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不倫で妊娠が発覚した場合はどうする?取るべき行動についても解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

不倫といっても、その関係の深さは人それぞれです。
1度肉体関係があっただけの関係、継続して付き合っているけど遊びで配偶者と別れるつもりは全くない、配偶者と離婚して不倫相手との将来を考えている、など。
どのような不倫関係であっても、不倫で妊娠が発覚した場合には、その事実に向き合って真剣に考える必要があります。

今回の記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 不倫で妊娠した場合の慰謝料
  • 不倫で妊娠が発覚した場合に取るべき対応
この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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不倫による妊娠・子供の誕生は慰謝料が増額になる可能性が高い

肉体関係を伴う不倫は、不貞行為として、不法行為(民法709条)に該当します。
配偶者がいながら肉体関係をもった者と、既婚者であることを知りながら(又は不注意で知らなかったために)肉体関係をもった不倫相手は、被害者である配偶者に対して、その精神的苦痛を慰藉するために、慰謝料を支払う責任を負います。

そして、不倫により妊娠し、中絶したり出産して子供が誕生したりした場合は慰謝料が高額になる可能性が高いです。

(1)不倫による慰謝料の相場

不倫の慰謝料の金額は、婚姻期間、不貞期間、不貞回数など、様々な具体的事情を考慮して算定されますが、だいたいの裁判上の相場は次のとおりです。

慰謝料相場(裁判になった場合)
離婚した場合100万~300万円程度
離婚しない場合数十万~100万円程度

ただし、不倫発覚後も関係を継続している、不倫期間が極めて長期にわたるなど、特に悪質だとされるケースでは、慰謝料が上記の相場を超えることもあります。

(2)妊娠は、配偶者が受ける精神的ダメージが増えるので増額理由となりうる

  • 夫(妻)が不倫しているという事実
  • 妻が不倫していて妊娠した、又は夫の不倫相手が妊娠したという事実

仮に上記2つの事実があった場合、どちらにより精神的ダメージを受けるでしょうか。
一般的に、不倫して妊娠した場合、配偶者が受ける精神的苦痛が強まるといえますので増額理由となる可能性がありますが、裁判官によっては肉体関係をもった当然の結果であるとして増額理由になるとは考えない場合もあります。

ただし、出産を選択し子供が生まれた場合には、通常、配偶者が受ける精神的苦痛は強まるといえますので、慰謝料の増額理由となる可能性が高いです。

不倫中に妊娠が発覚したらまずどうするべきか

もし不倫している立場で、自身の妊娠が発覚した、又は不倫相手の妊娠が発覚したらどうすればよいでしょうか。
意図しない予定外の妊娠であっても、冷静に考えて話し合うようにしましょう。
妊娠が発覚した際に取るべき行動について解説します。

(1)事実確認をする

まず、「妊娠した」と判断した根拠を確認しましょう。
「月経が遅れている」、というだけでは十分な根拠ではありません。
まずは妊娠検査薬で妊娠の有無を確認しましょう。
日本では、市販されている妊娠検査薬で妊娠が検査できるのは、最短で妊娠4週目頃(月経予定日。ただし、個人差があります)です。一般的な妊娠検査薬は、妊娠5週目(月経予定日から1週間経過した日)からの検査を推奨しています。
前回の月経開始日を確認して、適切な時期に、妊娠検査薬で妊娠の有無を検査しましょう。
(※妊娠周期の数え方は、最後の月経開始日を0週0日としてそこからカウントします)

妊娠可能なのは、女性の排卵日前後だけですので、排卵日の前後で、不倫相手と妊娠するような形で性交渉をもったのかも確認します(ただし、精子の寿命にも個人差がありますので、排卵日よりも数日前の性交渉でも妊娠の可能性があります)。
排卵日は、人にもよりますが月経開始から12~14日であることが多いようです。

妊娠検査薬で陽性の結果が出たら、実際に産婦人科を受診して、妊娠の有無を診断してもらいましょう。
また、妊娠検査薬で陰性であっても、規則的だった月経が来ないなどの事情があったら、婦人系の疾患が原因かもしれませんので、きちんと産婦人科を受診して検査してもらうようにしましょう。

(2)お腹にいる子供をどうするのか話し合う

妊娠が分かったら、お腹にいる子供をどうするのかを話し合わなければなりません。
お腹の子供は、どんどん成長していきますので、話し合いは早くした方がよいでしょう。選択肢は、中絶するか出産するかの2択になります。

(2-1)中絶を考えている場合

中絶はどんな場合も行えるものではなく、次のいずれかの条件が必要です(母体保護法14条1項)。

  • 「妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある」
  • 「暴行若しくは脅迫によって抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した」

ただ、実際には、1つ目の条件の「経済的理由」が広く解されており、中絶を希望した場合に、条件を満たさないために中絶手術を受けられない、というケースはないようです。

中絶のタイムリミットは、妊娠21週6日までで、それ以降は中絶手術を受けることができません。
実際には、病院を受診して手術日を決める必要がありますので(診断した日に手術できるとは限りません)、中絶を決断した場合には、早めに行動するようにしましょう。
また、中絶する場合は、妊娠経過週数により、中絶手術などが次のように変わります。

