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交通事故の損害賠償請求に時効がある?損害賠償を受け取るための基礎知識を解説

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交通事故の被害者は、加害者に対して、交通事故により受けた損害について賠償請求することのできる権利があります。
しかし、未来永劫いつでも請求できるわけではなく、法律上、請求できる期間が決まっており、それを消滅時効といいます。
知らずに消滅時効が過ぎてしまい、損害賠償を受け取ることができないという事態が生じることは、絶対に避けなければなりません。
そこで今回の記事では、交通事故の損害賠償請求の時効について、受け取るための基礎知識などについて弁護士が解説します。

交通事故の損害賠償請求権には時効がある

交通事故の被害者は、交通事故という不法行為が原因で、自動車が破損したり、ケガをしたりすることで、経済的な損害を受けたり、ケガの痛みや治療などによる精神的な苦痛を被ったりします。
被害者は、交通事故で受けたこのような損害について、加害者に対して損害賠償を請求する権利があります。この権利を、損害賠償請求権といいます。
この損害賠償請求権は、いつまでも行使できるものではありません。
民法には、消滅時効が定められており、一定期間を過ぎて消滅時効が完成してしまうと、この損害賠償請求権は時効で消滅してしまいます。
これは、権利があるのにそれを行使せずに放置する人まで法律上保護する必要はない、と考えられているためです。

ただし、消滅時効が完成していても、加害者に対して損害賠償を請求することに法律上問題はありません。
消滅時効完成の効果は、損害賠償を支払う責任を負う者が、「その請求は時効で消滅しているから支払う責任はない」と、時効が成立していることを主張する(これを、「時効の援用」といいます)ことによって発生すると考えられているためです(民法145条)。
消滅時効は主に加害者の利益となる制度であるため、加害者がその利益を享受するのかどうかを決めることができるのです。
仮に、加害者が、時効を援用せずに損害賠償を支払うことに応じれば、被害者は消滅時効期間が経過していたとしても、損害賠償を受け取ることができます。

損害賠償請求の時効は3年もしくは5年

交通事故による損害賠償請求権の時効は、次の通りです。

  • 物損についての損害:被害者が、交通事故の加害者及び損害を知った時の翌日から3年(724条1号)
  • 人身についての損害:被害者が、交通事故の加害者及び損害を知った時の翌日から5年(民法724条の2)
  • 不法行為の時から20年(民法724条2号)
    ※ひき逃げのように加害者が不明な場合など。ただし、その後加害者が判明すると、「事故日の翌日から20年」か、「加害者及び損害の判明時の翌日から5年」のいづれか早い方が時効となります。

なお、2020年4月1日に新しい民法が施行された関係で、同日より前に発生した人身についての損害については、基本的に、被害者が、交通事故による加害者及び損害を知った時の翌日から3年の時効期間となっています。
ただし、同日時点で3年の時効期間が完成していなかったり、時効が中断していて時効が完成していなかったりする場合の人身損害は、5年となります。
物損部分の損害賠償請求権の時効は、法改正前後で3年のまま変更はありません。

また、2020年4月1日の時点で、不法行為の時の翌日から20年経過している場合には、時効期間ではなく「除斥期間」が経過したとして、損害賠償請求権は消滅しているのが原則になります。

時効の起算日は損害の内容や事故の状況によって異なる

時効期間は、いつからスタートするのでしょうか。
法律上の時効の起算日は、「損害及び加害者を知った時の翌日」となっています。
交通事故では、加害者のわからないひき逃げなどを除けば、通常事故発生後すぐに加害者を知ることができます。
しかし、ケガを負った場合には、ケガの治療の経過や、後遺障害の有無などが分からないと、ケガによる損害がどの程度なのかわかりません。
したがって、人身事故の場合、ケガが完治した日又は医師に後遺症が残ると診断された日(症状固定日)の翌日から時効期間がスタートするケースが多いでしょう。
また、被害者が死亡した場合には、死亡した時点で損害内容が判明しますので、死亡した翌日から時効期間がスタートします。
ただし、交通事故の時効の起算点には、損害内容や状況などにより難しい議論があり、事故日の翌日を起算点として時効完成を主張される可能性もあるため、事故日の翌日を起算点として時効を管理することが無難ではあります。具体的ケースについて疑問がある場合には、弁護士などの専門家にご相談ください。

