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交通事故で家族が植物状態に…適正な賠償金を受け取る方法を解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

交通事故で植物状態になった場合に適切な額の賠償金を受けとるためには、保険会社に任せたままにしないということが、何よりも重要です。

たとえば、保険会社が損害を低く見積もったり、損害の一部を認めないなどの対応を取ったりし、被害者の方たちにとって十分な賠償を受けられない可能性があるためです。

実際、保険会社が提示した示談金額は、弁護士が交渉すると増額する可能性が高いです。

適正な賠償金を受けとるためには、保険会社に任せたままにせずに、被害者や被害者家族が賠償金の相場や適正な賠償金を貰うコツをきちんと理解し、保険会社の提示する示談金額が適正かどうかをチェックすることが必要になります。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 植物状態とは
  • 加害者に対して請求できる慰謝料とその相場
  • 加害者に対して請求できる賠償金の内訳
  • 賠償金を請求するときに必要な「成年後見人」とは
  • 植物状態になった被害者の家族が知っておくべき適正な賠償金を受けとるためのコツ
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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植物状態(遷延性意識障害)とは

いわゆる植物状態のことを医学用語で「遷延性意識障害」といいます。

そして、日本神経学会の定義によれば、「遷延性意識障害」とは、次の6つの状態がが3ヶ月以上続いた場合を言うとされています。

【遷延性意識障害にあたる6つの状態】
  1. 自力で移動できない
  2. 自力で食べることができない
  3. 大小便を失禁している
  4. 目はものを追うが認識はできない
  5. 簡単な命令には応ずることもあるがそれ以上の意思の疎通ができない
  6. 声を出すが意味のある発語はできない

なお、「植物状態」と「脳死」の違いは、「脳死」は生命維持に必要不可欠な脳幹機能が不可逆的に損傷しており、回復の見込みがないとされている一方、「遷延性意識障害(植物状態)」は脳幹機能が生きている状態となっており、回復の見込みがあるとされています。

遷延性意識障害(植物状態)になった場合認定される可能性のある後遺障害等級とは

自賠責保険の根拠法である自動車損害賠償保障法(自賠法)は、後遺障害について、症状が重い順に1~14級の等級を定めており、この等級を「後遺障害等級」といいます。

「遷延性意識障害(植物状態)」の後遺障害等級は、介護を要する後遺障害等級「1級1号」(別表第一)が認定される可能性が高いといえます。

等級(別表第1)認定される症状
第1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
⇒生命維持に必要な身の回りの処理(食事、用便、入浴、更衣など)の動作に常時介護を要すること

後遺障害1級についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

後遺障害1級に認定される症状|慰謝料の種類と相場について解説

植物状態になった場合に請求できる可能性のある3つの慰謝料とは

交通事故における「慰謝料」とは、交通事故によるケガで受けた精神的苦痛を金銭に換算したものです。治療費とは別に交通事故の加害者に請求することができます。

そして、交通事故で植物状態になったときに請求できる可能性がある慰謝料としては、次の3つです。

慰謝料の種類概要
入通院慰謝料交通事故で入通院をしなければならなくなったことに対する慰謝料です。
傷害慰謝料は、ケガの部位、ケガの程度、入通院期間(総治療期間)の長短などを考慮して、計算します。ケガの程度が重く、入通院期間が長期間にわたれば慰謝料の額は高くなります。
後遺症慰謝料交通事故で受けたケガが完治せず、後遺症が残った場合に請求できる慰謝料です。
後遺症には、後遺障害等級といって、後遺症の部位や重さなどに応じて1~14級の等級があります。どの等級に認定されるかによって慰謝料の金額が変わってきます。
近親者慰謝料後遺障害が重度な場合に近親者も被害者本人とは別に請求できる慰謝料のことです。後遺障害が重度な場合には、近親者も被害者の生活を支えていかなければなりませんし、精神的苦痛を受けることになります。
特に家族が植物状態になった場合には、近親者にかかる負担も大きいため、近親者に対して慰謝料を認める裁判例が多く見られます。

被害者が知っておくべき慰謝料の相場とは

次に、植物状態になったときの後遺症慰謝料の相場について解説します。

被害者自身が慰謝料の相場を知っておくことで、相場よりも低い金額が示談で提示されても、被害者が相場を知らないまま示談をしてしまい、損をしてしまうことを防ぐことができます。

