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過去の不倫慰謝料は請求できる?3つのポイントと時効について解説

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「夫の不倫が原因で半年前に離婚。いまさら過去の不倫慰謝料なんて請求できないのかな?」
過去の不倫慰謝料であっても、消滅時効が完成していなければ請求は可能です。
また、配偶者と離婚する際に慰謝料を請求しないと約束した場合であっても、不倫相手に対する請求は可能なケースがあります。

この記事を読んでわかること
  • 不倫慰謝料を請求できるケース、できないケース
  • 過去の不倫慰謝料を請求するときに注意したいポイント
  • 不倫慰謝料の時効について
この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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不倫慰謝料を請求するための条件

不倫の慰謝料は、不倫した配偶者とその不倫相手の両方に請求することができますし、どちらか一方にだけ請求することも可能です。

不倫慰謝料を請求するためには、次の条件が必要です。

  • 不貞行為の存在
  • 不貞行為時に婚姻関係が破綻していなかったこと
  • (不倫相手に対する請求の場合)不倫相手の故意・過失
  • すでに慰謝料を受け取っていないこと

次で詳しく説明します。

(1)条件1|不貞行為の存在

いわゆる「不倫」は法律用語ではなく、明確な定義はありません。
法律上、慰謝料の請求が認められるためには原則として「不貞行為」の存在が必要です。

不貞行為とは、婚姻共同生活を侵害・破壊に導く可能性のある行為のことをいいます。
具体的には、既婚者が配偶者以外の者と自由な意思に基づいて性行為を行うこと(肉体関係を持つこと)や、肉体関係に準ずる行為(体を直接触って愛撫するなど)を行うことをいいます。
人によっては、異性と二人きりで食事に行ったりキスをしたりすれば、不倫だと感じることもあるでしょう。しかし、不貞行為がないのであれば、慰謝料請求が認められる可能性は低いです。

ただし、長期間にわたり親密な交際を継続するなど、社会通念上不適切な男女関係が存在し、夫婦の婚姻共同生活を侵害していると評価された場合には、たとえ不貞行為がなくても、不法行為に当たるとされる可能性があります。その場合、不貞行為が認定された場合に比べると低額になる傾向はありますが、慰謝料の支払義務自体は認められることになります。

不貞行為の有無は、基本的には肉体関係の有無によって判断されることになります。

(2)条件2|婚姻関係が破綻していなかったこと

不貞行為は、婚姻共同生活を侵害・破壊に導く可能性のある行為であるため、不法行為として、被害者からの慰謝料請求が認められています。
そのため、不貞行為の時点で既に婚姻関係が破綻していたような場合には、そもそも侵害されるような平穏な婚姻共同生活が存在しないため、不法行為は成立せず、慰謝料請求は認められません。

具体的には、離婚を前提に別居を開始していた場合や、離婚に向けての話し合いや調停が進んでいた場合などです。
ただし、夫婦関係が多少悪化していたとしても、同居を継続している状態であれば、婚姻関係の破綻が認められる可能性は高くないでしょう。

(3)条件3|不倫相手の故意・過失

不倫相手に対して慰謝料を請求する場合、不倫相手の故意・過失が必要となります。
不貞行為における故意とは、主に不貞行為の時点で不倫相手が、不貞行為の相手が既婚者であると知っていたことをいい、過失とは、注意していれば既婚者であると気付けたはずなのに、不注意で気付かなかったことをいいます。

(元)配偶者に慰謝料を請求する場合には、自分が既婚者であることは当然知っていますから、この故意・過失は問題になりません。

(4)条件4|すでに慰謝料を受け取っていないこと

不倫は一人ではできません。不貞行為をした配偶者と不倫相手は、「共同不法行為者」として、二人で連帯して被害者(不倫された配偶者)に慰謝料を支払う責任があります。

共同不法行為による慰謝料請求権は、共同不法行為者が支払うべき慰謝料の全額を支払った場合には、消滅します。
したがって、不倫された配偶者が、どちらか一方から既に十分な慰謝料を受け取っているのであれば、重ねて他方に請求することはできなくなります。

過去の不倫慰謝料請求で注意したい3つのポイント

過去の不倫慰謝料を請求する際、注意したいポイントについて解説します。

(1)ポイント1|離婚した場合、離婚時に金銭面の取り決めを行っていないか

離婚時に、配偶者との間で「慰謝料は請求しない」などの取り決めを行っていた場合、配偶者に慰謝料を請求することは困難でしょう。

取り決めを行った時点で不貞行為が発覚していなかったのであれば、「前提となる事実が異なる」として配偶者に請求できる場合もあり得ます。

離婚の原因は夫の不倫なので、不貞行為については知っていました。私としては、養育費の支払いを約束させることを優先したかったので、話し合いの末「慰謝料を請求しない」と離婚協議書に記載することにしたんです・・・。

だとすると、元夫への請求は困難でしょう。
しかし、離婚協議書は夫婦間の取り決めですので、不倫相手に対する請求には影響ありません。不倫相手に対する慰謝料請求を検討してみてはいかがですか?

