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なぜ浮気は犯罪ではない?慰謝料請求できるケースとその相場を解説

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「夫に浮気された!他人の配偶者を奪うなんて犯罪じゃないの!?」

配偶者の浮気を許し難く、浮気は犯罪に当たるのではないかと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、浮気は罰則のある法律(刑法など)に違反する行為ではないので、基本的には犯罪ではありません(*18歳未満の未成年者との浮気などを除く)。

もっとも、浮気は、民法上の『不法行為』に当たり、浮気相手や配偶者に慰謝料を請求できる可能性があります。

この記事を読んでわかること
  • 「不法行為」と「犯罪行為」の違い
  • 浮気の慰謝料の相場
  • 慰謝料を請求できる場合
この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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浮気は犯罪なのか?

浮気は刑法などの刑罰を科す法律に違反する行為ではありませんので、基本的には「犯罪行為」にあたりません(*18歳未満の未成年者との浮気などを除く)。

しかし、浮気は民法に違反する行為(「不法行為」)として、慰謝料の支払い義務を負う可能性があります。

(1)「不法行為」と「犯罪行為」の違いについて

「不法行為」というのは「犯罪行為」とは違うの?

このような疑問を持つ方も多いでしょう。
ここで整理しておきます。

1.犯罪行為とは

「犯罪行為」というのは、刑法など、刑罰(懲役刑など)が規定されている法律に違反する行為をいいます。

「悪いこと」にも程度がいろいろあります。
例えばマナー違反のように周囲から迷惑だと思われても、ある程度は社会的に許容されることもあれば、殺人のように絶対に許されないことまであるものです。

日本では、「刑罰をもって処罰するに値するくらいの悪いこと」だけを犯罪として扱う、という考え方をとっています。

例えば、人の財物を盗んだら、窃盗罪(刑法235条)として犯罪行為になります。
ところが、人の配偶者を盗んでも(=他人の配偶者と浮気をしても)犯罪行為にはなりません。

すなわち、 現代の日本において「浮気」は「基本的には夫婦の間のことだから、国が家庭に乗り込んでいってまで処罰することではない」と評価されています。

したがって、「浮気」は「犯罪行為」には当たりません。
ただし、浮気相手が18歳未満の未成年者である場合などは例外です。

各都道府県では、いわゆる「青少年保護育成条例」を定めて、青少年の健全な育成を保護しようとしています。

例えば、東京都では、「何人も、青少年(※)とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない」と規定してます(青少年の健全な育成に関する条例18条の6)。
(※「青少年」…18歳未満の者のこと)

これに違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(同条例14条の3。2023年5月時点)。

条例の詳細な内容は各都道府県によって異なりますが、青少年の健全な育成のために青少年を保護するという趣旨は同じです。

もっとも、青少年保護育成条例によって処罰されるのは、「青少年と性交等をした側」、つまりあなたの配偶者です。
配偶者の浮気相手が18歳未満であったとしても、浮気相手の行為が犯罪にあたり、浮気相手が処罰されるわけではありません。

また、いわゆる「パパ活」や「援助交際」など、あなたの配偶者がお金を払って18歳未満の未成年者と浮気をしていた場合には、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」違反に該当し、青少年保護育成条例よりも重い処罰を受ける可能性もあります。

2.不法行為とは

「不法行為」とは、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者」が「これによって生じた損害を賠償する責任を負う」ものです(民法709条)。

つまり、「不法行為責任」は、『私人』対『私人』の関係で生じるものといえます。

一方、「犯罪行為」による刑事責任は、国家が乗り出して処罰するという『国家』対『私人』との関係で生じるものです。

(2)なぜ浮気が「不法行為」になりうるのか?

不法行為を定めた民法709条は、次のように定めています。

民法709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法 | e-Gov法令検索

不法行為となるためには、条文の要件を一つ一つ満たす必要がありますので、浮気がなぜ不法行為になるのかについて、条文の文言に沿って解説します。

「故意又は過失によって」とは、基本的に、浮気相手が、交際相手が既婚者であることを知りながら、または注意すれば既婚者であることに気づくことができたのに不注意で気づかなかったことを指します。

故意又は過失がなければ、行為の結果生じた責任を加害者に問うことは酷だと考えられます。

そのため、不法行為が成立するためには、この故意又は過失が必要とされています。

例えば、「独身である」などと嘘をついて既婚者であることを巧みに隠し、その結果、 浮気相手が既婚者であることを知らず独身者であると信じており、それもやむを得ないという事情がある場合には、「故意」も「過失」もありませんので、浮気相手には不法行為は成立しません。

また、「他人の権利又は法律上保護される利益」とは、判例上、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」のことをいうと考えられています(最高裁判所第三小法廷判決平成8年3月26日 民集 第50巻4号993頁)

ここでいう「他人」とは、浮気をされた側の配偶者(被害者)を指します。

婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する典型的な行為が、肉体関係を伴う浮気、すなわち不貞行為です。

(3)既婚・未婚・事実婚で違いがあるのか?

