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残業代が出ない!労基に相談すれば解決するの?

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「うちの職場ではサービス残業が常態化している…これって違法じゃないの?労働基準監督署(労基)に相談すれば何とかしてもらえる?」

残業代が支払われない、いわゆるサービス残業は労働基準法違反であり、決して見過ごしてはいけません。労働基準監督署といった公的機関に相談するのはひとつの手段です。

もっとも、労働基準監督署は、労働者個人の残業代を代わりに請求してくれるわけではないため、残業代を請求したいと考えている場合には、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

ここを押さえればOK!

残業代の不払いは労働基準法違反であり、使用者は法定労働時間を超える労働に対して割増賃金を支払う義務があります。ただし、管理監督者や固定残業代制などの例外もあります。

会社が残業代を払わなくてすむように、労働者に残業時間の過小申告の強要、サービス残業の慣行化、実態の伴わない管理職扱いなどをしていることがあります。

労働基準監督署は労働基準法等を会社が遵守しているかどうか監督する行政機関で、残業代不払いの相談も受け付けています。相談は匿名でも可能ですが、具体的な調査や是正指導には実名での申告が効果的です。

相談前の準備としては、給与明細などの証拠を保管しておくことや、同僚との情報共有が重要です。残業代請求の時効は基本的に支払日から3年です。

日頃の対策として、労働時間の正確な記録と労働条件の確認が大切です。これらの記録は将来の残業代請求や労働基準監督署への相談の際に有力な証拠となり得ます。
会社への残業代請求を検討中の方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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残業代不払いは労働基準法違反

まず、残業しているのに、その分の賃金が支払われないことは、基本的に違法だと考えられます。

(1)残業代支払いの法的根拠

残業代支払いの法的根拠は、労働基準法で定められています。
使用者は、労働時間が1日8時間または1週40時間を超える場合、その超過時間に対して通常の賃金の最低1.25倍の割増賃金を支払わなければならないのが原則です(時間外労働が月60時間までの場合)。
また、深夜労働(午後10時から午前5時まで)に対しては1.25倍以上、法定休日労働に対しては1.35倍以上の割増賃金が必要です。
これらの規定は強行法規であり、たとえ労使間で不払いの合意があっても無効となります。つまり、残業代の不払いは明らかな法律違反なのです。

ただし、法律上の管理監督者に当たる場合や、固定残業代制やみなし労働時間制がとられている場合などの例外はあります。
とはいえ、管理監督者にあたるかどうかはその実態によって判断されるため、単に「課長」
や「部長」、「店長」といった役職名であれば該当するとは限りません。
また、固定残業代制やみなし労働時間制がとられていても、一定時間以上の残業をした場合には、超過分の残業代を請求できる可能性があります。

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(2)よくある残業代不払いの手口

よくあるのは、残業時間の過小申告の強要や、サービス残業の慣行化です。
また、管理職扱いによる残業代カットや、固定残業代制の悪用も見られます。
なかには、タイムカードの改ざんや、残業申請を認めないなどの悪質な例もあるようです。

さらに、残業代を歩合給に含めるなど、複雑な給与体系で残業代を曖昧にするケースもあります。

労働基準監督署への相談

では、自分が不当に残業代を受け取れていないと感じた場合、労働基準監督署に相談できるのでしょうか。

(1)労働基準監督署とは

そもそも労働基準監督署とは、労働基準法などに基づいて労働条件や安全衛生の指導、労災保険の給付などをする行政機関です。
労働に関する相談も受け付けており、違法なサービス残業があるようなら、会社に対する行政指導を求めることもできます。

しかし、具体的な残業代の金額を算出して、自分の代わりに残業代を請求してくれることはありません。
労働者である自分の代理人として、残業代の請求権など個別の権利を実現するために交渉して欲しいのであれば、弁護士に依頼することになります。

労働基準監督署について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

労働基準監督署と弁護士、どちらに相談すべき?両者の違いを解説

(2)相談の具体的な方法

まず、最寄りの労働基準監督署を確認し、電話で相談窓口に連絡しましょう。
相談時は、勤務先の名称、所在地、残業代不払いの状況を具体的に説明します。
証拠となる資料(タイムカードのコピーや給与明細など)があれば用意しておくと効果的です。
また、相談は無料で、相談の結果、会社に対する調査や指導を行ってもらうことになった場合にも、費用はかかりません。

(3)匿名での相談は可能か

労働基準監督署に匿名で相談することは可能です。電話や窓口での一般的な相談であれば、名前を明かさずに行えます。
ただし、具体的な調査や是正指導を希望する場合は、実名で申告したほうが効果的でしょう。

