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バイク事故の危険性とは?事故の原因や対策について詳しく解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

交通事故による死者数は、近年減少傾向にあります。

ですが、バイク乗車中に事故にあった場合の致死率は、自動車乗車中と比べて約3倍以上も高く、バイク事故が非常に危険性が高いことは間違いありません。バイクは、車体に守られている四輪車と違い、交通事故が起きた時に路上に投げ出され、頭や胸など身体の重要な部分に衝撃を受けやすく、とても危険です。

バイクを運転される方は、バイク事故に多い事故原因を把握し、交通事故を起こすことがないよう、安全運転を心掛けてください。

今回は、次のことについて弁護士がご説明します。

  • バイク事故の危険性
  • バイク事故の事故類型と原因
  • 事前にすべきバイク事故の対策
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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バイク事故の危険性

それでは、バイク事故の危険性についてお伝えします。

(1)バイク事故の死亡率・重傷リスク

四輪車事故に比べると、バイク事故は死亡につながりやすく、バイク事故による死亡リスクは四輪車事故の死亡リスクの約3倍です。車体で覆われている四輪車と異なり、バイクは運転手の身体がむき出しになっているため、運転手に対するダメージが大きくなりやすいのです。

2021年における、自動車乗車中・自動二輪車乗車中・原付自転車乗車中に交通事故にあった場合のそれぞれの致死率は、次の表のとおりです。

自動車乗車中自動二輪車乗車中原付自転車乗車中
死傷者数21万7643人2万3437人1万7074人
死者数860人332人131人
致死率約0.4%約1.4%約0.8%
(※死傷者数は、『道路の交通に関する統計』のうち、「自動車乗車中の年齢層別死傷者数の推移」、「自動二輪車乗車中の年齢層別死傷者数の推移」、「原付自転車乗車中の年齢層別死傷者数の推移」(いずれも「交通事故の発生状況」中のもの)からの引用、死者数は、『交通安全白書』からの引用です。)

参照:道路の交通に関する統計 交通事故の発生状況|政府統計の総合窓口
参照:令和4年版交通安全白書|内閣府

さらに、重傷の方の人数などは次の表のとおりです。

自動車乗車中自動二輪車乗車中原付自転車乗車中
死傷者数21万7643人2万3437人1万7074人
重傷者6717人4192人2777人
重傷化率約3.1%約17.9%約16.3%
(※死傷者数は、『道路の交通に関する統計』からの引用、重傷者数は「交通安全白書」のうち、第1章第2節「令和3年中の道路交通事故の状況」からの引用です。)

交通事故により重傷になるリスクは、自転車事故や歩行中の事故と比べてもバイク事故が最も高く、自動二輪車と原付自転車を併せると全体の約4分の1を占めています。自転車や歩行者と異なり、速いスピードを出せることが原因になっているのでしょう。

バイク事故は、死亡したり重傷になるリスクが高く、とても危険性が高いことがお分かりになるかと思います。

(2)命に関わる部位を損傷しやすい

バイク事故の死亡率や重傷化率が高いのは、バイク事故により命に関わる部位にけがをしやすいからです。

バイク事故で最も怪我をしやすいのは、脚部です。
転倒時にバイクと地面に挟まれてしまうからでしょう。
また、転倒時に最初に地面につくと思われる腕部の怪我も多いのがバイク事故の特徴です。

もっとも、死亡事故をみると、頭部を損傷するケースが約半数を占めています。

警視庁によると、2018~2020年において二輪車乗車中に死亡した方が主にけがをした部位は、次のとおりです。

  • 頭部        47.3%
  • 胸部と腹部の合計  39.3%

危険なバイク事故により最悪の結果になることを防ぐためには、ヘルメットや胸腹部プロテクターの着用が重要です。

参照:二輪車用ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果|警視庁

バイク事故の原因は?

