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最低賃金の仕組みと2022年最新版の都道府県別金額を徹底解説

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新型コロナウィルスの影響による世界的な不景気のため、仕事を失った方も多いでしょう。
突然仕事を失えば、条件を落としてでも新たな勤務先を探すことになるかもしれません。

しかし、そんな苦しい状況につけこんで、極めて安い賃金で働かせようとする企業があらわれるおそれもあります。
極めて安い賃金で働かせられることがないように歯止めをかける賃金のセーフティーネットが「最低賃金」です。

この記事では、最低賃金について弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

最低賃金とは?

「最低賃金」とは、国が定めた最低限支払わなくてはならない1時間あたりの賃金です。
最低賃金が適用されるかどうかについて、雇用形態は関係ありません。
最低賃金を下回る賃金で契約をしても、その契約は無効となります。
この場合、労働者は最低賃金を基準とする賃金を請求することができます。

最低賃金には、地域ごとの「地域別最低賃金」と業種別の「特定最低賃金」の2種類があります。

(1)地域別最低賃金

地域別最低賃金とは、地域の物価や業種の特性などを考慮して、都道府県の労働局長が決定する地域別の最低賃金です。
勤務先の地域別最低賃金が適用されるので、派遣社員として青森県で勤めるならば、派遣先の青森県の地域別最低賃金が適用されます。

最低賃金の最も高い東京と最低賃金の最も低い沖縄の8時間当たりの賃金を比べると、1768円もの差があります(東京は1時間あたり1041円で計8328円、沖縄は1時間あたり820円で計6560円)。
なかなか大きな差だと感じるのではないでしょうか。

地域別最低賃金【2021年10月以降】

地域別最低賃金は、例年10月に改訂されています。
最新の地域別最低賃金は、2021年10月に更新されたものです。

2021年10月以降の地域別最低賃金をご紹介します。

地域最低賃金前年の最低賃金(上昇幅)
高  知820792(前年度から28円上昇)
沖  縄820792(前年度から28円上昇)
鳥  取821792(前年度から29円上昇)
佐  賀821792(前年度から29円上昇)
岩  手821793(前年度から28円上昇)
愛  媛821793(前年度から28円上昇)
長  崎821793(前年度から28円上昇)
熊  本821793(前年度から28円上昇)
宮  崎821793(前年度から28円上昇)
鹿児島821793(前年度から28円上昇)
秋  田822792(前年度から30円上昇)
大  分822792(前年度から30円上昇)
青  森822793(前年度から29円上昇)
山  形822793(前年度から29円上昇)
島  根824792(前年度から32円上昇)
徳  島824796(前年度から28円上昇)
福  島828800(前年度から28円上昇)
香  川848820(前年度から28円上昇)
宮  城853825(前年度から28円上昇)
山  口857829(前年度から28円上昇)
福  井858830(前年度から28円上昇)
新  潟859831(前年度から28円上昇)
和歌山859831(前年度から28円上昇)
石  川861833(前年度から28円上昇)
岡  山862834(前年度から28円上昇)
群  馬865837(前年度から28円上昇)
山  梨866838(前年度から28円上昇)
奈  良866838(前年度から28円上昇)
福  岡870842(前年度から28円上昇)
富  山877849(前年度から28円上昇)
長  野877849(前年度から28円上昇)
茨  城879851(前年度から28円上昇)
岐  阜880852(前年度から28円上昇)
栃  木882854(前年度から28円上昇)
北海道889861(前年度から28円上昇)
滋  賀896868(前年度から28円上昇)
広  島899871(前年度から28円上昇)
三  重902874(前年度から28円上昇)
静  岡913885(前年度から28円上昇)
兵  庫928900(前年度から28円上昇)
京  都937909(前年度から28円上昇)
千  葉953925(前年度から28円上昇)
愛  知955927(前年度から28円上昇)
埼  玉956928(前年度から28円上昇)
大  阪992964(前年度から28円上昇)
神奈川10401012(前年度から28円上昇)
東  京10411013(前年度から28円上昇)

参考:地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省

全国的にみると、最低賃金は前年度に比べて28~32円上昇しました。
新型コロナウィルスの影響により2020年度は前年度に比べて1~3円しか上昇しなかったのに対して、2021年は大幅に上昇しています。

(2)特定最低賃金

特定最低賃金とは、鉄鋼業、各種商品小売業、自動車小売業、非鉄金属製造業など特定の職業に定められている地域別最低賃金よりも高い最低賃金です。
2021年10月時点で、全国で227件の最低賃金が定められています。

参考:特定最低賃金について|厚生労働省

(3)地域別最低賃金と特定最低賃金の両方に当てはまる場合

特定最低賃金は地域別最低賃金を上回ることが多く、地域別最低賃金と特定最低賃金の両方に当てはまる場合には、特定最低賃金が基準になると思ってよいでしょう。

ただし、地域別最低賃金の改正に伴い、例外的に地域別最低賃金が特定最低賃金を上回ることがあります。

たとえば、千葉県で調味料製造業に従事する場合、地域別最低賃金は953円であるのに対して、特定最低賃金は889円です。
この場合には、最低賃金法6条1項により、地域別最低賃金が適用されます。

