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信号無視による事故の過失割合とは?違反点数と反則金・罰金も解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

信号無視による交通事故の過失割合は、信号無視した方が悪いとされるのが基本です。

ただ、信号の状況や事故の態様によって被害者側も交通事故の責任を負う場合があり、最終的に受けとれる賠償金額が大きく減ってしまう可能性があります。このように、過失割合がどのくらいになるかは、あなたが最終的に受けとれる賠償金額に大きく影響するのです。

そのため、保険会社との示談交渉にあたっては、「過失割合がどのくらいになるか」はとても重要です。保険会社から提示された過失割合をただ鵜呑みにしてしまうと、実は、過失割合が間違っていて、本来受けとれるはずの賠償金額よりも少ない金額だったということもあります。

保険会社と示談をする前に、信号無視による事故の過失割合について知っておき、損をするということを防ぎましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

目次

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信号遵守は道路を利用する者の基本的なルールの一つ

道路を利用する者にとって、最も基本的かつ重要なルールといえるのが、「信号機の表示を守って道路を利用すること」です。

信号に関する規定は、道路交通法4条及び7条に定められています。

(1)道路交通法4条:車両が頻繁に通行する交差点には信号機を設置

道路交通法4条では、車両が頻繁に通行する交差点その他危険な場所には、信号機による整理がなければ交通事故発生の危険性が高まりますので、信号機の設置を勧めています。

信号の種類と信号の意味については、道路交通法施行令2条によって次のように定められています。

  • 青信号:直進、左折又は右折できる。
  • 黄信号:停止位置に近接し安全に停止することができる場合を除き、停止位置をこえて進行してはならない。
  • 赤信号:停止位置をこえて進行してはならない。交差点で既に右折している場合はそのまま進行できる。

(2)道路交通法7条:歩行者と車両は進行を遵守しなければならない義務

道路交通法7条には、道路を通行する歩行者又は車両等が、信号機の信号に従わなければならない義務が定められており、義務違反には罰則があります。

「道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。」

引用:道路交通法7条

信号機のある交差点で信号無視した場合の過失割合(直進車同士のケース)

信号無視を原因として交通事故が発生した場合、当事者の過失の割合は進行方向や信号機の色などによって左右されます。

そこで、信号機のある交差点で信号無視した場合の過失割合について、直進車同士の事故と、右直事故(右折車と直進車による交通事故のこと)に分けて解説します。

(1)赤信号無視をして直進し、青信号に従い直進する車両に衝突した場合

信号機の設置された交差点では、原則として、信号機に従わずに進行した側に一方的な過失があります。

そのため、一方が青信号で交差点を直進し、もう一方が赤信号で交差点を直進したことにより、交通事故が発生した場合には、基本的に赤信号側に100%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.208【98】

なお、青信号側にも著しい前方不注意(道路交通法70条)や携帯電話で話したりしながら運転していた(同法71条5号の5)などの著しい過失がある場合には、過失割合は修正され、青信号側も10%の過失があるとされます。

(2)赤信号無視をして直進し、黄色信号で直進する車両に衝突した場合

黄色信号の場合には、停止位置に近接していて安全に停止することができない場合を除き、停止位置をこえて進行してはいけません。そのため、交差点を黄色信号で直進した車両も信号無視にあたります。

ただ、黄色信号を無視する行為よりも赤信号を無視する行為の危険性の方が高いことから、過失割合は赤信号無視の方が高く、基本的に赤信号無視した方が80%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.210【99】

なお、黄信号側が、黄信号で交差点に進入した直後に赤信号に変わった場合には、過失割合が修正されて、黄信号側の過失が増え、赤信号側の過失は70%となります。

(3)双方とも赤信号無視をして衝突した場合

赤信号同士の事故の場合には、双方ともに赤信号違反という重大な過失がありますので、双方の過失割合は基本的に50%ずつとなります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.212【100】

信号のある交差点で信号無視した場合の過失割合(右直事故のケース)

右折車と直進車とは、直進車が優先するというルールがあります。このルールにより直進車同士の事故と比べて、右直事故は過失割合が違ってくることがあります。

(1)直進車が赤信号無視し、右折車が青信号で交差点に進入した場合

直進車の信号無視という重大な過失が事故の原因ですので、基本的に赤信号を無視した直進車に100%の過失があるとされます。

ただ、右折車が青信号で交差点に進入した後、赤信号で右折した場合には、右折車にも多少の事故の原因があると考えられますので、基本的に直進車90%、右折車10%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.232【111】

(2)直進車が赤信号無視し、右折車が黄信号で進入、赤信号で右折した場合

直進車に赤信号無視という重大な過失があるものの、右折車も黄信号で進入したという信号無視の過失があることから、基本的に直進車70%、右折車30%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.233【112】

(3)直進車が黄信号無視し、右折車が青信号で交差点に進入した場合

直進車の黄色信号無視という過失が事故の原因ですので、基本的に直進車に100%の過失があるとされます。

ただ、右折車が青信号で交差点に進入した後、すぐに右折できずに黄信号で右折した場合には、右折車には信号無視の違反はありませんが、右折車から直進車の動向を確認するのは容易であったと考えられるため、直進車70%、右折車30%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.229【108】

(4)直進車、右折車双方とも黄信号で交差点に進入した場合

黄信号同士の事故の場合には、直進車優先(右折車は直進車の進行を妨害してはいけない)のルールから右折車の方の過失が多いとされますので、基本的に直進車40%、右折車60%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.230【109】

(5)直進車、右折車双方とも赤信号で交差点に進入した場合

赤信号同士の事故の場合には、双方ともに赤信号違反という重大な過失がありますので、双方の過失割合は基本的に50%ずつとなります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.231【110】

