お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

B型肝炎訴訟の必要書類は?誰が受給可能かについても弁護士が解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「B型肝炎給付金を受給するために必要な書類って何?」

B型肝炎給付金を受給するためには、血液検査の結果やカルテなど、医療記録を含む様々な書類を訴訟で提出する必要があります。
しかも、どのような必要書類が必要となるかは、人によって異なることがあります。

本記事では、

  • B型肝炎給付金を受給するために必要となる書類

について、弁護士がわかりやすく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

B型肝炎に関するご相談は何度でも無料

弁護士費用は安心の成功報酬制!

ご相談・ご依頼は安心の全国対応。国内65拠点以上(※1)

お電話によるご相談だけでなく、お近くの本店・支店にお越しいただいてのご相談も可能です

B型肝炎の給付金請求にはウイルス感染を証明する書類などが必須

B型肝炎給付金をもらうためには、「国を相手に訴訟+和解をする」という過程を経る必要がありますが、和解をするためには、必要書類を裁判所に提出して、「B型肝炎給付金の要件を満たしていること」を証明しなければなりません。

参考:B型肝炎訴訟の手引き 第5版 平成30年4月 改訂|厚生労働省
参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省 

B型肝炎給付金の受給要件と必要書類

B型肝炎給付金の対象となる方は、主に次の感染経路です。

  • 幼少期の集団予防接種等で感染(一次感染者)
  • 母子感染(二次感染)
  • 父子感染(二次感染)
  • 二次感染者である母または父から感染(三次感染)

これらの方がB型肝炎給付金をもらわずに死亡した場合、その相続人ももらうことができます。

今回は、感染者の数が多い、一次感染、母子感染(二次感染)について要件と必要書類をご説明します。

(1)一次感染者の要件

一次感染者の要件は、次のとおりです。

  1. 1941年7月2日~1988年1月27日までに生まれていること
  2. 満7歳の誕生日前日までに集団予防接種等を受けていること
  3. B型肝炎ウイルスに長期間に渡って感染(持続感染)していること
  4. 集団予防接種等以外の感染原因がないこと

これら全ての要件を満たす必要があります。

(2)一次感染者の必要書類

一次感染者がB型肝炎訴訟をする場合の必要書類を解説いたします。

(2-1)「B型肝炎ウイルスに持続感染していること」を証明する書類

必要書類は次のいずれかのものになります。

A 6ヶ月以上の間隔をあけて行った2回分の血液の検査結果
次の検査結果うちいずれか1つが必要です。
  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

これらは、B型肝炎ウイルスが体内でどのような活動状況にいるのか推測するための検査です。
病院で血液検査をしてもらって、これらの数値を記載した紙をもらうことになります。

過去にこれらの検査をしたことがあれば、その検査結果を使えることもありますが、2つの血液検査の時期があまりにも長期間離れている場合には、証拠としては使えない場合がありますので、B型肝炎訴訟に詳しい弁護士などにご相談ください。

B HBc抗体陽性の検査結果(高力価陽性)

こちらも、B型肝炎ウイルスが体内でどのような活動状況にいるのか推測するための検査です。
新たに病院で血液検査をしてもらうか、過去の血液検査の結果を使用することになります。
HBc抗体の検査方法にはいくつか種類があり、検査方法によって、どのくらいの数値を越えれば高力価陽性になるのかが異なります。

また、病院によっては、検査方法が選択できず、特定の検査方法に決まっている場合もあります。

出てきた検査結果が、高力価陽性といえるのかどうかについては、専門家にお尋ねください。
※A、Bのいずれの検査結果を得られなくとも、医学的知見から、B型肝炎ウイルスに持続感染していると認定される場合がありますので、あきらめずにB型肝炎訴訟に詳しい弁護士などに相談しましょう。

(2-2)「満7歳の誕生日前日までに集団予防接種等を受けていること」、「集団予防接種等で注射器の連続使用があったこと」を証明するための必要書類

必要書類は次のいずれかのものになります。

A 母子手帳

母子手帳の予防接種の日時や場所を記入する欄を確認してみましょう。
1948年7月1日~1988年1月27日の間に集団予防接種等を受けたことが、証明できることが必要です。