ところで、ひとことで「浮気」といっても、既婚者の浮気の場合や、未婚者(恋人関係にある場合)の浮気、ほかにも「法律婚はしていないけれど事実婚をしている場合」の浮気と、浮気の態様にも違いがあります。

これらの態様の違いによって「不法行為」になるかどうかが変わってきます。

(3-1)既婚:配偶者の浮気の場合

婚姻している夫婦は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を有しています。

そして、不貞行為はこの権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為とされています。

ですから、原則として既婚者が配偶者以外の第三者と肉体関係をもつと、不法行為責任が生じます

また、肉体関係(性行為)がない場合でも、婚姻関係を破綻させるほど親密な交際をしていれば、不法行為と認められる可能性もあります。

不貞行為の判断基準について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

どこから不貞行為と判断できる?疑惑があるときに取るべき2つの行動

(3-2)未婚:交際相手の浮気の場合

恋人関係にある相手の「浮気」は、自由恋愛の範囲のトラブルと考えられ、通常は「不法行為」にはあたりません。

恋人関係という、婚姻していない状態は、法的に保護に値する状態とまでは考えられていないからです。

もっとも、未婚の恋人同士でも、婚約が成立しており、交際相手が自分以外と性的関係やこれに準じる関係を持ったのであれば、慰謝料を請求できる可能性があります

「婚約」にまで至っていると、法的保護に値する状態に達しているといえるからです。

ただし、浮気が原因で婚約破棄に至らなければ、受けた損害は大きくないと考えられ、金額は少額になる可能性が高いでしょう。

また、婚約中の浮気に対して慰謝料を請求するには、婚約が成立したといえる客観的事実が必要で、通常、当事者の合意だけでは足りず、次のような事情が存在することが必要です(すべて必要というわけではありません)。

  • 結婚式場を予約した
  • 婚約指輪を渡している
  • 結納を済ませている
  • 両親に結婚することを前提に挨拶していた など

さらに、婚約者の浮気相手に慰謝料を請求するには、(浮気相手が)婚約中であることを知っていた、または知らなかったことに過失があるという故意・過失が必要です。

婚約中の浮気について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

婚約中の浮気でも慰謝料請求できる?成功させるポイントを3つ紹介

(3-3)事実婚:パートナーの浮気の場合

では事実婚(内縁)の場合はどうでしょうか。

事実婚とは、婚姻届を提出していないだけで、法律婚の夫婦と同じような生活を送っている夫婦のことです。

事実婚というためには次のような事情があることが必要です(すべて必要というわけではありません)。

  • 長期間夫婦として同居している
  • 住民票が同一世帯である
  • 生計を一にしている
  • 財産を共有している
  • 結婚式やハネムーンを行った
  • 家族や周囲にも夫婦であると認識されている

事実婚のパートナーが浮気をした場合、その内縁関係が婚姻している夫婦と何ら変わりない状態であれば、不貞行為と認められ慰謝料を請求できる可能性があります(*浮気相手に請求する際は、故意・過失が必要です。)。

浮気されたら、慰謝料請求を検討しよう

浮気が、肉体関係や性交類似行為(愛撫など)を伴うものであった場合、浮気した配偶者や、その浮気相手に慰謝料請求をすることが可能です。

また、慰謝料は離婚しない場合にも請求することができます

(1)誰に請求できる?

不貞行為に該当する浮気があれば、浮気相手、浮気した配偶者の どちらか一方にだけ慰謝料請求をすることも可能ですし、 両方に請求することも可能です。

「慰謝料って、旦那の浮気が原因で離婚するときに請求するんでしょ?」と思っている方も多いですが、不貞行為の発覚後、離婚しなくても慰謝料を請求することは可能です。

離婚しない場合は、配偶者との関係悪化を避けるため、浮気相手にだけ慰謝料請求をすることが多いです。

(2)いくら請求できる?

浮気をした配偶者等と浮気相手は、不貞行為に対する損害を「共同」で責任を負う必要があり、それぞれが損害の「全額」を支払う義務があります。

ですから、被害者から慰謝料を請求された場合に「半額しか払いたくない」という反論は認められていません

もっとも配偶者と浮気相手それぞれに対し、損害の全額を請求しても、損害として認められる金額が2倍になるわけではありません(二重取りはできません)。

慰謝料の相場は?

不貞行為があった場合の慰謝料の金額は法律で定められているわけではありません。
もっとも、次のような相場があります。

【不貞行為の慰謝料の相場(裁判になった場合)】

不貞行為が原因で離婚する場合100万〜300万円程度
離婚しない場合数十万〜100万円程度

慰謝料の金額は、浮気相手との交際期間、不貞行為の回数、不貞行為が原因で離婚に至ったか、別居をすることになったか、婚姻期間、子どもの有無などの個別事情によって変わってきます。

慰謝料の相場やについて詳しくは次のサイトをご覧ください。

(3)どのような場合に慰謝料を請求できる?