3年や5年と聞くと、「そんなに長い期間あるなら大丈夫」と思ってしまいがちです。
しかし、生活の立て直し、仕事とけがの治療の両立などで忙しい毎日を送っていると、いつの間にか時効間近になってしまうことも少なくありませんので、時効期間が経過してしまうことのないように注意が必要です。

加害者がわからなくても時効は成立してしまう

当て逃げやひき逃げなどの被害に遭ってしまうと、警察の捜査を経ても、加害者を特定できないまま時間が過ぎてしまうことがあります。
事後的に加害者が特定できれば、損害及び加害者を知った時から3年あるいは5年の消滅時効が進行します。
ただし、加害者が特定できない場合であっても、不法行為の発生日の翌日(交通事故の発生の翌日)から20年経過すると、時効で損害賠償請求権は消滅します(民法724条柱書及び2号)。

時効を延長させる方法

交通事故で受けた損害賠償については、加害者が任意保険会社に加入していることがほとんどですので、加害者側の任意保険会社と話し合うことになります。
この示談交渉は、被害者が死亡したり、後遺障害の程度が重かったり、過失割合に争いがあったりすると、すぐに話し合いがまとまらず、示談成立までに長い時間がかかることもあります。示談交渉をしているうちに、被害者の損害賠償請求権の時効成立が間近に迫ってしまうことも少なくありません。
任意保険会社は、営利企業ではありますが、交通事故の損害の賠償を行うという社会的責任も負っています。
したがって、示談が成立しない間に被害者の損害賠償請求権の時効が成立したとしても、任意保険会社が、加害者が時効を援用しているものとして「損害賠償は支払わない」と回答をするようなことは、あまりないようです。
しかし、消滅時効が経過してしまえば、法律上加害者側は時効を援用することができますので、被害者としては、消滅時効が完成しないように注意する必要があります。
また、この消滅時効は、次のような一定の行為を行うことで、時効の完成を阻止することができますので、時効完成が迫っているような場合には、忘れずに行うようにしましょう。

被害者が請求することによる時効完成の阻止

法律上、時効の完成を猶予させたり(時効完成の猶予)、再度初めから進行させたり(時効の更新)して時効の完成を阻止する方法は、例えば次の3つの方法があります。
損害賠償を支払うように催告する方法(裁判手続きではなく、内容証明郵便を送付するなど)でも、6ヶ月間だけ時効の完成を猶予することができますが(民法150条1項)、その間に訴訟提起などの別の手段をとる必要があります。

(1-1)裁判上の請求など(民法147条)

裁判上の請求とは、裁判の手続きによって支払いを求める行為であって、訴えを提起することがこれにあたります。
他に、支払督促、訴え提起前の和解、民事調停の申立て、破産手続きの参加などが、時効完成の猶予事由として認められています。
これらの裁判上の請求などがなされた場合、手続きが終了するまで時効の完成が猶予され、確定判決などにより権利が確定すると、その手続終了時に時効が更新されます。
確定判決又は確定判決と同一の効力を有する者によって確定した権利については、消滅時効期間は、10年となります(民法169条1項)。
権利が確定することなく手続きが終了したときは、その手続き終了時から6ヶ月のみ時効の完成が猶予されます。

(1-2)強制執行など(民法148条)

強制執行とは、加害者の財産を特定してそこから強制的に損害賠償の支払いをうける裁判上の手続きのことをいい、時効完成の猶予事由となります。
他に、担保権の実行や財産開示手続きなどが、時効の完成猶予事由として認められています。
これらの強制執行などを申立てた場合、その手続きが終了するまで時効の完成が猶予され、手続きが終了した時点で時効が更新され、新たな時効期間が進行します。
ただし、申立ての取り下げ・取り消しによって終了したときには、終了時から6ヶ月のみ時効の完成が猶予されます。

