「B型肝炎給付金って、どれくらいの確率でもらえるの?」
実は、B型肝炎訴訟を提起した原告の内、約83.8%もの方が和解しています(2024年1月31日時点)。
そして、この「原告」の中には、B型肝炎訴訟「中」の方も多数含まれているため、B型肝炎訴訟を提起して和解できる確率は更に高いものと推測されます。
しかし、B型肝炎に感染した被害者全体(※)の内、和解した方は、約25.2%にとどまっている可能性があります(同日時点の推計)。
※幼少期に受けた集団予防接種等で、注射器が連続使用されたことによって、B型肝炎ウイルスに長期間に渡って感染状態を維持してしまった方
これらの和解率からは、自身がB型肝炎給付金の対象になることを知らない方が多くいると推測されます。
この記事では、次のことについて弁護士が解説します。
- B型肝炎訴訟の概要
- 訴訟提起から給付金を受給するまでの期間
- B型肝炎訴訟における和解率
ここを押さえればOK!
給付金の対象者は、一次感染者(集団予防接種で感染)、二次感染者(一次感染者の親から感染)、三次感染者(二次感染者の親から感染)およびその相続人です。2024年1月時点で、訴訟提起した約12万541人中約10万955人が和解しており、和解率は約83.8%です。
訴訟の手続きは次の通りです:
証拠を集める:医療機関から証拠を収集。 国家賠償請求訴訟を起こす:国を相手に訴訟を提起し、和解協議を行う。 請求書を提出:和解後に社会保険診療報酬支払基金に請求書を提出。 給付金の支給:和解後2~3ヶ月で給付金が支給される。 訴訟提起から和解まで約1年~1年半、給付金受給まで2~3ヶ月かかります。手続きを自分で行うことも可能ですが、専門知識や多大な労力が必要です。弁護士に依頼するかどうかは個々の状況に応じて判断する必要があります。
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香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。
B型肝炎訴訟とは?
B型肝炎訴訟とは、「幼少期に受けた集団予防接種等(集団接種の方法により実施された予防接種又はツベルクリン反応検査)で、注射器が連続使用されたことによって(※)、B型肝炎ウイルスに持続感染(長期間に渡って感染状態を維持してしまった方)した」として、感染被害者及びその遺族の方々が、国に対して損害賠償を求めている訴訟です。
こうしたB型肝炎訴訟が提起される中、2006年、国の損害賠償責任を認める最高裁判所判決が出ました。
その後、国と原告との間で基本合意書が交わされ、和解するための要件や、支払われる給付金の金額などが合意されました。そしてこの合意に基づき、給付金等を支給することを定めた「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が施行されたのです。この法律により、症状によって国から50万~3600万円の給付金を受けることができるようになりました。
この給付金の請求期限は、現在のところ2027年3月末までとなっています。
※この注射器の連続使用に関し、国に過失があったと認められている期間は、1948年7月1日~1988年1月27日までの間です。
参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省
B型肝炎の給付金の受給対象者とは?
B型肝炎の給付金の受給対象者となるのは、次のいずれかに該当する方です。
- 集団予防接種等の際注射器の連続使用でB型肝炎ウイルスに感染した方(一次感染者)
- 一次感染者である親から、B型肝炎ウイルスがうつった方(二次感染者)
- 一次感染した祖母から、親にB型肝炎ウイルスがうつり(二次感染)、その親からさらにB型肝炎ウイルスがうつった方(三次感染者)
- 上記感染者の相続人の方

B型肝炎訴訟和解率はどのくらい?
法務省によると、2024年1月31日時点で、これまでの原告数は合計12万541名に上ります。
そのうち10万955名の原告と和解が成立しました。
これは、訴訟提起した方の内、約83.8%もの方が和解したということになります(和解が成立した10万955名÷原告数12万541名)。
この「訴訟提起した方」には、B型肝炎訴訟「中」の方も多数含まれているため、B型肝炎訴訟を提起して和解できる確率は更に高いものと推測されます。
このように訴訟提起後のB型肝炎訴訟の和解率は高いですが、実は、B型肝炎給付金をもらえる可能性があることに気づいていない方が多いのではないかと推測される状況にあります。
というのも、国内のB型肝炎の持続感染者は、推計110万~140万人存在するとされています。
そして、1948~1988年までの間に受けた集団予防接種等の際に、注射器が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方は、最大で40万人以上いるとされています。
国の過失によるB型肝炎の感染被害者が40万人とすると、和解率は、約25.2%(和解が成立した10万955人÷推計感染被害者数40万人)となりますので、B型肝炎の感染被害者数全体からすれば和解率は決して高いとはいえません。
この和解率の低さは、自身がB型肝炎給付金を受け取ることのできる対象であることを知らない人が多いことが原因の一つと考えられます。
参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省
B型肝炎訴訟の手続きとは?