B 予防接種台帳

予防接種台帳は、市町村が行った予防接種につき記録した台帳で、市町村が保管しています。
これにより、ご本人(原告)が、1948年7月1日~1988年1月27日の間に集団予防接種などを受けたことが、確認されることが必要です。

ただし、予防接種台帳の保存義務は5年間のため、必要な予防接種台帳は、すでに廃棄されていることが多いです。
市町村の保存状況については、厚生労働省のホームページをご覧ください。

なお、予防接種台帳を保存している市町村に満7歳までに住んでいたことがあるのに、予防接種台帳には、ご本人が予防接種したという記載がない場合には、その旨を記載した証明書が必要です(市区町村に発行してもらいます)。

参考:予防接種台帳の保存状況について|厚生労働省

C 母子手帳または予防接種台帳を提出できない場合は、次の書類が必要書類となります。
  • 陳述書
    ご本人または、関係者(お父様・お母様・年上のご兄姉など)が、集団予防接種等が行われた時期、場所、母子手帳などを提出できない理由をできるだけ具体的に記載します。
  • 接種痕が確認できるかについての医師の意見書
    種痘やBCGの接種痕があるのかなどを医師に記載してもらいます。
    定型の用紙がありますので、そちらに記入してもらうと、手続きがスムーズになります。
    腕に注射の痕が残っていないか、ご自身でも確認してみましょう。
  • 住民票または戸籍附票
    満7歳になるまでに日本国内に住んでいたことが証明できる住民票または、戸籍附票(一定時期の住所歴が記載されたもの)を提出します。
    住民票や戸籍附票は市区町村で発行してもらえます。
    通常は窓口や郵送で発行してもらえますので、発行に必要な書類や手数料は各市区町村にお尋ねください。
  • 戸籍
    出生日が1941年7月1日~1988年1月27日までの間なのかを証明できることが必要です。

(2-3)「母子感染ではないこと」を証明する書類

次のA~Cの内、いずれかのものが必要書類になります。

A お母様の次の血液検査結果
HBs抗原が陰性、かつ、HBc抗体が陰性または低力価陽性

B お母様が亡くなっている場合⇒お母様の次の血液検査結果
お母様の80歳未満の時点のHBs抗原陰性の検査結果
(80歳以上の時点のHBs抗原陰性の検査結果しかない場合には、原則として、HBc抗体陰性または低力価陽性の検査結果も必要になります)

お母様の生前の血液検査の結果の中に、HBs抗原の検査結果が含まれている場合がありますので、何等かの血液検査結果が残っていないか探してみましょう。
お手元にない場合には、病院から取り寄せることによって取得できる場合もあります。

C お母様が亡くなっていて、お母様の血液検査の結果もない場合⇒年上のご兄姉のうち一人の以下の血液検査結果
HBs抗原が陰性、かつ、HBc抗体が陰性または低力価陽性

D その他医学的知見を示す書類
A~Cの必要書類が揃わない場合、医学的知見から、母子感染でないと認められる場合もあります。

※いずれのパターンの書類を出すにしても、次の戸籍などの提出も必要です。

パターン必要な戸籍の種類
Aの必要書類を出す場合ご本人(原告)とお母様との間の続柄が記載された戸籍または除籍謄本
Bの必要書類を出す場合
  • ご本人(原告)とお母様との間の続柄が記載された戸籍または除籍謄本
    +お母様が亡くなっていることが記載された除籍謄本
Cの必要書類を出す場合
  • ご本人(原告)とお母様との間の続柄が記載された戸籍または除籍謄本
    +お母様が亡くなっていることが記載された除籍謄本
    +血液検査の結果を提出する年上のご兄姉と、ご本人との続柄が記載された戸籍または除籍謄本

(2-4)「母子感染や集団予防接種など以外で感染した原因がないこと」を示す資料

次の全てが必要書類となります。

A 医療記録(カルテなど)
  • 提訴日前1年分
  • 持続感染の判明から1年分
  • 最初の発症から1年分
    ※肝がん、肝硬変、慢性肝炎を発症している方のみ必要
  • 肝疾患に関する入院中の全て(退院時要約でも可)
    ※肝疾患に関して入院したことがある方のみ必要