(2)ポイント2|配偶者が不倫相手から金銭を請求されるケースもある

不倫慰謝料は、配偶者と不倫相手の両方に請求できるとご説明しました。
被害者である不倫された配偶者は、どちらに請求しても良いのですが、請求された側が、「自分だけに責任があるわけではないので、半分はもう一方に請求してください」と反論することは認められていません。

ですから、仮に妥当な慰謝料が120万円である場合、不倫された配偶者は、不倫相手に対して120万円全額を請求することができます。

しかし、不倫相手が慰謝料120万円を支払った場合、後から不倫相手は、不倫をした配偶者に対し、支払った慰謝料の分担を求めることができます。この権利のことを「求償権(きゅうしょうけん)」といいます。

離婚後であれば、家計も別々になりますから、基本的にこの求償権を気にする人は少ないといえます。
ただ、元夫から養育費を支払ってもらっているのであれば、不倫相手による求償権行使によって元夫の資力が少なくなり、養育費の支払いに影響が出るかもしれません。
求償権は、必ず行使されるとはかぎりませんし、そこまで心配する必要はありませんが、行使される可能性があるということを知っておくとよいでしょう。

(3)ポイント3|慰謝料請求の消滅時効は完成していないか

慰謝料請求には時効があります。過去の不貞行為について慰謝料請求をする場合には、特に気を付けるべき条件です。

「消滅時効」とは、これが完成すると、基本的に慰謝料請求はできなくなるという制限期間のことです。消滅時効が完成しても、請求された側が「時効が完成したから、支払わなくてもいいはずだ」と主張(時効の援用)しないかぎり、権利が時効消滅することはありません。したがって、時効が完成していても、慰謝料請求することはできます。つまり、請求された側が任意で支払いに応じれば、支払いを受けることは可能なのです。

しかし、請求された側が、「時効の完成」を主張して時効の援用をした場合、慰謝料の支払いを強制することはできない(裁判や調停をしても、請求が認められない)ため、時効に注意する必要があるのです。

次では、慰謝料請求の時効について、不倫が原因で離婚した元配偶者へ請求する場合、不倫相手に請求する場合とに分けて説明します。

(3-1)元配偶者に対する慰謝料請求の時効について

仮に、元配偶者と離婚時に何の取り決めも行っていなければ、原則として配偶者に対する慰謝料請求は可能です(※)が、不倫が原因で離婚した日から3年で時効が完成します。

※離婚時に慰謝料を請求しない旨の取り決めや、離婚協議書などに記載した内容以外、お互いに慰謝料や財産分与を含め一切の財産的な請求をしないとの取り決め(清算条項)をしている場合、配偶者に対する請求はできなくなるのが原則です。
ただし、脅されたり、だまされたりしてそのような取り決めに応じてしまった場合や、配偶者の不倫についてまったく知らなかったためにそのような取り決めをしてしまった場合には、取り決め自体の無効を主張できる可能性があります。

(3-2)不倫相手に対する慰謝料請求の時効について

不倫相手への慰謝料請求は、次のうち早い時点で時効が完成します(民法724条)。

  • あなたが不貞行為及び不倫相手を知った時から3年
  • 配偶者と不倫相手の不貞行為の時から20年

「不貞行為及び不倫相手を知った時」とは、不貞行為をしていることに気づき、かつ、不倫相手の名前や住所(連絡先)を知った時点をいいます。
そして、「不貞行為の時」とは、最後に不貞行為があった時点をいいます。

なお、あなたが不貞行為及び不倫相手について知らなくても、不貞行為の時点から20年経過すれば、時効により慰謝料請求権は消滅します。

つまり、不貞行為の時点から20年経過した後で不貞行為の事実と不倫相手について知ったとしても、「不倫相手を知ってから3年経過していない!」と言って時効が成立していないと主張することはできないということです。

慰謝料請求の時効が近づいていたら

慰謝料請求の時効完成が迫っている場合、時効期間の延長(更新・完成猶予)のための手段をとるとよいでしょう。
時効の更新とは、再び新しく時効が進行することです。そして、更新の前提となる、一定時点まで時効が成立しないようにする仕組みを「完成猶予」といいます。

時効の更新・完成猶予の方法は次のとおりです。

  • 裁判を提起する
  • 内容証明郵便で慰謝料請求する(この場合、時効の完成猶予は6ヶ月)
  • 慰謝料についての話し合いを行うことを合意する
  • 請求された相手に慰謝料の支払いについて認めさせる
    など

時効の起算日や時効の更新・完成猶予は、それぞれのケースにおいて異なり、判断が難しいことがありますので、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

時効の更新・完成猶予について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【まとめ】過去の不倫慰謝料も請求できるケースはあるが時効に注意

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 離婚時に、配偶者との間で「慰謝料を請求しない」などの取り決めをしていれば、原則として配偶者に対しては慰謝料を請求できなくなる。
  • 夫婦間でそのような取り決めをしていても、不倫相手に対する請求は妨げられない。
  • 不倫の慰謝料を請求するためには、不貞行為(基本的には肉体関係の有無で判断)の存在や、不貞行為の時点で婚姻関係が破綻していなかったことが必要。
  • 不倫相手に対する請求の場合は、加えて不倫相手の故意・過失も必要。
  • 慰謝料は、不倫をした配偶者と不倫相手の両方に請求できるが、どちらか一方からすでに十分な慰謝料を受け取った場合には、重ねてもう一方に請求することはできない。
  • 過去の不倫慰謝料請求は、特に時効による消滅に注意する。
  • 慰謝料請求の時効が迫っている場合、時効の延長(更新・完成猶予)のための手段をとるとよい。

離婚時に、配偶者との間で「慰謝料の請求はしない」との取り決めをしていたとしても、不倫相手に対する慰謝料請求は可能な場合があります。

アディーレ法律事務所では、不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

(以上につき、2023年4月時点)

不倫の慰謝料請求でお悩みの方は、不倫の慰謝料請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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