交通事故の示談交渉は、自分だけで行うことが可能です。
ただし、示談交渉には一般的な流れや交渉のポイントがあります。
損をしない示談交渉を行うためには、示談交渉を行う前に、示談交渉の流れやそのポイントについて知っておくことをおすすめします。
さらに、自分で示談交渉を行う場合には、弁護士といった専門家に頼らずに交渉することになります。示談交渉を弁護士へ依頼した場合には、どのようなメリットやデメリットがあるのかについても知った上で、自分で示談交渉を行うのかどうかを判断するようにましょう。
この記事では、
- 交通事故の示談交渉の流れ
- 交通事故の示談交渉のポイント
について、弁護士が詳しく解説します。

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。
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交通事故の「示談交渉」とは?
そもそも「示談交渉」とは、裁判所を介さずに当事者双方で話し合いに基づいて解決することをいいます。
交通事故で当事者にケガなどの損害が生じた場合、当事者同士が話し合い「示談金」という形で損害賠償金額を決めることが一般的です。
交通事故の「示談交渉」までの流れとは?

(1)症状固定や治癒まで入院・通院
ケガの自覚症状がない場合、または、軽傷の場合であっても、交通事故直後にすぐに病院で検査・治療を受けるようにしましょう。
治療や受診が交通事故発生から時期が経ってしまうと、そのケガが本当に事故を原因としたものなのか、加害者側から反論され、交渉がスムーズにいかないことも多いのです。
なお、治療費は加害者の自賠責保険や任意保険で支払われることもありますが、いったん立て替える場合には、必ず領収書を受け取るようにして下さい。
なお、「症状固定」とは、治療を続けても、治療の効果が望めなくなってしまった時点をいいます。
症状固定の時点については加害者側の保険会社と揉めてしまうことがあります。症状固定の時期や期間についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
<コラム>交通事故の治療には健康保険は使えない?
交通事故の治療には、健康保険が使えないと言われることがありますが、そのようなことはありません。ただし、この場合、診療報酬明細書などを開示しもらえないことがあるので、事前に病院と相談することをおすすめします。なお、交通事故で健康保険を使う場合には、第三者行為による傷病届を提出する必要があります。
(2)(後遺症が残った場合)後遺障害等級の申請
症状固定時点において、完治せずに一定の症状が残ってしまった場合、この症状のことを「後遺症」といいます。後遺症が残った場合、後遺症について慰謝料や賠償金を受け取るためには、後遺障害等級認定を受ける必要があります。
「後遺障害等級」とは、後遺障害の内容に応じて、重篤なものから順に1~14級に割り振られたものをいいます。後遺障害等級次第で、慰謝料や賠償金の金額が決められることになります。
なお、後遺障害等級の申請には「事前認定」と「被害者請求」の2つの方法があり、2つの方法の違いについてまとめると次のようになります(どちらの方法によるかは自分で選ぶことができます)。

後遺傷害等級認定に不安がある場合には、資料をきちんとチェックできる被害者請求によるべきでしょう。後遺障害等級に認定されるか否か、より上位の後遺障害等級に認定されるか否かは、後遺症に関する慰謝料や賠償金を決めるさいに、大きな影響を与え、金額が大きく変わってしまいます。
(3)示談交渉
ケガの完治、もしくは、後遺障害等級認定の結果通知後(なお、死亡した場合は四十九日法要後)に加害者側の保険会社との間で示談交渉が始まります。
加害者側の保険会社から示談金の提示があります。しかし、初回の示談金提示がいくら高額であってもすぐに応じてはいけません。それぞれの項目について適正な金額が確認する必要があります。
示談交渉で確認すべき項目は、主に次の項目になります。
- 慰謝料や賠償金の金額
- 過失割合
それぞれ説明します。
(3-1)示談交渉で話し合うべき慰謝料・賠償金の項目
まずは、示談交渉で話し合うべき慰謝料の項目について説明します。
