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B型肝炎訴訟には塩基配列比較検査が必要?遺伝子型の違いなどを解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

塩基配列比較検査とは、DNAの構成要素の並び方のことをいいます。
B型肝炎訴訟では、塩基配列比較検査の検査結果が必要となる場合があります。

また、B型肝炎訴訟では、「ジェノタイプAe(B型肝炎ウイルスの遺伝子型の1つ)ではないこと」を証明するための検査結果を提出しなければならない場合があります。
本記事では、

  • B型肝炎ウイルスの塩基配列比較検査
  • B型肝炎ウイルスの遺伝子型

について、弁護士が解説いたします。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

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B型肝炎ウイルスの塩基配列とは?

B型肝炎ウイルス(HBV)は約3200個の塩基(DNAの構成要素)からできています。
この塩基の並び方のことを「塩基配列」といいます。

親子間のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較すると、親子間で感染が起きたのかを確認することができる場合があります。

B型肝炎ウイルスの遺伝子型とは

一般的には、塩基配列が8%違っていると、別の遺伝子型として分類されています。
B型肝炎ウイルスには、A~H及びJの9つの遺伝子型(ジェノタイプ)があります。

また、ジェノタイプをさらに細かく分類したサブジェノタイプというものがあります。
サブジェノタイプには、Aa(アフリカ型)、Ae(ヨーロッパ型)、Ba(アジア型)、Bj(日本型)などがあります。

参考:HBVゲノタイプA感染の臨床的意義|国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター

(1)どの遺伝子型のB型肝炎ウイルスが流行しているかは地域ごとに異なる

どの遺伝子型のB型肝炎ウイルスが流行しているかは、地域ごとに異なります。
世界的には、2008年のデータによると、ヨーロッパ圏ではジェノタイプAとDが主流であり、日本を含むアジアでは、ジェノタイプBとCが主流とされています。

参考:わが国におけるB型急性肝炎の現状|国立感染症研究所 感染症情報センター

(2)日本でのB型肝炎ウイルスの遺伝子型の分布

日本全体におけるB型肝炎ウイルスのジェノタイプ分布は、CタイプとBタイプが主流ですが、DタイプやAタイプの感染例もあります。

日本で最も感染例が多いのがCタイプであり、約85%がCタイプです。
Bタイプは日本全体では約12%ですが、沖縄ではBタイプが最も多く、東北地方や北海道の一部でもBタイプの感染例が比較的多くみられます。

また、日本国内におけるDタイプの感染例は1%未満であり、かつては愛媛県でのみ感染例が確認されていたのですが、最近では関東でも確認されています。

日本国内のAタイプの感染例は約2%ですが、近年では、都市部を中心に感染が拡大しています。

参考:HBVゲノタイプA感染の臨床的意義|国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター

(3)遺伝子型により感染後の経過に違いがある

B型肝炎ウイルスはジェノタイプによって、感染後の経過に違いがあります。
B型肝炎ウイルス感染には、一過性感染と持続感染があります。一過性感染は、短期間の感染にとどまります。

一方、持続感染は、数十年、長ければ生涯に渡って感染したままになってしまい、場合によっては、慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症することがあります。

そして、幼少期の感染(妊娠中や出産時、幼児期の感染)でなければ、基本的には持続感染することはなく、成人後にB型肝炎ウイルスに感染した場合、通常は一過性感染にとどまります。

しかし、ジェノタイプAeは、成人後の感染であっても、持続感染してしまうことがあります。その割合については諸説ありますが、厚生労働省としては、最低でも約10%前後の方が持続感染しまうと考えているようです。

(4)B型肝炎ウイルスの遺伝子型を測定する方法

B型肝炎ウイルスのジェノタイプは、血液検査によって判別することができます。

また、サブジェノタイプも、血液検査により判別することができます。
B型肝炎訴訟において、「ジェノタイプAeに感染していないこと」を証明するための血液検査が必要になる場合があります。

参考:わが国におけるB型急性肝炎の現状|国立感染症研究所 感染症情報センター

B型肝炎訴訟で、「HBV塩基配列比較検査」が必要になることも

B型肝炎訴訟では、「B型肝炎給付金の対象になること」を証明しなくてはなりません。
これを証明するために、「親子間でB型肝炎ウイルスがうつったかどうか」を確認しなければならないことがありますが、この際に、「HBV塩基配列比較検査(HBV分子系統解析検査)」が用いられることがあります。

この検査は、「親からの感染かどうか」を確認するために行います。

参考:B型肝炎訴訟の手引き 第5版|厚生労働省

(1)HBV塩基配列比較検査とは

HBV塩基配列比較検査とは、B型肝炎ウイルスのS領域の約255個の塩基を用いて、B型肝炎ウイルスの塩基配列を比較する検査のことです。
一般のクリニックでは受けられない高額な検査で保険適用外ですが、B型肝炎訴訟では、HBV塩基配列比較検査の提出を求められることがあります。