(1)慰謝料の3つの基準

後遺症慰謝料の慰謝料の相場を知るためには、慰謝料の3つの基準について知っておく必要があります。なぜなら、どの基準を使うかによって慰謝料の金額が大きく変わってくるからです。

慰謝料の3つの基準とは、「自賠責の基準」「任意保険の基準」「弁護士の基準」です。くわしくは、次のとおりです。

算定基準概要
自賠責の基準自賠責の基準は、自動車保有者が加入を義務付けられている「自賠責保険」で採用されている基準です。
自賠責の基準は被害者への最低限の補償を目的として設けられているので、慰謝料の基準額は基本的に3つの算定基準のうち最も低くなります。
ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、加害者側になってしまったなど過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。
任意保険の基準任意保険の基準は、各保険会社が独自に設定している非公開の算定基準です。
加害者側の任意保険会社は、通常は任意保険の基準をもとにして慰謝料を提示してきます。基準額は、自賠責の基準と同程度か、やや高い程度であると推測されます。
弁護士の基準弁護士の基準は、過去の裁判例をもとに設定された基準です。弁護士に示談交渉を依頼した場合などに使われる算定基準です。
弁護士の基準による慰謝料金額(目安)は3つの算定基準のうちでは基本的に最も高額となります。

3つの基準の慰謝料額のイメージを比較すると、一般的に、次のようになります。

この図のように、基本的に、自賠責の基準よりも弁護士の基準の方が高額になりやすい傾向にあります。

(2)植物状態になった場合の後遺症慰謝料の相場

では、被害者が交通事故で植物状態になった場合の後遺症慰謝料の相場について見ていきましょう。

被害者が植物状態になった場合には、後遺障害(要介護・別表第一)1級1号に認定されることになります。そして、後遺障害(要介護・別表第一)の後遺症慰謝料の相場は、次のとおりです。

等級(要介護・別表第一) 自賠責の基準(※) 弁護士の基準
1級1号 1650万円、被扶養者がいる場合には1850万円
初期費用として別途500万円が支払われます
2800万円
※なお、自賠責の基準は、2020年4月1日以降に発生した交通事故に適用されます。

この表を見ると、自賠責の基準の相場よりも弁護士の基準の相場の方が高額であることがお分かりになるでしょう。

弁護士の基準を使うには弁護士へ依頼することがおすすめです。
というのも被害者本人が加害者側の保険会社と示談交渉すると、加害者側の保険会社は自賠責の基準や任意保険の基準による低い慰謝料額を提示してくるのが通常です(被害者本人が弁護士の基準で交渉しても通常、応じてくれることはありません)。これに対し、弁護士が被害者本人に代わって示談交渉を行う場合は、基本的には最も高額な弁護士の基準を使いますので、弁護士の基準に近づけた形での示談が期待できます。

弁護士費用特約の補償範囲について詳しくは、こちらをご覧ください。

弁護士費用特約は保険に入っていない人でも補償範囲になる?利用できるケースを解説

(3)実際の裁判例では慰謝料額が3000万~4000万円以上になることも

交通事故で意識障害となった場合の裁判例を見てみましょう。

交通事故で被害者が植物状態になった場合の裁判例では、入通慰謝料・後遺症慰謝料・近親者慰謝料の3つを合算して3000万~4000万円以上認められています。

参考裁判例
〔参考事例(1)〕
遷延性意識障害の女子中学生(事故時14歳)につき、入通院慰謝料として435万円のほか、後遺症慰謝料として本人対し3000万円が認められました。
さらに近親者慰謝料として父母に各400万円、姉と兄に各200万円が認められ、本人と近親者含め、慰謝料合計として4200万円以上が認められました(事故日2010年7月22日、神戸地伊丹支判判決平成30年11月27日・自保ジ2039号1頁)。

〔参考事例(2)〕
遷延性意識障害の女子高校生(事故時高校3年生)につき、入通院慰謝料として700万円のほか、後遺症慰謝料として本人に対し2800万円が認められました。
さらに、近親者慰謝料として、父母に各400万円が認められ、本人と近親者含め慰謝料合計として3800万円以上が認められました(事故日1996年10月21日、大阪地判判決平成19年1月31日・交民40巻1号143頁)。