示談交渉で話し合うべき慰謝料の項目は、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料(死亡した場合)の3つです。

次に、示談交渉で話し合うべき慰謝料以外の賠償金の項目について説明します。
示談交渉で話し合うべき慰謝料以外の賠償金の項目は、主に、治療にかかった費用、休業損害、後遺症による逸失利益、車の修理費用、代車使用料、買替に必要な登録費用です(また交通事故によりケガではなく死亡してしまった場合には、葬儀関係費用や死亡による逸失利益が受け取れる可能性があります)。
賠償金の項目 | 内容 |
---|---|
治療関係費など | 病院へ支払った診察代だけでなく、入通院に付随して建て替えた金銭などです。治療関係費、入通院付添費、入院雑費、入通院管理費などがあり、金額は、必要かつ相当な実費または決められた基準に則って計算されます。 |
休業損害 | 事故によるケガで、治癒あるいは症状固定(治療してもこれ以上回復の見込みがないと医師が判断した日)までの間働くことができず収入が減少した場合の損害です。給与所得者や事業所得者だけでなく、主婦(主夫)にも認められます。 |
後遺症による逸失利益 | 後遺傷害が残ったことにより仕事ができず、失われた収入のことをいいます。逸失利益についても休業損害と同じく、給与所得者や事業所得者だけでなく、主婦(主夫)にも認められます。 |
車両の修理費用など | 交通事故で車両が破損した場合、被害者は、原則として修理費相当額や買替差額などを損害として請求することができます。もっとも、修理全額が全て認められるわけではなく、修理が必要でまた修理費が相当と認められる場合に限られます。 |
代車使用料 | 車両の修理期間中または購入車両の納車までの期間中に車両を使用することができず、代車を使用したことによって必要となった費用です。代車を使用する必要性と代車費用の相当性が認められる限りで、代車使用料が損害として認められます。 |
買替に必要となった登録費用など | 車両が全損状態となり、買替が認められる場合に必要となった税金(自動車取得税、自動車重量税(未経過分かつ未還付のもの))や廃車に関する費用、自動車検査登録手続費用、車庫証明手続費用、納車手数料などをいいます。 |
葬儀関係費用 | 葬儀(ご遺体の処置も含みます)や その後の法要(四十九日、百箇日の法要等)・供養等を執り行うために要する費用、仏壇・仏具購入費、墓碑建立費等のことをいいます。もっとも、実際に支出した金額ではなく原則150万円が上限となっています(弁護士の基準)。 |
死亡による逸失利益 | 死亡したことにより失われた収入のことをいいます。後遺症による逸失利益同様に給与所得者や事業所得者だけでなく、主婦(主夫)にも認められます。学生についても賃金センサスといって平均賃金額をもとに逸失利益が認められます。 |
(3-2)過失割合
過失割合についても決める必要があります。
過失割合とは、簡単にいえば、「交通事故が起きたことについて、どっちが、どのくらい悪いのか」ということを示すものです。
例えば、加害者側が100%悪い場合には「100:0」、加害者側が60%、被害者側が40%悪い場合には「60:40」となります。
そして、被害者側に過失がある場合、最終的に受け取れる賠償金が減額されることになります。
例えば、次のケースで考えてみましょう。
- 過失相殺前の損害賠償額が100万円
- 過失割合(加害者:被害者)が70:30
この場合、被害者の過失30%分が損害賠償額から減額されますので、加害者が支払うのは70万円ということになります。
過失割合や過失割合の判断基準についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
(4)示談成立・示談金の支払い
提示された金額に合意したら示談書を作成し、その後示談金を受け取ることができます。
もっとも、いったん示談が成立してしまうと、原則、示談のやり直しをすることはできません。示談内容に納得がいかない、不当に金額が低く感じるという場合には、絶対に示談に合意してはいけません。
自分で「示談交渉」を行う4つのポイント
