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交通事故による手指の後遺障害を弁護士が詳しく解説

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kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「交通事故でケガをして、右手の親指の関節が動かなくなった…後遺障害として認定されるか心配」

交通事故の被害に遭い、ケガが完治せずに後遺症が残ってしまった場合には、基本的に後遺障害等級が認定されれば、後遺症慰謝料や逸失利益などを受け取ることができます。

例えば、親指の関節が全く動かなくなってしまったら、後遺障害等級10級7号に認定される可能性があります。

今回の記事では、弁護士が手指の後遺障害について詳しく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

目次

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手指の後遺障害の種類

手指の後遺障害は、「欠損障害」と「機能障害」に分けられます。

欠損障害とは、手指を切断するなどして失ったことについての障害のことをいいます。また、機能障害とは、関節が動かなくなってしまったなどの手指の機能面での障害のことをいいます。

欠損障害も機能障害も、手の骨・関節の部位に着目して症状が判断されます。そこでまず、手の骨と関節の構造について見てみましょう。

手の骨と関節

【手の骨と関節のイラスト】

【骨】

  • 末節骨(紫色):指の最も先端部分の骨です。
  • 中節骨(黄色):指の真ん中の部分の骨です。親指にはありません。
  • 基節骨(緑色):指の根元の骨です。
  • 中手骨(青色):手の甲にある骨です。

【関節】

  • DIP関節(遠位指節間関節):指の先端から数えて最初の関節です。親指にはありません。
  • PIP関節(近位指節間関節):指の先端から数えて2番目の関節です。親指にはありません。
  • IP関節(指節間関節):親指の先端から数えて最初の関節です。
  • MP関節(中手指節関節):指の根元部分の関節です。
  • CM関節(手根中手関節):手の甲の根元部分の関節です。

手指に関する欠損障害の等級

交通事故で手指を失った場合に認定される可能性のある後遺障害等級は、次のとおりです。

等級認定基準
3級5号両手の手指の全部を失ったもの
6級8号1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの
7級6号1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
8級3号1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
9級12号1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
11級8号1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの
12級9号1手のこ指を失ったもの
13級7号1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
14級6号1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

等級別に、症状について詳しく説明します。

(1)3級5号 両手の手指の全部を失ったもの

「手指を失ったもの」とは、次の2つのケースを言います(他の等級でも同様です)。

【A】中手骨もしくは基節骨で切断された場合、または
【B】近位指節間関節(PIP関節)(親指の場合は指節間関節(IP関節))において、基節骨と中節骨とを離断した場合

【Aのケースの例】

【Bのケースの例】

つまり、「両手の手指の全部を失ったもの」とは、両手の全ての指について、

第二関節(親指の場合は第一関節)よりも根元の部分から失った状態をいいます。

こ指の一番指先にある末節骨を切断した場合には、手指を失ったと言えますか?

後遺障害等級上は「手指を失った」とは言えませんが、「手指の指骨の一部を失った」欠損障害として14級6項に該当する可能性があります。また、あとで説明する機能障害として評価される可能性もあります。

(2)6級8号 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの

片方の手の全部の指、または親指を含む4本の指を失った状態です。

(3)7級6号 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの

片方の手の親指を含む3本の指、または親指以外の4本の指を失った状態です。

(4)8級3号 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの

片方の手の親指を含む2本の指、または親指以外の3本の指を失った状態です。

(5)9級12号 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの

片方の手の親指、または親指以外の2本の指を失った状態です。

(6)11級8号 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの

片方の手の人差し指、中指、薬指のうち、いずれか1本を失った状態です。

(7)12級9号 1手のこ指を失ったもの

片方の手の小指を失った状態です。

(8)13級7号 1手のおや指の指骨の一部を失ったもの

「指骨の一部を失ったもの」とは、1指骨の一部を失ったこと(骨が離れて遊離する状態を含む)がX線写真により確認できる状態をいいます。
13級7号は、片方の手の親指の指骨の一部を失った状態を指します。

(9)14級6号 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

片方の手の親指以外の指の指骨の一部を失った状態です。

手指に関する機能障害の等級

手指のケガのうち、機能障害の場合に認定される可能性のある後遺障害等級は、次のとおりです。

等級認定基準
4級6号両手の手指の全部の用を廃したもの
7級7号1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8級4号1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
9級13号1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
10級7号1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
12級10号1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
13級6号1手のこ指の用を廃したもの
14級7号1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

等級別に、症状について具体的に説明します。

(1)4級6号 両手の手指の全部の用を廃したもの

「手指の用を廃したもの」とは、次の2つのケースをいいます。

● 手指の末節骨の半分以上を失った、または
● 中手指節関節(MP関節)もしくは近位指節間関節(PIP関節)(親指の場合は指節間関節(IP関節))に著しい運動障害を残すもの

具体的には、少し専門的な説明となりますが、次のような状態のことを指します。

(ア)手指の末節骨の長さの2分の1以上を失った状態
(イ)中手指節関節(MP関節)または近位指節間関節(PIP関節)(親指の場合は指節間関節(IP関節))の可動域が健側(=正常な側)の可動域角度の2分の1以下に制限される状態
(ウ)親指については、橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の2分の1以下に制限されている状態
(エ)手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚(=体の内部で感じる感覚)及び表在感覚(=皮膚の表面で感じる感覚)が完全に脱失した状態

4級6号は、両手の全ての指がこれら(ア)~(エ)のいずれかにあたる場合に該当します。

(2)7級7号 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの

片方の手の5本の指、または親指を含む4本の指の用を廃した状態です。

(3)8級4号 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの

片方の手の親指を含む3本の指、または親指以外の4本の指の用を廃した状態です。

(4)9級13号 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの

片方の手の親指を含む2本の指、または親指以外の3本の指の用を廃した状態です。

(5)10級7号 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの

片方の手の親指、または親指以外の2本の指の用を廃した状態です。

(6)12級10号 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの

片方の手の人差し指、中指、薬指のいずれか1本の指の用を廃した状態です。

(7)13級6号 1手のこ指の用を廃したもの

片方の手の小指の用を廃した状態です。

(8)14級7号 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

「遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」とは、次のいずれかにあたる状態のことを言います。

● 遠位指節間関節(DIP関節)が強直した状態
● 屈伸筋の損傷等原因が明らかであって、自動で屈伸できない状態またはこれに近い状態

つまり、片手の親指以外の指がこのいずれかにあたると、14級7号に該当することになります。

適切な手指の後遺障害等級認定のためにできること

手指に後遺症が残っても、症状に応じた適切な等級の後遺障害認定を受けられなければ、十分な賠償金を受け取ることはできません。

弁護士に依頼すると、通院のアドバイスから後遺障害等級認定の仕組みの説明、実際の後遺障害等級認定申請、等級認定を受けた後の賠償金請求の方法まで、トータルサポートを受けることができます。

弁護士への相談について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故にあったら弁護士へ早いタイミングで相談した方がいい理由

【まとめ】手指の後遺障害の等級は症状によりさまざま|早めに弁護士に相談を

交通事故で手指に後遺障害が残ってしまった場合、後々の生活のためにも、受け取れる賠償金を最大限にする努力をすることは、とても大切なことです。しかし、弁護士に依頼するとなると、弁護士費用の不安があります。

アディーレ法律事務所は、相談者の費用の不安を取り除くような費用体系を採用しています。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2023年8月時点)

交通事故の被害で手指に後遺障害が残り、賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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