植物状態になった場合に請求できる賠償金の内訳

家族が植物状態になったとき、慰謝料以外にも賠償金として請求できるものがあります。代表的な項目として、次のものが挙げられます。

  1. 治療関係費
  2. 付添介護費
  3. 将来介護費
  4. 入院に伴う雑費
  5. 通院交通費
  6. 装具・器具購入費
  7. 自宅・自動車改造費
  8. 後見等関係費用
  9. 休業損害
  10. 逸失利益

なお、ここで説明するのは、弁護士の基準よる算定基準であるため、自賠責の基準や任意保険の基準であれば、基本的にはこれから紹介する算定金額より少なくなってしまう可能性があります。

(1)治療関係費

治療費に関しては、必要かつ相当な範囲で実費全額が支払われます。将来の治療費や手術費についても、必要と認められれば、賠償金として認められることがあります。

(2)付添看護費

ケガの程度、被害者の年齢などにより必要な場合に、介護ヘルパーなどの費用については実費全額、近親者の看護には1日につき6500円が付添看護費として認められます(なお、症状の程度次第で増減する可能性あり)。

(3)将来介護費

将来介護費は、怪我の程度、医師の指示などにより必要な限りで認められます。介護ヘルパーなどの費用については実費全額、近親者が介護した場合は1日につき8000円が認められます(介護状況次第で増減する可能性あり)。

なお、将来介護費については、いつまで介護状態が続くのかわからないということもあり、一括払いという形ではなく、毎月定額を支払うという形で支払方法(定期金賠償)も裁判上認められる場合があります。

(4)入院に伴う雑費

入院すると、例えば、おむつ、テッシュなど日用雑貨が必要となります。
このため、入院1日につき1500円が入院雑費として認められています。

さらに、入院期間以外にも、具体的看護状況に鑑みて、おむつ代など日用雑貨などの購入費用が認められることがあります。

(5)通院交通費

通院交通費については、実費相当額が認められます。
症状の程度によりタクシー利用が必要となれば、タクシー料金が実費として認められます。また、自家用車を利用した場合は、その実費相当額となります。

近親者が介護のための通院した交通費のついても認められる可能性があります。

(6)装具・器具購入費用

車椅子や電気ベッドなどの装具・器具の購入費用も、必要な限りで認められます。

なお、器具・装具については、長年使っていると、新しい器具や装具を作り直すことがあります。このような場合も見越して、器具や装具を作り直す費用についても賠償金として含むことも出来ます。

(7)自宅・自動車改造費

介護状況によっては、自宅や自動車の改造が必要なことがあります。ドアの間口を広げたり、段差をなくしたりするということが考えられます。また、車椅子なしで移動できるようにエレベーターの設置などが考えられます。

このような場合、家や自動車などの改造費については、必要かつ相当の範囲で認められます。

(8)後見等関係費用

交通事故被害者が植物状態になった場合に賠償金請求をするためには、成年後見人の選任が必要です(後で説明します)。成年後見人の選任に必要な費用、成年後見人の報酬などは、必要かつ相当な範囲で賠償金として認められます。

(9)休業損害

交通事故によりケガをして、治療のために仕事を休み、減ってしまった収入については、「休業損害」として交通事故に加害者に対して請求することができます。被害者の介護のために、近親者が仕事を休業したという場合には、近親者につき休業損害が認められることもあります。

休業損害の計算式は、次のとおりです。

  • 休業日数については、治療もしくは症状が固定するまでの期間内で、実際に休業した日数のうち障害の内容・程度、治療過程、被害者の方が従事している仕事の内容等をみて相当な日数が認められます。
    必ずしも休んだ日数=休業日数とはなりません。
  • 日額の基礎収入は、被害者が給与所得者である場合、事故前の3ヶ月分の給与の合計額、または事故前1年の給与総額を、それぞれ90日または365日で割るなどの方法によって算出します。

休業損害についてさらにくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

(10)逸失利益

被害者が植物状態になったことで働くことができずに本来得ることができたはずの収入を得ることができなくなってしまうと、ご家族も生活に困ってしまうこともあるでしょう。本来得ることができたはずの収入は「逸失利益」として加害者に請求することができます。

後遺障害による逸失利益の計算式は、次のとおりです。

  • 基礎収入:原則として事故発生前の収入の金額が採用されます。
  • 労働能力喪失率:後遺障害により労働能力がどれだけ失われたのか、その割合をいいます。後遺障害等級1級の場合には100%であるとされています。
  • ライプニッツ係数:被害者が将来得られたはずの利益を前もって受け取ったことで得られた利益(利息など)を差し引くための数値です。ライプニッツ係数における就労可能年数(=働くことができる年数)は、原則として67歳までの期間で計算します。

逸失利益についてくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

逸失利益とは?計算方法や慰謝料・休業損害との違いを弁護士が解説

被害者が植物状態になった場合の賠償金請求には「成年後見人」の選任が必要!

