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後遺障害5級2号の認定基準とは?慰謝料を受けとるまでの流れも解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

後遺障害5級2号とは、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」をいいます。

例えば、次のような症状がある場合に後遺障害5級2号となります。

  • 脊髄損傷の場合:軽度の対麻痺(両下肢又は両上肢の麻痺)、一下肢(片足)の高度の単麻痺(下肢の一肢のみの麻痺)
  • 外傷性脳損傷の場合:軽度の四肢麻痺(両側の四肢すべての麻痺)、中等度の片麻痺(片側の上下肢の麻痺)、高度の単麻痺(上肢・下肢の一肢のみ麻痺)

後遺障害5級は、もっとも重いもの(1級)から数えて5番目のもので、後遺障害の中では比較的重く、慰謝料も高額となります。

後遺障害5級2号にあたる症状がある場合には、加害者側から適切な額の慰謝料を受け取れるように、後遺障害5級2号の認定基準、慰謝料の相場、慰謝料を受けとるまでの流れについて知っておきましょう。
この記事では、次のことについて弁護士が詳しく解説します。

  • 5級2号にあたる症状
  • 後遺障害5級2号の認定基準
  • 後遺障害5級2号の慰謝料相場
  • 慰謝料を受けとるまでの流れ
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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後遺症と後遺障害等級認定

後遺症とは、ケガや病気を治療した後、医学的にこれ以上回復できないと判断された状態で残った症状のことをいいます。

後遺症については後遺障害等級認定を受けることで、後遺症についての慰謝料や逸失利益を受けとることができます。

後遺障害の等級は、後遺症の症状の重さに従い、1~14級まであり、どの等級に認定されるかによって、加害者に請求できる慰謝料などの金額が変わってきます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

後遺障害5級2号とは

後遺障害5級2号は「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」をいいます。

交通事故で頭部や腰部などを強打したことなどにより、脳の機能や神経系統に障害が残った場合(例えば、脊髄損傷、外傷性脳損傷、高次脳機能障害など)がこれにあたります。

例えば、後遺障害5級2号とは、次のような症状をいいます。

  • 神経や精神に重い障害があり、ごく簡単な仕事しかできない状態
  • ごく簡単な仕事でも、一般平均人に比べて作業能力が著しく制限される
  • 就労を維持するためには周囲の理解と援助が必要

脊髄損傷や外傷性脳損傷の場合には、具体的に次のような状態をいいます。

脊髄損傷の場合軽度の対麻痺、一下肢(片足)の高度の単麻痺が認められるもの
外傷性脳損傷の場合軽度の四肢麻痺、中等度の片麻痺、高度の単麻痺

後遺障害等級認定の際に考慮される麻痺の範囲の程度については、次の表のとおりです。

麻痺の範囲
四肢麻痺両側の四肢すべての麻痺
片麻痺片側の上下肢の麻痺
単麻痺上肢又は下肢の一肢のみの麻痺
対麻痺両下肢又は両上肢の麻痺
麻痺の程度
高度障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性がほとんど失われ、基本動作(歩行や立位、物を持ち上げて移動させるなど)ができないもの
中等度 障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限があるもの
軽度障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が多少失われており、基本動作を行う際の巧緻性及び速度が相当程度損なわれているもの

なお、後遺障害5級の労働能力喪失率(=後遺障害によって失われた労働能力の割合)は79%とされています。つまり、100%の状態と比べ、約2割程度の労働能力しか残っていない状態です。

5級2号の認定で慰謝料を受けとるまで

後遺症慰謝料とは、後遺症が残ったことにより被った精神的苦痛に対する賠償をいいます。
慰謝料は、通常は示談が成立した後に受けとることができます。

事故発生から示談成立、慰謝料の受け取りまでの流れは次のとおりです。

(1)交通事故発生

負傷者の救護、警察への連絡などが終わったら、事故が発生したことをご自身が加入している自動車保険会社へ連絡します。

保険会社への連絡が遅れると、後に保険金が支払われなくなってしまうこともあります。事故後、状況が落ち着いたらすぐに保険会社へ連絡するようにしましょう。

(2)治療を行う

交通事故によりケガをした場合、医師の治療を受けることになりますが、その際、事故後すぐに診察を受けることが重要です。

後遺障害5級2号にあたる症状は、脳や神経の損傷が主な原因であり、症状が外見に現れず、自分でも気付かないうちに症状が進行してしまうこともあります。
そこで、交通事故により頭部などを強打したような場合は、すぐに病院でCT検査やMRI検査などの精密検査を受け、損傷個所の早期発見、早期治療につとめる必要があります。

