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交通事故後に自律神経失調症の症状が出た場合に後遺障害に認定されるポイントは?

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

交通事故による後遺症は後遺障害として認定されると、加害者やその保険会社に対して、後遺症が残ったことについての慰謝料などを請求できるようになります。

交通事故後の自律神経失調症も、後遺障害として認定される可能性があります。

もっとも、自律神経失調症は外から見えづらい精神症状であるため、後遺障害として認定されるのは難しいのが実情です。

そこで、自律神経失調症についてきちんと慰謝料や賠償金を受け取れるように、自律神経失調症の後遺障害認定のポイントを知っておきましょう。

この記事では、次のことについて弁護士が詳しく解説します。

  • 自律神経失調症の症状と原因
  • 自律神経失調症と後遺障害認定
  • 後遺障害認定を受けるためのポイント
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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交通事故後の自律神経失調症の症状

交通事故でケガを負った後に感じる「だるさ」や「倦怠感」といった自律神経失調症の症状は、長引いて後遺症として残ることがあります。

ここではまず、自律神経失調症の症状や原因について説明します。

(1)自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状の総称をいいます。

  • 交感神経:主に活動中に働くもの
  • 副交感神経:主に眠っている時や休息時に働くもの

身体のホルモンバランスは、交感神経と副交感神経が入れ替わることにより保たれていますが、これらのバランスが崩れると、頭痛や動悸などの身体的な症状やイライラや不安感といった精神的な症状が出ることがあります。

これらの症状を総称して自律神経失調症をいいます。

自律神経失調症の具体的な症状としては、次のとおり、多岐にわたります。

【身体的なもの】
  • 疲労感
  • 倦怠感
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 動悸
  • 息切れ
  • 不眠
【精神的なもの】
  • イライラする
  • 不安感
  • 気分の落ち込み
  • 情緒が安定しない           など

(2)交通事故後の自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因としては交通事故による精神的なストレスが挙げられますが、むち打ち症などの身体的な外傷によって引き起こされることもあります。

例えば、交通事故で頸椎(=首の骨)に強い衝撃を受け、交感神経に異常を来たすこと(むち打ち)によって自律神経失調症の症状が生じるケースです。

これをバレー・リュー症候群といい、受傷後2~4週間ほど経過してから疲労感・倦怠感などが現れ、3ヶ月~半年ほど経過しても症状が治まらないことから判明することがあります。

自律神経失調症が後遺障害認定されるための要件

「後遺障害」とは、後遺症の部位と程度・深刻度によって、1~14級(および、要介護の1級・2級)の等級に分類されているものをいいます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

交通事故により、自律神経失調症の後遺症が残った場合は、12級または14級に認定される可能性があります。

  • 12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
  • 14級9号「局部に神経症状を残すもの」

ここで、自律神経失調症が後遺障害認定されるための要件について説明します。

(1)後遺障害認定のために前提となる3つの要件

後遺障害の等級認定を受けるためには、どの等級かに関わらず、まずは次の3つの要件を満たす必要があります。

  • 交通事故と自律神経失調症の間に因果関係があること
  • 医師により、自律神経失調症について症状固定(=これ以上治療しても改善も悪化もしないこと)の診断を受けること
  • 医師により自律神経失調症について後遺障害診断書を作成してもらうこと

交通事故と自律神経失調症について間に因果関係があるとは、交通事故のショックやケガにより自律神経失調症になった場合をいい、交通事故以外にも自律神経失調症になった原因がある場合は含みません。

後遺障害診断書とは後遺障害認定の手続きに必要な書類をいいます。後遺障害診断書について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

後遺障害診断書書式について解説!作成方法や手続きに関しても説明

(2)後遺障害12級13号に認定される要件

後遺障害12級13号の認定を受けるためには、「局部に頑固な神経症状を残すもの」に当たる必要があります。

「頑固な神経症状を残すもの」とは、神経症状がレントゲンやMRI検査などによる画像診断(=他覚症状)などによって医学的に客観的な証明ができている場合をいいます。

そのため、後遺障害12級に認定されるためには、精密検査を受けることが大事になります。また、交通事故と後遺症との間の因果関係を証明するため、事故直後から通院し、定期的に撮影するのがポイントです。

(3)後遺障害14級9号に認定される要件

後遺障害14級9号の認定を受けるためには「局部に神経症状を残すもの」に当たる必要があります。

「局部に神経症状を残すもの」とは、レントゲンやMRI検査などの精密検査で異常が見られなくても、神経症状について医学的に合理的な説明ができる場合をいいます。

医学的な説明できるというのは、事故後、症状が一貫していることなどを指します。
そのため、事故後すぐに受診し、医師に対して症状を詳しく説明しておくことが重要です。

なお、自律神経失調症は疲労や倦怠感といった自覚症状が中心となるため、後遺障害と認定されるのが難しい部類に入ります。

例えば、自律神経失調症の症状が自覚症状によるだけで、MRI検査やCT検査などの精密検査で異常が見られず、また医学的な説明もできない場合、残念ながらいずれの後遺障害等級にも「非該当(認定されない)」ということになります。