慰謝料請求をするためには、民法上の「不法行為」として「権利の侵害」を受けたことのほか、慰謝料を請求される側(配偶者や浮気相手)に「故意・過失」があることなどが必要となります。

もっとも、配偶者は自分が既婚者であることは当然知っていますので、不貞行為の慰謝料請求において、通常、配偶者の故意・過失が問題になることはありません。

(3-1)「故意・過失」がある

浮気相手に慰謝料請求をする場合でいう、浮気相手の「故意・過失」とは、次のような意味です。

「既婚者であることを知っていたこと」(故意)
「既婚者であることを不注意で知らなかったこと」(過失)

このどちらかの事実が認められなければなりません。

浮気相手が、既婚者であることを知らず、注意しても既婚者であることを知りようがなかったという場合には、故意も過失もないので、慰謝料請求できません。

例えば、浮気相手と配偶者が、参加資格を独身者に限定した婚活パーティーで知り合い、その後も、配偶者が既婚者であることを隠すなどし、既婚者であることを伺わせる事情が全くなく、既婚者であると気付きようがなかった場合などです。

(3-2)「権利の侵害」がある

浮気相手への慰謝料請求をするためには、自分の「権利の侵害」があったことが必要です。

ですから、例えば浮気(不貞行為)の前から、夫婦関係が完全に破綻していた場合は、浮気が原因で夫婦関係が破壊されたとは評価できないため、「浮気により権利が侵害された」とはいえません。したがって、このような場合には慰謝料を請求することができません。

夫婦仲はあまりよかったとは言えませんが、同居はしてましたし、最小限の会話もありました。それでも夫婦関係が破綻されていたと評価されるのでしょうか?

同居していれば、喧嘩したりして夫婦仲があまりよくなかったとしても、基本的に夫婦関係が破綻していたとは評価されません。
夫婦関係が破綻していたとされるのは、一般的には、長い間別居している、離婚調停を行っている、近々離婚予定であり、通常の夫婦間の会話や連絡も一切ないなどの事情があるときなどです。

(3-3)「時効消滅」していないこと

また、慰謝料請求には時効がありますので、ここも注意が必要です。

この時効を経過してしまうと、慰謝料を請求する権利が消滅してしまいます(時効消滅)。

浮気相手に対する慰謝料請求は、次の(1)(2)のいずれか早い時点で消滅時効にかかります。

浮気の事実も浮気相手の素性も知っていますが、自分がどうしたいのかまだ決断できません……どうしたらよいでしょうか。

あなたが浮気の事実も浮気相手の素性(名前や住所)も知っているという場合には、知った時点から3年経過すると慰謝料を請求するのは困難になります。

また、そのまま放置すると浮気相手の罪悪感や責任感が薄れて交渉が困難になることが予想されます。

請求できる権利を失ってしまうのはもったいないですし、そうすると浮気相手が何ら法的な責任を負わないことになってしまいます。「被害者として当然のこと」と考えて慰謝料請求を検討ください。

※なお、2020年3月31日までに、不貞行為時から20年が経過している場合は、「除斥期間の経過」により不貞の慰謝料を請求する権利は消滅しています。

※配偶者に対し慰謝料請求する場合は、婚姻関係が続いている限り、時効で消滅することはありません。民法159条によって、婚姻関係が継続中の場合には婚姻関係の解消から6ヶ月経過するまでは、時効の完成が猶予されているからです。

浮気の慰謝料請求の時効について詳しくはこちらの記事もご覧ください。

【まとめ】浮気は「犯罪」ではないが「不法行為」に当たり得るため、慰謝料を請求できる可能性がある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 浮気は犯罪行為ではない(18歳未満の未成年者との浮気を除く)。
  • 肉体関係や性交類似行為を伴う場合、配偶者の浮気は不法行為に当たる可能性がある。
  • その場合、浮気相手や配偶者に慰謝料請求をすることが可能。
  • 慰謝料請求は離婚しなくとも可能で、離婚しない場合は浮気相手にのみ慰謝料を請求することが多い。
  • 慰謝料請求の相場は、次のとおり
    離婚する場合100万〜200万円程度
    離婚しない場合数十万〜100万円程度

浮気され、とても傷ついたのに、犯罪行為にあたらないのは納得できないという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、 浮気された場合、一定の場合には慰謝料請求が可能です。

浮気相手に慰謝料請求をすることにより、浮気を止めさせ、夫婦仲を修復できるケースもあります。

ご自身で慰謝料請求をすることも可能ですが、被害者と加害者が直接交渉すると感情的になってしまい、かえって交渉がうまく進まないことも少なくありません。

その点、 弁護士に依頼すれば、冷静に交渉を進めていける可能性が高まります。

そのやり場のない怒りや悲しみに一人で悩むのではなく、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

アディーレ法律事務所では、浮気の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

(以上につき、2023年5月時点)

弁護士費用について詳しくはこちらをご覧ください。

浮気の慰謝料請求でお悩みの方は、浮気の慰謝料請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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