ただし、訴訟で国との和解が成立すれば、一定額の検査費用が支給されることがあります

参考:B型肝炎訴訟について|国立研究開発法院 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター

(2)HBV塩基配列比較検査を提出するパターン

B型肝炎訴訟において、HBV塩基配列比較検査を提出するのは、主に次の3パターンです。

  • 父子感染ではないことを証明する場合(一次感染者等の場合)
  • 母子感染を証明する場合(母子感染による二次感染者の場合等)
  • 父子感染であることを証明する場合(父子感染による二次感染者等の場合)

これらにつきご説明します。

(2-1)父子感染ではないことを証明する場合(一次感染者等の場合)

父親がHBs抗原陽性(父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者)の場合には、「感染の因果関係なし」または「判定不能」となっているHBV塩基配列比較検査結果を提出することにより、父子感染でないことを証明することができます。

なお、検査の結果が「感染の因果関係なし」の場合は、父子感染ではないということになります。
和解が成立すれば、HBV塩基配列比較検査の検査費用として、6万3000円(父親がB型肝炎訴訟の救済対象の場合)または6万5000円が支給されます。
和解が成立しない場合、検査費用は自己負担となります。

(2-2)母子感染を証明する場合(母子感染による二次感染者の場合等)

「感染の因果関係あり」となっているHBV塩基配列比較検査結果を提出することにより、母子感染であることを証明することができます。

なお、検査の結果が「感染の因果関係なし」の場合は、母子感染ではないということになります。検査の結果が「判定不能」の場合は、この検査結果によって母子感染であることを立証することはできず、他の方法によって、母子感染であることを立証する必要があります。

「感染の因果関係あり」の検査結果によって母子感染を立証したことにより和解が成立した場合には、塩基配列検査の検査費用として6万3000円が支給されます(「判定不能」の場合及び和解不成立の場合は自己負担)。

(2-3)父子感染であることを証明する場合(父子感染による二次感染者等の場合)

「感染の因果関係あり」となっているHBV塩基配列比較検査結果を提出することにより、父子感染であることを証明することができます。

なお、検査の結果が「感染の因果関係なし」の場合は、父子感染ではないということになります。検査の結果が「判定不能」の場合は、この検査結果によって父子感染であることを立証することはできず、他の方法によって、父子感染であることを立証する必要があります。

和解が成立後、塩基配列の検査費用として6万3000円が支給されます(「判定不能」の場合及び和解不成立の場合は自己負担)。

必要資料が収集できないときでもあきらめずに専門家にご相談を

塩基配列比較検査の他にも、B型肝炎給付金の受給のために必要となる書類には様々なものがあります。
必要書類を集めていると、「既に廃棄されていた、提出を拒まれた」など、様々な壁が立ちはだかることも少なくありません。

しかし、「必要書類がうまく収集できないからあきらめよう」などと安易に給付金の受給をあきらめてはいけません。
そのような場合でも、他の代わりの書類を提出することによってB型肝炎給付金を受給できることもあります。
必要書類については、B型肝炎訴訟に詳しい弁護士などに相談されることをお勧めいたします。

次のページでは、必要書類の収集で困ったことがあっても、弁護士に相談することでB型肝炎給付金を受給することができた事例を紹介しています。ぜひご覧ください。

B型肝炎給付金の必要書類について詳しくは、こちらをご覧ください。

B型肝炎訴訟の必要書類は?誰が受給可能かについても弁護士が解説

【まとめ】塩基配列比較検査が必要になる主なパターンは3つ

本記事をまとめると次のようになります。

  • 親子間で感染があったかどうかを確認するため、B型肝炎訴訟において、塩基配列(DNAの構成要素)を比較した検査結果の提出を求められる場合がある

  • B型肝炎訴訟において、塩基配列比較検査を提出するのは、主に次の3パターン
  1. 父子感染ではないことを証明する場合(一次感染者等の場合)
  2. 母子感染を証明する場合(母子感染による二次感染者の場合等)
  3. 父子感染であることを証明する場合(父子感染による二次感染者等の場合)
  • B型肝炎ウイルスは、塩基配列の違いにより、A~Jの遺伝子型に分類され、さらにこれを細かく分類すると、Aa、Ae、Ba、Bj型などがある。B型肝炎訴訟においては、ジェノタイプAeでないことを証明する必要が生じる場合がある

B型肝炎訴訟には様々な書類を集める必要がありますが、ご自身で書類収集をすることは、大変です。

(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。

また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金の受給手続きに関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみを報酬をいただくという成功報酬制です。

なお、B型肝炎給付金の支給が決定すれば、和解協議にあたり、弁護士等に報酬を支払った方に対して、各給付金額の4%の額が訴訟手当金として国から給付されます。
※以上につき、2022年4月時点

アディーレ法律事務所では、B型肝炎に悩まれている方を一人でも手助けしたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談を心からお待ちしております。

B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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