参考:特定最低賃金について|厚生労働省
参考:特定最低賃金の全国一覧|厚生労働省

最低賃金が適用外になるケース

雇用主は、最低賃金の減額の特例許可申請をして都道府県労働局長の許可を得た場合、一定の場合に最低賃金を下回る賃金で従業員を雇うことができるようになります。

(1)最低賃金の減額特例申請の対象になる場合

最低賃金の減額特例申請の対象となるのは、次の方を雇う場合です。

  1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
  2. 試用期間中の方
  3. 転職以外を目的として基礎的な技能等を内容とする一定の認定職業訓練(普通職業訓練、高度職業訓練)を受けている方
  4. 一定の軽易な業務に従事する方
  5. 断続的労働(常態として実作業時間が長時間継続せず、実作業時間と手待ち時間とが繰り返される性質を有する一定の業務 ※その他一定の要件あり)に従事する方

参考:適用される対象者は?|厚生労働省

もっとも、いずれかに当てはまる場合であっても、認定を受けられなければ最低賃金を下回る契約をすることはできません。
最低賃金を下回る場合には、まず労働基準監督署に相談しましょう。

(2)特定最低賃金の適用外になる場合

次の方は特定最低賃金の適用外となります。

• 18歳未満または65歳以上の方
• 雇い入れ3ヶ月未満かつ技能習得中の方
• その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方

給与が最低賃金より少ない場合の対処法

自分がもらっている給与が最低賃金より少ない場合の対処法について解説します。

(1)最低賃金以上かどうか計算する

まず本当に最低賃金を下回っているのか計算して確かめましょう。
地域別最低賃金は年々上昇しています。契約時に決めた賃金が当時の最低賃金以上であったとしても、時間が経ち最低賃金を下回るようになれば、無効になります。

(1-1)時間給制

時間給制の場合には、時給と最低賃金を比べましょう。

(1-2)日給制

日給制の場合には、日給を1日の所定労働時間で割り、時間給を割り出します。
その時間給と最低賃金額を比べてみてください。

(1-3)月給制

月給制の場合には、月給を1ヶ月の平均所定労働時間で割り、時間給を割り出します。
その時間給と最低賃金額を比べてみてください。1ヶ月の平均所定労働時間は、年間の所定労働時間を12ヶ月で割ることにより算出されます。

通勤手当や時間外手当などは基本的には最低賃金から除いて計算します。

参照:最低賃金額以上かどうかを確認する方法|厚生労働省

(1-4)出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

報酬総額を総労働時間数で割り、時間給を割り出します。
その時間給と最低賃金額を比べてみてください。

(2)労働基準監督署に相談する

自分のもらっている賃金が最低賃金を下回っていたとしても、自分で雇い主に言うのはなかなか難しいという方も多いでしょう。
そのような場合には、各都道府県の労働基準監督署に相談しましょう。

労働基準監督署は、企業が最低賃金法を含めた法令を守っているかを監督する役割の公的機関です。

労働基準監督署に相談すると、労働基準監督署が最低賃金法に違反する企業に対し、最低賃金の支払いをなすよう勧告をすることがあります。

これにより、企業から最低賃金と実際に支払われた賃金の差額の支払がなされる可能性があります。

(3)労働トラブルを扱う弁護士に相談する

労働者は、原則として過去3年間(2020年3月31日までに支払日が到来した賃金債権については過去2年間)分の賃金について、最低賃金と実際に支払われた賃金の差額を請求することができます。
ご自身で交渉するのはなかなか難しいかもしれません。

そのような場合には、法律と交渉の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

【まとめ】最低賃金は国が定めた最低限支払わなければならない賃金

この記事のまとめは次のとおりです。

  • 最低賃金とは、国が定めた最低限支払わなければならない1時間当たりの賃金のこと。
  • 地域別最低賃金は、地域の物価などを考慮して決定される地域別の最低賃金で、例年10月に改定される。
  • 特定最低賃金は、特定の職業に定められている最低賃金。
  • 最低賃金が適用外になるケースとして、一定の要件を満たして最低賃金の減額特例申請により許可を得た場合などがある。
  • 自分のもらっている給与が最低賃金より少ない場合には、労働基準監督署や労働問題を扱う弁護士に相談するなどの方法がある。

最低賃金に関するルールは、企業が必ず守らなければならないものです。
最低賃金を上回る賃金をもらうことは、労働者の権利です。

もし自分がもらっている賃金が最低賃金を下回っていると感じたら、労働者基準監督署や労働問題を扱う弁護士に相談しましょう。

参照:都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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