匿名相談のメリットは、会社側に知られることなく情報を得られる点です。
一方、デメリットは、詳細な調査や具体的な対応が難しくなる可能性がある点です。
匿名か実名かの選択は、状況に応じて慎重に判断しましょう。

なお、実名で相談しても、労働基準監督官には守秘義務があるため(労働基準法第105条)、誰が通報したのかを外部に漏らすことは基本的にありません。

労働基準監督署への匿名での相談・通報について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

労働基準監督署への匿名通報はバレる?具体的な相談方法についても解説

労働基準監督署への相談前に準備すべきこと

残業代の不払いについて労働基準監督署に相談する前に準備しておきたいことについて、ご説明します。

(1)証拠の収集と記録の重要性

具体的には、タイムカードのコピー、勤務表や給与明細などの保管が重要です。
また、日々の労働時間を自身で記録することも効果的な場合があります。メールやチャットでの業務指示、残業の指示なども証拠となり得ます。
これらの証拠は、労働基準監督署への相談や法的手続きの際に重要な役割を果たすことがありますが、会社の機密情報の持ち出しにはご注意ください。
証拠収集は慎重かつ計画的に行いましょう。

(2)同僚との情報共有と協力

信頼できる同僚と状況を共有し、同様の経験がないか確認してみましょう。
複数の従業員が同じ問題を抱えていることが分かれば、個人の問題ではなく会社の体質的な問題だと証明できることがあります。
また、協力して証拠を収集したり、労働基準監督署への相談や通報を共同で行ったりすることで、より効果的な対応が可能になります。
ただし、情報共有の際は慎重を期し、会社に知られないよう注意が必要です。

残業代請求の時効について

残業代請求の時効は、基本的に支払日から3年です(今後5年に延長される可能性はあります)。
つまり、残業代が支払われるべきだった日から3年以内であれば、過去の未払い残業代を請求することができます。
重要なのは、時効の起算点は個々の残業代の支払日であり、退職日ではないということです。そのため、在職中でも未払い残業代の請求は可能です。

3年といっても意外とすぐに経過してしまうため、できるだけ早い段階での残業代請求をおすすめします。
長期間放置すると、請求できる金額が減少したり、証拠の収集が困難になったりする可能性があります。

残業代請求の時効について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

放っておくと権利が消滅?残業代の時効と更新(中断)について解説

やっておくべき日頃の対策

最後に、残業代が支払われない事態に備えて日頃からしておくべき対策をご紹介します。

(1)労働時間の正確な記録

残業代請求に、労働時間の正確な記録は不可欠です。
毎日の出退勤時間、休憩時間、残業時間を詳細に記録できると良いでしょう。スマートフォンのアプリやエクセルシートを活用すると便利です。
会社のタイムカードと自身の記録に差異がある場合は、その理由も記録しておきます。
また、残業の指示や、その業務内容も可能な限り保存・記録しておくと良いでしょう。これらの記録は、将来の残業代請求や労働基準監督署への相談の際に、有力な証拠となり得ます。日々の些細な記録が、あなたの権利を守る重要な武器となるのです。

(2)労働条件の確認

自身の労働条件を正確に把握することも重要です。
まず、労働契約書や就業規則をよく確認しましょう。特に、労働時間、休憩時間、残業の取り扱い、給与の計算方法に注目します。
不明点があれば、人事部門に質問し、なるべく口頭ではなく書面やメールで回答を得ておくことをおすすめします。
また、給与明細は毎月チェックし、残業代の計算が適切かを確認することも大切です。
労働条件の変更がある場合は、必ず書面での説明を求めるようにしましょう。
自身の権利を守るための第一歩は、労働条件を正確に理解することから始まります。

【まとめ】

残業代の不払いは労働基準法違反であり、決して見過ごすべき問題ではありません。
自身の権利を守るためには、日頃から労働時間を正確に記録し、労働条件をしっかりと確認しておくことが重要です。
同僚と情報を共有しながら、労働基準監督署への相談や通報を検討してもよいでしょう。

個別の残業代請求については、労働問題を取り扱っている弁護士に相談することをおすすめします。時効の問題もあるため、気づいたら早めに行動することが大切です。
残業代を受け取る権利は法律で守られています。
正当な対価を受け取る権利を諦めず、適切な手段で問題解決に取り組みましょう。

残業代請求でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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この記事の監修弁護士
弁護士 山内 涼太

東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。

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