「B型肝炎ウイルスってどのようにして人にうつるの?」
B型肝炎ウイルスは、血液や体液を通して、人にうつります。
感染経路の典型例としては、母子感染、注射器の使いまわし、輸血、性行為等が挙げられます。
実は、かつて、40年弱にわたって全国の集団予防接種等で注射器の使いまわしがされ、このために集団予防接種等がB型肝炎ウイルスの感染経路になってしまったことがあります。
これによりB型肝炎ウイルスに感染した方は、国から最大3600万円のB型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
今回の記事では、
- B型肝炎ウイルスの感染経路
- B型肝炎給付金とは?
について、ご説明します。

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。
ここを押さえればOK!
B型肝炎給付金は、集団予防接種等における注射器の使い回しが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した人を対象に最大3600万円が支給されます。 一次感染者(直接感染者)だけでなく、母子感染や父子感染による二次感染者、三次感染者も対象となります。給付金を受け取るためには、1941年7月2日~1988年1月27日までに生まれ、満7歳の誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたことが条件です。
給付金を申請するには、国を被告とする裁判を提起し、持続感染の証拠を提出する必要があります。和解後は「社会保険診療報酬支払基金」に給付金を請求できます。相続人も代わりに給付金を受け取ることが可能です。受給要件を確認し、給付金の申請をご検討ください。
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B型肝炎ウイルスの感染経路
B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。
感染経路として、輸血、注射器の使いまわし、傷口への血液の付着、母子感染などによる感染があげられます。
また、体液を介して感染することもあるため、性行為等によりB型肝炎ウイルスに感染することもあります。
こうした感染経路は、大きく分けて「垂直感染」と「水平感染」に分類されます。
(1)垂直感染
垂直感染とは、HBVに感染している母親から子に感染することであり、母子感染ともいいます。垂直感染には、子が母親の胎内で感染してしまう「胎内感染」と、子が産道で母親の血液に触れることによって感染してしまう「産道感染」があります。
現在、日本においては、「B型肝炎母子感染防止事業」の徹底により、B型肝炎ウイルスの母子感染は大幅に減少しています。
(2)水平感染
水平感染とは、母子感染以外の感染をいいます。
B型肝炎ウイルスは、感染力が強いため、様々な経路で感染してしまうことがあります。水平感染の例としては、注射器の使いまわし、輸血、性行為、ピアッサーの使い回し、歯ブラシや剃刀の共用などあげられます。
また、父親や兄弟姉妹など、母親以外の家族から感染してしまう場合を「家庭内水平」といいます。
もっとも、下記にあげるような場合にはB型肝炎ウイルスはほとんど感染しないと考えられています。
- B型肝炎ウイルス感染者と握手や抱き合う等の行為をした場合
- B型肝炎ウイルス感染者と軽くキスした場合
- B型肝炎ウイルス感染者と食器の共有をした場合
- B型肝炎ウイルス感染者と一緒の入浴した場合 など
そのため、日常生活の場面では、他の人に感染させてしまうことはほとんどありません。

B型肝炎給付金とは?
ここまでは、B型肝炎ウイルスの感染経路についてご説明させていただきました。B型肝炎の感染経路は様々であるということがお分かりいただけたと思います。
ところで、B型肝炎ウイルスの感染経路の1つに全国で実施された集団予防接種等で注射器の使い回しがされたことが原因でB型肝炎ウイルスに感染してしまったケースがあげられます。
現在、国は、幼少期に受けた集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染してしまった方を対象として、最大3600万円のB型肝炎給付金を支給しています。
(1)B型肝炎給付金の対象者
集団予防接種等を直接の原因としてB型肝炎ウイルスに持続感染した「一次感染者」だけでなく、次の方もB型肝炎給付金の対象者になります。
- 一次感染者から母子感染・父子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染した「二次感染者」の方
- 「二次感染者」から母子感染・父子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染した「三次感染者」の方(※ただし、母子感染が原因でB型肝炎ウイルスに感染した二次感染者から母子・父子感染した三次感染者のみが対象となっています)
一次感染者、二次感染者、三次感染者の各相続人も代わりにB型肝炎給付金を請求することができます。

