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休職診断書とは?休職で会社とトラブルになったらするべきことも解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「休職をすることになった。診断書が必要と言われたけれど……?」

休職診断書とは、会社を休むことが必要であると、医師が診断したことを証明するものです。
休職を申請する際に、休職診断書の提出が必要となることが多いです。

この記事では次のことについて弁護士が解説いたします。

  • 休職診断書とは何か
  • 休職するときの注意点
  • 傷病手当金はどんな制度なのか
  • 休職に関して会社とトラブルになったらするべきこと
この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

休職診断書とは

「休職診断書」とは、休職が必要であることを医師が診断していることを証明する書類のことです。
本当に休職が必要かどうかを確かめるために、休職診断書を会社に提出するように就業規則で定められていることが多いです。
通常、休職診断書の発行には数千円~1万円ほどの費用が必要です。
病院によって休職診断書の発行手数料は異なりますので、受診する前に費用を確認しておきましょう。

休職が必要なケースには、どのようなものがありますか?

例えば、座り仕事の事務職の方で、腰痛が特にひどく仕事が続けられないケースやドクターストップがかかったケースなどがあります。症状に応じて、「急性腰痛症」や「椎間板ヘルニア」など診断名をはっきりさせて休職診断書を書いてもらいましょう。会社に休職が必要なことが伝わりやすくなります。

休職するときの注意点

「休職」とは、ある労働者について労務に従事させることが不能又は不適当な事由が生じた場合に、労働契約関係を維持させながら、労務に従事することを免除又は禁止することをいいます。
休職制度を設けることは、法律上義務付けられておらず、一般に就業規則や労働協約等により定められており、これに基づき休職命令が発令されることが多いです。
休職する場合の注意点について、ご説明します。

(1)休職中は原則として無給。でも社会保険料は支払うことになる

休職中は、給料を払わないとしている会社が多いです。
しかし、休職期間中、無給であっても社会保険料は免除にはなりません。
ただし、後述のとおり、傷病手当金などを受給ができる場合があります。

(2)休職期間中も会社と連絡を取り合う必要がある

退職したわけではないので、休職期間中も、会社と連絡を取らなければならない場合があります。
そのため、人事部や上司と連絡が取れる状態にしておく必要があります。
休職に入る前に電話やメールなど連絡がつきやすく、自己に負担にならない方法を決めておくとよいでしょう。

(3)休職できる期間は限られている

好きなだけ休職できるわけではありません。
通常は、就業規則によって休職できる期間が決まっています。
休職できる期間は、勤続年数や、傷病の状態に応じて定められていることがあります。

就業規則で決められた休職期間を過ぎても、回復せず復職できない状態の場合は解雇か自動的に退職となると定められていることが多いです。
このように、通常、休職制度は、解雇を猶予するための制度として定められています。

休職期間満了時に「回復」したか否か、争いになることが多い

休職期間満了時に「回復」しているといえるかどうかについて、争いとなることが多いです。
休職期間満了時に完全に回復していなくとも、負担の軽い他の業務であれば、仕事をこなせるといった場合もあるからです。

現在の裁判例では、「休職満了時に、労働者が休職前の業務に復帰できる状態でない場合でも、従前より軽減された業務によって復職可能か検討すること」が求められる傾向にあります。
これをすることなく、退職扱いにしたり、解雇したりした場合には、退職や解雇は無効と判断される傾向にあります。

(4)休職制度がない場合もある

休職制度は有給休暇とは異なり、法律で定められている制度ではありません。
そのため、休職制度自体がない会社もあります。

傷病手当金はどんな制度なのか?

休職期間中は、給料を貰えないことが多く、経済的に困りやすい状態です。
しかし、一定の場合には、加入している健康保険に「傷病手当金」の支給を申請すれば手当がもらえる可能性もあります。
傷病手当金について、ご説明いたします。

例えば、先ほどの腰痛の例で、業務とは無関係に椎間板ヘルニアを患い休職することになった場合には、傷病手当金がもらえる可能性があります!

(1)傷病手当金を貰うための条件

傷病手当金は、次の条件をいずれも満たせば原則として、受給できます。

  1. 勤務先の健康保険に加入していること
  2. 業務外のケガや病気の療養のための休職であること
  3. 休職が必要な状態であること
  4. 連続する3日間+その翌日(4日目)以降仕事ができなかったこと
  5. 仕事を休んだ期間、賃金の支払いがないこと

これらの条件の詳細について、ご説明します。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会

(1-1)勤務先の健康保険に加入していること

健康保険にはいくつか種類がありますが、勤務先の健康保険に加入していると、傷病手当金が受給できます。
ただし、任意継続被保険者(※)である期間中に、ケガや病気をした場合は、傷病手当金は支給されません。

