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信号無視による事故は直進事故と右直事故で過失割合が異なる?罰則についても詳しく解説

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道路上の信号機の表示は、交通事故を防止し道路上の安全を確保するために、道路利用者が守らなければならない基本的なルールです。
お互いに信号機の表示を守って行動することを前提に、歩行者や車両は道路を利用していますので、このルール違反は、交通事故の発生につながりやすい危険な行為だといえます。
この記事では、信号のルールについて、信号無視で事故を起こした場合の過失割合、直進事故と右直事故での過失割合の違い、信号無視の罰則などについて詳しく解説します。
信号のルールについて理解を深め、安全に道路を利用するようにしましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

目次

信号無視に関する法律とは

道路を利用する者は守らなければならない様々なルールがありますが、それらのルールは道路交通法という法律に定められています。
中でも最も基本的かつ重要なルールといえるのが、信号機の表示を守って道路を利用することです。
信号に関する規定は、道路交通法4条及び7条に詳しく記載されていますので、次に説明します。

(1)道路交通法4条

道路交通法4条1項には、都道府県の公安委員会が、道路の危険を防止するために必要な時は、道路に信号機を設置して交通規制ができることが定められており、加えて同条3項では、交通の頻繁な交差点などには信号機を設置する努力義務があることが定められています。
交差点は、車両が交差する道路であることから、特に交通量が多いと、信号機による整理がなければ交通事故発生の危険性が高まりますので、道路交通法は、公安委員会に努力義務を課して信号機の設置を勧めていると考えられます。
信号の種類と信号の意味については、道路交通法4条4項を受けて、道路交通法施行令2条によって細かく定められています。
基本的に、車両についての信号のルールは次の通りです。

  • 青信号 直進、左折又は右折できる。
  • 黄信号 停止位置に近接し安全に停止することができる場合を除き、停止位置をこえて進行してはならない。
  • 赤信号 停止位置をこえて進行してはならない。交差点で左折している場合はそのまま進行できる。

※赤信号について、右折車については特にルールがありますので、後で右折事故の説明をする際に詳しく紹介します。

都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して、交通整理、歩行者又は車両等の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる。

引用:道路交通法4条1項抜粋

公安委員会は、環状交差点(車両の通行の用に供する部分が環状の交差点であつて、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているものをいう。以下同じ。)以外の交通の頻繁な交差点その他交通の危険を防止するために必要と認められる場所には、信号機を設置するように努めなければならない。

引用:道路交通法4条3項

信号機の表示する信号の意味その他信号機について必要な事項は、政令で定める。

引用:道路交通法4条4項

(2)道路交通法7条

道路交通法7条には、道路を通行する歩行者又は車両等が、信号機の信号に従わなければならない義務が定められており、義務違反には罰則があります。

道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。

引用:道路交通法7条

信号機のある交差点で信号無視した場合の過失割合(直進車同士のケース)

信号無視を原因として交通事故が発生した場合、当事者の過失の割合は進行方向や信号機の色などによって左右されます。
そこで、信号機のある交差点で信号無視した場合の過失割合について、直進車同士の事故と、右直事故(右折車と直進車による交通事故のこと)に分けて解説します。

(1)一方が赤信号、もう一方が青信号の場合

信号機の設置された交差点では、信号機の表示に従って車両が停止し、進行することが安全のために絶対的に必要ですので、原則として、信号機に従わずに進行した側に一方的な過失があります。
したがって、一方が青信号で交差点を直進し、もう一方が赤信号で交差点を直進したことにより、交通事故が発生した場合には、基本的に赤信号側に100%の過失があります。
ただし、青信号側にも著しい前方不注意(道路交通法70条)や携帯電話で話したりしながら運転していた(同法71条5号の5)などの著しい過失がある場合には、過失割合は修正され、10%の過失責任を負います。
また、青信号側に酒酔い運転(法117条の2第1項)などの重過失がある場合にも過失割合は修正され、20%の過失責任を負います。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.208【98】

