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死を招く危険なアスベスト(石綿)にかかわる仕事……職業がんについて

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日本人の死因の中で最も多いがん。
その中でも、男性は肺がん、女性は大腸がんで亡くなる方が多くいます。

厚生労働省の統計によれば、2020年の部位別のがんの死亡者数は、男性は肺がん(気管、気管支がん含む)が第1位、女性は大腸がんが第1位となっています。

がんになる要因には、さまざまなものが考えられます。
たばこやお酒はがんを誘発するものとして有名ですが、今回の記事では「職業がん」を採りあげて、職業とがんの関連性について解説します。

参照:令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況 14頁|厚生労働省

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

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石綿健康被害救済法や労災保険の給付を受けている方でも、賠償金の対象になります!

職業がんとは

職業がんとは、発がん性のある化学物質を仕事中に皮膚や口から体内に吸収してしまい発症する職業病です。
特定の環境で働いている人たちに、同じタイプのがんが多発することが報告されています。
たとえば福井県のある化学工場では、複数人の労働者が膀胱がんにかかりました。2016年12月、厚生労働省の検討会による調査、検討を経て、「オルトートルイジンのばく露業務に10年以上従事した労働者で、ばく露開始後10年以上経過して発症した膀胱がんについては、業務が相対的に有力な原因となって発症した蓋然性が高い」と公表されました。

その後労災も認定されています。

参照:膀胱がんとオルトートルイジンのばく露に関する医学的知見を公表します|厚生労働省

普通に生活していて多く発症するのが肺がん、大腸がん、胃がんであるのに対して、職業がんでは皮膚がんや膀胱がん、肺がんが多いのが特徴です。

職業がんは、若年のうちに発症する場合もありますが、長期間の潜伏期間を経て初めて発症する場合もあります。そのため、勤務期間中に発症するとは限らず、離職後しばらく経ってから初めて発症することもあります。なお、病理組織変化や症状、治療については、一般のがんと変わりません。

アスベストによる中皮腫、肺がんは、現代における職業がんの一種です。
2014年に発行されたWHO(世界保健機構)の書籍「クリソタイルアスベスト」によると、世界で少なくとも年間10万7000人もの人々が、アスベストを原因とする職業ばく露の肺がん、中皮腫、石綿肺で亡くなっています。

アスベストとは、天然の繊維状けい酸塩鉱物の総称です。クリソタイル、アモサイト、クロシドライト等に分類されます。

アスベストを原因とする病気について、詳しくはこちらの記事をお読みください。

アスベストが原因で発症する可能性がある病気ともらえる補償・賠償金について

参照:クリソタイル アスベスト|世界保健機構出版 公益財団法人大原記念労働科学研究所

がんになりやすい職業

WHO(国際保健機構)の一機関であるIARC(国際がん研究機関)は、発がん性物質を4グループに分類しています。例えば、アルコール飲料はグループ1に分類され、人に対する発がん性の十分な証拠があるとされています。グループ1に分類された発がん性物質にばく露する仕事は、がんになりやすい職業と言えるかもしれません。

また、労働基準法施行規則別表第1の2の七では、21種類の職業がんについて労災補償の対象としていますので、ここで掲げられている物質にさらされる仕事も、癌になりやすい職業と言えるかもしれません。

21種類の職業がんのうち一部を紹介します。

  • ベンジジンにさらされる業務による尿路系腫瘍
  • ベンゼンにさらされる業務による白血病
  • アスベスト(石綿)にさらされる業務による肺がん又は中皮腫
  • 塩化ビニルにさらされる業務による肝血管血種又は肝細胞がん
  • ジクロロメタンにさらされる業務による胆管がん
  • コークス又は発生炉ガスを製造する工程における業務による肺がん

参考:国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について|農林水産省
参考:労働基準法施行規則|e-Gov 法令検索

特にアスベストによってがんにかかりやすい仕事としては、次のものが挙げられます。

  • アスベスト鉱山での労働
  • アスベスト製品の製造、加工
  • アスベスト原料・製品の袋詰め、運搬作業
  • 耐火建造物の鉄骨への吹きつけ作業
  • 耐火建築内の電気配線工事、配管工事
  • 古い建築物の補修、解体
  • 造船、船舶の修理、自動車修理

雇用者は、労働者が安全に働ける環境を提供しなければなりません。
しかし、化学物質の有害性が十分に確認できていないこともあります。そのため、残念ながら被害が起きてから対策する後追い状態になってしまっています。

定期的な健康診断を受けて、対象となる補償を確認することが重要!