次に、「示談交渉」を行う場合には特に気を付けるべき4つのポイントがあります。
自分で示談交渉する場合には、特にこの4つのポイントを意識しましょう。
自分で「示談交渉」を行う前に気を付けるべきポイントは、次の4つです。
- 相手方保険会社からの提示や提示金額を鵜呑みにしない
- 証拠を集める
- 適切な反論をする
- 感情的にならない
それぞれ説明します。
(1)相手方保険会社からの提示や提示金額を鵜呑みにしない
加害者側の保険会社の提示を鵜呑みにしてはいけません。
加害者側の保険会社は保険金を支払う側の立場であって、支払う保険金を少しでも少なくしたいと考えています。
例えば、まだ治療が終了していないにもかかわらず、加害者側の保険会社の担当者から「そろそろ症状固定となりますから、治療費を打ち切りますね」などと言ってくることがあります(症状固定となってしまうと、その日以降の治療費や交通費などを加害者側に請求できなくなってしまいます)。
しかし、「症状固定」はあくまでも、医師が判断するものであって、保険会社が判断するものではありません。この場合、保険会社からの言葉を鵜呑みにしてしまうと本来請求できたはずの治療費や交通費が請求できなくなってしまう可能性があります。
保険会社から提示や提示金額については、鵜呑みをせずに、その都度精査をする必要があります。
(2)証拠を集める
事故の状況を明らかにする証拠や後遺傷害等級認定に有利になる証拠を集めましょう。
事故の状況を明らかにする証拠、後遺障害認定に有利になる証拠についてそれぞれ分けて説明します。
(2-1)事故の状況を明らかにする証拠を集める
過失割合(交通事故が起きたことについて、どっちが、どのくらい悪いのか)は、事故の状況によって決められます。
そこで、有利となる過失割合の修正要素(運転者がわき見運転していた等の事実)を探しましょう。保険会社との交渉材料になります。
確実な証拠として、例えば次のようなものがあります。
- 交通事故の目撃者
- ドライブレコーダー
- 物損資料
- 防犯カメラ
- 実況見分調書(人身事故の際に警察官が捜査資料として作成するもの)など
ドライブレコーダーが過失割合の決める際にどう役に立つのかさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
警察が作成する調書について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
(2-2)後遺障害等級認定に必要な資料を集める
被害者請求によって後遺障害等級認定を行う場合には、後遺障害等級認定に必要な資料も集める必要があります。
例えば、次のような資料が必要となります。
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 医師の診断書
- レントゲン写真やMRIの検査結果 など
被害者請求に必要な書類、申請の手順についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
(3)適切な反論をする
加害者側の保険会社もしくは弁護士と交渉する場合、相手は交通事故の示談交渉のプロですので、あくまで適切な反論をしなければとりあってももらえません。
例えば、事故の状況に加害者側の保険会社と食い違いがある場合には、ドライブレコーダーでの録画映像などの証拠がないと言葉だけはなかなかとりあってもらうことは難しいといえます。
そのため、加害者側の保険会社の提案や提示には、適切な反論、証拠に基づく反論をする必要があります。
(4)感情的にならない
示談交渉はあくまで話し合いの場ですので、感情的にならないようにすることも意識する必要があるでしょう。
加害者側の保険会社はあくまで加害者の代わりに交渉しますので、あなたにとって納得のいかないような主張・提案もある場合もあり、感情的になってしまうこともあるかもしれせん。
しかし、感情的な話し合いは肉体的にも精神的にも大変です。また、感情的な話し合いは相手から話し合いの打ち切りを打診され、裁判になってしまう場合もあります(納得がいかない場合には裁判で解決することもありますが、裁判になってしまうと、さらに肉体的・精神的負担が増えることになります)。
