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税金を滞納したらどうなる?カードローンしてでも支払った方が良い?

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税金の支払いは国民の義務ですが、給与から天引きされない自分で納付しなければならないタイプの税金は、ついつい支払いを先延ばしにしがちな方もおられるかと思います。
そうは言っても、納付の期限を大幅に過ぎてしまえば督促が来ますし、それも無視していれば後述のように財産や給料を差し押さえられることになりかねません。
なら、たとえば借金をしてまで納めなければいけないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような方法を採ることが果たして適切なのでしょうか。
この記事では、税金を滞納した場合に起こることと対処法を中心に見ていきます。

税金を滞納するとどうなる?

住民税などの税金はできれば滞納したくないものですが、決して安いものとは言えず毎月の家計の負担になりがちです。
特に、既に借金の返済に追われる状況や、当月の返済を乗り切るために新たに借入れをするような状況に陥っている人の場合、税金を納める経済金銭的余裕などなく、納期限までに納付できないことも十分ありうるかと思います。
この項目では、税金を滞納するとどのようなことが起こるのかについて解説していきます。

(1)税金の滞納で信用情報機関に事故情報が登録されることはない

支払うべきお金を支払わなかったということで、税金の滞納でも事故情報が載ってしまうという誤解が時折見受けられますが、税金に関してはそのようなことは起こりません。

一方、カードローンやキャッシングを含む借金の返済が遅れてしまうと、信用情報機関に返済に関する事故が起きたということで、事故情報が登録されます。
当該信用情報機関に加盟している金融業者等は新規の融資等の申込みがあった際にその人についての照会を行います。このとき、事故情報が判明して融資等を行う際の審査を通さない可能性が極めて高くなります。
そのため、新しくクレジットカードを作れなかったり、これまでは使えていたクレジットカードが更新のタイミングで使えなくなったり、新たな借入れができなかったり、ローンを組むことができなくなったりという日常生活上の不便が生じます。

しかし、信用情報機関は民間の金融機関や金融業者が加盟するもので、役所等は加盟していません。
ですので、税金を滞納しても、そのことが信用情報機関に登録されることはありません。

(2)税金を滞納すると、延滞税がかかる

税金を滞納した場合と借金の返済が遅れた場合で似ているのが、その分支払うべき金額が増えてしまうということです。

税金は納期限が1日でも過ぎると、延滞税が発生します(なお、この計算方法は、金融機関への返済を滞納した場合の遅延損害金の算出よりも複雑なものとなっています)。通常、延滞税の年利は金融業者等の定めている遅延損害金よりは低いものとなっています。

(3)債務整理をしても、滞納している税金の支払い義務はそのまま残る

いよいよ借金の返済が立ち行かなくなり、裁判所において行う法的整理である個人再生や自己破産を行うこととなっても、滞納している税金やその税金にかかっている延滞税は減ったり、払う必要がなくなったりはしません。

個人再生は借金を減縮減額し、自己破産は借金を返済不要とするものですが、それぞれに減額・免責対象とならない例外の場合があります。
個人再生においては、この手続を行ったとしても随時支払わねばならなくなる「一般優先債権」というものがあります(民事再生法第122条1項)が、租税はこれに該当しており、個人再生を裁判所から認可された後も全額についての支払い義務が残ります。
また、自己破産により免責許可決定が確定しても支払義務が残るものを「非免責債権」というのですが、税金はこれに該当するのです(破産法第253条第1項)。
そのため、これらの手続きを行ったとしても税金の負担はそのまま残ってしまいます。

債務整理の中には、基本的に裁判所には行かない方法である「任意整理」(私的整理の一つ)というものがあります。
任意整理とは、債権者と交渉を行い借金返済の負担を軽減し、無理なく返済できる返済計画を立てることを目指すものですが、そもそも私企業との交渉を想定した手続であり、税金について行うものではありません。そのため、個人再生や自己破産の場合と同様、税金の負担を減らすことはできません。

(4)税金を滞納し続けて財産を差し押さえられると、個人再生ができない可能性もある

早く支払うようにとの督促にも応じず、長期間税金を滞納し続けると、役所が滞納者についての「財産調査(国税徴収法第141条、第142条)」を行い、役所の職権によって給料や預貯金等の財産への差押え(滞納処分とも呼ばれます)がなされる可能性があります。

金融業者が借金の回収のために債務者への差押えを行うには、原則として裁判所に貸金の返還を求める裁判を起こし勝訴判決を得た上で、最終的に差押えの命令を出してもらう必要があります。
しかし、役所が差押えを行う場合には、このような裁判手続きは必要ありません。
法的には、督促状の送付から原則として10日を経過しても完納されない場合、差押えが可能となっています(地方税法第331条等)ので、滞納が長く続いてしまっている場合、悠長に構えていることはできません。

