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不倫が犯罪ではなく「不法行為」になる理由は?気づいた後の対処法について解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

「不倫は犯罪ではなく、不法行為になるってどういうこと?」

犯罪とは、法によって刑罰での制裁が科される行為をいいます。
不倫に刑罰を科す法律はないので、不倫は犯罪ではありません(18歳未満の未成年者との不倫を除く)。
そのため、不倫をしても、警察に逮捕されたり、刑務所に入れられたりするということはありません。
ただし、不倫は、民法上の不法行為として、損害賠償請求の対象となる可能性があります。
つまり、不倫の被害者が、不倫をした配偶者や不倫相手に対して、慰謝料を請求することができる可能性があるのです。

本記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 不倫は「犯罪」ではなく「不法行為」であるという意味
  • 不倫の定義
  • 不倫によるリスク
  • 不倫に気付いた場合の対象法など
この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。東京弁護士会所属。

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不倫は「犯罪」ではなく「不法行為」

まず、不倫が、「犯罪」ではなく「不法行為」に該当しうることについて、詳しく説明します。

(1)不法行為とは?

民法709条は、次のように定めています。

民法709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法709条

民法709条は、不法行為に基づく損害賠償請求権を規定しています。
不倫のケースを想定して、この民法709条について解説しましょう。
「故意又は過失によって」とは、不倫相手が、交際相手が既婚者であることを知りながら、または注意すれば既婚者であることに気づくことができたのに不注意で気づかなかったことを指します。

故意又は過失がなければ、行為の結果生じた責任を加害者に問うことは酷だと考えられます。
そのため、不法行為が成立するためには、この故意又は過失が必要とされています。
例えば、交際相手が既婚者であることを巧みに隠して騙しており、その結果、不倫相手が既婚者であることを知らず独身者であると信じており、信じることもやむを得ないという事情がある場合には、「故意」も「過失」もありませんので、不法行為は成立しません。

「他人の権利又は法律上保護される利益」とは、判例上、「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益」のことをいうと考えられています。
ここで「他人」とは、不倫をされた被害者を指します。
肉体関係を伴う不倫、すなわち不貞行為は、婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する典型的な行為です。

まとめると、不倫相手が、交際相手が既婚者であることを知りながら(又は注意すれば気づくことができたのに不注意で気づかずに)、交際相手と不貞行為を行い、交際相手の配偶者の婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害したら、不法行為として、それによって生じた損害を賠償する責任を負うことになります。

(2)不倫は犯罪ではない

犯罪とは、法によって刑罰での制裁が科される行為をいいます。
不倫に刑罰を科す法律はないので、不倫は犯罪ではありません。
例えば、万引きをすれば窃盗罪(刑法235条)にあたりますので、警察に逮捕されたり、検察に起訴されて刑事裁判の被告人になったりしますが、不倫をしたからといって、警察に逮捕されたりすることはありません。

例外は、あなたの配偶者が18歳未満の未成年者と不倫をした場合です。
各都道府県や市町村は、青少年保護育成条例を定めて、青少年の健全な育成を保護しようとしています。
例えば、東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6には、「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない」と規定されています。
条例の詳細な内容は各都道府県や市町村によって異なり、例えば「真剣交際を除く」という例外があったりしますが、青少年を保護するという趣旨は同じです。

したがって、あなたの配偶者が18歳未満の者と肉体関係を持つと、各地の青少年保護育成条例に違反し、刑事罰を受けるおそれがあります。この場合、不倫相手である18歳未満の未成年者は、青少年保護育成条例上は被害者という立場になりますので、刑事罰を受けることはありません。

もちろん、相手方の合意なく無理やり肉体関係を持てば、強制性交等の罪(刑法177条)に当たりうることになりますから、逮捕、起訴される可能性があります。

不倫の定義

「不倫」は多義的な概念で、人によって意味が異なる場合があります。
「私にとっては、内緒で異性と連絡を取ることも不倫だ」という方もいるかもしれません。
しかし、不法行為が成立するような内容の不倫でなければ、配偶者や不倫相手に慰謝料を請求することはできません。
一般的に、連絡を取りあったり、デートをしたりするだけでは、不法行為は成立しませんので、注意が必要です。

