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進路変更による事故の過失割合は?過失割合が修正される7つのケース

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Tさんは自動車で走行中、路肩に駐車していた車を避けるため右方向に進路変更したところ、後方から来た自動車が追突。追突した自動車の運転者が大ケガを負うとともに、自らも追突の衝撃で重いむち打ち症を負ってしまいました。
Tさんは、自分の進路変更が事故につながったことから、過失割合を高く認定されてしまうのではないか心配です。
この記事では、進路変更による交通事故について

  • 進路変更と車線変更の違い
  • 進路変更による事故の過失割合(パターン別)
  • 進路変更による事故で過失割合が修正されるケース

について、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

進路変更と車線変更の違い

道路交通法には、進路変更の定義を明確に示した規定はありません。ただし、解釈により、進路変更とは車線変更のほか、同一車線内において左右に方向を変えることとされています。
車幅により一概に言えませんが、四輪車の場合、従来の進路を大部分(半分以上)変えれば進路変更したとみなされます。
進路変更は、車両通行帯や車線の変更の有無とは関係ありません。車線変更をしなくても、進路を変えると進路変更とみなされます。
道路交通法(道交法)には、

  • 特別な理由がない限りみだりに進路変更してはならない(26条の2第1項)
  • 後続車の妨げとなる進路変更はしてはならない(26条の2第2項)
  • 進路変更する場合は3秒前にウインカーで合図する(53条1項および道交法施行令21条)

といった規定があります。

他方、車線変更というのは進路変更の一種で、車両通行帯(車線)がある道路で車線をまたぐ進路変更をすることを指します。

進路変更が原因で起こる事故と過失割合

進路変更による事故では、事故のパターンごとに過失割合が変わってきます。
まず前提として、過失割合について簡単に説明します。

(1)過失割合とは

過失割合とは、交通事故の当事者双方に、どのくらいの責任があるのかを示す割合をいいます。過失割合は、相手方に請求できる損害賠償の額に大きく関係します。
仮に自分側に一切過失がなければ、生じた損害の全額を相手側に請求できますが、少しでも自分側に過失があった場合、その分が損害賠償額から差し引かれ、全額は請求できなくなってしまいます。
この場合、自分側の過失割合分は自分で負担しなければならず、その分が損害賠償額から差し引かれてしまうからです。

【例】
交通事故により、自分側に生じた損害額が1000万円
過失割合について、

自分:20%
相手:80%

だった場合
100万円×20%=200万円は自分で負担しなければならない
→1000万円-200万円=800万円しか相手側に請求できない

では、進路変更が原因で起こる事故のパターンと、各パターンにおける過失割合(※)について見てみましょう。
(※)なお、以下に挙げる過失割合は、過去の数多くの裁判例から類型化された基準であり、一つの目安です。

(2)進路変更により後続車が追突した事故の過失割合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

2台の車両が同方向を走行中、進路変更した前方車両に後続車両が追突するケースです。
この場合の過失割合は、

進路変更した車両:70%
後続車両:30%

となります。
これが基本パターンとなります。

進路変更は危険を伴うため、みだりに進路を変更してはならない規定があります(道交法26条の2第1項)。
また、進路変更する際は、運転者は後続車両などに十分注意を払う必要があることから、後方から追突された場合は進路変更した車両側の過失割合が7割と高くなるのです。
他方、後続車両は前方車両のウインカーによりその進路変更を予測できたことから、それにもかかわらず追突してしまった場合は前方の確認不足という理由で3割の過失となります。

