B型肝炎とC型肝炎は、どちらも肝臓に炎症を引き起こすウイルスが原因ですが、「B型肝炎とC型肝炎どちらが怖いのだろう…?」という疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
この問いに対する答えは、実は一概には言えません。なぜなら、それぞれに異なる「怖さ」があるからです。B型肝炎はC型肝炎よりも感染力が強いのに対し、C型肝炎はB型肝炎よりも重症化しやすい傾向にあります。
また、B型肝炎やC型肝炎の疑いがある方に知っておいて欲しいことは、給付金の受け取りに請求期限があるということです。請求期限を過ぎてしまうと、本来受けとるべき給付金を受け取れなくなる可能性があります。
本コラムでは、B型肝炎とC型肝炎の特徴を比較し、それぞれの持つ「怖さ」や、知っておいて欲しい給付金制度についてわかりやすく解説します。
ここを押さえればOK!
どちらの病気も自覚症状に乏しいため、不安がある場合は速やかに検査を受け、早期に適切な対処をすることが重要です。もしB型肝炎ウイルスに感染し、ご自身の感染がB型肝炎給付金制度の対象になるかなど不安な場合は、アディーレへご相談ください。
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B型肝炎の「怖さ」とは?|無自覚のまま感染を拡大させてしまうリスク
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって発症する「ウイルス性肝炎」の一種です。ここでは、B型肝炎の症状やB型肝炎が持つ怖さ、治療法や予防法について簡単に解説します。
(1)B型肝炎の症状とは?
B型肝炎を発症し、急性肝炎や慢性肝炎になると、発熱、倦怠感、黄疸、食欲不振などの症状が現れることがあります(これらの症状はB型・C型を問わず、肝炎に共通して見られるものです)。
また、肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、B型肝炎ウイルスに感染しても自覚症状が出ないケースが多く、知らないうちに重症化して慢性肝炎・肝硬変・肝がんへと病態が進行してしまうおそれもあります(C型肝炎と比べると重症化リスクが低いとされています)。
(2)B型肝炎のキャリア化とは?
B型肝炎は、一度ウイルスに感染すると体内にウイルスが残り続ける「キャリア化」という状態になることがあります。大人になってからB型肝炎ウイルスに感染した場合、免疫が十分に発達しているため、免疫機能が作用し、ウイルスの活動が抑制されることがほとんどです。
一方で、幼少期にB型肝炎ウイルスに感染した場合、免疫が十分に発達していないため、ウイルスをうまく抑制・制御することができずに、長期間に渡って感染(持続感染)したままになってしまうことが多い傾向にあります。この状態を「B型肝炎キャリア化」といいます。
(3)B型肝炎の感染経路と感染力の強さとは?
B型肝炎ウイルスは、C型肝炎ウイルスに比べて感染力が強いとされています 。
主な感染経路は、集団予防接種等における注射器の使い回し、母子感染、性行為、輸血、針刺し事故、刺青や覚せい剤注射の針の再使用などです。
国や病院による対策が講じられたことで母子感染や注射器や輸血による感染リスクは低くなっていますが、性行為や、刺青や覚せい剤注射の針の再使用などによって感染するリスクはいまだに高いといえるでしょう。
(4)B型肝炎の治療は可能?治る病気なの?
B型肝炎ウイルスを完全に取り除くことは、現代の医療では難しいとされています。そのため、薬などによりウイルスの増殖を継続的に抑制することで肝炎の鎮静化や肝臓の線維化の改善をし、B型慢性肝炎や肝がんの発症を予防することが大切です。
(5)B型肝炎は予防できる?B型肝炎ワクチンとは?
B型肝炎には、有効なワクチンが存在します。4~6か月間に3回のワクチンを接種することで、B型慢性肝炎や肝がんの発症を予防できるとされています。
ワクチンの接種により獲得した免疫は少なくとも15年間持続することが確認されています(2016年4月以降の新生児にはワクチン接種が義務化されています)。
C型肝炎の「怖さ」とは?|肝がんに進行しやすい高いリスク
C型肝炎には、B型肝炎とは異なる「怖さ」を持っています。その最大の懸念は、病気が進行すると肝硬変や肝がんへと移行するリスクが大きいことです。
(1)C型肝炎の症状とは?