不倫と異なり、不貞行為には定義があります。
不貞行為とは、「配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つこと」といい、不貞行為は不法行為にあたります。
また、肉体関係に至らないような前悪戯等の性交類似行為や、婚姻関係を破綻させるような異性との交流も、不貞行為といえるかは別としても、不法行為にあたる場合があります。
ただし、どの程度の行為・関係があれば不法行為となるかは、裁判官によるケースバイケースの判断となります。

したがって、まずは、配偶者と不倫相手の間の肉体関係の存在(不貞行為の存在)を証明することができるかどうかが重要となります。
肉体関係があり、故意・過失が認められる場合、不貞行為として不法行為となりますが、その他の行為・関係は、たとえ強い証拠があったとしても、不法行為となるかどうかは明らかではないためです。

不倫は犯罪ではないが慰謝料請求の対象

不貞行為をされ、精神的苦痛を被った被害者は、救済を受けるために、配偶者及び不倫相手に対して、慰謝料を請求することができます。
精神的苦痛がどの程度か、いくらもらえば精神的苦痛が慰藉されるかについては、夫婦の状況や不貞行為の内容などによって異なりますので、明確な基準があるわけではありません。
裁判例をみると、慰謝料の額は、次のような様々な具体的事情を考慮して算定されます。

  • 夫婦関係について(年齢、婚姻期間、子の年齢など)
  • 不倫があった時期の夫婦仲(夫婦円満であったか、破綻していたかなど)
  • 不倫の内容(期間、回数、どちらが主導していたか、不倫の結果子が出生したかなど)
  • 不倫が原因で夫婦や子が受けた影響(離婚したかなど) など

不倫の内容は1件1件で異なり、「裁判になったら自分の場合いくらの慰謝料が認められるか」を事前に予測するのは困難ですが、一般的な慰謝料の相場の額はあります。
慰謝料の相場には、不貞行為の結果離婚する場合と、離婚しない場合の2つのケースがありますので、説明します。

(1)離婚をする場合の慰謝料請求

離婚をする場合の慰謝料の相場は、100万~300万円程度です。
不貞行為を理由に離婚する場合は、被害者は、配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求する方が多いです。
法律上は、どちらか一方だけに全額の慰謝料を請求することもできますが、離婚すれば配偶者との生計は別になりますので、取りやすい方から取るためにも、戦略上双方に請求するのです。
不倫相手に慰謝料を請求するときには、請求する側が、不貞行為の事実と不倫相手の故意・過失について証明する必要があります。
配偶者に請求するときには、不貞行為の事実のみ証明が必要ですが、やはり請求する側が証明しなければなりません。

(2)離婚をしない場合の慰謝料請求

離婚をしない場合の慰謝料の相場は、数十万~100万円程度です。
離婚をしなくても、配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求することができますが、離婚をしない場合は配偶者と生計が同一であるため、不倫相手にだけ請求することが多いです。
この場合、不倫相手が自分の負担割合を超えて慰謝料を支払った場合には、不倫相手はあなたの配偶者に対して、求償権(きゅうしょうけん)を行使して、「多く負担した分を払ってほしい」と請求することができます。不倫の責任は、あなたの配偶者と不倫相手が共同して負うものであり、不倫相手だけが慰謝料を支払った状態は、不公平だからです。

そのため、求償権を行使されたくない場合には、慰謝料を請求する際に、慰謝料額を下げたうえで求償権を放棄して欲しい、と交渉するとよいでしょう。

離婚をせずに不倫相手に慰謝料を請求した方の解決事例を紹介します。

配偶者が不倫していたらどうすれば良い?適切な対処法

配偶者が不倫していることに気づいたら、突然のことで精神的なショックを受けるかもしれませんが、自分のために、落ち着いて対処するようにしましょう。
適切な対処法や注意点について紹介します。
ここでは、次の3点について解説します。