ここでいう差押えとはいわゆる強制執行の一種で、納税義務者が滞納している税金や延滞税を債権者である役所が回収するための法的手段です。
そして、財産が差し押さえられるに至るまで滞納を続けていたような状態では、個人再生の申立てを行っても、今後の計画返済の履行の見込みに不安が残るなどの理由で、裁判所が再生手続きを開始することを認めてくれなかったり、再生手続きが始まったとしても個人再生を認可してくれない可能性があります。

一方自己破産の場合、通常の借金であれば、裁判所が破産手続を始める決定を下すと、その時点での差押えは効力を失うこととなっています(破産法第42条)。
国税滞納処分による差押えについては、開始決定以前の処分は効力を失わずそのまま残るものの、開始決定後は新規にできないこととされています(破産法第43条1項、2項)。
もっとも、自己破産により免責となっても税金の負担はなくならないため、払えなければいずれまた差押えを受ける可能性が残ります。

(5)税金の時効を待つのは、現実的ではない

税金には、ケースによっては3~7年の時効が存在します(国税通則法第70条第2項、相続税法第36条)。
しかし、滞納している税金が時効の完成まで待つことは非現実的と言わざるを得ません。

というのも、督促状や納付催告書の送付、財産の差押え等が行われると、その時点で時効がリセットされ、時効完成までの期間について新たにゼロからやり直しになるためです(国税通則法第73条第1項)。いわゆる「時効の更新」と呼ばれるものです。

民間の金融業者が時効の更新を得るためには、債務者が借金の存在を認めるなどしない限りは裁判所での手続が必要となるのですが、役所はこのような手間が必要ありません。
そのため、税金の時効が完成するまで粘るのは残念ながら現実的ではないのです。

期限内に納税できない時、滞納してしまった時はどうすればいい?

期限以内に納税できないと延滞税が乗っかってしまう、消滅時効にかかるのを待つのも難しいとすると、税金を納める余裕がどうしてもないとき一体どうすればいいのでしょうか。

もし不測の事態等で納期限までに税金を工面できない場合は、まずはすぐに役所の相談窓口に問い合わせることをおすすめします。
また、すでに滞納している税金と延滞税の一括での納付が困難な場合にも、役所の相談窓口にお問い合わせください。

差し当たりの納税のための現金を用意する手段としてカードローン等での借入れを行うことは可能ではありますが、この場合、利息が増えてしまいます。
また、これから述べる事情からしても、納税のために借金することはおすすめできません。

(1)猶予や分割納付が認められる場合がある

災害や盗難にあった場合や、病気や怪我で収入が途切れた場合などのお金の工面が難しいことに無理もないと言えるときは、申請をすることによって一定期間は税金の納付の猶予が認められる可能性があります。

猶予を受けるには一定の条件を満たす必要がありますが、猶予を受けられることになればその期間の延滞税は軽減されます。
また、滞納中の税金や延滞金について、一括での納付が困難な場合には、事情によっては分割納付に応じてもらえる可能性があります。

税金の猶予や分割納付、相談窓口について、詳しくはこちらも併せてご覧ください。

(2)納税のために借入れをするメリットは、ほとんどない

キャッシングやカードローンの金利の上限は、借入額によって異なりますが、年15~20%が上限です(利息制限法第1条)。また、遅延損害金の金利は年20%が上限です(利息制限法第7条第1項)。
たいていの金融業者は上限に近い利息や遅延損害金を取るため、借金した場合利息だけでも税金の延滞税より高くなってしまうことがほとんどな上に、返済が遅れればさらに遅延損害金が上乗せされるので、この場合、納税のために借入れをするメリットはほとんどないということになります。

なお、安定収入もしくは近い将来の確実な収入の見込みはあるものの、どうしても一時的に税金の工面が必要という場合には、たとえば一定期間なら利息が発生しないキャンペーンを利用するという方策も存在します。
借入れたお金で税金を支払い、無利息期間内に完済すれば、一切の利息がかからずに納税も返済もできるというメリットがあるからです。

【まとめ】税金が支払えずにお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

ここまで見てきたことを振り返ると、税金を滞納しているケースで納税の目途が立たない場合には、まず無駄な支出をなくすなどの工夫をし、それでもなお税金の支払いも困難な家計状況になっている場合は、役所に分納や猶予のための相談をし、さらに借金返済の負担の軽減につながる債務整理を行うことも検討する必要があります。
既に滞納中の税金がある場合や、借金の返済で納税が立ち行かない場合等は、アディーレ法律事務所にご相談ください。