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労働時間は1分単位で計算!例外を認めた通達と計算方法について解説

作成日:更新日:
y.kanno

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「職場では、30分未満の労働時間が切り捨てられていて、その分の賃金が支払われていない…」 

労働時間の計算は、1分単位で行うことが法律上の原則です。 

しかし、実際には違法な計算方法が横行しているケースも少なくありません。 

この記事では、労働時間は1分単位で計算するという原則と、その背景にある法律や例外を認めた通達について解説します。 

自分の労働時間が不正に切り捨てられているのではないかと感じている方は、ぜひ最後までお読みください。 

この記事を読んでわかること 

  • 労働時間の計算方法
  • 1分単位で計算する原則の例外 
  • 1分単位で計算してもらえないときの対処法 

ここを押さえればOK!

労働時間の計算は1分単位で行うことが法律上の原則です。 会社には労働者が働いた時間に対して全額の賃金を支払う義務があり、たとえば8時間30分働いた場合、その30分を切り捨てることは違法です。 労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下にある時間を指し、朝礼や制服の着替え時間も労働時間とされることもありますが、休憩時間は含まれません。
違法な労働時間の計算方法には、15分や30分単位での切り捨てや、遅刻や早退の時間を切り上げる方法があります。これらは労働基準法に違反し、労働基準監督署からの指導や罰則の対象となることがあります。ただし、減給の制裁として一定の制限内で行う場合は例外とされています。
また、通達により認められている例外も存在します。
たとえば、1ヵ月の時間外労働や休日労働の合計時間において30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることや、1時間あたりの賃金額における50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることが認められています(昭63・3・14基発150号)。
もし会社が1分単位で労働時間を計算せず、賃金を適切に支払わない場合、労働者は証拠を集め、会社と交渉し、労働基準監督署や弁護士に相談することがおすすめです。
もっとも、労働基準監督署は指導や是正勧告を行いますが、代わりに賃金等を請求してくれるわけではありません。 その点、弁護士に依頼すれば、会社との交渉や法的手続のサポートをしてもらうことができます。

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この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

労働時間は1分単位で計算するのが原則 

労働時間の計算において、1分単位での計算が原則です。 

これは労働基準法に基づくもので、労働者が働いた時間に対して正確に賃金を支払うことを目的としています。 

労働基準法第24条には「賃金全額払いの原則」が定められており、労働者が働いた時間に対して全額の賃金を支払う義務があります。 

この原則によって、労働時間を1分単位で計算することが求められています。 

たとえば、労働者が8時間30分働いた場合に、その30分を切り捨て、8時間労働したとして賃金を計算することは違法です。 

また、労働基準法は会社の就業規則よりも優先されるため、会社が独自に定めた労働時間の計算方法が法律より労働者にとって不利益となる場合、その規則は無効となります。 

労働時間の1分単位計算はどの時点から始まる? 

判例によると、「労働時間」とは、労働者が客観的にみて使用者の指揮命令下に置かれたと評価できる時間のことです。 

そのため、原則としては所定始業時刻からということになりますが、朝礼に出るように会社から指示されていたり、制服などに着替えるように会社から指示されている時間があれば、その時間も労働時間として計算されるべきでしょう。もっとも、良く争いになる箇所でもあります。 

なお、休憩時間は労働時間には含まれません。 

労働時間の計算における違法なケース 

労働時間の計算において、違法となるケースは多岐にわたります。 

特に、労働時間を15分や30分単位で切り捨てる方法は、労働基準法に違反する可能性が高いです。 

また、早退や遅刻の時間を切り上げることも違法です。 

たとえば、労働者が5分遅刻した場合、その5分を15分や30分の遅刻として賃金をカットすることは労働者に不利益をもたらし、違法となります。 

これに違反する行為は労働基準監督署からの指導や罰則の対象となることがあります。 

ただし、このような取扱いを就業規則に定める減給の制裁として、次の制限内で行う場合には、賃金全額払いの原則には反しないとされています(労働基準法第91条)。 

  • 一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えない 
  • 総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えない

通達により認められている例外とは? 

これまでご説明したとおり、労働時間は1分単位で正確に計算することが原則ですが、事務簡便を目的とし、通達によって次のような端数処理が例外的に認められています。 

  • 1ヵ月における時間外労働・休日労働・深夜業それぞれの時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること
  • 1時間あたりの賃金額・割増賃金額に円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること
  •  1ヵ月における時間外労働・休日労働・深夜業それぞれの割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること 

参照:賃金計算の端数の取扱い|厚生労働省 

原則どおりに考えれば労働基準法違反ですが、経理担当者などの負担を軽減するため、例外的にこのような端数処理を同法24条・37条違反として取り扱わないことにしているのです。 

労働時間を1分単位で計算してもらえないときはどうする? 

1分単位で労働時間を計算することが法律上の原則とはいえ、会社がそれに従って賃金を支払ってくれない場合には、どうすればいいのでしょうか。 

具体的には、次のような行動をおすすめします。 

  • 証拠を集める 
  • 会社と交渉する 
  • 労働基準監督署に相談する
  •  弁護士に相談する 

会社が労働時間を不正に切り捨てているという証拠があれば、会社との交渉がうまくいきやすくなる可能性がありますし、労働基準監督署も相談に乗ってくれやすいでしょう。 

労働基準監督署は、会社が労働基準関係法令に違反していないかを監督し、違反している会社に対して指導などを通じて是正を図る機関で、全国に設置されています。 

しかし、労働基準監督署は労働者の代理人になるわけではありません。 

そのため、会社が指導や是正勧告にも従わず、不正に切り捨てられた賃金等を支払ってくれない場合、労働基準監督署が代わりに請求してくれるわけではありません。 

一方、弁護士は依頼を受けた事件について「代理人」となり、依頼者の代わりに交渉してくれます。 

そのため、未払いになっている賃金や残業代があるなら、弁護士に請求を依頼することがおすすめです。 

弁護士に依頼すれば、会社と交渉してくれるだけでなく、交渉がまとまらずに労働審判や訴訟に発展した場合にも、サポートを受けることができます。 

【まとめ】原則として労働時間の計算は1分単位だが、通達による例外もある 

労働時間の計算は、労働基準法に基づき1分単位で行うことが原則です。 

賃金全額払いの原則により、労働者が働いた時間に対して正確な賃金を支払うことが求められます。 

もっとも、事務処理上の負担軽減の観点から、一定の条件を満たせば、端数を切り捨てることも例外的に通達で認められています。 

労働時間の計算や残業代の支払いに関して疑問や不安がある場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。ご自身の労働者としての権利を守るために、弁護士のサポートを活用してください。 

アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。 

そして、原則として、この報酬は獲得した金銭(例:残業代、示談金)からお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。 

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。 

※以上につき、2024年8月時点 

残業代請求でお悩みの方は、残業代請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。 

この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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