(1-3)承認(民法152条1項)

承認とは、加害者が、被害者に対して損害賠償請求権の存在を認めることをいいます。
承認は、明示的な発言でなされるとは限らず、黙示であってもかまいません。
具体例としては、加害者による被害者に対しての支払猶予の申し入れや、損害の一部の弁済行為などがあります。これらの行為は、権利の存在を認めたことを前提とする行為ですので、承認があったといえます。
権利の承認があると、その時から時効は更新され、新たに進行します。

早期の解決をするためにADRという方法もある

交通事故で示談交渉が決裂してしまった場合、調停や裁判を利用して解決を図る方法もありますが、交通事故を専門的に扱うADRを利用して早期解決を目指す方法もあります。
ADRとは「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとったもので、日本では一般的に「裁判外紛争解決手続き」と翻訳されています。
ADRは、コストを抑えてスピーディな解決を目指す紛争解決手続きとして、注目を集めています。

(1)ADRはさまざまな紛争を解決する機関

ADRは交通事故に限らず、さまざまな紛争の解決を目指す機関の総称です。交通事故を専門的に扱っている代表的なADR機関は、次の通りです。
※ただし、下記ADRでは、全ての交通事故を扱っているわけではなく、取扱い対象が限定されています。詳しくは各ADR機関にお尋ねください。

  • 交通事故紛争処理センター(公益財団法人)
  • 日弁連交通事故相談センター(日本弁護士連合会の交通事故相談センター)
  • そんぽADRセンター(日本損害保険協会)など

裁判と異なり、手続きの利用が原則無料であり、手続きが公に公開されることはありませんので、コストが抑えられる、プライバシーが守られるなどのメリットがあります。

(2)無料で利用できるが時効完成は阻止できない

上記でご紹介した交通事故のADRは、原則無料でその手続きを利用することができます。例えば、交通事故のADR機関として多く利用される交通事故紛争処理センターでは、和解による解決を目指して和解あっ旋を受けることができますし、和解案に同意できない場合には、審査会による裁定を求めることができます。

ただし、交通事故紛争処理センターへの手続き利用申し込みでは、裁判上の請求などとは違い、時効の完成は猶予されません。
したがって、時効完成が間近に迫っている場合には、初めから訴訟を提起したり、ADRの手続きの途中で訴訟を提起せざるを得ないこともあります。

(3)複雑な紛争などでは訴訟の方がメリットがあることも

上記でご紹介した交通のADRは、手続きの利用が原則無料で、早期の紛争解決を目指せるというメリットがあります。
しかしながら、過失割合の認識に加害者側との間で大きな隔たりがある場合、死亡事故など損害額が多額に上る場合、後遺障害等級認定で非該当とされたが認定を前提として賠償金を請求したい場合などでは、訴訟手続きで時間をかけて裁判所に審理してもらった方が、満足のいく結果が得られる可能性があります。

【まとめ】交通事故の時効に関する相談は弁護士へ

交通事故の被害者の損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った日の翌日から原則3年あるいは5年で時効により消滅します。
加害者が不明の場合でも、交通事故発生の翌日から20年で時効消滅してしまいます。
被害者は、交通事故発生により受けた被害について、適切な賠償を求める権利がありますから、その権利を失わないうちに、しっかりと損害賠償を請求して賠償金を受け取るようにしましょう。
ただし、消滅時効完成が間近だからといって、示談案について検討せずに応じることはお勧めしません。請求できる損害賠償の項目が抜けていたり、賠償額が不当に低かったりするケースがあるためです。速やかに交通事故に強い弁護士に相談し、示談案で提示された賠償額の増額交渉が可能かどうか、時効完成猶予など時効完成を阻止する手段があるかどうかなどを相談するようにしましょう。

交通事故の被害による損害賠償請求でお悩みの方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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