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月の残業80時間超えの危険性!労働者の権利と残業代の請求方法

作成日:
y.kanno

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「月の残業時間が80時間を超えていた…疲れもたまってきたし、もう限界かもしれない…」 

そんな思いを抱えているあなたへ。 

この記事では、長時間労働がもたらすリスクや、労働者として知っておくべき権利について解説します。 

あなたの健康と権利を守るために、今すぐ行動を起こすためのヒントがここにあります。 

ぜひ最後までお読みいただき、安心して働ける環境を手に入れましょう。 

この記事を読んでわかること 

  • 法律で定められた残業時間の上限 
  • 過度な残業に関する労働者の権利
  • 残業代の計算方法・請求方法 

ここを押さえればOK!

残業月80時間は、過労死ラインとして労働環境改善の重要な指標となっています。長時間労働は健康に深刻な影響を及ぼし、生産性低下や職場環境悪化を招きます。
労働基準法では原則1日8時間、週40時間が上限ですが、36協定により超過が可能です。ただし、それにも上限規制は存在し、月80時間を超える残業は違法の可能性が高いと考えられます。また、医師の面接指導も必要になります。
健康面では心疾患や過労死の危険があり、法的には会社が刑事罰を受けたり、損害賠償責任が生じたりするリスクもあります。
労働者には健康上の理由から過度な残業を拒否することが許されると考えられる場合もあり、未払い残業代の請求も可能です。
残業代は通常賃金に割増率を適用して計算し、証拠をもとに請求しましょう。
企業との直接交渉がまとまらなければ、労働審判や訴訟を見据えて弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

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些細な疑問や不安、お気軽にご相談ください!

この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

残業月80時間が注目される理由

残業月80時間という数字は、労働環境の改善を求める声が高まるなかで特に注目されています。

まず、過労死ラインとして知られる月80時間の残業は、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるとされています。この基準は、過去のデータを踏まえて設定され、労働者の健康を守るための重要な指標となっています。

また、長時間労働がもたらす生産性の低下や、職場環境の悪化も問題視されています。

会社にとっても、労働者の健康を無視した過度な残業は、法的リスクや社会的信用の低下を招く可能性があります。

このように、働き方改革の一環として、政府や会社が労働時間の短縮に取り組むなかで、この80時間という数字は、労働者の権利を守るための重要な基準として注目されています。

労働者が安心して働ける環境を整えるために、残業月80時間というラインは避けて通れない基準となっているといえるでしょう。

法律で定められた残業時間の上限

「残業」について、法律はどのように規定しているのでしょうか。

労働基準法の内容や、残業月80時間の法的位置づけについて解説します。

(1)労働基準法と36協定 

労働基準法は、労働者の身体や精神の健康と安全を守るためだけではなく、人間らしい生活を送れるようにするためにも、労働時間の上限を定めており、労働時間の上限は原則として1日8時間、週40時間とされています。 

しかし、業務上の必要性からこれを超える残業を行う場合、36協定(サブロク協定)を締結する必要があります。 

36協定とは、労働基準法で定めた時間を超える労働や休日労働をすることを可能にする制度で、労働基準法36条に基づく「時間外・休日労働に関する労使協定」の通称です。 

ただし、36協定を締結している場合であっても、無制限に残業をさせることはできません。 

(2)月80時間の残業が法律でどう扱われるか

36協定による時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です。

もっとも、36協定に特別条項を定めたうえで労使が合意すれば、臨時的な特別の必要性がある場合に限り、月45時間を超える時間外労働も認められます。

ただし、その場合であっても、月80時間を超える残業を恒常的に行わせることは、違法である可能性が高いでしょう。

さらに、労働安全衛生法に基づき、会社は、月80時間を超える残業を行い、疲労蓄積がある労働者から申し出があった場合、医師による面接指導を受けさせる義務があります。

残業月80時間を超えた場合のリスク 

月の残業が80時間を超えると、さまざまな健康上のリスクが生じるとされています。 

(1)健康への影響と過労死の危険性 

残業が月80時間を超えるような長時間労働は、心身の疲労を蓄積させ、ストレスや睡眠不足を引き起こします。 

これにより、心臓疾患や脳血管疾患のリスクが高まり、最悪の場合、過労死に至ることもあります。過去の事例からも、月80時間を超える残業が続くと、健康被害が顕著になることが確認されています。 

労働者自身が健康状態を把握し、必要に応じて医師の診断を受けることが重要です。

(2)法的リスクと企業への罰則 

会社が労働者に月80時間を超える残業を強いる場合、法的リスクが伴います。 

労働基準法や労働安全衛生法に違反する可能性があり、これにより会社は制裁を受けることがあるからです。 

具体的には、労働基準監督署の立入調査や是正勧告だけでなく、場合によっては刑事罰が科されることもあります。 

たとえば、時間外労働の上限規制に違反した場合には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科される可能性があります。 

