通常のケースから大きく外れてしまうほどの精神的苦痛を受けたと認められる場合には、慰謝料が基準よりも増額されることがあります。

一般的に慰謝料が増額され得るケースは、次のとおりです。

  • 事故態様が極めて悪質
  • 相手方の対応が著しく不誠実
  • 相手方の過失の程度が大きい
    飲酒の上での運転
    医師から運転しないように言われていたのに運転した
    あおり運転
    ことさらな信号無視
    大幅なスピード違反 など

このような場合には、一般的に受ける精神的苦痛も甚大ですので、個別に慰謝料が増額されることがあります。

慰謝料が増額された実際の裁判例をいくつかご紹介します。

【加害者の対応が不誠実と認められたケース】

不誠実な対応の内容増額慰謝料裁判年月日
・被害者に偽名を名乗る
・被害者の連絡を無視するなど
入通院慰謝料136万円
(病院実通院日数4日・
整骨院実通院日数34日)
大阪地裁
令和元年11月27日
・救護義務違反・報告義務違反(いわゆる「ひき逃げ」)
・刑事裁判においても被害者を冒涜するような不合理な弁解
・被害者は任意保険による被害弁償を一切受けられなかった
後遺症慰謝料3000万円
(遷延性意識障害(ただし、後遺障害等級認定を受ける前に死亡)
さいたま地裁
平成30年10月11日
・青信号に従い自転車で横断中の被害者に責任転嫁し、被害者の信号無視を主張
・視機能が低下し、そもそも運転を控えるべきであったこと
被害者本人の死亡慰謝料2100万円
妻の近親者慰謝料300万円
子3名の近親者慰謝料各100万円
熊本地裁玉名支部
平成27年1月20日

上記は、いずれも裁判上、加害者側に「不誠実な対応」があり、慰謝料を増額すると認められたケースです。

なお、慰謝料の増額が認められる「不誠実な対応」と言えるためには、加害者側の事故後の態度・対応などがおよそ常識に反して著しく不相当と言える事情が必要です。
裁判では、加害者側の「不誠実な対応」による慰謝料の増額が主張されることは多いのですが、加害者側の対応が「望ましい対応とは言えない」程度にとどまるものであれば、慰謝料の増額までは認められないことが多いです。

【加害者の過失が大きいケース】

死亡慰謝料近親者慰謝料特殊事情裁判年月日
2500万円妻 400万円
子 100万円
時速30キロの速度超過
赤信号無視
京都地裁
平成30年11月26日
2700万円両親 各150万円持病のてんかん発作による意識障害に陥ったまま
運転
大阪地裁
平成29年9月29日
2400万円両親 各300万円
兄 200万円
時速85キロの速度超過高松地裁
平成26年7月30日

少し特殊ですが、被害者が交通事故当時妊娠中で交通事故が原因で中絶等した場合に、慰謝料の増額が認められるケースがあります。

【被害者が妊娠中であった事例】

事故時の
妊娠週
中絶等の理由慰謝料の金額裁判年月日
3~4週事故後の呼吸停止・服薬による影響を懸念して中絶胎児の死亡慰謝料
として100万円
横浜地裁
平成21年12月17日
7週胎児の心音確認できず流産傷害慰謝料として
200万円(通院62日)
大阪地裁
平成18年2月23日
27週交通事故による前期破水
帝王切開するも胎児死亡
胎児の死亡慰謝料
として250万円
横浜地裁
平成10年9月3日

出産前の胎児は「人」とは扱われないため、胎児自身の慰謝料というものはありません。
ただ、妊娠中の胎児が死んでしまった場合などは、母親の精神的苦痛はそれ以外の場合に比べて大きくなりますので、母親である被害者自身の慰謝料の増額が認められるケースがあるのです。
その場合、被害者の年齢・妊娠週数、初めての子かなどの事情が考慮されます。

その他、裁判例では次のようなケースで、慰謝料の増額が認められることもあります。

被害者本人の慰謝料が増額されるケース

  • 結婚式を取りやめた
  • 学業その他の活動に大きな支障を生じた
  • 結婚式を挙げたばかりであった など

近親者の慰謝料が増額されるケース

  • 被害者の兄弟が交通事故を目撃した
  • 近親者がPTSDなどの精神疾患にり患した など

慰謝料の金額は、一定の基準があります。
ただ、それ以上の金額が一切認められないわけではなく、被害者が受ける精神的苦痛が通常の事故に比べて大きく上回るなど事情がある場合などは、個別の事案により増額が認められることがあります。

交通事故の被害にあわれた方は、ご自身の事故について適正な慰謝料を獲得するため、個別の事情についてもよくご検討されることをお勧めします。

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリット

交通事故の被害にあった時、加害者が任意保険に加入している場合、保険会社と損害賠償について話し合って示談をすることが多いかと思います。
この時、示談交渉を弁護士に依頼するメリットについてご説明します。

