あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

後遺障害14級の逸失利益の相場はいくらになる?計算方法を詳しく解説

作成日:更新日:
kiriu_sakura

逸失利益とは、簡単に言うと後遺症により十分に働けなくなった人に対する補償のことをいいます。

そして、後遺障害14級の場合であっても、基本的には逸失利益を受けとることができます。
さらに、逸失利益は、計算次第で高額になる可能性があります。

逸失利益で損をしないためにも、逸失利益の相場・計算方法や増額のポイントを知っておきましょう。

この記事では、

  • 後遺症による逸失利益の内容
  • 後遺症による逸失利益の計算方法
  • 後遺症による逸失利益を増額するポイント

について弁護士が詳しく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

弁護士による交通事故のご相談は何度でも無料

費用倒れの不安を解消!「損はさせない保証」あり

ご相談・ご依頼は、安心の全国対応。国内最多の60拠点以上(※)

後遺症による逸失利益とは

後遺症による逸失利益とは、交通事故によって後遺症が残らなければ、将来得られたはずの収入のことをいいます。

たとえば、調理師であった被害者の手首に痛みやしびれが残り、調理師として働くことが難しくなった場合、事故に遭わなければ得られたはずの収入を得られなくなってしまいます。

このように、交通事故に遭わなければ得られたはずの収入のことを「逸失利益」といい、被害者は加害者に対して、この逸失利益を請求することができます。

なお、交通事故で死亡した場合にも逸失利益を請求することができますが、ここでは後遺症による逸失利益について説明します。

専業主婦であっても逸失利益は請求できる!

「専業主婦は逸失利益を請求できない」と保険会社から言われることがあるかもしれません。
しかし、専業主婦であっても逸失利益を請求することができます。

そもそも専業主婦は家族のために家事労働をしても給料を受け取ることがないため、交通事故で家事ができなくなっても、金銭的な損害が発生していないように思えるかもしれません。

しかし、交通事故の場面では、家事労働もきちんと金銭的に評価し、逸失利益を請求できるとすべきであると考えられています。

なお、「家族のために」とは自分以外の家族、つまり他人のために家事を行うものと理解されているため、自分のための家事については逸失利益は認められません。

後遺症による逸失利益の計算方法

後遺症による逸失利益は、次のように計算します。

適切な逸失利益を計算するには、それぞれの項目に適切な値を入れて計算することがポイントです。そのため、適切な逸失利益を受けとるためにはそれぞれの項目の意味やどういった数値を入れるのが適切なのかを理解しておく必要があります。

では、それぞれの項目について説明します。

(1)基礎収入

「基礎収入額」とは、逸失利益を算出するための元となる収入です。
働いて給与所得や事業所得を得ている方であれば、基本的に交通事故前の収入が基礎収入額となります。

一方、専業主婦の場合には、原則、賃金センサスを参考に女性の全年齢平均給与額を基礎収入として計算します。

また、学生の場合には、原則、賃金センサスを参考に全年齢平均賃金を基礎収入として計算することになります。被害者の方が大学進学前であっても、諸般の事情から大学進学が見込まれる場合には、大卒の賃金センサスによる基礎収入の算定が認められる場合があります。

なお、賃金センサスとは、厚生労働省が毎年調査する賃金に関する調査結果のことをいい、日本の労働者の雇用形態・年齢・性別などの属性における賃金を知る資料のことをいいます。

参考:令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

(2)労働能力喪失率

労働能力喪失率とは、後遺症によって失われる労働能力を数値化して表現したものです。

実務では、労働能力喪失率表という、後遺障害の等級に応じた労働能力の喪失率を定めた表を参考に、被害者の方の後遺症の程度、性別、年齢、職業その他諸般の事情を考慮して、労働能力喪失率を算定しています。

後遺障害の等級別による労働能力の低下率(以下、「喪失率」といいます)は、次のとおりです。

【労働能力喪失率表】


1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14
100%100%100%92%79%67%56%45%35%27%20%14%9%5%

なお、被害者の職業や後遺症の部位・程度によっては、労働能力喪失率表に定められた喪失率を下回る労働能力喪失率が認定されることもあります。

(3)労働能力喪失期間

後遺症によって労働能力が失われてしまう期間のことを、「労働能力喪失期間」といいます。

労働能力喪失期間は、原則として症状固定日から67歳までの期間とされます。被害者の方が未就労者である場合は、労働能力喪失期間の始期は症状固定日ではなく、18歳または22歳(大学卒業を前提とする場合)となります。

ただし、むち打ち症の場合には通常12級の場合は5~10年、14級の場合は5年以下に労働能力喪失期間が制限される事例が多いです。

(4)ライプニッツ係数

逸失利益は、「将来」得られたであろう利益であって、逸失利益を「現在」受けとると、その将来の利益すべてを先に受け取ってしまうことになるため、被害者は今すぐにそのお金を運用できてしまい、被害者にとってかなり得になってしまいます。

そこで、その得をする分(中間利息)を減らすことになっており、ライプニッツ係数を利用し、この中間利息を控除することができます。

ライプニッツ係数は、労働能力喪失期間によって変わります(2020年4月1日以降に発生した事故の場合)。

労働能力喪失期間ライプニッツ係数
1年0.9709
2年1.9135
3年2.8286
4年3.7171
5年4.5797
6年5.4172
7年6.2303
8年7.0197
9年7.7861
10年8.5302
15年11.9379
30年19.6004