※任意継続被保険者とは、退職するなどして勤務先の健康保険の加入資格を喪失した後に、一定期間、従前の健康保険に個人で加入している人のことをいいます。

(1-2)業務外のケガや病気の療養のための休職であること

休職の原因が、仕事上・通勤上のケガや病気ではないことが必要です。
仕事上・通勤上のケガや病気による休職の場合、傷病手当金ではなく、労災保険の対象となります。

(1-3)休職が必要な状態であること

入院や手術で病院にいる間や、就労不能で自宅療養している間など、休職が必要な状態であることが必要です。

(1-4)連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったこと

休職しても、待期期間3日を過ぎないと、傷病手当金を受給することができません。
連続して3日休むと、待期期間が過ぎた扱いとなり、4日目から傷病手当金が支給されます。
土日祝日・有給休暇取得した日に休んだ分も待期期間3日に含まれます。

待期期間に「連続して」休んだということが重要です。
例えば、10月1日~10月3日の3日の内、10月2日だけ仕事をした場合、10月1日~10月3日の間、休みが連続していませんので、10月4日時点では、待期期間は経過していないことになります。

(1-5)仕事を休んだ期間について賃金の支払いがないこと

傷病手当金を受給するためには、休んだ期間について賃金の支払いがないことが必要です。
例えば、ケガや病気をしたが、有給休暇を取得して休んだ期間については、原則として、傷病手当金はもらえません。

ただし休職中も賃金の一部が支払われているが、傷病手当金の方が高い金額である場合には、賃金と傷病手当の差額を受け取れます。

(2)支給される期間

これまでは、傷病手当金が、支給される期間は支給開始日から最長で1年6ヶ月が経過するまででした。また、これまでは傷病手当の給付を受けてから一度職場復帰して再び休職した場合、この一時の復職中も残りの支給期間が減少し続けるという取扱いがなされていました。

これに対して、2020年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金からは、傷病手当金の支給期間が支給開始日から「通算して1年6ヶ月」となりました。
このため、支給期間中に職場復帰して傷病手当金が支給されない期間がある場合には、支給開始日から1年6ヶ月を超えても繰り返し受給することができます。

参照:令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます|厚生労働省

(3)支給される金額

おおよそ、賃金の3分の2程度の受給ができます。
すなわち、傷病休職の場合、原則として、次の式により、1日あたりの傷病手当金を算出できます。

1日あたりの傷病手当金=直近の継続した12ヶ月間の平均の標準報酬月額÷30日×3分の2

傷病手当の支給開始以前の健康保険加入期間が12ヶ月未満の場合は、次のいずれか低い金額の方を用います。

  1. 傷病手当の支給が開始される日の属する月からさかのぼって、直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額
  2. 全被保険者の標準報酬月額の平均額

女性で出産手当金を受け取っている場合でも、傷病手当金の方が高ければ、出産手当金と傷病手当との差額を受け取ることができます。

その他、労災保険や、障害厚生年金・障害手当金、老齢(退職)年金などの受給を受けているときは、傷病手当金の金額が減額されたり、不支給となったりしますので注意しましょう。

休職に関して会社とトラブルになったらするべきこと

休職したいと申し出た途端に解雇された、復職したいのにさせてもらえない、など休職に関してトラブルになったときの対処法をご説明いたします。

(1)会社の相談窓口へ相談する

会社や労働組合の相談窓口に相談するという方法があります。
産業医がいる場合は、産業医へ困っていることを相談するのもひとつの方法です。

(2)弁護士に相談してみる

社内の相談窓口では解決が難しそうな場合は、弁護士に相談してみましょう。
交渉や裁判手続きを含めて、法的に取れる措置についてアドバイスしてもらえます。
また、必要に応じて、法的手続きの代理を弁護士に委任することも可能です。

【まとめ】休職診断書とは会社を休むことが必要であると医師が診断した書類

この記事のまとめは次のとおりです。

  • 休職診断書とは、休職が必要であることを医師が診断していることを証明する書類のこと。
  • 休職するときの注意点として、休職中は原則として無給だが社会保険料は支払うことになることなどがある。
  • 休職期間中は、加入している健康保険から傷病手当金をもらうことができる可能性がある。
  • 休職に関して会社とトラブルになったら、弁護士などの外部の窓口に相談してみるのもひとつの方法。

休職をしなければならない状態のときは、心身ともに疲れており、大変なことも多いかと思われます。
そんな時に、休職に関わるトラブルに巻き込まれてしまったら、とても大変ですよね。
もしも休職に関わるトラブルに巻き込まれてしまった場合には、ためらうことなく弁護士に頼ることも視野に入れて検討してみてください。

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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