職業がんは、潜伏期間が長いのが特徴なので、退職してもその後の定期的な健康診断が重要です。
粉じん作業、アスベストの取り扱いの業務などで健康被害を受けた方は、検査によって、一定の症状が認められると、無料で健康診断を受けられる健康管理手帳をもらうことができます。

健康管理手帳をもらえると、指定の医療機関で、一定の項目についての健康診断を年2回(じん肺については年1回)受けることができます。

参照:健康管理手帳とは?|厚生労働省

また、労災などの補償を受けられるほか、労災の補償対象外であっても、一定要件を満たせば、「石綿による健康被害の救済に関する法律」(石綿健康被害救済法)に基づく給付金を受け取ることができる可能性があります。

アスベストが原因で仕事柄発症してしまったがんですが、必要な健康診断を受けたり、補償や給付を受けたりするなど、自分の身はしっかり自分で守る必要があります。

アスベストによる健康被害について、労災保険と石綿健康被害救済法について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

石綿健康被害救済法とは?労災保険給付と二重に給付できる?

また、アスベスト工場での作業が原因でアスベスト被害に遭われた方(またはそのご遺族)や、アスベスト建材を用いて建設作業に従事したことが原因でアスベスト被害に遭われた方(またはそのご遺族)については、労災保険や石綿健康被害救済制度による救済のほか、国や企業から賠償金や給付金を受け取ることができる可能性があります。

労災保険や石綿健康被害救済制度への申請について弁護士に相談してみたら、実は、賠償金や給付金の対象者でもあったということが判明するケースもあるようです。

アスベスト工場での作業やアスベスト建材を用いた建設作業に従事されていた方は、一度弁護士に相談してみましょう。

【まとめ】アスベストによる職業がんは労災の対象になったり、法律に基づく賠償金・給付金を受け取れる可能性がある

本記事のまとめは次のとおりです。

  • 職業がんとは、発がん性のある化学物質を仕事中に皮膚や口から体内に吸収してしまい発症する職業病
  • アスベストによる中皮腫、肺がんは、現代における職業がんの一種
  • 粉じん作業、アスベストの取り扱いの業務などで健康被害を受けた方は、無料の健康診断や、労災保険、労災保険の対象とはならくても石綿健康被害救済法に基づく給付金を受け取れる可能性がある
  • アスベスト工場での作業が原因でアスベスト被害に遭われた方(またはそのご遺族)や、アスベスト建材を用いて建設作業に従事したことが原因でアスベスト被害に遭われた方(またはそのご遺族)については、労災保険や石綿健康被害救済制度による救済のほか、国や企業から賠償金や給付金を受け取ることができる可能性がある

アスベストによる健康被害を抱えながら、ご自身で請求手続きを取ることは簡単ではありませんし、精神的なストレスもあるでしょう。

また、健康被害を受けた方が残念ながらお亡くなりになられた場合、悲しみを抱えて様々な手続きをしなければならないご遺族が、請求手続きまでするのは大変なことです。

そこで、アスベストの健康被害でお悩みの(元)労働者・ご遺族の方は、弁護士に相談することをお勧めします。

アディーレ法律事務所では、アスベスト請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は賠償金受け取り後の後払いとなっております。

そのため、当該事件をアディーレ法律事務所にご依頼いただく場合、原則としてあらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

※以上につき、2022年10月時点

アスベスト被害に遭われた方またはそのご遺族の方は、アスベスト被害に積極的に取り組んでいるアディーレ法律事務所にお気軽にご相談ください。

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