また、過労による健康被害が発生した場合、会社が損害賠償責任を問われる可能性もあるでしょう。 

これらのリスクは、会社の信用を損ない、経営に大きな影響を与えることもあります。 

残業時間を減らすための対策 

残業時間を減らすためには、労働者と会社の双方が積極的に取り組むことが重要です。 

まず、労働者自身の対策としては、タスクの優先順位を明確にし、時間管理を徹底することが効果的です。 

また、定期的な休憩を取り入れることで、集中力を維持し、業務の質を向上させることができます。 

一方、会社側も労働環境の改善に努める必要があります。業務プロセスの見直しや、無駄な会議の削減、ITツールの導入による業務の自動化などが考えられます。 

さらに、フレックスタイム制度やテレワークの導入により、柔軟な働き方を推進することも効果的です。 

そして、職場内でのコミュニケーションを活発にし、業務の進捗状況を共有することで、チーム全体で効率的に仕事を進めることを心がけましょう。 

これらの対策を通じて、労働者の健康を守りつつ、生産性を向上させることが期待できます。 

月80時間を超える残業に対する労働者の対応

まず、特別条項付きの36協定が締結されていても、1ヶ月100時間未満、2ヶ月ないし6ヶ月の平均で80時間以内に残業時間が制限されており(労働基準法第36条第6項第2号及び同第3号)、会社がそうした上限時間を超えて残業を命じることは違法であるため、仮にそのような残業命令を出されたときには、それが違法であることを会社に伝えることで、過度な残業をさせられることが防止できるかもしれません(残業を拒否することに正当な理由があるとされる可能が高いです。)。

そして、労働者が体調不良にあるなかで過度な残業をさせることは、残業によって労働者の健康に悪影響にもたらし、会社の労働者に対する安全配慮義務に違反するものといえるため、体調不良であって残業に耐えられる状態にないことを会社に伝えることでも、過度な残業をさせられることが防止できるかもしれません(残業を拒否することに正当な理由があるとされる可能性が高いです。)。

さらに、会社は、月80時間を超える残業を行い、疲労蓄積があり面接を申し出た労働者に対し、産業医当等の医師による面接指導を受けさせる必要があります(労働安全衛生法第68条の8第1項、労働安全衛生法施行規則第52条の2第1項)。

この面接指導は、労働者の健康状態を確認し、必要な措置を講じるためのものです。労働者から面接の申出をし、医師による面接指導を労働者が受け、会社が当該医師から意見を聴取し、その結果、会社が残業時間を抑える措置を採ることで、月80時間を超えるよな残過度な残業をさせられることが防止できるかもしれません。

また、月80時間を超える残業をしてきたにもかかわらず、その残業時間に応じた残業代が支払われていないのであれば、労働者は、会社に対し、その未払の残業代を請求することができます。この残業代の請求は、労働者の正当な権利です。月80時間を超える残業代は高額となることが多いため、会社としては今後そのような高額な支払いを回避するため、月80時間を超えるような残業を命じることがほとんど無くなり、過度な残業をさせられることが防止できるかもしれません。

これらについて理解し、適切な対応をすることで、労働者は自身の健康などを守ることができます。

労働者は、必要に応じて弁護士などの専門家の助言を受けながら、いかなる対応をするのか判断するのが重要です。

残業代の計算方法 

労働者が会社に対して未払いの残業代を請求する場合、残業代の計算をすることは、労働者が正当な報酬を受け取るために重要です。 

基本的に、残業代は通常の賃金に対して割増率を適用して計算されます。 

法定労働時間を超える時間外労働の場合、通常の賃金の1.25倍の割増賃金が支払われる必要があります(月の残業時間が60時間以内の場合)。 

なお、月の残業時間が60時間を超える部分の割増率は、1.5倍です。 

具体的な計算方法としては、まず1時間あたりの基礎賃金を算出し、それに割増率を掛けて残業代を求めます。 

たとえば、基礎賃金が1,000円の場合、割増賃金は1,250円(1,000円×1.25)となります。 

未払い残業代の請求方法 

未払い残業代を請求する際は、まず自身の労働時間と賃金を正確に把握することが重要です。タイムカードや勤務表、メールの送受信履歴などで、実際の労働時間を記録しておきましょう。 

次に、未払いの残業代を計算し、証拠をもとに会社に対して請求します。 

会社と直接交渉する際は、冷静に、かつ具体的な証拠を提示することが効果的です。 

話合いで解決しない場合は、労働基準監督署に相談することもできます。 

労働基準監督署は、会社に対して是正勧告を行う権限を持っており、未払い残業代の支払いを促してくれることもあります。 

ただし、労働者の代わりに未払い残業代を請求してくれるわけではありません。 

さらに、労働審判や訴訟といった法的措置を検討することもあります。 

これらの手続には専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。 

未払い残業代の請求は、労働者の正当な権利です。 

【まとめ】月80時間の残業は違法の可能性が高く、健康面でのリスクもある

月80時間を超える残業は、労働者の健康へのリスクを伴うだけでなく、違法である可能性が高いです。

労働者は、自身の健康を守るために、いかなる対応をするのが良いのか理解し、適切な対応をすることが重要です。

未払いとなっている残業代があるのであれば、残業代の計算方法を把握し、証拠をもとにしっかりと請求しましょう。

そして、会社との交渉が難しい場合は、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。

そして、原則として、この報酬は獲得した金銭(例:残業代、示談金)からお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

※以上につき、2024年12月時点

残業代請求でお悩みの方は、残業代請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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