(2)一方が黄信号、もう一方が赤信号の場合

車両は、黄色信号の場合には、停止位置に近接していて安全して停止することができない場合を除き、停止位置をこえて進行してはいけません。
したがって、交差点で黄色信号を直進した車両も、信号無視という点では赤信号を直進した車両と同じです。
しかしながら、赤信号を無視する行為の危険性の方が高いことから、過失割合は赤信号無視の方が高く、基本的に80%の過失責任を負います。
ただし、黄信号側が、黄信号で交差点に進入した直後に赤信号に変わった場合には、過失割合が修正されて、黄信号側の過失割合が増え、赤信号側の過失責任は70%となります。
また、黄信号側に著しい過失や重過失がある場合には、黄信号側の過失割合がそこからさらに10~15%増加します。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.210【99】

(3)双方とも赤信号の場合

赤信号同士の事故の場合には、双方ともに赤信号違反という重大な過失がありますので、双方の過失割合は基本的に50:50となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.212【100】

信号のある交差点で信号無視した場合の過失割合(右直事故のケース)

赤信号であっても、交差点ですでに右折している車両については、そのまま進行することができますが、青信号で進行できる車両の進行妨害をしてはいけません(道路交通法施行令2条)。
また、車両は、交差点で右折する場合、直進又は左折しようとする車両があるときは、その進行妨害をしてはいけません(道路交通法37条)。
したがって、右折車と直進車とは、直進車が優先するというルールがありますので、このルールにより直進車同士の事故と比べて、右直事故は過失割合が異なることがあります。
また、右折車は、交差点進入時に青信号であっても、右折時には黄信号であったり赤信号になったりする場合もあるので、直進車同士の事故よりも、事故状況を詳しく把握する必要があります。

(1)直進車が赤信号、右折車が青信号で交差点に進入し右折した場合

直進車の信号無視という重大な過失が事故の原因ですので、基本的に直進車が100%の責任を負うと考えられます。
ただし、右折車が青信号で交差点に進入した後、赤信号で右折した場合には、右折車にも多少の事故の原因があると考えられますので、基本的に直進車90、右折車10の過失割合となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.232【111】

(2)直進車が赤信号で進入し、右折車が黄信号で進入、赤信号で右折した場合

直進車に赤信号無視という重大な過失があるものの、右折車も黄信号で進入したという信号無視の過失があることから、基本的に直進車70、右折車30の過失割合となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.233【112】

(3)直進車が黄信号で進入し、右折車が青信号で交差点に進入し右折した場合

直進車の信号無視という過失が事故の原因ですので、基本的に直進車が100%の責任を負うと考えられます。
ただし、右折車が青信号で交差点に進入した後、すぐに右折できずに黄信号で右折した場合には、右折車には信号無視の違反はありませんが、直進車の動向を確認するのは容易であることから、直進車70、右折車30の過失割合となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.229【108】

(4)双方とも黄信号の場合

黄信号同士の事故の場合には、直進車優先のルールから右折車の方の過失が多いとされますので、基本的に直進車40、右折車60の過失割合となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.230【109】

(5)双方とも赤信号の場合

赤信号同士の事故の場合には、双方ともに赤信号違反という重大な過失がありますので、双方の過失割合は基本的に50:50となります。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.231【110】

(6)直進車が赤信号で進入し、右折車が右折の青矢印信号で進入した場合

直進車は赤信号であるためそもそも交差点内の進行を禁止されており、右折車は右折の青矢印にしたがって矢印の方向に進行することができますので(道路交通法施行令2条1項)、基本的に信号無視をした直進車が100%の過失を負います。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.235【113】

信号無視違反の罰則と罰金

信号無視違反により交通事故を起こした場合、被害者に対してその損害を賠償する責任を負いますが、それに加えて、交通違反として、刑事処分や行政処分(反則金、違反点数)が課されます。

