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介護を要する後遺障害の慰謝料とは?介護保険との関係についても解説

作成日:更新日:
kiriu_sakura

「交通事故によって、家族の介護が必要になった……。慰謝料はいくらくらい請求できる?介護保険を使って介護サービスを受けても良い?」

交通事故により、それまでの生活が出来なくなるだけでなく、介護が必要になった……。
事故にあったご本人ばかりでなく、そのご家族の方の心痛は察するに余りあります。
生活は一変しますし、将来の生活に対する不安も尽きないでしょう。
せめて、金銭的な不安だけでも軽くなるように、加害者に請求出来る賠償金の項目などをしっかり把握された上で、加害者や保険会社に請求出来る賠償金を全て、最大限請求することをお勧めします。

今回の記事では、

  • 介護が必要な後遺障害を負った場合、加害者に請求出来る賠償金
  • 慰謝料についての3つの基準
  • 介護保険による介護サービスを受けた場合

などについてご説明します。

この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

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介護を要する後遺障害とは?

交通事故の被害にあい、治療を継続しても完治せず、将来にわたる介護が必要になったという場合、症状固定(※)後に後遺障害等級認定(※2)を受ける必要があります。

(※)症状固定…それ以上治療を継続しても効果が見込めない状態のこと
(※2)後遺障害等級認定…症状固定後も残った症状(後遺症)について、損害保険料率算出機構などで「後遺障害」と認定されること

症状固定と後遺障害等級認定について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

症状固定とは?診断の目的や時期、診断後に必要な後遺障害等級認定の手続きを解説

介護を要する後遺障害は、次のとおりです。

等級
介護を要する後遺障害
第1級1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

参照:後遺障害等級表|国土交通省

第1級と第2級の違いは、生命維持に必要な身の周り処理の動作についての介護が「常に」必要なのか、「随時」必要なのかの違いです。
なお、上に挙げた後遺障害等級は必ず介護が必要になりますが、それ以外の等級でも介護が必要になるケースはあります。

介護を要する後遺障害等級に認定された場合に請求できる賠償金

それでは、交通事故により介護が必要になった場合に加害者側(加害者本人・加害者の保険会社)に請求出来る賠償金の項目についてご説明します。
介護が必要な後遺障害の場合、将来にわたる介護費用などが含まれますので賠償金は極めて高額になります。
ご家族が交通事故の被害にあい、介護が必要な状態になった時の不安は甚大です。
せめて金銭的な不安だけでも軽く出来るよう、加害者側に請求可能な賠償項目をしっかり把握し、最大限の賠償金を受け取れるように備えてください。

加害者側に請求できる損害賠償項目

加害者側に請求できる損害賠償項目は、主に次のような内容になります。

介護を要する後遺障害等級に認定された場合の賠償項目

  • 治療関係費用
  • 休業損害
  • 器具等購入費
  • 自宅・車両等の改造費
  • 付添看護費
  • 後見等関係費用
  • 入通院慰謝料
  • 将来介護費
  • 後遺症慰謝料
  • 逸失利益
  • 近親者の慰謝料 など

慰謝料以外の損害賠償項目について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

家族が交通事故で要介護に|慰謝料以外にも請求できる損害賠償項目

加害者側に請求できる慰謝料について

それでは、介護を要する後遺障害を負った場合の慰謝料について、詳しくご説明します。
加害者側に請求出来る慰謝料は、次の3つです。

1.入通院慰謝料(傷害慰謝料)

交通事故によるけがにより、入通院したことに対する慰謝料です。

2.後遺症慰謝料

交通事故による後遺障害が残ったことに対する慰謝料です。

3.近親者慰謝料

家族が交通事故により重傷を負ったことに対する慰謝料です。
請求できるのは事故にあった被害者本人ではなく、ご家族です。
近親者の慰謝料額は、概ね被害者本人の慰謝料額の10~30%程度です。

慰謝料の請求について大切なことは?

