「信号待ちで停車していたら後方から追突され、頭部を激しく揺さぶられた。事故から少し経って首に痛みが生じ、1ヶ月ほど通院したけど首の痛みがなくならない。このまま後遺症が残ってしまうのではないか」
交通事故の被害に遭い、このような心配を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、前方や側面からの衝撃と比べ、後方からの追突事故はよりむち打ちや椎間板ヘルニアを発症しやすい傾向にあります。むち打ち症や椎間板ヘルニアは場合によって後遺症が残ってしまうことがあります。
このコラムでは、追突事故でむち打ち症・椎間板ヘルニアになってしまう理由やむち打ち症・椎間板ヘルニアで後遺症が残った場合の後遺障害等級・慰謝料相場、事故後に痛みが出てきた時の対処法など解説しています。
ここを押さえればOK!
むち打ち症・椎間板ヘルニアで後遺症が残り、後遺障害等級が認められた場合、慰謝料や逸失利益の請求が可能です。ただし、むち打ち症・椎間板ヘルニアの後遺症による後遺障害等級は認められにくい傾向にあります。
むち打ち症・椎間板ヘルニアになったら、アディーレへご相談ください。弁護士に相談することで、保険会社からの提示額よりも受け取れる示談金額を増額できる可能性があります。また、後遺障害等級を認められやすくするためにアドバイスやサポートもいたします。
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追突事故でむち打ち症になりやすい理由とは
むち打ちは、外部からの強い衝撃により、頸部(首)がむち打ったように激しく伸縮した結果、首の部分の筋肉、靭帯、椎間板などの軟部組織や骨組織が損傷することで起こります。
正式には、「頸椎捻挫」「外傷性頚部症候群」などと呼ばれます。
【椎間板】

自動車運転中に後ろから追突されると、その衝撃で体は急激に前方に押し出されますが、その際に首と頭が胴体に引っ張られ、ムチのようにしなります。これによりむち打ちが起こります。
前方や側面からの衝撃と比べ、後方からの追突事故はよりむち打ちを発症しやすくなります。
頭は体重の1割ほどの重さがあるため、軽い追突でも不意な衝撃を受けるとむち打ちになる可能性があります。
むち打ちの痛みが事故後しばらく経ってから出てくる理由とは
むち打ち症は、事故後しばらく時間が経ってから症状が現れることが多いのが特徴です。
これは、事故直後は精神的ショックや心身が緊張状態にあることで、むち打ちになっていても痛みなどを感じにくくなるからと考えられます。
追突事故でヘルニアになりやすい理由とは
椎間板ヘルニアとは、骨と骨の間にある椎間板の一部が、通常の位置から飛び出して、近くの神経を圧迫することをいいます。
自動車運転中に後ろから追突されると、その衝撃で体は急激に前方に押し出されることで、首に強い衝撃を受け、椎間板ヘルニアになりやすいのです。
【椎間板ヘルニア(頸椎)】

むち打ち・椎間板ヘルニアで後遺症が残った!後遺障害等級は認められる?
むち打ち症・椎間板ヘルニアの後遺障害等級や後遺症慰謝料相場、むち打ち症で後遺障害等級が認められた事例について紹介します。
(1)むち打ち症・椎間板ヘルニアで認められる後遺障害等級
首のむち打ち、椎間板ヘルニアいずれも、後遺障害が認められる可能性はあります。
後遺障害とは、交通事故によりこれ以上回復できない症状(=後遺症)が残った場合に、自賠責保険の基準に基づき、所定の機関(損害保険料率算出機構など)により障害を認定されたものをいいます。
後遺障害は1~14級(および要介護1級・2級)の等級に分かれており、1級の症状が最も重く、症状が軽くなるに従って2級、3級……と等級が下がっていきます。
後遺障害が認定されると、基本的には被害者は加害者に対し、治療費や休業損害(ケガのために仕事を休んだことによって失った収入)などに加え、後遺症慰謝料や逸失利益(=後遺障害により得られなくなった・または減少した将来の収入)も請求できるようになります。
むち打ちや椎間板ヘルニアで認定される可能性のある後遺障害等級は、次の2つです。
- 12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)
- MRIなどの精密検査で他覚的所見が認められ症状が医学的に証明可能であると判断された場合に認定されます
- 14級9号(局部に神経症状を残すもの)
- 他覚的所見はないが症状の説明がつくと判断された場合に認定されます。
いずれの場合も、治療を続けた結果、医師により症状固定の診断を受ける必要があります。ただし、むち打ちや椎間板ヘルニアは後遺障害等級の認定が難しい場合があるため、申請は弁護士に依頼するのがおすすめです。
(2)後遺障害等級が認めれた場合の後遺症慰謝料の相場(目安)
自賠責の基準 | 弁護士の基準 | |
---|---|---|
12級13号 | 94万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
上の表のとおり、一般的に自賠責の基準よりも弁護士の基準のほうが金額は高くなる傾向があります。
弁護士が示談交渉に介入すれば、通常では一番高い「弁護士基準」で慰謝料額などを計算するため、結果として適切な賠償金額で示談することが期待できます。弁護士に相談することで、保険会社から提示された示談金額よりも増額できる可能性があります。
(3)乗用車に追突されむち打ちに!後遺障害14級に認定され、約190万円以上の増額に成功した事例