  • まずは不倫の事実を確かめる
  • 不倫相手への執拗な連絡や強要はしない
  • 不倫相手の両親に慰謝料は請求できない

(1)まずは不倫の事実を確かめる

まず、配偶者が本当に不倫、すなわち異性と肉体関係をもったのかを確かめる必要があります。
慰謝料を請求するためには、肉体関係の存在を示す証拠が必要となりますし、慰謝料を請求しないにしても、証拠がなければ言い逃れされてしまう可能性があります。
証拠としては、肉体関係があったことをうかがわせるメッセージのやり取り、ラブホテルを出入りする写真、肉体関係があったことが分かる動画や写真等があります。
自分で肉体関係の存在につながる証拠を集められない場合は、興信所に調査を依頼する方法がありますが、費用がかかりますし(慰謝料以上の費用がかかることもある)、費用をかけても証拠が得られる保証はありませんので、実際に利用するかどうかは慎重に判断する必要があるでしょう。

(2)不倫相手への執拗な連絡や強要はしない

配偶者や不倫相手が肉体関係を認めれば、それも証拠になります。
しかし、不倫相手に執拗に連絡したり、自宅や会社を直接訪ねて怒りに任せて話してしまったりすると、不倫相手から後々「脅された」などと逆にクレームを受ける可能性がありますので、注意が必要です。
また、社内不倫だからといって、不倫相手を退職させることはできません。
話し合いによって自主的に退職してもらうことはできますが、不倫相手によりますので、必ず辞めてもらえる保証はありません。

(3)不倫相手の両親に慰謝料は請求できない

不倫は、あくまでも被害者と、配偶者及び不倫相手の間の問題です。
したがって、基本的に、不倫相手の両親に対して、不倫の事実を告げて慰謝料を請求することはできませんし、不倫相手の両親も、慰謝料を支払う義務を負いません。
慰謝料について話し合う中で、不倫相手が自主的に自分の両親に説明して両親からお金を借りて慰謝料を支払うことはありますが、それも強要できるものではありません。
例外的に、不倫相手が未成年者の場合には、法律上、未成年者が法律行為をするのは法定代理人の同意が必要なので(民法5条)、慰謝料の請求の話し合いに未成年者の両親に参加してもらうことがあります。
この場合であっても、基本的に慰謝料を支払う責任を負うのは不倫相手ですので、両親が慰謝料を支払う責任を負うものではありません。

【まとめ】不倫に気付いたら、不倫の事実を確かめた上で、お早目に弁護士に相談を

本記事をまとめると次のようになります。

  • 不倫は、18歳未満の未成年者と不倫をした場合や強制的に肉体関係を持つなどの事情がない限り、基本的には犯罪とはならない。不法行為として、損害賠償請求の対象となる。
  • 不倫が不法行為として損害賠償請求の対象となるのは、肉体関係を伴う場合などである。
  • 不貞行為の慰謝料請求には相場というものがある。離婚をする場合は、100万円~300万円程度、婚姻を継続する場合は、数十万~100万円程度が相場である。
  • 不倫による主なリスクは次の3つ
    • 社会的地位や信用がなくなる
    • 精神的に追い込まれる
    • 慰謝料を請求される
  • 不倫に気付いた場合は次の3つに注意
    • まずは不倫の事実を確かめる
    • 不倫相手への執拗な連絡や強要はしない
    • 不倫相手の両親に慰謝料は請求できない

不倫をされた側は、配偶者に信頼を裏切られてしまったことで怒り、悲しみ、恨み、妬み、自己嫌悪など様々な感情に苦しみます。
不倫相手に慰謝料を請求したいと考えても、不倫相手を特定したり、実際に連絡を取って交渉したりするのは、時間もかかるし精神的にもつらい作業です。弁護士に依頼すれば、あなたの怒りや悲しみなどを代弁し、不倫相手と交渉することができます。

アディーレ法律事務所では、不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
(以上につき、2023年4月時点)

また、アディーレ法律事務所では、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることは原則ありません(2023年6月時点)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。東京弁護士会所属。

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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年3月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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