肝疾患に関する医療記録だけ必要なのか、それ以外の病気が記載された医療記録も必要なのかは、医療記録の種類によって異なります。
詳しくは、B型肝炎訴訟に詳しい弁護士などにお尋ねください。

B お父様がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合⇒お父様とご本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査

人と同じように、B型肝炎ウイルスによって遺伝子情報が異なります。
B型肝炎の「塩基配列」を調べると、父と子で、ほぼ同じ遺伝子情報を持ったB型肝炎ウイルスに感染したのかがわかります。

お父様が持続感染者であるかどうかを確認するために、原則としてお父様のHBs抗原の検査結果を提出することが必要になります。お父様のHBs抗原が陰性であれば、塩基配列を比較する血液検査結果を提出する必要はありません。

また、お父様とご本人の続柄が記載された戸籍などの提出も必要になります。
※和解が成立すれば、塩基配列の検査費用として、6万3000円または6万5000円が支給されます(和解が成立しない場合、検査費用は自己負担となります)。

C 1995年以前に持続感染が判明した証拠がない場合⇒ご本人のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeではないことが記載された検査結果

ジェノタイプとは、ウイルスの遺伝子の型です。
人間でいえば、血液型のようなものにあたります。
B型肝炎ウイルスには、主要な型として、A、B、C、Dがあります。

さらに、Aのタイプを細かく分類すると、AaやAeに分かれます。
ジェノタイプAeのタイプが検出された場合、成人後の感染の可能性がある(=集団予防接種等以外の原因で感染した可能性がある)ということになります。

【検査の順序】
ジェノタイプの検査の順序ですが、次の検査の順序が推奨されています。
まず、A、B、C、Dのいずれの主要な型であるのか検査します。
※和解が成立すれば、主要な型の検査費用として次の費用がもらえます。

  • 保険給付がある場合は2300円
  • 保険給付がない場合は8500円

↓ Aのタイプの場合
次に、さらに詳しく検査して、Aの内どのタイプなのか(Aeのタイプなのか)を判別することになります。
※和解が成立すれば、詳細な型の検査費用として、1万5000円の検査費用がもらえます。

(2-5)病態を証明する医療記録

肝がん、肝硬変、慢性肝炎を発症している方は、病態(病気)およびその原因がB型肝炎ウイルス持続感染であることを証明する書類が必要です。
例えば、次のものなどが必要書類となります。

  • 血液の検査結果
  • 病理組織の検査結果
  • その他の検査の結果やB型肝炎ウイルスに特異的な治療歴が記載された医療記録

B型肝炎ウイルスに特異的な治療は、インターフェロン、バラクルード(エンテカビル)、ベムリディなどによる治療です。

(3)母子感染者(二次感染者)の要件

  1. ご本人(原告)のお母様が一次感染者の要件を全て満たすこと
  2. ご本人(原告)がB型肝炎に持続感染していること
  3. 母子感染であること

母子感染とは、ここでは、妊娠中や出産の際にB型肝炎ウイルスがお母様から子にうつったことをいいます。

(4)二次感染者の必要書類

二次感染者の必要書類について解説いたします。

(4-1)「ご本人(原告)のお母様が一次感染の要件を満たすこと」を証明する書類

お母様に関し、一次感染必要書類(1~4)と同じ書類が必要書類です。ただし、医療記録については、提訴日前1年分、最初の発症から1年分および肝疾患に関する入院中の全て医療記録に代えて、ご本人(原告)出生前後各半年分のお母様の医療記録とご本人(原告)出生後半年分のご本人(原告)の肝疾患に関する医療記録の提出が必要になります。

(4-2)「ご本人(原告)が持続感染していること」を証明する書類

ご本人(原告)に関し、次のいずれかが必要書類となります。

A 6ヶ月以上の間隔をあけて行った2回分の血液の検査結果
以下の検査結果うちいずれか1つが必要書類となります。
  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

B HBc抗体陽性の検査結果(高力価陽性)