加害者側に対する慰謝料の請求について必ず知っておいて頂きたいのは、慰謝料を請求する際の基準は、実は1つではないということです。
ですから、介護を要する後遺障害を負い、後遺障害等級認定されたとしても、それだけで慰謝料の金額が自動的に決まるわけではありません。
慰謝料をいくらと算出するのか、どの基準によるかによってかなり異なってくることにご注意ください。

3つの基準は「自賠責の基準」、「任意保険会社の基準」、「弁護士の基準」の3つです。
通常は自賠責の基準が1番低額で弁護士の基準が1番高額になります(※ただし、自賠責保険金額は交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります)。
任意保険会社の基準は自賠責の基準よりは高いものの、弁護士の基準には及びません。

具体的に、介護を要する後遺障害の慰謝料の金額についてご紹介しましょう。
自賠責の基準と弁護士の基準による差は、次のとおりです。

介護を要する後遺障害の慰謝料

加害者の保険会社が示談金額を提示する場合、自賠責の基準かそれよりやや高い金額を提示することが多いです。

他方、弁護士が示談交渉をする場合、弁護士の基準を元に交渉しますので、弁護士が交渉することにより、弁護士の基準に近い金額まで示談金が増額されることも多いです。
ですから、保険会社が提示する示談金をそのまま承諾せずに、弁護士に依頼した場合にはどうなりそうか、確認することをお勧めします。

慰謝料について、保険会社と弁護士で基準が異なることを知らない方は多いです。
保険会社の提示をそのまま鵜呑みにした場合、弁護士に依頼すれば得られたはずの賠償金を得られない可能性があります。
保険会社から示談金の提示がある場合には、一度弁護士にご相談されることをお勧めします(相談は無料とする事務所も多いです!)。

実際に弁護士に相談された方のお声を一部ご紹介します。

(※「裁判所基準」とは、先ほどご説明した「弁護士の基準」と同じ内容です)

弁護士に示談交渉を依頼するメリットについて詳しくはこちらの記事もご参照ください。

交通事故は弁護士に依頼しないと損?弁護士への依頼でもらえる示談金が増える可能性も

介護保険による介護サービスは受けられる?

それでは次に、交通事故により介護が必要な状態になってしまった場合、介護保険を利用した介護保険サービスは受けられるのか、介護保険との関係をご説明します。
まずは、介護保険について簡単にご説明します。

(1)介護保険とは

介護保険とは、40歳以上の国民が加入を義務付けられており、(1)65歳以上の高齢者や、(2)40~64歳までの特定疾病患者(※末期がんなど予め指定された16の疾病の患者)のうち、介護が必要になった人に介護費用を給付するという保険です。
介護保険の被保険者の種類などは、次の表のとおりです。

被保険者の別介護給付・サービスを受けられる場合
第1号被保険者
65歳以上
  • 寝たきり・認知症などにより、要介護状態になった場合
  • 家事・身じたくなど日常生活に関して要支援状態になった場合
第2号被保険者
40~64歳
早老症・脳血管疾患など老化が原因とされる病気(※特定疾病)により、要介護状態や要支援状態になった場合。
※特定疾病は、慢性関節リウマチや末期がんなどの16種類が定められています。

参照:介護保険とは|厚生労働省

介護保険の被保険者が、介護が必要な状態になった場合に『要介護認定』を受けると、介護保険による給付や介護サービスを受けることが出来ます。

参照:サービス利用までの流れ|厚生労働省

ただし、残念ながら、交通事故は特定疾病にはあたりません。
ですから、40~64歳の方が交通事故を原因で介護が必要になった場合であっても、介護保険を使うことは出来ません。
他方、65歳以上の方であれば、交通事故が原因で要介護状態になった場合には介護保険を使うことが出来ます。

(2)介護保険を利用した場合の加害者に対する損害賠償はどうなる?