それでは、バイク事故が起きる原因についてご説明します。

(1)バイク事故で多い事故の類型とは

バイク事故の類型として多いのは、単独事故を除くと出会い頭や右折時における事故です。

出会い頭の事故は、交差点などに異なる方向から入ってきた車両同士が衝突するものです。
出会い頭の事故は、次のような原因から起こるといわれています。

  • わき見などをしていて左右をきちんと確認せずに交差点に進入した
  • 相手を発見したにもかかわらず「自分の方が先に行ける」と判断し交差点に進入した
  • 自分の道が優先道路なので「相手が止まるはずだ」と思い交差点に進入した

見通しの良い交差点でも、事故は起こるので注意しましょう。

右直(うちょく)事故は、右折車と直進車が接触するものです。
直進するバイクと右折する四輪車が接触するのが典型例で、「サンキュー事故」といわれています。サンキュー事故には2つの類型があります。

  1. 本線から右折しようとしたところ、対向車が停車してくれたので、急いで右折した。そうしたところ、停車した車の死角から現れたバイクと接触した。
  2. 駐車場などから本線に戻ろうとしていたところ、本線の車が停車したので、急いで右折した。そうしたところ、自分が入ろうしていた車線を直進するバイクを見落として接触した。

「道を譲ってくれて“サンキュー”」という気持ちが災いするため、このように呼ばれています。バイクを運転しているときには「自分は直進しているのだから」と優先意識を持たずに、周囲の状況を適切に分析して、場合によっては自分自身も停止しましょう。

バイクの右直事故における過失割合についてはこちらの記事もご参照ください。

右直事故とは?過失割合や慰謝料を増やす方法を弁護士が解説

(2)バイク事故が起きる原因は?

バイク事故が起きる原因は、主に次のようなものがあります。

(2-1)加速し過ぎ

一般道路における50ccの原付バイクの最高速度は時速30キロメートルですが、50cc以上のバイクであれば四輪車同様時速60キロメートルまで出すことができます。
ただし、スピードを上げることにより、自分や相手が反応できる可能性が下がりますし、事故発生時の衝撃が大きくなります。

(2-2)四輪車の死角に入る

バイクに乗っていると、「車の横を走っているのだから当然車の運転手は知っているはず」と思うかもしれません。

しかし、知らず知らずのうちに死角に入り込んでいると事故に巻き込まれるおそれがあります。四輪車からみて左サイドミラーの数メートル後ろは死角になりやすいといわれています。また、ボディと屋根をつなぐピラーの横も死角になっている可能性があります。

事故を防ぐために、四輪車と適切な車間距離をとることが大切です。近づく場合にも、死角に入らないように、運転席より前に出る、あるいは、ミラーに映る後方で走るようにしましょう。

(2-3)すり抜けや割り込み

四輪車で走行中、前の四輪車を抜くときには右側から追い抜くでしょう。一番左側の車線を走行している車の左側に車が入るスペースはありませんから、当然です。

ところが、バイクは車幅がそれほどありませんから、前の四輪車を追い抜くとき、左側からすり抜けることも可能です。もちろん、バイクであっても、「路側帯」を通行することはできませんし、四輪車が信号待ちをしていたり、渋滞している時に四輪車の横を通って先頭に出たり割り込んだりしてはいけません(割り込み等の禁止)。

ですが、小回りが利くという特性を生かし、違法な割り込みなどを行うバイクも少なくありません。このような違法な行為が、結果として、重大な結果を招くことになりかねないのです。

(2-4)バイクをあおる四輪車の増加

近年、ニュースであおり運転による被害が大きく取り上げられています。四輪車対四輪車に限らず、四輪車対バイクの被害も報告されており、実際に自動車をわざとバイクに衝突させるなどの事件も起きています。

四輪車に狙われるとバイクには為す術がありませんので、あおり行為をする運転手には関わらずに距離を置くことが大切です。執拗に追いかけられるようであれば、公共施設など人目に付きやすい場所に移動し、場合によっては警察を呼びましょう。

あおり運転への対策について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

あおり運転をされないための対策5つ!妨害運転罪についても解説

事前にすべきバイク事故対策

バイクで事故を起こさないための対策と起こしてしまった場合の対策を事前にしっかりしておきましょう。運転者がバイクの特性を深く理解し安全運転に努めることが大切です。気を付けていても事故が起きてしまった場合には、弁護士に相談しましょう。

(1)バイクの特性を把握しておく

四輪車に比べると、バイクは運転手のバランス能力など個人の能力に左右されます。
そのため、四輪車以上に自分の体に合ったものを選ばなければなりません。

  • 自分の力で支えられるバイクか
  • バイクをまたいだときに片足に地面が付くか
  • バイクを押して8の字を描くことができるか

そのうえで、バイク一般にどのような特性があるかを把握しておきましょう。

  • スピードを出せば出すほど視界が悪くなる
  • 体重の重い人ほどバイクが完全に停車するのに時間がかかる
  • 急ブレーキをかけるとタイヤがロックするおそれがある