(3)進路変更によるバイクと車の事故の場合

バイクは四輪車よりも立場が弱いため、一般に過失割合が低くなります。
ただし、どちらが進路変更したかどうかで、過失割合は次のように変化します。

【四輪車が進路変更した場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【225】

四輪車:80%
バイク:20%

【バイクが進路変更した場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【226】

バイク:60%
四輪車:40%

四輪車どうしの事故である1と比較すると、いずれもバイクの過失割合は10%減算されることになります。

進路変更の事故で過失割合が修正されるケース

以上が、進路変更による追突事故の基本的な過失割合となりますが、個別の状況によっては、次のように過失割合の修正がなされます。

(1)駐停車中の車に追突した場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【157】

信号待ちなどで駐停車中の車両に進路変更車両が追突した場合、過失割合は

進路変更した車両:100%
追突された車両:0%

となります。
停車中の車は、後方車両の追突を回避するのが通常は不可能なため、過失割合ゼロとなります。

(2)進路変更禁止に反した場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

黄色い線の進路変更禁止区間で進路変更した車両に後方車両が追突した場合、過失割合は

進路変更した車両:90%
追突した車両:10%

となります。
進路変更が禁止されているにもかかわらず進路変更した車両には、基本パターンよりも過失割合が20%加算されます。
逆に、追突した車両は、進路変更禁止区間で前方車両が進路変更するとは通常予測できないため、前方を注視する義務が軽減され、10%の過失割合にとどまります。

(3)合図(ウインカー)を出さない場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

合図(ウインカー)を出さずに進路変更した車両に後方車両が追突した場合、過失割合は

進路変更した車両:90%
追突した車両:10%

となります。
合図を出さずに進路変更した場合、後方車両はその進路変更を予測することが難しくなります。そこで、合図を出さずに進路変更した車両の過失割合は基本パターンより20%加算され、90%になります。
なお、進路変更する際は3秒前に合図を出し、注意喚起する義務があります(道交法53条1項および道交法施行令21条)。

(4)ゼブラゾーン進行中の場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

ゼブラゾーン(導流帯)とは、白線が縞模様になっている区画で、事故や渋滞が多い交差点などで車が安全・円滑に走行することを誘導するために設けられたものです。走行すること自体は問題ありませんが、みだりに進入してはならないとされています。
直進車両がゼブラゾーンを走行中、進路変更車両に追突した場合の過失割合は

進路変更した車両:50~60%
ゼブラゾーン走行車両:40~50%

となり、ゼブラゾーンを走行していた車両の過失割合は基本パターンよりも高くなります。

(5)直進車がスピード違反していた場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

直進車が法定速度に違反する速度で走行中、進路変更した車両に追突した場合の過失割合は、

【15km以上の速度超過の場合】
進路変更した車両:40%
スピード違反した直進車両:60%

【30km以上の速度超過の場合】
進路変更した車両:50%
スピード違反した直進車両:50%

となります。

(6)直進車が初心運転者の場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

初心者マークが付いている車両が進路変更車両に追突した場合の過失割合は、

進路変更した車両:80%
初心者マークの直進車両:20%

初心者マークの直進車両の過失割合は、基本パターンよりも10%減算されます。
これは、後続車両に初心者マークが付いている場合、前方で進路変更する車両は、より注意を払わなければならないためです。

(7)進路変更した車両に著しい過失・重過失がある場合

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【153】

進路変更した車両に著しい過失、または重過失がある場合、進路変更車両の過失割合が加算されます。
「過失」とは、不注意やミスのことをいいます。

【「著しい過失」の例】(条文は道路交通法)

  • 著しく不適切なハンドル・ブレーキ操作(70条)
  • 携帯電話で通話するなどの「ながら運転」(71条5号の5)
  • おおむね15km以上30km未満の速度違反(高速道路を除く)・酒気帯び運転(65条1項)

【「重過失」の例】

  • 酒酔い運転(117条の2第1項)
  • 居眠り運転
  • 無免許運転
  • おおむね30km以上の速度違反(高速道路を除く)
  • 過労、病気、薬物の影響などにより正常な運転ができないおそれがある場合(66条)

進路変更した車両に「著しい過失」があった場合の過失割合は、

進路変更した車両:80%
追突した後方車両:20%

となります。

進路変更した車両に「重過失」があった場合の過失割合は、

進路変更した車両:90%
追突した後方車両:10%

となります。

【まとめ】進路変更の事故でお悩みの方は弁護士にご相談ください

進路変更は道路交通法で規制される行為であり、車線変更は進路変更の一種です。
進路変更による基本的な過失割合は、車どうしの事故か、あるいは車とバイクの事故かで異なります。
また、過失割合は車両が停車中であるか、進路変更禁止であったかなど、状況によって加算・減算されます。
過失割合によって、相手方に請求できる賠償額が変わってくるため、双方にどれだけの過失割合が認められるかは切実な問題です。
進路変更の事故に巻き込まれてお困りの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

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