(3)症状固定

治療を続けた結果、これ以上治療しても改善を見込めない状態を「症状固定」といいます。後遺障害の等級認定を受けるためには、医師による症状固定の診断が必要となります。

事故後、加害者側の保険会社から、「そろそろ症状固定にしましょう」と提案されることがありますが、従う必要はありません。症状固定を判断するのは医師ですので、症状をきちんと担当医に伝え、症状固定の適切なタイミングを判断してもらいましょう。

(4)後遺障害認定

症状固定の診断が出たら、担当医に後遺障害診断書を作成してもらいます。
そして、診断書を含む必要書類一式を所定の機関(通常は、損害保険料率算出機構)に提出し、等級認定の申請をします。

等級認定の申請方法には次の2つ方法があります。

  • 事前認定
  • 被害者請求

それぞれ説明します。

(4-1)事前認定の場合

事前認定とは、加害者が加入している保険会社に医師に記載してもらった後遺障害診断書などの必要書類を提出し、等級認定手続きを依頼する方法です。

事前認定の手続きの流れは、次のとおりです。

被害者

↓請求

任意保険会社(加害者側)

↓請求

自賠責保険会社(加害者側)

参考:支払までの流れと請求方法|国土交通省

事前認定は、申請手続きのほとんどを相手方の保険会社に任せるため、被害者の手間がかからないというメリットがあります。

しかし、提出する書類を被害者側で検討できないというデメリットもあります。
というのも、相手方の保険会社はあくまでも加害者側の立場であり、被害者にとって有利な障害等級が認められるよう尽力する立場にはありません。

そのため、事前認定の場合、必要最低限の書類しか提出されず、十分な等級が認定されないケースもあり得ます。

(4-2)被害者請求の場合

これに対し、被害者請求は、被害者自身が、病院からケガについての画像等(レントゲン写真、CT、MRI等)や、医師記載の後遺障害診断書などを入手して後遺障害等級認定を申請する方法です。

被害者請求の手続きの流れは、次のとおりです。

被害者

↓請求

自賠責保険会社(加害者側)

参考:支払までの流れと請求方法|国土交通省

被害者請求は、被害者が自ら資料を収集・提出するため、資料を被害者自身がチェックでき、納得できる結果になりやすいというメリットがあります。

他方、自分で手続きを行うため、手間がかかるというデメリットはあります。

事前認定と被害者請求の違いをまとめると次のようになります。

事前認定は被害者の負担が少ない一方で、被害者自身が提出する資料を選べないため、後遺障害等級認定が不利にすすんでしまう可能性があります。

そこで、後遺障害等級認定を有利に進めたい方は、「被害者請求」がおすすめです。

被害者請求に必要な書類や手順を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

交通事故の被害者請求とは?必要書類と申請の手順を分かりやすく解説

なお、事前認定・被害者請求いずれの場合にも、等級認定の結果に納得がいかない場合は異議申立てができます。

(5)示談交渉と示談の成立

認定された後遺障害等級をもとに、加害者(通常は、加害者が加入している保険会社)との間で慰謝料などの金額について交渉を行います。

交渉の結果、示談書にサインをしてしまうと示談が成立します。いったん示談が成立すると、基本的には後から金額を修正したりできなくなるため、注意が必要です。

(6)慰謝料受けとり

示談が成立した後に、後遺症慰謝料、入通院慰謝料といった慰謝料のほか、逸失利益などが支払われることになります。

逸失利益とは、後遺症によって得られなくなった将来の利益のことをいいます。
例えば、ピアニストとして生計を立てている人が、交通事故により脊髄や脳を損傷して麻痺が残り、その後遺症のためピアノを弾くことができなくなってしまった場合、ピアノの演奏により将来得られるはずだったのに得られなくなってしまった収入をいいます。