(1)最終的に受け取れる賠償金が増額される可能性がある

今回は、慰謝料が増額される可能性についてご説明しましたが、慰謝料について注意が必要なのは、慰謝料を算出する時の、自賠責保険の基準と任意保険会社の基準と弁護士の基準がそれぞれ異なっているということです。

通常は、自賠責の基準が一番低く、弁護士の基準が一番高くなります(※ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります)。
任意保険会社の基準は、任意保険会社が独自に設けている損害賠償の基準で、基本的に非公開とされています。一般的に、自賠責保険基準よりは高く、裁判所基準よりは低いと考えられています。

弁護士に依頼した場合には、弁護士は、もらえる賠償額が一番多くなるように通常(被害者側の過失が大きくない場合等)は、弁護士の基準をベースに交渉します。

その結果、弁護士の基準に近い金額で示談できることもよくあります。
他方、弁護士に依頼せずご自身で交渉しても、なかなか弁護士の基準では示談できないことが多いでしょう。
そのため、弁護士に依頼することで、もらえる賠償額が増額する可能性があります。

弁護士に依頼するメリットについて詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故は弁護士に依頼しないと損?弁護士への依頼でもらえる示談金が増える可能性も

(2)煩わしいやり取りから解放されること

ご自身で保険会社との交渉をすべてなさるのはなかなか大変です。

時には担当者の態度に不快な思いをすることもありますし、そもそも、日中仕事をされている方であれば、交渉の時間を確保することも難しいでしょう。

弁護士に依頼した場合には、方針について決定すれば、実際の保険会社とのやり取りは弁護士が担当しますので、保険会社との煩わしいやり取りから解放されます。

弁護士に依頼するデメリットについて

弁護士に依頼するデメリットとしては、弁護士に支払う費用がかかるという点があります。
ですが、弁護士費用が心配という方は、まず、契約している保険の特約を確認してみてください。
保険によっては、加害者の保険会社との話合いなどを弁護士に依頼した場合にはその費用を負担するという『弁護士費用特約』が付いていることがあります。

ここでポイントとなるのが、「弁護士費用特約」は自身名義で弁護士費用特約に加入していない場合でも、弁護士費用特約を利用できることがある、という点です。

  1. 配偶者
  2. 同居の親族
  3. ご自身が未婚の場合、別居の両親
  4. 被害事故に遭った車両の所有者

のいずれかが任意保険に弁護士費用特約をつけていれば、被害者ご自身も弁護士費用特約の利用が可能であることが通常です。
弁護士費用特約を使っても、保険料や等級は上がりません。
ただし、自己に重大な過失がある場合など、弁護士費用特約が使えない場合があります。

弁護士費用特約を使うためには様々な条件があり、加入している保険によってその内容も異なります。弁護士費用特約が今回の事故に使えるか、事前に、加入している保険会社に必ず問い合わせしておきましょう。
詳しくはこちらをご覧ください。

弁護士費用特約は保険に入っていない人でも補償範囲になる?利用できるケースを解説

弁護士費用特約にも限度額はありますが、原則として弁護士費用は保険会社が負担しますので、ぜひ、特約を利用して弁護士に依頼することをお勧めします。

また、弁護士費用特約が利用できないとしても、弁護士が交渉することにより示談金額が増額される可能性があります。

【まとめ】交通事故の被害にあった場合『入通院慰謝料』などの慰謝料が請求でき、慰謝料は個別の事情によって増額されることがある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 交通事故の被害にあったとき、次の慰謝料のうち、該当するものを請求できる。
    1. 入通院が必要となるけがをした時は『入通院慰謝料』
    2. 後遺障害等級認定を受けた時は『後遺症慰謝料』
    3. 死亡した時は『死亡慰謝料』
  • 被害者が死亡した場合や重い後遺障害を負った時は、近親者にも固有の『近親者慰謝料』が認められる。
  • 交通事故の慰謝料はある程度一般化されているが、次のような事情など、被害者が受ける精神的苦痛が通常の事故に比べて大きく上回る場合には、慰謝料が増額されることがある
      1. 事故態様が悪質
      2. 相手方の対応が著しく不誠実
      3. 相手方の過失の程度が大きいなど
  • 慰謝料を算出する基準は自賠責の基準・任意保険会社の基準・弁護士の基準があり、被害者の過失が大きいなどの事情がなければ、通常は自賠責の基準が一番低額で弁護士の基準が一番高額となる。
  • 交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると、
    1. 最終的に受領できる金員が増額する可能性がある
    2. 保険会社とのやり取りから解放される

    というメリットがある。

  • アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

    すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

    また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
    ※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
    実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

    弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

    (以上につき、2022年5月時点)

    アディーレ法律事務所のホームページでは、これまでに解決した事例をご紹介していますので、是非ご参照ください。

    交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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