C型肝炎ウイルスによって肝炎を発症した場合も、B型肝炎と同様に、倦怠感や食欲不振、腹痛、黄疸といった症状が見られます。
(2)C型肝炎のキャリア化とは?肝硬変・肝がんへの進行リスクとは?
C型肝炎ウイルスは大人になってから感染しても、感染が持続化(キャリア化)する可能性が高い傾向にあります。
そして、大人になってからC型肝炎ウイルスに感染し、感染が持続化(キャリア化)すると肝硬変や肝がんになってしまうリスクがB型肝炎よりも高いとされています。
(3)C型肝炎の感染経路と感染力の強さとは?
C型肝炎ウイルスも、B型肝炎ウイルスと同じく血液や体液を介して感染します。C型肝炎ウイルスはB型肝炎ウイルスよりも感染力が弱いとされ、母子感染や性行為による感染、家族間での感染率についても、B型肝炎ウイルスと比較して低いとされています。
一方で、C型肝炎は、輸血や針刺し事故、刺青や覚せい剤注射の針の再使用による感染が見られます。過去には、手術の際に、特定フィブリノゲン製剤や特定血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染したという事例もあります(現在は、輸血による感染はほとんどなくなっています)。
(4)C型肝炎は治る?治療方法とは?
C型肝炎の治療は、飲み薬によるC型肝炎の抗ウイルス治療の主流となっています。
ただし、他の病気があるために使えない薬などもありますので、どういった治療法をとるかは医師と相談する必要があります。
(5)C型肝炎にワクチンがない?予防はできるの?
C型肝炎には、B型肝炎とは異なり、実用化された有効な予防ワクチンはまだありません。
そのため、感染を防ぐには、血液を介した感染リスクを避けるしか方法がないのが現状です。
B型肝炎給付金・C型肝炎給付金の対象かも?国からの給付金を受け取ろう
B型肝炎もしくはC型肝炎だった場合には、国から給付金を受け取れる可能性があります。
(1)B型肝炎給付金
B型肝炎給付金とは、国の集団予防接種の過失を認めた国家賠償訴訟に基づく和解制度です。特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法を根拠としています。
過去の集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染した場合、症状に応じて50万から3600万円のB型肝炎給付金が受け取れる可能性があります。
B型給付金制度において救済対象となるのは、B型肝炎ウイルスに持続感染されている方のうち、(1)7歳に達するまでの間における集団予防接種等(昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までの間に限る)の際の注射器の連続使用により感染された方と(2)その方から母子感染や父子感染した方(これらの方々から母子感染した方や相続人を含みます)です。
(1)については、年齢でいえば、2025年に誕生日を迎えると、37~84歳になる方が対象となりえます。
B型肝炎給付金には請求期限がある
B型肝炎給付金の請求期限は2027年3月31日までです。この日までに訴訟を提起しないと、B型肝炎給付金を受け取れなくなる可能性があります。
まだ時間があると思われた方もいるかもしれません。しかし、提訴に必要な資料を集めるのは、意外と時間がかかったり、時間が経つことによって発症から20年を経過してしまい、もらえる給付金の金額が減ってしまったりする可能性があります。
「B型肝炎給付金の対象かも?」という方は、早めにアディーレにご相談ください。
(2)C型肝炎給付金
血液製剤が原因でC型肝炎ウイルスに感染した場合、国から最大4000万円の給付金をもらえる可能性があります。C型肝炎特別措置法を根拠としています。
C型肝炎給付金制度において救済対象となるのは、特定フィブリノゲン製剤や特定血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染した方(これらの方々から母子感染した方や相続人を含みます)です。
C型肝炎給付金の請求にも期限があります。C型肝炎給付金を受け取るには、2028年(令和10年)1月17日まで に訴訟を提起しなければなりません。早めの行動をおすすめします。
【まとめ】B型肝炎・C型肝炎どちらも怖い|B型肝炎給付金に関するお悩みはアディーレへ
B型肝炎とC型肝炎は、それぞれ異なる「怖さ」を内包しています。C型肝炎は肝がんへの進行リスクが高いリスクがある一方で、B型肝炎は感染力が高いというリスクを抱えています。
もしB型肝炎ウイルスに感染し、ご自身の感染がB型肝炎給付金制度の対象になるか、また、請求手続きをどう進めればよいか不安な場合は、一人で悩まずに、アディーレ法律事務所へご相談ください。






