また、治療期間が短い場合(6ヶ月未満)、通院を長期間(4週間以上)中断している場合にも「非該当(認定されない)」となることがあります。

自律神経失調症の後遺障害等級認定の2つのポイント

自律神経失調症は疲労や倦怠感といった外から目に見えにくい症状が中心であるため、後遺障害と認定されるのが難しい部類に入ります。

自律神経失調症の後遺障害等級認定のためには次のポイントに気を付けるようにしましょう。

  1. 専門医の治療を受ける
  2. 後遺障害診断書の内容を確認する

それぞれ説明します。

(1)専門医の治療を受ける

事故直後に、専門医の診察を受け、必要な検査を受けるようにします。

例えば、事故から何日も経過した後に病院を受診すると、事故から受診までに別の原因で自律神経失調症となったのではないかと疑われ、事故と後遺症との因果関係が否定されるおそれがあります。

事故直後から専門医の診断や治療を受けることをおすすめします。
事故当初診察を受けた医師から紹介を受けたり、転院することもできますので、自身の症状に応じた適切な専門医の診断を受けられるようにしましょう。

(2)後遺障害診断書の内容を確認する

医師に後遺障害診断書を記載してもらったら、自分の症状について詳しく記載されているか、検査結果について正確に記載されているかなど、記載内容をしっかりと確認するようにしましょう。

後遺障害診断書は、後遺障害認定の審査のために提出した後に修正することはできませんが、提出前であれば、書いてもらった後遺障害診断書を書き直してもらうことも可能です。

交通事故が原因の自律神経失調症の慰謝料はどうなる?

最後に、自律神経失調症が後遺障害として認定された場合の後遺障害慰謝料の相場について見ていきましょう。

まず、前提として、慰謝料の金額を決める3つの基準を知っておきましょう。どの基準を使うかによって慰謝料の金額が大きく異なります。

慰謝料算定基準概要
自賠責の基準自賠責の基準は、自動車保有者が加入を義務付けられている「自賠責保険」で採用されている基準です。
自賠責の基準は被害者への最低限の補償を目的として設けられているので、慰謝料の基準額は基本的に3つの算定基準のうち最も低くなります。
ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合などは、自賠責の基準が最も高額となることもあります。
任意保険の基準 任意保険の基準は、各保険会社が独自に設定している非公開の算定基準です。
加害者側の任意保険会社は、通常は任意保険の基準をもとにして慰謝料を提示してきます。基準額は、自賠責の基準と同程度か、やや高い程度であると推測されます。
弁護士の基準弁護士の基準は、過去の裁判例をもとに設定された基準です。弁護士に示談交渉を依頼した場合などに使われる算定基準です。
弁護士の基準による慰謝料金額(目安)は3つの算定基準のうちでは基本的に最も高額となります。

3つの基準の金額(目安)を比べると、次のようになることが一般的です(例外あり)。

そして、後遺障害12級または14級が認定された場合の後遺障害慰謝料(目安)を、自賠責の基準と弁護士の基準で比べてみると、下の表のようになります。

後遺障害12級後遺障害14級
自賠責の基準94万円32万円
弁護士の基準290万円110万円
差額196万円78万円

(2020年4月1日以降に起きた事故で、ご自身に過失がない場合)

12級・14級いずれの場合にも、あくまで目安の金額ではありますが、弁護士の基準のほうが自賠責の基準よりも3倍以上の金額になることがお分かりでしょう。

弁護士の基準を利用して慰謝料などを算定するためには、弁護士へ依頼を検討しましょう。
被害者本人が加害者側の保険会社と示談交渉すると、通常、加害者側の保険会社は、自賠責の基準や任意保険の基準による低い慰謝料額を提示してきます。これに対し、弁護士が被害者本人に代わって示談交渉や裁判を行う場合は、最も高額となる弁護士の基準で算定しますので、弁護士の基準に近づけた形での示談が期待できます。

弁護士への依頼について詳しくは、こちらをご覧ください。

さらに、弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書を書いてもらう際に、等級認定に有利なポイントについて弁護士からアドバイスを受けることができます。また、症状固定前に弁護士と医師とが連携することで、等級認定に必要な検査や治療を受けることができ、後遺障害等級の申請に必要な資料を的確に収集できます。

【まとめ】自律神経失調症についても後遺障害認定される可能性がある!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 自律神経失調症とは、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状の総称をいい、むち打ち症によっても発症する場合がある。
  • 後遺障害認定してもらうために前提となる3つの条件
  • 交通事故と自律神経失調症の間に因果関係があること
  • 医師により、自律神経失調症について症状固定(=これ以上治療しても改善も悪化もしないこと)の診断を受けること
  • 医師により自律神経失調症について後遺障害診断書を作成してもらうこと
  • 自律神経失調症の後遺症が残った場合に認定される可能性がある後遺障害等級
  • 12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
    ⇒神経症状がレントゲンやMRI検査などによる画像診断(=他覚症状)などによって医学的に客観的な証明ができている場合
  • 14級9号:局部に神経症状を残すもの
    ⇒レントゲンやMRI検査などの精密検査で異常が見られなくても、神経症状について医学的に合理的な説明ができる場合
  • 自律神経失調症が後遺障害認定された場合の慰謝料の相場(目安)
  • 後遺障害12級
    自賠責の基準:94万円 弁護士の基準:290万円
  • 後遺障害14級
    自賠責の基準:32万円 弁護士の基準:110万円

後遺障害認定の申請にはポイントがあります。後遺障害認定の申請手続きを弁護士に任せることで、弁護士が、診断書の記載内容をチェックしたり、提出する資料を精査したりしますので、適切な後遺障害等級認定の可能性をさらに高めることができます。

交通事故被害による自律神経失調症でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年8月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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