(2)B型肝炎給付金の要件
次の要件をいずれも満たす方が、B型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
- 一次感染者が、1941年(昭和16年)7月2日~1988年(昭和63年)1月27日までに生まれていること
年齢でいえば、2024年に誕生日を迎えると、36~83歳になる方が、一次感染者の対象となる可能性があります。
- 一次感染者が、集団予防接種等を受けたのが満7歳の誕生日の前日まで
満7歳の誕生日の前日までに、集団予防接種等を受けている方が対象となります。
- 一次感染者、二次感染者、三次感染者であること
一次感染者
集団予防接種等における注射器の使い回しによってB型肝炎ウイルスに持続感染した方(※)
※1948年(昭和23年)7月1日~1988年(昭和63年1月27日)までの間に、集団予防接種等を受けたことを証明できれば、特段の事情がない限り、注射器の使いまわしがあったと認められます。
二次感染者
一次感染者の子で、母子感染や父子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染した方
三次感染者
二次感染者の子で、二次感染者から母子感染や父子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染した方(※ただし、母子感染が原因でB型肝炎ウイルスに感染した二次感染者から母子・父子感染した三次感染者のみが対象となっています)
(3)B型肝炎給付金をもらうための手続き
B型肝炎給付金をもらうためには、国を被告とする裁判を提起し、集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染してしまったことを示すための資料を提出する必要があります。
この裁判の中で和解した方は、「社会保険診療報酬支払基金」に対し、B型肝炎給付金の請求をできるようになります。
B型肝炎給付金制度について詳しくは、こちらをご覧ください。
B型肝炎訴訟の必要書類について詳しくは、こちらをご覧ください。
B型肝炎給付金は、相続人が被相続人(B型肝炎ウイルスに持続感染してしまった患者様)に代わり受け取ることも可能です。
B型肝炎請求について詳しくは、こちらをご覧ください。
B型肝炎ウイルスに感染している方は、B型肝炎給付金をもらえる可能性がありますので、受給要件などを必ずチェックしておきましょう。
参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省
【まとめ】B型肝炎ウイルスは血液や体液を通してうつる
本記事をまとめると次のようになります。
- B型肝炎ウイルスは、主に、血液を通してうつる。また、ウイルスの増殖が活発なときは、体液を通してもうつることがある。
- B型肝炎ウイルスの感染経路の典型例としては、母子感染、注射器の使いまわし、輸血、性行為等が挙げられる。
- B型肝炎給付金制度とは、幼少期に受けた集団予防接種等が原因でB型肝炎ウイルスに持続感染してしまった方またはそのご遺族に対して、最大3600万円の給付金を支給する制度。
集団予防接種は多くの方が受けており、注射器の使い回しは全国で行われていました。
このため推計40万人以上の方が、B型肝炎ウイルスに持続感染したといわれています。
あなたも対象かもしれません。
1941年(昭和16年)7月2日~1988年(昭和63年)1月27日までに生まれた方はご自身が対象であるか確認することを、特にお勧めします。
アディーレ法律事務所はB型肝炎訴訟の資料収集の代行(※)から、B型肝炎訴訟、同給付金の申請まで全て代わりに行います。
(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。
また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・給付金請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は給付金受け取り後の後払いとなっております。
そのため、当該事件についてアディーレ法律事務所にご依頼いただく場合、あらかじめ弁護士費用をご用意していただく必要はございません。
さらに、弁護士に依頼して、B型肝炎訴訟で和解した場合には、国から弁護士費用の一部として、訴訟手当金(給付金の4%)が支給されます。
※以上につき、2024年8月時点
B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