弁護士に依頼することによって受けられる可能性がある3つのメリット
示談交渉は自分だけで行うこともできますが、自分だけでは負担も大きく、難しい場面も当然あります。
そこで、弁護士へのメリットも踏まえて、弁護士への依頼も選択肢の一つとして考えてみましょう。
弁護士に依頼することによって受けられる可能性があるメリットは次の3つです。
1.弁護士費用特約が利用できる可能性がある
2.賠償金を増額できる可能性がある
3.示談交渉を任せることができる
それぞれ説明します。
(1)弁護士費用特約が利用できる可能性がある
「弁護士費用特約」とは、簡単に説明しますと、一定限度額まで弁護士費用を保険会社が肩代わりする制度です。弁護士費用特約を使っても保険の等級は上がりません。
「弁護士費用特約」は、自動車保険に附帯していることが多いですが、火災保険や傷害保険、生命保険などに附帯している弁護士費用特約が交通事故に利用できる場合もありますので、確認することをおすすめします。
なお、自分が被保険者となっている保険には弁護士費用特約が付帯していない場合でも、あきらめないでください。
家族が被保険者となっている保険に弁護士費用特約が付帯しているときには、その弁護士費用特約が利用できるケースがあります。
保険によって異なりますが、弁護士費用特約を利用することのできる人は、次のような範囲であることが多いです。
- 被保険者本人
- 被保険者の配偶者(同居別居問わず)
- 被保険者又はその配偶者の同居の親族(同居している両親・兄弟姉妹・子・配偶者の親族)
- 被保険者又はその配偶者の別居の未婚の子
- 保険をかけた車に乗っていた人(同居していなくても利用可)
- 保険をかけた車の所有者(同居していなくても利用可)

このようにご自身が加入している保険に弁護士費用特約がついていなくても、ご家族が加入している保険に弁護士費用特約がついていれば、弁護士費用特約が利用できる場合があります。ご家族が加入している保険についても確認してみることをおすすめします。

(2)賠償金を増額できる可能性がある
弁護士に依頼することで、加害者側の保険会社が提示してくる賠償金の金額よりも増額できる可能性があります。
実は、交通事故による損害賠償、中でも慰謝料(=精神的損害に対する賠償)や休業損害の金額を算出する際の基準は3つあります。
算定基準 | 基準の内容 |
---|---|
自賠責の基準 | 自賠責保険により定められている賠償基準です。必要最低限の救済を行うことを目的としており、一般的に支払額は3つの基準の中でもっとも低く設定されています。ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、加害者側になってしまったなど過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。 |
任意保険の基準 | 各損害保険会社が定めている自社独自の支払基準です。保険会社によってその内容は異なり、正式には公表されていません。一般的に自賠責の基準以上ではありますが、弁護士の基準と比べると、かなり低く設定されています。 |
弁護士の基準(裁判所の基準) | これまでの裁判所の判断の積み重ねにより認められてきた賠償額を目安として基準化したものです。裁判所の基準とも呼ばれます。一般的に、自賠責の基準や任意保険の基準と比べて高額になります。 |
上でご紹介した3つの基準を慰謝料額を比べると、基本的には次のようになります(一部例外もあります)。

加害者側の保険会社は、賠償金の支払い額を抑えるため、弁護士の基準よりも金額が低い任意保険の基準や自賠責の基準を提示してくることがあります。
これに対し、被害者に代わって弁護士が示談交渉や裁判を行う場合は、通常最も高額となる、弁護士基準で賠償金を計算します。
そのため、弁護士へ依頼することで賠償金を増額できる可能性があるのです。
(3)示談交渉を任せることができる
交通事故に関する豊富な知識がある弁護士に示談交渉を依頼することで、被害者が保険会社に応対する必要もないですし、示談金を交渉するにあたって必要となる資料の収集もサポートしますので、精神的にも肉体的にも負担を減らすことができます。
弁護士に依頼するデメリットとは?