※上記のA、Bの検査結果が出ない場合でも、医学的知見から、B型肝炎ウイルスに持続感染していると認定される場合がありますので、あきらめずにB型肝炎訴訟に詳しい弁護士などにご相談ください。

(4-3)「母子感染であること」などを示す書類

次のいずれかが必要書類となります。

A ご本人(原告)が出生直後に、すでに、B型肝炎ウイルスに持続感染していたことを証明する資料

ご本人(原告)出生前後各半年分のお母様の医療記録やご本人(原告)出生後半年分のご本人(原告)の肝疾患に関する医療記録などによって証明します。

B ご本人(原告)とお母様のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査

お母様とご本人が、ほぼ同じ遺伝子情報を持つ、B型肝炎ウイルスに感染したことを証明するためのものです。
検査の結果が「感染の因果関係あり」の場合には、和解成立後、塩基配列の検査費用として6万3000円が支給されます。

C 母子感染とは異なる原因の存在が確認されないことを証明する資料

  • ご本人(原告)が1985年12月31日以前に出生していることを示す資料
  • 医療記録(提訴日前1年分、持続感染が判明してから1年分、最初の発症から1年分、肝疾患に関する入院中の全て)
  • ご本人(原告)とお父様のB型肝炎ウイルスの塩基配列が同定されないことを示す資料
  • 原告のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeでないことを証明する資料

なお、これらの各資料から、ご本人(原告)の出生前にお母様のHBe抗原が陰性であったことが確認されないことも必要になります。
※上記以外にも、「母子感染であること」や、「母子感染とは異なる原因の存在が確認されないこと」を立証する方法がありますので、詳しくはB型肝炎訴訟に詳しい弁護士などにお尋ねください。

(4-4)ご本人(原告)の病態を証明する医療記録

肝がん、肝硬変、慢性肝炎を発症している方は、病態(病気)およびその原因がB型肝炎ウイルス持続感染であることを証明するため、次のものが必要書類となります。

  • 血液の検査結果
  • 病理組織の検査結果
  • その他の検査の結果やB型肝炎ウイルスに特異的な治療歴が記載された医療記録

(4-5)戸籍

ご本人(原告)とお母様の続柄が記載された戸籍も必要書類となります。
戸籍は、市区町村の窓口や郵送で発行してもらうことになります。

必要資料が収集できないときでもあきらめずに専門家にご相談を

これまで、給付金の受給のために必要となる書類を解説してきました。
もっとも、上記で挙げた必要書類が収集できない場合であっても、他の書類を証拠として給付金を受給できる場合があります。

そのため、「必要書類がうまく収集できないからあきらめよう」などと安易に給付金の受給をあきらめてはいけません。そのような場合はB型肝炎訴訟に詳しい弁護士などに相談されることをお勧めいたします。

次のページでは、ここまで解説してきた必要書類が収集できないケースであっても、弁護士に相談することで給付金を受給することができた事例を紹介しています。ぜひご覧ください。

【まとめ】血液検査結果やカルテ等の様々な書類が必要

今回の記事をまとめると次のようになります。

  • B型肝炎給付金を受給するためには、受給要件を満たしていることを証明するための必要書類を訴訟で提出しなければならない
  • B型肝炎給付金の必要書類には、血液検査結果やカルテ等様々なものがあり、人によって必要書類が異なる

「なんだか必要書類が多くて、集めるのが大変そうだな。体調も悪いんだし、やっぱりやめようか」

確かに、これらの必要書類を一人で集めるのは大変なことが多いです。

(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。

アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金の受給手続きに関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
なお、B型肝炎給付金の支給が決定すれば、和解協議にあたり、弁護士等に報酬を支払った方に対して、各給付金額の4%の額が訴訟手当金として国から給付されます。
※以上につき、2022年4月時点

アディーレ法律事務所では、B型肝炎に悩まれている方を一人でも多く手助けしたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談を心からお待ちしております。
B型肝炎給付金の受給をお考えの方は、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

B型肝炎に関するメリット満載

B型肝炎に関するご相談は何度でも無料

朝9時〜夜10時
土日祝OK
まずは電話で無料相談 0120-881-920
メールでお問い合わせ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています