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【弁護士が解説】片方が優先道路の交差点で起きた事故の過失割合は?

作成日:更新日:
yamazaki_sakura

Eさん(仮名)は自動車で交差点を直進しようとしたところ、左方から来た自転車と出合い頭に衝突してしまいました。後日、相手側の保険会社と過失割合について話し合いをしたところ、双方の過失割合は5:5が妥当だろうとのこと。

しかし、こちら側が走行していたのは優先道路です。にもかかわらず、減速もせずに飛び出してきた相手方の過失のほうがはるかに大きいはずであり、Eさんは5:5という過失割合に納得がいきません。

この記事では、

  • 優先道路とは
  • 一方が優先道路である交差点での事故の過失割合
  • 一方が優先道路である交差点での事故で過失割合に納得できないときの対処法

について弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。アディーレに入所後,岡﨑支店長,家事部門の統括者を経て,2018年より交通部門の統括者。また同年より、アディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが真の意味において市民にとって身近な存在となり、依頼者の方に水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、各部門の統括者らと連携・協力しながら日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

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優先道路についての前提知識

まず前提知識として、そもそも優先道路とはどのような道路のことをいうのか、説明します。

(1)法律上の規定

いわゆる「左方優先」や、「そちらが一時停止だからこちらが優先だ」という、相対的な「優先の道路」と違って、道路交通法上の「優先道路」は、明確に定義されています。

優先道路の定義については、道路交通法36条2項に定められています。

車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

引用:道路交通法36条2項

参考:道路交通法|e-gov法令検索

つまり、道路交通法上の「優先道路」とは、次の道路のことをいいます。

  • 道路標識などで優先道路と指定されている道路
  • 道路標識などで交差点内に中央線もしくは車両通行帯が設けられている道路

優先道路を直進中の車両には、次の効果が認められています。

  • 信号機のない交差点でも、徐行する必要がない(道路交通法36条3項)
  • 見通しが悪い交差点でも、徐行する必要がない(道路交通法42条1号)

なお、これらはいずれも信号機などで交通整理の行われていない交差点でのルールです。信号機などにより交通整理が行われている交差点では優先道路はなく、信号機の表示に従って進行することになります。

(2)優先道路の見分け方

では、実際に道路を走行中に優先道路を見分けるためには、何に着目すればよいでしょうか。以下で4つの基準を紹介します。

(2-1)道路標識

もっとも明確な基準が、「優先道路」の標識です。
太い矢印となっているほうの道路が優先道路となります。

【優先道路の標識】

また、同方向に向かって合流する道路などで、「止まれ」や「徐行」などの標識とともに「前方優先道路」の補助標識がある場合、その前方の道路が優先道路となります。

【補助標識】

(2-2)センターライン

センターライン(中央線)が交差点内を貫通している場合は、センターラインがあるほうが優先道路となります。センターラインが、破線、白色、黄色のどれでも同じです。

【センターライン】

交通量が多く、センターラインの破線が消えている場合や、積雪でセンターラインが見えなくなっている場合、道路交通法上の効果を厳密に考えるならば、優先道路性は失われています。
しかし、交通事故の加害者と被害者の地元で、双方が優先道路を熟知している場合には、民事過失割合としては優先道路であるとすべきでしょう。

四輪車どうしの事故

続いて、一方が優先道路の場合の出会い頭の交通事故の過失割合について説明します。

まず、四輪車どうし(直進車どうし)の事故の過失割合から見ていきましょう(※)。
(※)なお、以下でご紹介する過失割合は、いずれも事故のパターンごとの基本的な過失割合です。実際には、個別の事故の具体的状況に応じて修正がなされます。

この場合、優先道路を通行している車両のほうが優先されることから、優先でない方の道路を走っていた車の過失が大きくなります。
もっとも、優先道路を通行している車にも、あらかじめ徐行する義務はありませんが、優先でない道路を通行する車両が現れた場合には注意して、できる限り安全に走行する義務があります。

実際には、優先道路を進行する側が事故を回避するのは不可能な場合が多いのですが、停止中の追突事件同様に無過失とまでは言いにくく、類型として優先道路を走っていた車の過失割合は0%にまではならず、10%の過失が生じるとされます。

【四輪車どうしの場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【105】

【過失割合(%)】

A(優先車)B(非優先車)
1090

四輪車とバイクの事故

次に、四輪車とバイクの事故の場合です。
この場合、優先道路を走行していたのが四輪車かバイクかで過失割合が変わってきます。

バイクが優先道路を走行していた場合、四輪車:バイクの過失割合は90:10となります。

【バイクが優先道路の場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【171】

【過失割合(%)】

A(優先車)B(非優先車)
1090

これに対し、四輪車が優先道路を走行していた場合、四輪車:バイクの過失割合は30:70となります。
四輪車どうしの事故の場合と比べ、四輪車の過失割合が大きくなっています。これは、道路上では四輪車よりもバイクの方が弱者であり、過失割合を決めるにあたっては、立場の弱いバイクを保護すべきという考えによるものです。

バイクの側のケガに自賠責保険枠をできるだけ使わせてあげようという人道上の配慮も含まれていますが、そうだとすると、物損部分の過失割合も30:70とするのはいささかやりすぎかもしれません。

【四輪車が優先道路の場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【172】

【過失割合(%)】

A(優先車)B(非優先車)
3070

四輪車と自転車の事故

次に、四輪車と自転車の事故の場合です。
この場合も、優先道路を走行していたのが四輪車か自転車かで過失割合が変わってきます。

自転車が優先道路を走行していた場合、四輪車:自転車の過失割合は90:10となります。

【自転車が優先道路の場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【245】

【過失割合(%)】

A(優先車)B(非優先車)
1090

これに対し、四輪車が優先道路を走行していた場合、四輪車:自転車の過失割合は50:50となります。
ここでも、四輪車どうしの事故の場合と比べ、四輪車の過失割合が大きくなっています。これは、道路上では四輪車よりも自転車の方が弱者であり、過失割合を決めるにあたっては、立場の弱い自転車を保護すべきという考えによるものです。

【四輪車が優先道路の場合】

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【246】

【過失割合(%)】

A(優先車)B(非優先車)
5050

一方が優先道路である交差点での事故で過失割合に納得できないときは?

最後に、事故の相手側の保険会社が提示する過失割合に納得できない場合の対処法について説明します。

(1)納得できる過失割合で示談すべき理由

過失割合とは、事故が発生したことについての各当事者の過失(不注意・ミス)の割合をいいます。過失割合が大きいほど責任が重くなります。
例えばある事故について、被害者の過失が2割・加害者の過失が8割の場合、過失割合は20:80となります。仮に、交通事故により被害者に生じた損害額が1000万円だった場合、1000万円のうち200万円は被害者自身が負担し、加害者は800万円を被害者に支払うことになります。

過失割合は、過去の事故の判例をもとに、上記でご紹介したような事故のパターンに応じて当事者どうしの話し合いで決めることになります(話し合いで決まらない場合、最終的には裁判所に判断してもらうことになります)。
過失割合は、被害者が受け取れる損害賠償額に大きく関わります。
したがって、被害に見合った賠償を受けるためには、事故状況を正しく反映した過失割合で相手方と合意することが大切です。

(2)過失割合に納得できないときは弁護士に相談を

相手側の保険会社が提示してくる過失割合に納得できない場合は、弁護士に相談するのも一つの手です。
というのも、過失割合を決める際には、まず事故類型から基本過失割合を定め、そこから個別の事故の状況に応じて細かく修正されます。

例えば、脇見運転や酒気帯び運転、居眠り運転、速度違反、夜間の無灯火運転、自転車の二人乗りや片手運転などがあれば、上でご紹介した基本的過失割合に、5~20%の過失割合が加算されることがあります。
「どちらが優先道路だったか」など、誰が見ても明らかな事実を覆すことは難しいですが、弁護士に交渉を依頼し、相手方が見逃しているような修正要素を根拠とともに主張することで、より適正な過失割合で相手方と示談(合意)できる可能性が高まります。

示談交渉などを弁護士に依頼すると、別途弁護士費用がかかります。
もっとも、被害者ご自身もしくは一定のご親族等が自動車(任意)保険に加入している場合は、この弁護士費用を「弁護士費用特約」でまかなえる場合があります。
「弁護士費用特約」とは、弁護士への相談・依頼の費用を一定限度額まで保険会社が補償する仕組みです。この弁護士費用特約を利用すると、実質的に無料で弁護士に相談・依頼できることが多いのです。

ここでポイントなのが、「弁護士費用特約」が利用できるのは被害者ご自身が任意保険に加入している場合だけではない、という点です。
すなわち、次のいずれかが任意保険に弁護士費用特約を付けていれば、被害者ご自身も弁護士費用特約の利用が可能であることが通常です。

  1. 配偶者
  2. 同居の親族
  3. ご自身が未婚の場合、別居の両親
  4. 被害にあった車両の所有者


また、弁護士費用特約を使っても、自動車保険の等級が下がる(保険料が上がる)ことはありません。

ご自身が弁護士費用特約を利用できるのか、利用できる条件などを保険会社に確認してみましょう。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

弁護士費用特約は保険に入っていない人でも補償範囲になる?利用できるケースを解説

【まとめ】一方が優先道路である交差点で起きた事故の過失割合は事故のパターンごとに異なる

今回の記事のまとめは以下のとおりです。

  • 優先道路とは、基本的に道路標識などで優先道路と指定されている道路、または道路標識などで中央線もしくは車両通行帯が設けられている道路をいいます。
  • その他、センターラインの有無や道路の幅、一時停止の標識などによっても優先道路が決まります。
  • 一方が優先道路である交差点での事故の過失割合は、事故のパターンによって異なります。
  • 事故の相手側の保険会社が提示してくる過失割合に納得がいかない場合は、弁護士に交渉を依頼するのも一つの手です。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

(以上につき、2022年2月時点)

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