刑事処分の内容は、故意による信号無視(信号無視だとわかっていて信号を無視したこと、道路交通法7条違反)については、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金(同法119条1項第1号の2)となります。また、過失による信号無視(不注意で信号無視だと気づかずに信号を無視したこと)については10万円以下の罰金です(同法119条2項)。

行政処分の内容は、次の通りです。

参考:反則行為の種別及び反則金一覧表|警視庁
参考:交通違反の点数一覧表|警視庁

(1)信号無視(赤色等)の反則金と違反点数

灯火信号の無視をした場合の反則金は、大型車1万2000円、普通車9000円、二輪車7000円、小型特殊車6000円、原付6000円です。
違反点数は、車両規格に関係なく一律で2点となります。

(2)信号無視(点滅)違反の反則金と違反点数

点滅信号の無視も行政処分の対象です。
点滅信号の無視をした場合の反則金は、大型車9000円、普通車7000円、二輪車6000円、小型特殊車5000円、原付5000円です。
違反点数は、車両規格に関係なく一律で2点となります。

歩行者でも信号無視は罰せられる場合がある

歩行者も、道路交通法7条により信号に従う義務があり、歩行者の信号無視が原因となって交通事故が発生する場合も少なくありません。
警視庁より、2020年上半期の歩行者の人身事故発生状況が公表されました。
これによれば、歩行者のルール違反が原因で発生した交通事故のうち、信号無視を原因としたものは55件で第1位、死者の数も8名で第1位となっています。
歩行者の場合、運転時と比べて、「信号を守ろう」という意識が緩むときがあるかもしれませんが、歩行者の信号無視にも道交法違反の刑事処分が課されることがありますし、何より危険な行為ですので、信号は守るようにしましょう。

(1)歩行者に関する規定が道路交通法に定められている

歩行者は、道路利用の際に信号に従う義務があるほかに、様々な道路交通法上のルールがありますので、一部を紹介します。

  • 歩道と車道の区別がない道路では、原則右側通行(道路交通法10条1項)
  • 歩道と車道の区別のある道路では、原則歩道通行(同条2項)
  • 道路横断の際には、付近に横断歩道がある場合は横断歩道を利用しなければならない(同法12条1項)
  • 原則として、斜めに道路を横断してはならない(同条2項)

(2)歩行者が信号無視をした場合、罰金が課せられる場合がある

歩行者であっても、道路交通法7条に反して信号無視をした場合には、2万円の罰金又は科料が課せられることがあります(道路交通法121条1項1号)。

(3)歩行者の信号無視によって交通事故が発生した場合は損害賠償請求の対象になる

歩行者の信号無視が原因で交通事故が発生した場合には、歩行者側にも過失割合の負担が発生します。
交通事故の損害賠償については、過失割合により双方が負担する割合が決められますので、
歩行者が自身に発生した損害について相手方に全額請求することは困難ですし、また相手方に発生した損害を賠償する責任も負います。
また、歩行者が信号無視したことにより、歩行者を避けようと青信号を進行した車両が事故を起こし車両の運転者が傷害を負う又は死亡したような場合には、歩行者が刑法上の犯罪(過失致死傷罪や業務上過失致死傷罪、刑法209条、211条)に問われる可能性もあります。
したがって、歩行者であっても信号はしっかりと守るようにしましょう。

【まとめ】信号無視による交通事故でお悩みなら弁護士に相談

信号無視は、道路交通法違反の行為ですので、信号無視が原因で交通事故が発生した場合には、基本的に信号無視をした側の過失割合が高くなります。
ただし、相手方にも何らかのルール違反の過失が認められる場合もありますので、信号無視をした側であっても、相手方の過失割合に納得できない方は、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。
また、相手方の信号無視により交通事故の被害者となった方でも、「自分にも過失があるとされることに納得がいかない」「ケガの補償がしっかり受けられるのか不安」「保険会社からの示談案で応じていいのかわからない」などお悩みの場合には、示談する前に弁護士に相談してみるとよいでしょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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