本来、賠償金請求は被害者本人が行うのが原則です。しかし、被害者本人が植物状態であれば、被害者の「成年後見人」が本人に代わって賠償請求を行うことになります(※)。

※なお、植物状態となった被害者が未成年者の場合は、親権者が被害者に代わって賠償金請求を行うことになります(成年後見人の選任は不要です)。

成年後見人は賠償金請求のみならず、被害者本人の日常生活の契約や金銭管理などの場面でも必要になります。

例えば、被害者の家族が、被害者の同意なく、被害者がした契約を解約したり、預金を下ろしたりすることはできません。一方、成年後見人は被害者に代わって、被害者がした契約を解約したり、預金を下ろしたりして金銭管理をすることが可能になります。

成年後見人を利用するためには、家庭裁判所に成年後見人の選任の申立てを行う必要があります。

成年後見人は、家族や弁護士司・法書士等の専門家が選任されることになります。成年後見人は日常生活の場面でも必要となりますので、早めの申立てがおすすめです。

植物状態になった被害者の家族が知っておくべき適正な賠償金を貰う4つのコツ

交通事故で植物状態になった場合の賠償金請求について保険会社に任せたままにしておくと、本来受けとるべき賠償金よりも低い金額を提示されたりすることが多いです。適正な賠償金を受けとるためには、次の4つのコツを知っておく必要があります。

【適正な賠償金を受けとるためのコツ】
  1. 賠償金の項目に漏れがないかをチェックする
  2. 賠償金の項目それぞれが適正な金額になっているかチェックする
  3. 不利な過失割合になっていないかチェックする
  4. 後見人選任手続や賠償金請求を弁護士に依頼する

(1)賠償金の項目に漏れがないかをチェックする

適正な賠償金を貰うためには、賠償金の項目に漏れがないかをチェックする必要があります。

例えば、交通事故でケガをし、仕事を休んだ場合には「休業損害」を請求できますが、保険会社からの提示額には休業損害が含まれていなかったり、本来請求できる金額よりも安かったりすることがあります(例:自営業や主婦には休業損害は請求できないとする保険会社もあります)。

そのため、適切な賠償額を受けとるためには、保険会社からの提示額に被害者が受けとるべき賠償金(例:休業損害や逸失利益など)が全て含まれているかをきちんとチェックする必要があるのです。

(2)賠償金の項目それぞれが適正な金額になっているかチェックする

被害者が受けとるべき賠償金の項目が全てについて、それぞれの金額が適正な金額になっているかもチェックしましょう。

例えば、保険会社は、被害者が植物状態で平均余命まで生きられないとして、67歳までの逸失利益を認めることはできない(逸失利益の減額)と主張してくることがあります。

しかし、このような主張は、過去の裁判で認められた例もありますが、現在ではこのような考え方は否定され、通常の平均余命で逸失利益を認める裁判例も出されています。

このように、保険会社の話を鵜吞みにしたままだと、本来受けとるべき逸失利益よりも減額されたままであるおそれがあります。

適正な賠償金を受けとるためには、保険会社の話を鵜呑みにしたりせずに、賠償金の項目が全てについて適正な金額になっているかをチェックするようにしましょう。

弁護士に依頼することで賠償金の増額できる可能性があります。
保険会社の提示金額は、自賠責の基準・任意保険の基準で計算された金額であることが多いです。しかし、弁護士が交渉すると、弁護士の基準またはそれに近い金額への増額に応じてくれることも多いです。

