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自転車ニケツ(二人乗り)は違法?罰則や自転車の違法行為を解説

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リーガライフラボ

「公道で自転車ニケツ(二人乗り)している人をよく見かけるけど、ニケツってしても良いの?」

公道でよく見かける次のような自転車ニケツ。

  • 母親が子どもを幼児用の座席に乗せて幼稚園へと急ぐシーン
  • 彼氏が彼女を荷台に乗せて青春を謳歌しているシーン

実は、自転車のニケツは、法令により原則として禁止されています。前者は適法な可能性がありますが、後者は違法です。
今回は、「自転車ニケツの適法性」について弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

自転車ニケツは違法

複数人が乗れるように設計されたタンデム自転車ならともかく、一人用の自転車に2人で乗ると思わぬ事故を起こしかねません。

そのため、自転車ニケツは道路交通法57条2項に基づき、各都道府県の公安委員会が定めた道路交通規則で原則禁止とされています。

たとえば、東京都道路交通規則10条1項には、次のように規定されています。

法第57条第2項の規定により、軽車両の運転者は、次に掲げる乗車人員又は積載物の重量等の制限をこえて乗車をさせ、又は積載をして運転してはならない。
(1) 乗車人員の制限は、次のとおりとする。
ア 二輪又は三輪の自転車には、運転者以外の者を乗車させないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

引用:東京都道路交通規則10条1項

道路交通法57条2項の規定に基づく公安委員会の定めに反して自転車ニケツをした場合には、2万円以下の罰金又は科料に処せられるおそれがあります(道路交通法121条2項1号)。

また、自転車でニケツをしている時に交通事故が起きた場合、過失割合を算定するにあたって、自転車側の「著しい過失」として不利に考慮される可能性があります。

自転車二人乗りが違反とならない例外

自転車の二人乗りが違法にならないケースは、各都道府県の公安員委員会の規則で規定されています。例えば、東京都道路交通規則10条1項では、自転車ニケツが適法になるケースは次のとおりです。

  • 16歳以上の運転者が幼児用座席に、小学校就学の始期に達するまで(※)の子ども1人を乗車させるとき
  • 16歳以上の運転者が幼児2人同乗用自転車の幼児用座席に、小学校就学の始期に達するまでの子ども2人を乗車させるとき
  • 一定の条件の下でタンデム車に乗って走行するとき

参照:東京都道路交通規則|東京都

(※)「小学校就学の始期に達するまで」とは、具体的には小学校入学前の3月31日までという意味です。

以前は、子どものニケツが許されるのは「6歳未満の幼児」でしたが、保育園や幼稚園に通園させる際に子どもを自転車に乗せられないと不便であるとの都民の要望などから、「小学校就学の始期に達するまで」に変更されました。

なお、自転車の前後に2人を乗せ、そのうえ1人をおんぶして自転車に乗ることは許されません。

子どもと一緒に自転車に乗る場合に許されるケースと禁止されるケースを再度確認してみましょう!

【東京都で子どもと一緒に自転車に乗る場合】

幼児(6歳未満)を幼児用座席に乗せない場合には、「確実に背負って」いなければいけませんので、幼児を前抱っこして自転車に乗ることはできません!

子どもを乗せるときにはヘルメットをかぶらせましょう!

幼児用座席に子どもを乗せる場合には、ヘルメットをかぶらせてください(道路交通法63条の11)。
2022年7月時点では子供にヘルメットをかぶらせるのはあくまでも努力義務ですが、子どもを事故から守るためには必ず装着するのがいいでしょう。

後でご説明する「自転車の安全利用五則」にも子どもにヘルメットを着用させることが規定されています。
ヘルメットが前後にかけて水平になるように、また、前後左右にずれないようにしてあげるのがポイントです。

子どもは日々成長するものなので、子どもがヘルメットに窮屈さを感じるようになったら、新しくしましょう。

自転車の主な違反と罰則事例

自転車は、道路交通法上の「軽車両」に当たりますので、道路交通法で定められたルールを守らなくてはいけません。

道路交通法では、自転車ニケツ禁止以外にも、自転車を運転するときのルールと違反した場合の、刑事罰(懲役や罰金など)が定められています。
特に注意したいのが、自転車には反則金の制度がないことです(道路交通法125条参照)。
つまり、自転車乗車中に違反行為をすると、直ちに刑事処分が科されるおそれがあります。
ここでは代表的なものをご紹介します。自動車を普段運転していない人にとっては忘れがちなルールもあるので、今一度復習しておきましょう。

(1)信号無視

自転車は、信号に従わなければなりません(道路交通法7条)。
違反すると、3ヶ月以下の懲役(※)または5万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

※2022年6月の刑法改正で懲役、禁錮が廃止され、拘禁刑に一本化されました。改正刑法は2025年頃までに施行される予定です。

(2)飲酒運転の禁止

お酒を飲んで自転車に乗ってはいけません(道路交通法65条1項)。
さらに、アルコールの影響で正常な運転ができないような状態で自転車を運転すると、「酒酔い運転」として5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