弁護士依頼前 | 弁護士依頼後 |
---|---|
約124万円 | 約316万円 |
Sさんは乗用車を運転中、信号待ちのため停止していました。そこへ後方から来た加害者車両に追突され、Sさんは頸椎捻挫(むち打ち)、右肩打撲と診断され、頸部の痛みと右肩痛、右肩の可動域制限の後遺症も残ってしまいました(頸部痛について後遺障害14級9号認定)。
しばらくすると、保険会社から示談の提案がありましたが、Sさんは提案額を不安に感じ、弁護士へ依頼することに決めました。ご依頼後、弁護士は保険会社との交渉を開始しました。保険会社は当初、示談金額の引き上げに難色を示していましたが、弁護士の粘り強い交渉により、全体ではトータル約190万円以上の増額に成功しました。
追突事故で首の痛みが出たときの対処法とは
最後に、追突事故後に首の痛みなどが出てきた場合にすべき対処法について説明します。
(1)早急に病院に行く
むち打ちは時間が経ってから痛みが現れることが多いため、痛みを感じたらすぐに病院で治療を受けることが重要です。
受診までの期間が空くと、むち打ちや椎間板ヘルニアの症状が交通事故により引き起こされたこと(因果関係)を証明するのが難しくなり、事故の相手方に対する損害賠償請求において不利になるおそれがあります。
また、事故後しばらく経ってから首に痛みなどが出たら、治療費の請求のためにご自身が加入している保険会社と事故の相手方が加入している保険会社の両方に連絡を入れましょう。
(2)人身事故に切り替える
事故の当日は痛みがないとして、警察には物損事故として届け出たものの、むち打ち症のように、後からケガが発覚することもあります。
物損事故として届け出た場合、事故の相手方(加害者)が加入する自賠責保険や任意保険の対人賠償保険が使えない場合があります。そうすると、ケガの治療のために費やした治療費や慰謝料などを、加害者側から支払ってもらうことが難しくなってしまいます。
したがって、事故直後は目立ったケガがないと判断し、物損事故として届け出たけれども、後から首に痛みなどを感じた場合には、人身事故扱いに切り替えるべきです。
なお、人身事故への切り替えは、警察署に医師が作成した診断書を提出し、警察による事情聴取や実況見分を受けた後、自動車安全運転センターより交通事故証明書の交付を受けることで完了します。
【交通事故証明書(人身事故)の例】
切り替え可能な期間は、警察から指示がある場合はそれに従い、ない場合はできるだけ早めに手続きしましょう。人身事故の切り替えができなかった場合、「人身事故証明書入手不能理由書」を保険会社に提出すれば、保険金が受け取れる場合もあります。
(3)痛みがなくなるまで治療を続ける
治療費や慰謝料など、賠償金に関する相手側との示談交渉は、基本的にケガの治療が終了してからスタートします。医師から治癒、または症状固定(=これ以上症状の改善が見込めないこと)の診断を受けるまで治療を続けることが重要です。
医師から症状固定の診断を受けると、後遺障害等級の認定を申請することができます。
(4)示談交渉が終わっていた場合
すでに事故の相手方との示談交渉が終了してから首に痛みなどが生じた場合、治療費などの損害賠償は受けられないのが原則です。ただし、物損の賠償についてのみ示談しており、示談書にその旨の記載がある場合などは、別途治療費などを請求できる可能性があります。
【まとめ】追突事故によるむち打ち・椎間板ヘルニアになったら、すぐに病院へ
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 追突事故の衝撃で首がムチをうつようにしなり、首周りの筋肉などを損傷するのがむち打ちです。
- むち打ちは事故から時間が経ってから痛みが出ることが多いため、自覚症状がなくても病院で検査・診察を受けること、痛みが出たときは完治(又は症状固定)するまで治療するのが重要です。
- 交通事故ではむち打ちだけでなく、椎間板ヘルニアになる可能性があります。いずれの場合も、後遺障害等級が認定されれば後遺症慰謝料や逸失利益を受け取ることができます。
追突事故によって首がむち打ちになることがありますが、事故後しばらく経ってから自覚症状が生じることも少なくありません。時間が経てば経つほど、むち打ちやヘルニアの原因が交通事故であること(因果関係)を証明するのが難しくなってしまうため、痛みを感じたらすぐに病院に行くことをおすすめします。
また、交通事故でむち打ち症・椎間板ヘルニアになったら、アディーレの弁護士へ相談もおすすめします。弁護士へ相談することで、通常では一番高い「弁護士基準」で慰謝料額などを計算するため、結果として適切な賠償金額で示談することが期待できるからです。
弁護士に依頼することで、保険会社から提示された示談金額よりも増額できる可能性があります。
交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません。
すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。
また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様にあらかじめご用意いただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。
(以上につき、2025年6月時点)
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