弁護士に依頼することで一番大きなデメリットは、弁護士費用が必要となるということでしょう。
もっとも、着手金を無料とし、成功報酬のみを請求する事務所もありますし、さらに、弁護士費用特約が利用できる場合には、基本的にあなたに弁護士費用の負担がかかることはありません。
ここでは、弁護士費用について説明します。
弁護士費用がかかる
ここで、弁護士費用とはどういったお金が必要になるのか、また相場についても紹介します。
弁護士費用には、主に次の5つの項目があります。
項目 | 内容 |
---|---|
法律相談料 | 法律相談にかかる費用となります。 30分5500円(税込み)が相場です。相談料無料とする法律事務所も多くあります。 |
着手金 | 成功・不成功のある事件について、結果に関わらず受任時に受領するお金です。20万円前後から30万円前後の事務所が多いようですが、着手金無料とする事務所もあります。 |
報酬金 | 弁護士活動が終わった場合に、成功の度合いに応じて事件終了時に受領するお金です。不成功の場合には支払う必要はありません。交通事故の場合は、弁護士が介入したことによって獲得・増額した賠償金の○○%と設定されることが一般的です。獲得できた賠償額等によって報酬額は異なります。 |
日当など | 弁護士が裁判所の期日に出頭するなど、事務所を離れて対応する場合に支払うお金になります。移動にかかる時間や距離に応じて金額が変わります。また、裁判所に出廷せず、事務所で電話やオンライン会議で裁判所の期日に対応することがあり、別途その費用について取り決めのある事務所もります。出張や期日対応がなければ支払う必要はありません。 |
実費 | 収入印紙代・郵便切手代・通信代・文書発行費・その他手数料など、事務的な費用になります。 どの程度の費用がかかるのかは、弁護士活動の内容によります。 |
もっとも、これまで説明した通り、弁護士費用特約が利用できる場合には、弁護士費用は保険会社に負担してもらうことができます(上限額あり)。
一方、弁護士費用特約が利用できない場合であっても、完全成功報酬制をとっている事務所があります。どういうことかというと、原則、相談料無料、着手金も無料としており、報酬金によって弁護士費用の支払いを受ける事務所をいいます(日当や実費は必要です)。
この場合、相談料や着手金を無料としており、報酬金も後払い、かつ、獲得した賠償金からお支払いいただくのが原則であるため、あなたの手持ちのお金から弁護士費用を用意していただく必要がありません(一部例外あり)。
交通事故における弁護士費用の相場や費用倒れを防ぐポイントについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
示談交渉を弁護士に依頼することで慰謝料を増額することができた事例
最後に、示談交渉を弁護士に依頼することで慰謝料の増額に成功した解決事例についていくつか紹介します。
(1)保険会社の対応が苦痛で弁護士に依頼。賠償金は約440万円獲得!
【依頼者】
Tさん(仮名・女性・52歳・兼業主婦)
傷病名:頸椎捻挫(むち打ち)・腰椎捻挫・両前腕痛・背部挫傷・頭痛
後遺障害:併合14級
※弁護士費用特約を使用
【事故・ケガの概要】
Tさんは赤信号で停車中、後方から車に追突されてしまいました。この事故で、Tさんは頸椎捻挫(むち打ち)、腰椎捻挫、両前腕痛、背部挫傷、頭痛と診断され、治療を余儀なくされました。
Tさんは、ケガの影響でしばらく会社を休業しており、経済的に不安を覚えていましたが、保険会社の担当者のまくしたてる口調に精神的苦痛を感じ、対応に苦慮していました。
今後どう対応すればいいか分からなくなったTさんは、残ってしまった痛みの賠償を受けられるかなどについて、弁護士の話を聞き、弁護士へ依頼することを決めました。
Tさんの事故から約1年が経過した頃、Tさんは症状固定を迎えましたが、首と腰に痛みが残ってしまいました。弁護士は後遺障害等級の認定申請を行い、首と腰の痛みについて併合14級が認定されました。
また、弁護士は、Tさんの休業損害を計算するにあたって、Tさんが有利になるように、Tさんのケガの回復から休業している割合が段階的に低下することに着目し、症状固定日まで日額を逓減する方法で、主婦の休業損害を算定しました。
保険会社は当初、休業損害について低い金額を提示してきましたが、弁護士が後遺障害の認定結果と算定した休業損害額を保険会社に提示し、粘り強く交渉した結果、約65万円を獲得しました。
入通院慰謝料と後遺障害慰謝料はともに弁護士の基準(裁判をしたならば認められる金額)の9割が認められ、最終的に賠償額は440万円以上で示談が成立しました。
(2)保険会社からの示談に応じてよいかわからず相談。弁護士が交渉して賠償金の総額は1070万円以上獲得!