(3)一時停止違反(指定場所)

一時停止の標識や標示のある場所では、自転車も必ず一時停止をしなければなりません(道路交通法43条)。
違反すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

(4)ながら運転の禁止

携帯電話を操作しながら、あるいは、傘をさしながらなど片手による「ながら運転」をしてはいけません(道路交通法70条、71条、及び各都道府県の道路交通法施行細則)。また、ヘッドフォンで音楽を聴きながら運転することも禁止されていることが多いので、注意しましょう。
違反すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

(5)2台並んでの走行禁止

自転車は、並進可の標識のある道路を除き2台以上で並列走行してはいけません(道路交通法19条)。
違反すると、2万円以下の罰金または科料が科せられるおそれがあります。

自転車で並列走行して良いのは、次の標識があるところだけです!

引用:道路標識一覧|国土交通省

(6)車道通行

自転車は、歩車道の区別のある道路では、原則として車道を通行しなければなりません(道路交通法17条1項)。
違反すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

自転車で歩道を通行できるのは、運転手が13歳未満や70歳以上の方の場合や、車道や交通状況からみてやむを得ない場合、下記の道路標識で指定されている場合などです。
なお、車体の大きさ等によっては、上記のような場合でも歩道を通行できないケースがあります。

引用:道路標識一覧|国土交通省

(7)左側通行等

自転車は、道路の中央から左の部分を通行しなければなりません(道路交通法17条4項)。
違反すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

(8)夜間、無灯火運転の禁止

自転車を夜間(日没~日の出時までの間)に運転するときには、ヘッドライトなどをつけなければなりません(道路交通法52条1項)。
違反すると、5万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

(9)自転車横断帯による交差点通行

自転車を運転しているときに、交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、その自転車横断帯を進行しなければなりません(道路交通法63条の7)。
自転車横断帯を通行していないために警察官などから通行方法の指示を受けたにもかかわらず、それに従わない場合には2万円以下の罰金または科料を科せられるおそれがあります(道路交通法63条の8、121条1項5号)。

もっとも、2011年以降、自転車横断帯の撤去が進められています。
車道を走行していた自転車が自転車横断帯に入る際、一度左に寄る必要があります。しかし、その付近を走行中の自動車の運転手にとっては左折するのかそれとも自転車横断帯を通って直進するのかわかりにくくなっており、自転車横断帯があることでかえって事故が起きかねない状況が生じていました。自転車横断帯の代わりに「矢羽根」と呼ばれるガイドが設置される地域も増えてきています。

自転車の通行量が多く、自転車事故が発生しやすい場所には自転車横断帯が残されていますので、周囲の安全をしっかりと確認し、自転車横断帯を通行しましょう。

参照:自転車横断帯の撤去|兵庫県警察

近年、自転車事故を起こした運転手などが、裁判で高額な賠償金の支払いを命じられるケースも多いです。子どもが事故を起こした時は親が責任を負う可能性があります。
自転車を運転される方は、自転車保険に加入した上、道路交通法のルールを守り、安全運転を心がけてください。
自転車事故の高額賠償の事例について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

自転車事故の損害賠償最高額はどれくらい?自転車事故に関する注意点

自転車の安全利用五則

自転車の運転手が被害者にも加害者にもならないように、「自転車の安全利用五則」が定められています。

  1. 自転車は、車道が原則、歩道は例外
  2. 車道は左側を通行
  3. 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
  4. 安全ルールを守る
  5. 子どもはヘルメットを着用

自分自身の乗り方も見直し、子どもが安全に自転車を運転できるように教えてあげましょう。

【まとめ】自転車二ケツは、原則として違法。違反した時は2万円以下の罰金又は科料が科される可能性も

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 自転車のニケツは、道路交通法57条2項の規定に基づき、各都道府県の公安委員会が定める規則により原則禁止されている。
  • 東京都の場合、16歳以上の運転者が小学校就学の始期に達するまでの子どもを幼児用座席に乗せる場合(※東京都の場合。各都道府県の規則により異なる可能性があります)やタンデム自転車で乗車を認められた場所を走行する場合などは、例外的に自転車ニケツが許される。
  • 自転車を運転する際は、ニケツだけではなく、次のようなルールを守り、安全運転を心がけることが大切。
    (1)信号無視をしない
    (2)飲酒運転の禁止
    (3)一時停止違反(指定場所)をしない
    (4)ながら運転の禁止
    (5)2台並んでの走行禁止
    (6)車道通行
    (7)左側通行等
    (8)夜間の無灯火運転の禁止
    (9)自転車横断帯による交差点通行   など

自転車であっても、ひとたび事故を起こすと、被害者の死亡などの重大な結果を招きかねません。
自転車のニケツなどの違反行為をした結果、事故を起こした時には、損害賠償上も、著しい過失があるとして、不利になる可能性があります。
近年、自転車保険の加入を義務付ける自治体も増えています。お住いの自治体が義務付けていない場合であっても、万が一の事故に備えて自転車保険に加入し、安全運転を心がけましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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