(3)不利な過失割合になっていないかをチェックする

適正な賠償金を受けとるためには、不利な過失割合になっていないかもチェックするようにしましょう。

そもそも「過失割合」とは、簡単にいえば、「交通事故が起きたことについて、どっちが、どのくらい悪いのか」ということを示すものです。

例えば、被害者に20%の過失・加害者に80%の過失があるとされた場合には、被害者の過失20%分が賠償金額から減額されることになります(本来受けとるべき賠償額が100万円の場合20%が減額され、80万円が賠償額ということになります)。

ここで注意が必要なのが、保険会社の提示する過失割合は、被害者に不利な形になっているケースも少なくないことです。例えば、事故当事者の主張(信号の色など)が異なる場合には、被害者の主張ではなく、加害者の主張する事実に基づいて過失割合を提案してきている可能性があります。

特に、被害者が植物状態になった場合には、被害者から反論をすることができませんので、加害者の主張のまま過失割合が認定されてしまう可能性があります。

【例】
  • 信号が赤で加害者が交差点を進入してきたのに、加害者が青で進入したと主張している
  • 本来徐行すべきところを徐行せずに進行していたのに、加害者は徐行していたと主張している       など

このような場合に、過失割合について検討せずに示談を成立させてしまうと、被害者が本来受け取るべき示談金を受け取れなくなるおそれがあります。

交通事故の目撃者の証言や防犯カメラ映像、警察の捜査資料などを照らして、加害者が主張が正しいのか、不利な過失割合になっていないかをチェックするようにしましょう。

(4)後見人選任手続や賠償金請求を弁護士に依頼する

適正な賠償金を受けとるためには、後見人選任手続や賠償金請求を弁護士に任せることがおすすめです。

被害者が植物状態になった場合、被害者家族は精神的・肉体的・金銭的に過大な負担を負うことになります。そして、加害者側の保険会社との慰謝料や賠償金の交渉まで手が回らなくなってしまって、保険会社が言うなら間違いないだろうなどと思い込み、提示された示談額で示談に応じてしまうこともあります。

このような場合には、弁護士に依頼し、後見人選任手続や保険会社との面倒な交渉も任せてしまいましょう。

専門的な知識と交通事故の示談交渉の経験を持つ弁護士に依頼することで、被害者家族の負担を減らすことができるほか、保険会社からの主張に反論したり、提示額が適正かどうかをチェックしたりすることもできますので、適正な賠償金を受けとれる可能性を高めることができます。

任意保険の「弁護士費用特約」に加入していれば、弁護士費用は保険で賄うことができる可能性があります。弁護士費用特約を利用しても、保険等級が下がること(保険料が上がること)はありませんので、まずは弁護士費用特約を利用できるのかをチェックしてみましょう。

弁護士への依頼でもらえる示談金について詳しくはこちらをご覧ください。

【まとめ】適正な賠償金を貰うためには、保険会社に任せたままにしないのがおすすめ!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 植物状態になった場合に受けとれる可能性がある慰謝料は、「入通院慰謝料」「後遺症慰謝料」「近親者慰謝料」の3つ。
  • 植物状態になった場合の後遺症慰謝料の相場は、自賠責の基準:1650万円、弁護士の基準:2800万円。実際の裁判例では入通慰謝料・後遺症慰謝料・近親者慰謝料の合計額が3000万円~4000万円以上になる可能性も。
  • 交通事故被害者が植物状態になった時の賠償金請求には、原則「成年後見人」の選任が必要。
  • 植物状態になった被害者の家族が知っておくべき適正な賠償金を貰う4つのコツ
  1. 賠償金の項目に漏れがないかをチェックする
  2. 賠償金の項目それぞれが適正な金額になっているかチェックする
  3. 不利な過失割合になっていないかチェックする
  4. 後見人選任手続や賠償金請求を弁護士に依頼する

植物状態のような重い後遺障害が発生する事故の場合、様々な項目において賠償金が発生し、賠償金の交渉をするにあたっては、専門的な知識が必要となります。

かといって、加害者側の保険会社から言われるがままに従ってしまうと、本来よりも少なくなった賠償額(例:弁護士の基準ではなく自賠責の基準や任意保険の基準での金額)になってしまうことも少なくありません。

実際、過去にアディーレ法律事務所に相談された方からも、弁護士に依頼したことで「賠償金額がかわってきます」との声をいただいています。

今後の不安を少しでも減らすために、交渉については弁護士に一任するとよいでしょう。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年4月時点)

交通事故の被害にあい、賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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