介護保険を利用すれば、自己負担1~3割で介護サービスを受けられます(※収入に応じて自己負担割合が異なります)。
交通事故により介護が必要な状態になった場合には、一般的に次のような書面を準備して、市区町村の介護保険課に届け出る必要があります(※各市区町村によって異なりますので、事前にご確認ください)。

  • 第三者行為による傷病届

後日保険者から相手方の保険会社へ、介護保険給付をした費用を請求するために必要となる重要な書類です。
ひな形については、各市町村にご確認ください。

  • 交通事故証明書

交通事故が起こったことを公的に証明する書類です。
各都道府県の自動車安全運転センターに申請して取得します。
交通事故証明書を取得するには、必ず交通事故を警察に届け出ておかなければいけません。

参照:交通事故に関する証明書|自動車安全運転センター

  • 事故発生状況報告書

交通事故が起こった状況を詳しく説明するための書類です。
被害者が作成するものです。
加害者の保険会社に提出したものを使っても差し支えありません。

  • 同意書

被害者が加害者に対して有する損害賠償請求権のうち、保険が給付された分については、市区町村が加害者に請求する権利を取得することについての同意書面です。
被害者が作成します。

介護保険による介護サービスを利用するためには、まずは、必要な書類を揃えた上で、要介護認定を受けて下さい。

(3)自己負担分は加害者に損害賠償請求ができる

65歳以上の方が、介護保険による介護サービスを受けた場合の自己負担分は、当然、加害者側に請求することが可能です。
そして、保険が給付された分については、市区町村から加害者側に対して、求償されることになります(「第三者行為求償」と言います)。

第三者行為求償とは

健康保険を使って治療する場合なども、第三者行為による傷病届の提出が必要です。
提出しないと、保険給付が制限される可能性がありますので、注意が必要です。

参考:事故にあったとき(第三者行為による傷病届等について)|こんな時に健保|全国健康保険協会

交通事故によるけがについて健康保険を使って治療する場合について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

交通事故の治療でも健康保険を利用できる?健康保険を使うメリットや知っておくべきことを紹介

ですから、示談をする前に介護保険による介護サービスを利用した場合には、必ず領収証などは保管しておき、加害者の保険会社に提出しましょう。

(4)将来介護費用と介護保険の関係は?

介護を要する後遺障害が残った場合、残念ながら、示談後も介護が必要になることがほとんどのため、将来の不安に備えて、しっかり介護費用を請求することが必要です。
その際、将来介護費用を含めて示談した場合には、介護保険の利用が出来なくなることに注意が必要です。
ですから、将来の介護費用を請求するにあたり、示談時に介護保険を利用している場合でも、保険を利用しない前提で計算をして請求する必要があります。

【まとめ】介護を要する後遺障害に認定された場合の後遺症慰謝料は、自賠責の基準と弁護士の基準では1000万円以上の差がある

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 介護を要する後遺障害等級は第1級と第2級が規定されている。
  • 後遺障害等級第1級とは、生命維持に必要な身の周り処理の動作についての介護が「常に」必要な場合、第2級は「随時」必要な場合。
  • 介護を要する後遺障害を負った場合、加害者やその保険会社に対し、治療関係費用、休業損害、器具等購入費、自宅・車両等の改造費、付添看護費、後見等関係費用、入通院慰謝料、将来介護費、後遺症慰謝料、逸失利益、近親者の慰謝料などを請求できる。
  • そのうち慰謝料は、入通院慰謝料、後遺症慰謝料、近親者慰謝料があるが、前2者は事故の被害にあった方ご本人の請求権、3つ目は本人ではなくご家族の請求権。
  • 交通事故の慰謝料についての保険会社の基準と弁護士の基準は異なり、通常は弁護士の基準の方が高額である。よって、弁護士に示談交渉を依頼すると、自分で示談をする場合に比べて最終的に受け取れる賠償金が増額される可能性がある。

交通事故により、突然ご家族が介護を要するけがを負った……。事故直後は、気も動転していますし、とにかくただ命だけは助かって欲しいと願うのが精いっぱいです。
もちろん、事故直後は治療に専念し、加害者に対する賠償などは考えられないでしょう。
ですが、保険会社からの示談の申し出は、いずれやって来ます。
不本意な金額を提示された場合に毅然として交渉出来るように、また、今から少しでも金銭的な不安を減らすためにも、事故から少し時間が経ち症状も落ち着いてきたと言う場合には、ほんの少しだけでも、加害者への賠償についてお調べになることをお勧めします。

アディーレ法律事務所は、交通事故の被害者による賠償金請求を取り扱っております。交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年6月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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