妊娠初期(~妊娠11週6日まで)妊娠中期(妊娠12週~21週6日まで)
手術内容吸引や掻把(人工妊娠中絶)薬で陣痛を起こした上で分娩
(人工死産)
所要時間5~15分程度1日以上(入院が必要)
必要な手続特になし7日以内に役所に死産届を提出
火葬許可証を受け取り、火葬の処置

妊娠中期の中絶は、無痛分娩のように、麻酔を行っている病院もありますが、麻酔しない病院もありますので、その場合、母体は実際に痛みを感じることになります。
陣痛がなかなか来なかったりすると、手術まで数日かかることがあるようです。手術後も子宮はダメージを負っており経過を観察する必要があるので、すぐに退院することはできません。通常の出産と同じように、4~5日入院することもあります。

中絶手術を受ける女性の精神的負担、肉体的負担などを考慮すれば、妊娠初期の手術の方が、負担が少ないことは明らかです。
中絶を考えている場合は、妊娠初期(妊娠11週6日まで)の手術の方が様々な負担が軽減されるので、その点も考慮して、中絶するかどうか、中絶するならいつするのかについて最終的に決断するとよいでしょう。

また、中絶手術は、基本的に保険は使えず自由診療となりますので、病院ごとに費用が異なります。
妊娠初期の手術よりも妊娠中期の手術の方が、実際のお産と同じような複雑な処置が必要となり、入院期間も長くなりますので、費用は高くなります。実際にどの程度の費用が掛かるかは、受診予定の病院に問い合わせるようにしましょう。

(2-2)出産を考えている場合

不倫で妊娠した子供を出産した場合についてご説明します。

(2-2-1)不倫当事者の女性が既婚の場合

不倫当事者の女性が既婚者の場合で、不倫相手との子供の出産を考えている場合は、自分の配偶者に内緒のまま出産することは難しいでしょう。
婚姻中に妊娠した場合や、離婚後であっても離婚後300日までに出産した場合は、法律上、子供の父親は、(元)夫であると推定されます(民法772条1項)。この推定を、「嫡出推定」といいます。

嫡出推定

つまり、実際には(元)夫が生物学的な父親ではなくても、嫡出推定により、子供の法律上の父親となるのです。
ですから、戸籍上は、子供の父親は(元)夫と記載されますし、子供は(元)夫の戸籍に入るのです(※(元)夫の戸籍に入るのは、婚姻中、戸籍筆頭者が(元)夫である場合です)。

離婚後300日以内に出産した場合の戸籍などについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。

離婚後に妊娠が発覚したら…戸籍・親権・養育費について解説

(元)夫に事実を伝えずに内緒にしたまま、「(元)夫の子供として」出産することは、法的にも倫理的にも、また子供の実際の父親を知る権利を侵害するという面でも、大変問題をはらむ行為ですので、避けた方がよいでしょう。

(2-2-2)不倫当事者の女性が独身の場合

不倫当事者の女性が独身の場合には、結婚していないので嫡出推定が及ばず、出産しても法律上の父子関係は当然には生じません。
不倫相手の男性が法的に父親となるためには、父親が胎児ないし生まれた子供を「認知」する必要がありますので(民法779条)、認知するかどうか、するとしていつするかを話し合う必要があります。

胎児の認知はその母親の同意が必要です(民法783条1項)。
子供が生まれた後の認知は、母親の同意は不要で、父親となる者の意思のみで可能です(民法779条)。ただし、子供が成人している場合は、その子供の同意が必要です(782条)。
認知すると、父親の戸籍にも認知したことがわかる記載がなされます。

認知により法律上の父子関係が生じ、父親は、子供に対する法律上の扶養義務を負います(民法877条)。また、父親が死亡した場合は、子供がその財産を相続することができます(民法887条1項)。

子供が生まれたのに、その父親が自主的に認知をしない場合には、子供やその法定代理人(通常は母親)は、まずは家庭裁判所に「認知調停」を申立てます。

参考:認知調停|裁判所 – Courts in Japan

さらに、調停で合意ができなければ「認知の訴え」を提起して、認知を求めることができます(民法787条)。これを、「強制認知」といいます。
子供が認知されると、子供が成熟するまでは父親には養育費を支払う義務が生じますので、その費用などについても、話し合う必要があるでしょう。

子供の認知に関しては、次の記事もご参照ください。

子供の認知についてシングルマザーが知っておくべき養育費や相続権のこと

(3)今後の2人の関係をどうするか話し合う

中絶するにしろ、中絶せずに子供を出産するにしろ、2人の間に話し合うべき事柄が生じ、話し合って解決しなければならないことは変わりません。
今後の2人の関係をどうするかについても話し合う必要があるでしょう。