バイクの特性を知ることで、より安全な運転を心がけることができるはずです。

(2)バイクのメンテナンス

バイク事故は運転中の不注意のみならず、メンテナンス不良によっても起こります。
特に次のようなものがないかはしっかり確認しましょう。

  • すり減ったタイヤ
  • 緩んでいるボルト
  • 汚れの付着したチェーン
  • オイル漏れ
  • ライトの不灯
  • ブレーキの故障

定期的なメンテナンスを行うことで、メンテナンス不良による事故を防ぐことができます。

(3)ヘルメット・胸部プロテクタをつける

バイクに乗るときには、ヘルメットだけでなく胸部プロテクタをつけるようにしましょう。先ほどご紹介したとおり、バイク事故で死亡した方の多くが胸腹部にけがをしています。

バイクが四輪車に接触すると、バイクの運転手は前方に放り出され、胸部や腹部が四輪車の屋根やピラーに激突した結果、鎖骨や肋骨などを骨折し命を落とす危険性があります。
その危険性を下げるため、胸部プロテクタをつけるのです。

さらに、警視庁によると、2021年中に発生した二輪乗車中の死亡事故の37.1%で事故時にヘルメットが外れてしまっていたそうです。ヘルメットを着用する際は、あごひもをしっかり締めましょう。

(4)バイク保険(任意保険)に加入する

四輪車保険同様、バイクにも強制保険と任意保険があります。
四輪車の任意保険の加入率が約9割であるのに対して、バイク保険の加入率はわずか4割程度と言われています。

四輪車同様、交通事故が起きると高額の賠償責任を負う可能性があるにもかかわらず、バイク保険(対人・対物賠償責任保険)に加入していない方は多いです。自賠責保険では限られた範囲内でしか補償されないため、あわせてバイク保険にも加入しておくのが安心でしょう。

また、自賠責保険は相手方に対する保障なので、自分の怪我に対して保険金は支払われません。バイクは重傷を負いやすいため、バイク保険(人身傷害保険等)で備えておくのが良いでしょう。

(5)ドライブレコーダーを搭載しておく

バイク事故が起きてしまった場合に備えて、ドライブレコーダーを搭載しておきましょう。
実際に事故に遭った場合に事故状況の検証などにあたって信頼性の高い証拠になりますし、特にあおり運転や当たり屋の被害に遭った場合には効果的です。

【まとめ】バイク事故は自動車事故に比較して致死率が3倍も高く危険!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 2021年におけるバイク事故の死傷者数(バイク乗車中)2万3437人のうち、死亡した方は332人で、その致死率は自動車乗車中の方の致死率に比べ、約3倍強となる。
  • また、重傷化した方は、2万3437人のうち4192人で、自動車乗車中の方と比較して約6倍弱も高い。
  • バイク乗車中の事故は自動車と比較して死亡率・重傷化率が共に高く、その危険性は高い。
  • バイク事故で多い事故類型は出会い頭や右左折時における事故。
  • バイク事故の原因は、主に次のとおり。
    1. 加速しすぎ
    2. 自動車の死角に入る
    3. すり抜けや割り込み
    4. バイクをあおる四輪車の増加
  • バイク事故への対策は次のとおり。
    1. バイクの特性を知る
    2. バイクのメンテナンスを行う
    3. ヘルメット・胸部プロテクタを着用する
    4. バイク保険(任意保険)に加入する
    5. ドライブレコーダーを搭載しておく

バイクは、四輪車と異なり運転手の身体が車体で覆われていないため、いったん事故が起きると頭や胸などを強打するなどして、命を落としかねません。
出会い頭や右折時にバイク事故が多いことを踏まえ、ご自身で運転する場合にはしっかりと交通ルールを守ることに加え、他者の過失による交通事故に巻き込まれた時に備え、ヘルメットや胸部プロテクトを付けるなど自分の身をしっかり守っておきたいところです。


単独事故や加害者が任意保険に加入していなかった場合に備えて、バイク保険に加入しておくことをおすすめします。


もしも交通事故に巻き込まれ、加害者側の保険会社から提示されている賠償金額に納得がいかないという方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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