次に、B型肝炎訴訟の手続きについて解説します。
(1)証拠を集める
国との和解の条件を満たしているのか証明するため、医療機関などから証拠(カルテなど)を集める必要があります。
(2)国家賠償請求訴訟を起こす
証拠を集めたら、国を相手とする国家賠償請求訴訟を提起します。
その後、裁判所の仲介の下で和解協議を行うことになります。
訴訟提起後、追加で資料提出が必要な場合もあります。
和解できる要件を満たしている場合は、国と和解調書を取り交わすことになります。
(3)請求書を社会保険診療報酬支払基金に提出する
和解しただけではB型肝炎の給付金を受け取ることができません。
B型肝炎の給付金を受け取るためには、給付金の支払いを求める請求書と、必要な添付書類を、「社会保険診療報酬支払基金」というところに提出する必要があります。
(4)給付金が実際に支給されるまでの期間
事案によって異なりますが、訴訟提起から和解するまで、1年~1年半かかることが多いです。
そして、和解後、社会保険診療報酬支払基金に請求書等を提出してB型肝炎の給付金を受け取るまで2~3ヶ月程度かかることが多いです。

B型肝炎訴訟は自分だけでできる?
B型肝炎訴訟の手続きは自分でおこなうことも可能です。
弁護士に依頼することなく、自分だけで手続きを進めることができれば、弁護士費用の節約にもなります。
ただし、証拠集めには、専門知識が必要になりますし、多大な労力や時間をかけなければならないケースも少なくありません。また、国を相手に国家賠償請求訴訟という裁判を提起した上で、期日には出廷し、国との和解協議に対応する等の必要もあります。
想像していた以上に手続きを進めることが難しく、時間がかかることから、自分だけで手続きを進めてみたものの、結局請求を断念してしまったというケースもあります。
B型肝炎訴訟を自分だけで行うか、弁護士に依頼するか迷っている方については、次の記事をご覧ください。
【まとめ】B型肝炎訴訟を提起した人の和解率は約83.8%
今回の記事をまとめると次のようになります。
- B型肝炎訴訟を提起した原告の内、約83.8%もの方が和解して給付金を受給している(2024年1月31日時点)
※この「原告」の中には、B型肝炎訴訟「中」の方も含まれているため、B型肝炎訴訟を提起して和解できる確率は更に高いものと推測される。 - もっとも、B型肝炎に感染した被害者全体(※)の内、和解した方は、約25.2%にとどまっている可能性あり(同日現在の推計)。
※幼少期に受けた集団予防接種等で、注射器が連続使用されたことによって、B型肝炎ウイルスに長期間に渡って感染状態を維持してしまった方 - このことから、B型肝炎の持続感染者であるが、給付金の受給対象者であるとは気づいていない方が多く存在すると推測される
- B型肝炎訴訟を提起してから給付金を受給するまで、個人差はあるが、おおよそ1年~1年半程度かかることが多い
- B型肝炎訴訟を弁護士に依頼することなく自分だけで行うことも不可能ではない。ただし、手続きを進めるには、専門知識が必要になるし、多大な時間や労力が必要になる場合も少なくない
アディーレ法律事務所は B型肝炎訴訟の資料収集の代行(※)から、B型肝炎訴訟、同給付金の申請まで全て代わりに行います。
(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。
また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・給付金請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は給付金受け取り後の後払いとなっております。B型肝炎給付金の支給が決定すれば、和解協議にあたり、弁護士等に報酬を支払った方に対して、各給付金額の4%の額が訴訟手当金として国から給付されます。
※以上につき、2024年8月時点
アディーレ法律事務所では、 B型肝炎に悩まれている方を一人でも多く手助けしたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談を心からお待ちしております。
B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