(6)直進車が赤信号で進入し、右折車が右折の青矢印信号で進入した場合

直進車は赤信号であるためそもそも交差点内の進行を禁止されており、右折車は右折の青矢印にしたがって矢印の方向に進行することができますので(道路交通法施行令2条1項)、基本的に信号無視をした直進車に100%の過失があるとされます。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.235【113】

示談する前に、保険会社から提示されている過失割合が適正なものかを確認しましょう。
加害者側の保険会社から提示された過失割合が、実は間違っているということも少なくありません。実際、弁護士が交渉した結果、保険会社から提示された過失割合が修正され、賠償金(示談金)が増額することもあります。

信号無視違反の刑罰と行政罰

信号無視違反により交通事故を起こした場合、加害者は、交通違反として、刑事処分や行政処分(反則金、違反点数)も課されることになります。

(1)信号無視違反の刑罰

信号無視違反による刑事処分の内容は、次のとおりです。

違反内容刑事罰
故意による信号無視(信号無視だとわかっていて信号を無視したこと)3月以下の懲役又は5万円以下の罰金(道路交通法119条1項第2号)
過失による信号無視(不注意で信号無視だと気づかずに信号を無視したこと)10万円以下の罰金です(同法119条3項)
※2022年6月の刑法改正により、懲役刑と禁錮刑が廃止され拘禁刑に1本化されました。

(2)信号無視(赤色等)の反則金と違反点数

信号を無視した場合の反則金は、車両の種類によって変わります。

車両の種類反則金
大型車1万2000円
普通車9000円
二輪車7000円
小型特殊車6000円
原付6000円

違反点数は、車両規格に関係なく、一律で2点となります。

(3)信号無視(点滅)違反の反則金と違反点数

点滅信号の無視も行政処分の対象です。点滅信号の無視の反則金も車両の種類によって変わります。

車両の種類反則金
大型車9000円
普通車7000円
二輪車6000円
小型特殊車5000円
原付5000円

違反点数は、車両規格に関係なく一律で2点となります。

参考:反則行為の種別及び反則金一覧表|警視庁
参考:交通違反の点数一覧表|警視庁

歩行者の信号無視を原因とした交通事故も少なくない

歩行者の信号無視が原因となって交通事故が発生する場合も少なくありません。

警視庁より、2022年上半期の歩行者の人身事故発生状況が公表されました。

これによれば、歩行者のルール違反が原因で発生した交通事故のうち、信号無視を原因としたものは40件で第3位、死者数も2名と多い傾向が見られます。

(1)歩行者に関する規定が道路交通法に定められている

歩行者は、道路利用の際に信号に従う義務があるほかに、様々な道路交通法上のルールがありますので、一部を紹介します。

  • 歩道と車道の区別がない道路では、原則右側通行(道路交通法10条1項)
  • 道路横断の際には、付近に横断歩道がある場合は横断歩道を利用しなければならない(同法12条1項)
  • 原則として、斜めに道路を横断してはならない(同条2項)

(2)歩行者が信号無視をした場合、罰金が課せられる場合がある

歩行者であっても、道路交通法7条に反して信号無視をした場合には、2万円の罰金又は科料が課せられることがあります(道路交通法121条1項1号)。

(3)歩行者の信号無視によって交通事故が発生した場合には歩行者にも過失がある

歩行者の信号無視が原因で交通事故が発生した場合には、歩行者側にも過失があるとされます。

例えば、横断歩道上の事故において、自動車と歩行者がともに赤信号で横断歩道に進入した場合の過失割合は、自動車80%、歩行者20%となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【3】

一方、自動車が青信号、歩行者が赤信号の場合での過失割合は、自動車30%、歩行者70%となり、歩行者の過失が大きくなります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社【5】

その他、横断歩道における歩行者と車の事故の過失割合についてくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

横断歩道事故の歩行者と車の過失割合は?状況ごとに弁護士が解説

【まとめ】信号無視による事故の責任は信号無視する方が重い

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 信号無視は、道路交通法違反の行為ですので、信号無視が原因で交通事故が発生した場合には、基本的に信号無視をした側の過失割合が高くなる。
    ただし、相手方にも何らかのルール違反の過失が認められる場合も。
  • 信号無視の反則金は、車種によって異なるが6000~1万2000円。違反点数は一律2点。
  • 歩行者と車の事故の場合、車の過失割合が高くなる傾向にある。ただし、歩行者の信号無視が事故の原因の場合には、歩行者の過失割合が高くなることもある。

保険会社に任せておけば大丈夫と思っている方もいるかもしれません。

しかし、加害者側の保険会社は、加害者側の証言をもとに過失割合を認定する場合もあり、あなたからすれば納得のいかない過失割合となってしまっていることも少なくありません。

例えば、「加害者が赤で進入した」との被害者側の主張ではなく、「加害者は青で進入した」とする加害者側の主張する事実に基づいて過失割合を提案してきている可能性があります。

このような場合に、過失割合について検討せずに示談を成立させてしまうと、被害者が本来受け取るべき示談金(賠償金)よりも低い金額の示談金(賠償金)を受けとることになってしまうおそれがあるのです。

実際、過去にアディーレ法律事務所に相談された方からは、「弁護士の先生から、保険会社にこうしょうしていただくだけで、…賠償金額がかわってきます。」との声もいただいています。

保険会社から提示された示談に応じてしまう前に、「加害者側の保険会社が提示した過失割合が妥当なものであるか」「提示された示談額が適切か」どうかを弁護士に相談されることをおすすめします。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2021年12月時点)

交通事故の被害にあって過失割合や賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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