(3-1)離婚して不倫相手を選ぶ

離婚原因は不倫した自分にありますので、配偶者が離婚を拒否した場合、離婚すること自体が困難な場合があります。

また、離婚できたとしても、離婚原因が自分にありますので、配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。さらに、婚姻期間が長い場合は、夫婦の共有財産が多いケースもあり、一般的に、離婚の際に夫から妻に対して行う財産分与額が高額になる可能性があります。
離婚する夫婦間に未成熟の子供がいる場合は、離婚後も、子供を引き取った元配偶者に対して、子供が経済的社会的に自立するまで、養育費を支払う必要があります。

離婚して不倫相手と再婚するとしても、養育費の支払を考慮したうえで生活の見通しを立てなければなりません。
不倫相手との子供を出産して、再婚後に一緒に育てるのであれば、その子の養育にかかる費用についても考慮する必要があります。

次のサイトでは、養育費の目安を簡単に調べることができますので、どの程度の養育費の支払義務があるかお知りになりたい方はご確認ください。

(3-2)離婚せずに不倫相手と別れる

婚姻関係にある家庭を守ることができ、不倫相手とも話し合ったうえで別れることができればよいですが、そのような結果になるとは限りません。
既婚者である女性が、不倫による妊娠で出産を決断したのであれば、配偶者である夫に隠し通すことはできないでしょう。
また、女性が独身であっても、既婚者である不倫相手が子供を認知するのなら、不倫相手の戸籍に認知した旨が記載されますので、不倫相手の配偶者が戸籍を見たタイミングで不倫に気づくでしょう(遺言により認知する方法もあり、この方法であれば遺言作成時には戸籍には記載されませんが、自分の死後に戸籍に記載されて不倫が判明します)。

配偶者が不倫に気づけば、離婚を求められて家庭が壊れてしまったり、離婚までいかなくても家庭内での信用を失ってしまったり、高額の慰謝料を請求されたりされるリスクがあります。

(3-3)離婚せずに不倫を継続する

中絶後・出産後も、離婚せずに不倫関係を継続する方もいます。
不倫を継続することになりますので、配偶者が不倫に気づいて、夫婦喧嘩、夫婦間の子供との関係悪化など、家庭への悪影響が生じたり、慰謝料を請求されたりするリスクが高まります。

トラブルを防ぐために絶対に避けるべき行動

今後どうすべきかについては、2人で話し合って決めるようにしましょう。
中絶できる期間には限りがありますので、話し合いを先延ばしにするということは、絶対に避けなければなりません。
月経が不定期で月経が遅れたことに気付かなかったり、つわりがなかったりすると、妊娠に気づくことが遅れて、気づいた時点で、中絶できる期間があまり残っていない場合もあります。
そのような場合には、速やかに話し合って決断する必要があります。

【まとめ】不倫による妊娠が発覚したら、産むかどうかなどを速やかに話し合う必要がある

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 不倫をした場合には、不倫をした配偶者とその不倫相手は、他方の配偶者から慰謝料を請求される可能性がある。
  • 不倫による慰謝料の裁判上の相場は数十万~300万円だが、不倫による妊娠・出産があった場合には慰謝料が増額される可能性がある。
  • 妊娠が確認できた場合には、人工妊娠中絶をするか子供を出産するか話し合って決めるべきである。
  • 妊娠11週6日までは中絶手術が可能だが、12週目~21週6日になると人工死産の方法によるため、精神的・肉体的にも負担が大きい。(※妊娠周期は、最後の月経開始日を0週0日としてカウントする)
  • 妊娠22週目以降は、人工妊娠中絶手術を受けることができない。
  • 不倫で妊娠したのが既婚女性である場合、夫と離婚をしたとしても、離婚後300日までに生まれた子供は、法律上(元)夫の子供として扱われる(戸籍上も(元)夫を父として、(元)夫の戸籍に入る)。
  • 不倫で妊娠したのが未婚女性の場合、子供を認知してもらわなければ、法律上は実の父親との親子関係は生じない。
  • 実の父親に認知をしてもらう(※強制的に認知される方法もある)と、法律上の親子関係が生じ、父親は養育費を支払う義務がある。
  • 不倫で妊娠した場合には、様々な問題が生じるため、話合いを先延ばしにせず、速やかに話し合って今後の方針を決定する必要がある。

不倫により妊娠した、または不倫相手が妊娠したという事実が発覚し、配偶者も不倫に気付いて慰謝料を請求されたような場合には、すぐに応じることなく、まずは弁護士にご相談ください。
慰謝料の額は、様々な具体的事情を考慮して算定されますので、弁護士にしっかりと事情を説明して、妥当な慰謝料を把握するようにしましょう。慰謝料を支払う責任があるとしても、減額交渉の結果減額できる場合があります。

アディーレ法律事務所では、不倫慰謝料を請求された事件の相談料は何度でも無料です。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため、費用倒れの心配はありません。

(以上につき、2022年8月時点)

不倫の慰謝料を請求されてお悩みの方は、不倫の慰謝料請求への対応を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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