後遺障害5級2号の慰謝料の相場とは

次に、後遺障害5級2号に認定された場合の慰謝料の相場(目安)について見ていきましょう。

まず、後遺症慰謝料の相場を知る前に、後遺症慰謝料の相場を決める基準について知っておきましょう。

慰謝料の相場を決める基準としては次の3つがあります。

  • 自賠責の基準
  • 任意保険の基準
  • 弁護士の基準(裁判所の基準ともいいます)

3つの基準のうち、どれを採用するかによって、請求できる金額が大きく変わってきます。3つの基準について説明します。

(1)自賠責の基準

自賠責保険により定められている賠償基準です。必要最低限の救済を行うことを目的としており、一般的に、支払額は3つの基準の中でもっとも低く設定されています。

ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、被害者側の過失割合が大きい場合などは、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。

(2)任意保険の基準

各損害保険会社が定めている自社独自の支払基準です。
保険会社によってその内容は異なり、正式には公表されていません。

一般的に自賠責の基準以上ではありますが、弁護士の基準と比べると、低く設定されていることが多いといえます。

(3)弁護士の基準

これまでの裁判所の判断の積み重ねにより認められてきた賠償額を目安として基準化したものです。裁判所の基準とも呼ばれます。一般的に、自賠責の基準や任意保険の基準と比べて高額になります(一部例外あり)。

これまで説明した3つの基準の金額を比べると、一般的に次のとおりになります。

そして、実際に後遺障害5級2号の認定を受けた場合の後遺症慰謝料の相場(目安)は、次のようになります。

• 自賠責の基準:618万円
• 任意保険の基準:各保険会社による
• 弁護士の基準:1400万円

※2020年4月1日以降に発生した交通事故でご自身に過失がない場合

これらの慰謝料の金額の目安を参考にすると、弁護士の基準は、自賠責の基準の約2倍以上もの金額となっていることがお分かりでしょう。

被害者が自分自身で(又は加入している保険会社の示談代行サービスにより)加害者側の保険会社と交渉を行う場合、自賠責の基準や任意保険の基準といった低い金額で示談をまとめられてしまう危険があります。

これに対し、弁護士が加害者側の保険会社と示談交渉を行ったり、後遺症慰謝料を請求する際には、通常はもっとも金額の大きい弁護士の基準が用いられます。

交通事故の慰謝料請求にあたって、弁護士に依頼するメリットはここにもあります。

弁護士に依頼するメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

さらに、弁護士に依頼すれば、治療中や後遺障害診断書を書いてもらう際に、等級認定に有利なポイントについて弁護士からアドバイスを受けることができるでしょう。

【まとめ】後遺障害5級2号とは、神経や精神に重い障害があり、ごく簡単な仕事しかできない状態

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 後遺障害5級2号は「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」をいう。
    具体的には、脊髄損傷の場合には軽度の対麻痺、一下肢(片足)の高度の単麻痺が認められるもの、外傷性脳損傷の場合は、軽度の四肢麻痺、中等度の片麻痺、高度の単麻痺が認められるものをいう。
  • 後遺障害5級2号の認定で慰謝料を受けとるまでには、治療(症状固定)、後遺障害認定と示談交渉を行う必要がある。
  • 後遺障害認定には、「事前認定」と「被害者請求」という2つの方法がある。
    「事前認定」は被害者の負担が少ない一方で、被害者自身が提出する資料を選べない。後遺障害認定を有利にすすめるためには「被害者請求」がおすすめ。
  • 後遺障害5級2号の認定を受けた場合の後遺症慰謝料の相場(目安)
    • 自賠責の基準:618万円
    • 任意保険の基準:各保険会社による
    • 弁護士の基準:1400万円
    ※2020年4月1日以降に発生した事故でご自身の過失がない場合

後遺障害等級認定の手続きを被害者請求で行う場合、書類の入手や内容のチェックが必要なので手間と時間がかかりますが、弁護士に依頼すれば、弁護士が、本人の代わりに内容をチェックすることができます。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年8月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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