【依頼者】
Jさん(仮名・男性・38歳・自営業/会社役員)
傷病名:左手関節捻挫・左肩関節捻挫・腰椎椎間板損傷・頸椎椎間板損傷
後遺障害:併合12級
※弁護士費用特約を使用
【事故・ケガの概要】
Jさんは、乗用車を運転中に赤信号で停止していたところ、後方から乗用車に追突されてしまいました。この事故で、Jさんは、頸椎椎間板損傷、左手関節捻挫、左肩関節捻挫、腰椎椎間板損傷と診断され、治療を余儀なくされました。
Jさんは、約半年間の通院治療を行い、ようやく症状固定を迎えましたが、残念ながら左腕にしびれや痛みが残ってしまいました。
そこで、後遺障害の等級認定申請を行ったところ、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号と判断されて、併合12級が認められました。
ほどなくして、加害者側の保険会社から示談金額の提示が口頭でされましたが、Jさんは、このまま示談に応じてよいのか疑問に感じました。そこで、Jさんは、今後の流れやどのような賠償金を受け取ることができるのか弁護士へ相談しました。
Jさんは、賠償金の増額の可能性があることや今後の示談交渉の流れなどの話を聞き、自分で保険会社と交渉するのは難しいと考えて、弁護士へ依頼することに決めました。
ご依頼後、弁護士はすぐにJさんの確定申告書などの資料を収集し、示談交渉を行いました。
逸失利益については、Jさんの事業所得額をもとに算出して交渉を進め、当初、運動能力の喪失年数は3年で提示されましたが、粘り強い交渉によって7年まで認められ、約590万円となりました。
さらに、後遺症慰謝料は261万円、入通院慰謝料は108万円が認められて、最終的な賠償金の総額は、当初の提案額から約9.5倍に増額されて約1070万円で示談が成立しました。
【まとめ】交通事故の示談交渉は自分でもできる!難しい場合には弁護士へ相談も
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 示談交渉は、ケガが治癒もしくは(後遺障害が残った場合)後遺障害等級が認定されてから行う。
- 交通事故の被害者が受け取れる可能性がある慰謝料は、後遺障害慰謝料、入通院慰謝料、死亡慰謝料の3つ。
- 示談交渉で話し合うべき慰謝料以外の賠償金の項目は、主に、治療にかかった費用、休業損害、後遺症による逸失利益、車の修理費用、代車使用料、買替に必要な登録費用(また交通事故によりケガではなく死亡してしまった場合には、葬儀関係費用や死亡による逸失利益が受け取れる可能性がある)。
- 自分で「示談交渉」を行う前に気を付けるべきポイント
- 相手方保険会社からの提示や提示金額を鵜呑みにしない
- 証拠を集める
- 適切な反論をする
- 感情的にならない
- 弁護士に依頼することによって受けられる可能性がある3つメリット
- 弁護士費用特約が利用できる可能性がある
- 賠償金を増額できる可能性がある
- 示談交渉を任せることができる
- 弁護士の依頼には弁護士費用がかかるが、弁護費用特約が利用できる場合があることや完全報酬制の事務所もあり、あなたの手持ちのお金から負担していただかなくてもよい場合もある。
交通事故の示談交渉はもちろん自分で行うことも出来ますが、自分だけで行うには負担が大きいのが実情です。弁護士に任せることで慰謝料の増額が期待できる場合もありますので、交通事故の示談交渉はアディーレ法律事務所へご相談ください。
アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。
すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。
また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。
上限を超えた場合の弁護士費用の取り扱いについては、各法律事務所にお問い合わせください。
(以上につき、2022年5月時点)
交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
