「B型肝炎から、肝がんを発症する危険があるって本当?」
免疫機能が未発達な出産時や乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染すると、B型肝炎ウイルスに持続感染することがあります。
持続感染者のうち約10%の方が慢性肝炎を発症し、また、慢性肝炎から肝硬変や肝がんに進展する可能性もあります。
本記事では、
- B型肝炎ウイルスとは?
- B型肝炎ウイルスによる肝がんとは?
- B型肝炎給付金とは?
について、弁護士が解説します。
ここを押さえればOK!
B型肝炎ウイルスは肝臓の炎症を引き起こすウイルスで、持続感染者の約10%が慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝がんに進展する可能性があります。肝がんは主に慢性肝炎が原因で発生し、その約9割がB型またはC型肝炎ウイルスによるものです。
B型肝炎ウイルスによる肝がんは、慢性肝炎から肝硬変を経て発症する場合と、ウイルス自体が直接原因となって発症する場合があります。肝臓は自覚症状が出にくいため、定期的な検査が重要です。
B型肝炎給付金は、集団予防接種等を原因としてB型肝炎ウイルスに持続感染した方に対して国から支払われる給付金です。肝がんを発症した方は、900万~3600万円の給付金を受給できる可能性があります。 給付金の受給手続きは自分で行うことも可能ですが、専門知識や多大な労力が必要となるため、弁護士に依頼することをお勧めします。
アディーレ法律事務所は、資料収集から給付金申請まで全面的にサポートしますので、一度ご相談ください。
B型肝炎に関するご相談は何度でも無料!
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香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。
B型肝炎ウイルスとは?
B型肝炎ウイルスは、B型肝炎という肝臓の炎症の原因となるウイルスです。
B型肝炎ウイルスに感染した場合、短期間の感染におわる一過性感染と長期間にわたって感染した状態が継続する持続感染に分けられます。
B型肝炎ウイルスへ感染した場合のほとんどは一過性感染となりますが、免疫機能が未発達な幼少期に感染すると持続感染となることがあります。
一過性感染の場合、何らの自覚症状がなくそのまま治癒する場合(不顕性感染)もあれば、全身倦怠感や黄疸がみられる急性肝炎となる場合もあります。急性肝炎の発症者のうち1~2%の方は、死亡率の高い劇症肝炎となる場合があります。
持続感染の場合、約10%の方が慢性肝障害を発症しますが、多くの方は、慢性肝障害を発症することなく生涯を過ごします。
B型肝炎ウイルスによる肝がんとは?
肝がんは、この肝臓に発生する悪性腫瘍をいいます。
肝がんには、肝臓の細胞から発生する原発性肝がんと、肝臓以外の臓器に発生したがんが肝臓に転移する転移性肝がんに分けられます。
原発性肝がんには、肝細胞から発生する肝細胞がんと、肝臓内の胆管細胞に発生する肝内胆管がんがあります。
また、単一の腫瘍内に肝細胞がんの成分と肝内胆管がんの成分の両方が存在する混合型肝がんがあります。原発性肝がんのうちの約9割以上が、肝細胞がんです。

肝細胞がんが発生する主な原因は、慢性肝炎です。
慢性肝炎の原因は、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患など多岐にわたりますが、約9割がC型肝炎ウイルス・B型肝炎ウイルスを原因としています。
慢性肝炎により炎症が長期化し、肝細胞の破壊と再生が繰り返されると、肝臓組織は徐々に線維化し、肝硬変になります。その過程で、遺伝子の突然変異が積み重なり、がん細胞が発生するといわれています。
肝硬変まで病期が進行すると、年率5~8%で肝細胞がんが発生するとの報告があります。

また、近年では、B型肝炎ウイルスそれ自体が原因となって肝がんを発症することがあることが明らかになっています。そのため、慢性肝炎や肝硬変が先行することなく、突然、肝がんを発症するということもあります。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。それは、肝炎や肝がんになっても、自覚症状を伴わないことが多いからです。
そのため、気づいたときには病状がかなり進行してしまっているということ少なくありません。
B型肝炎ウイルスのキャリアの方などは、定期的に検査を受けるなどして、健康管理をするよう努めましょう。

B型肝炎給付金とは?
B型肝炎給付金とは、集団予防接種等を原因としてB型肝炎ウイルスに持続感染してしまった方に対して、国から支払われる給付金です。
日本国内のB型肝炎ウイルス持続感染者は110万人以上いるとされており、そのうち40万人以上が幼少期に受けた集団予防接種等が原因であると考えられています。
B型肝炎ウイルスによって肝がんを発症した方は、B型肝炎給付金の受給対象者として、900万~3600万円の給付金を受給することができるかもしれません。
B型肝炎給付金の受給要件等について、詳しくは次の記事をご覧ください。
参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省
B型肝炎訴訟の手続きは弁護士に依頼することなく、自分だけで行うことも可能です。自分だけで手続きを進めることができれば、弁護士費用の節約にもなります。
ただし、証拠集めには、専門知識が必要になりますし、多大な労力や時間をかけなければならないケースも少なくありません。また、国を相手に国家賠償請求訴訟という裁判を提起した上で、期日には出廷し、国との和解協議に対応する等の必要もあります。
想像していた以上に手続きを進めることが難しく、時間がかかることから、自分だけで手続きを進めてみたものの、結局請求を断念してしまったというケースもあります。
B型肝炎訴訟を自分だけで行うか、弁護士に依頼するか迷っている方については、次の記事をご覧ください。
【まとめ】B型慢性肝炎により、肝硬変を発症し肝がんとなるおそれがある
本記事をまとめると次のようになります。
- 肝がんとは、肝臓にできるがんのことをいい、原発性肝がんの場合、肝細胞がん、肝内胆管がん、混合型肝がんに分けられる
- 肝がんの主な原因は慢性肝炎であり、慢性肝炎の約9割は、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスによるもの
- 慢性肝炎の長期化により、肝臓が線維化し、肝硬変へと進行する可能性がある。その過程で、遺伝子の突然変異の積み重ねによって、肝がんが発生することもある
- 集団予防接種等を原因としてB型肝炎ウイルスに持続感染し、B型肝炎ウイルスによって肝がんを発症してしまった方は、B型肝炎給付金の受給対象となる
アディーレ法律事務所はB型肝炎訴訟の資料収集の代行(※)から、B型肝炎訴訟、同給付金の申請まで全て代わりに行います。
(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。
また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・給付金請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は給付金受け取り後の後払いとなっております。
そのため、当該事件についてアディーレ法律事務所にご依頼いただく場合、原則としてあらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。
さらに、弁護士に依頼して、B型肝炎訴訟で和解した場合には、国から弁護士費用の一部として、訴訟手当金(給付金の4%)が支給されます。
※以上につき、2024年9月時点
B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