後遺障害14級における逸失利益の計算例【職業別】

では、被害者の職業別で逸失利益を計算してみましょう。

ここでは、次の3人の被害者の場合で計算してみます。
(後遺障害14級、労働能力喪失期間を5年とする場合の計算例)

  1. サラリーマン(基礎収入500万円)
  2. 専業主婦
  3. 大学生

それぞれ見てみましょう。

(1)サラリーマンの場合(2020年4月1日以降に発生した事故の場合)

  • 基礎収入:500万円
  • 後遺障害等級:14級→労働能力喪失率5%
  • 労働能力喪失期間:5年→ライプニッツ係数4.5797

【計算式】
後遺症による逸失利益
=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
=500万円×5%×4.5797
=114万4925円

(2)専業主婦の場合(2020年4月1日以降に発生した事故の場合)

  • 基礎収入:381万9200円(令和2年全年齢女性平均給与額)
  • 後遺障害等級:14級→労働能力喪失率5%
  • 労働能力喪失期間:5年→ライプニッツ係数4.5797

【計算式】
後遺症による逸失利益
=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
=381万9200円×5%×4.5797
=87万4540円

なお、専業主夫の場合であっても、賃金センサスは、女性のものを基準にします。
なぜなら、家事労働をする者が男性であっても、女性が主に担っている家事労働の経済的価値は変わらないと考えられているからです。

(3)大学生(男性20歳)の場合(2020年4月1日以降に発生した事故の場合)

  • 基礎収入:637万9300円(令和2年男性の大卒平均給与額)
  • 後遺障害等級:14級→労働能力喪失5%
  • 労働能力喪失期間:5年→ライプニッツ係数2.6662
    →22歳から働くと仮定し、労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数から2年のライプニッツ係数を差し引く

4.5797(5年のライプニッツ係数)-1.9135(2年のライプニッツ係数)=2.6662

【計算式】
後遺症による逸失利益
=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
=637万9300円×5%×2.6662
=85万0424円

なお、大学生の場合で就職先の内定を得ているなど就職先が決まっている場合には、実際の就職先の年収を基礎収入とすることもあります。

逸失利益を増額する3つのポイント

逸失利益を適切な金額で請求するためには、次の3つのポイントを押さえておく必要があります。

  1. 適切な後遺障害等級を獲得する
  2. 適切な労働能力喪失期間で計算する
  3. 適切な労働能力喪失率で計算する

それぞれ説明します。

(1)適切な後遺障害等級を獲得する

適切な逸失利益を獲得するためには、後遺症について「適切な後遺障害等級の認定」を受けなければいけません。

なぜなら、どの等級が認定されるかによって労働能力喪失率が低くなり、また、労働能力喪失期間も短くなってしまうおそれがあるからです。そして、その結果、本来受けとるべき逸失利益が低額になってしまう可能性があります。

つまり、適切な逸失利益を獲得するためには、後遺障害等級申請の段階で書類をきちんと準備し、適正な後遺障害等級を認定してもらう必要があります。

後遺障害等級の認定申請の方法や認定のポイントについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

後遺障害等級認定とは?後遺障害診断書の注意点と認定結果を争う方法

(2)適切な労働能力喪失期間で計算する

適切な逸失利益の算定のためには、適切な労働能力喪失期間で計算することもポイントになります。

労働能力喪失期間は、説明したとおり、原則「67歳まで」です。
ただし、後遺症の症状や程度、被害者の職業によって「67歳まで」よりも短い期間になることがあります。実際、むち打ち症の場合には、10年から5年以下に制限される事例が多いということは、これまで説明したとおりです。

しかし、保険会社は本来認定されるべき労働能力喪失期間よりも短い期間を主張してくることがあります(このケースの解決事例については後述しています)。

この場合に、保険会社の主張を鵜呑みにしてしまうと、本来あなたが受けとるべき逸失利益よりも低くなってしまいます。

このような保険会社の主張に対しては、鵜呑みにすることなく、あなたの後遺症の症状や内容が重いものであることを主張し、適切な労働能力喪失期間を認定してもらう必要があります。

(3)適切な労働能力喪失率で計算する

適切な逸失利益の算定のためには、適切な労働能力喪失率で計算することもポイントです。

例えば、顔にキズあとが残った場合などには、身体は動かすことができるために、加害者側保険会社の担当者から「顔の傷あとについては、労働能力の喪失がありませんので、逸失利益は認められません」などと言われることがあります。

そもそも労働能力喪失率は、これまで説明した労働能力喪失率表を参考にしながら、実際の被害者の職業や後遺症の部位、程度などによって判断されます。

そして、顔のキズあとは、例えば手足のしびれや痛みと比べて、労働に対する支障が少ないとされ、労働能力喪失率が低い、もしくは、労働能力喪失がないと判断されることもあるのは事実です。

しかし、被害者が接客業やサービス業など人と対面する仕事についている場合や若い女性の場合では、顔のキズあとが仕事に影響を与えることは否定できません。そのため、こういった場合には、労働能力喪失を認める裁判例もあります。

【後遺障害14級】逸失利益の増額に成功した解決事例

ここで、後遺障害14級の場合に逸失利益の増額に成功した解決事例を紹介します。
弁護士が交渉することで、保険会社から提示された逸失利益を増額することができる可能性があります。

(1)解決事例1|5年の労働能力喪失期間が10年に伸長!

保険会社の提示額
(逸失利益)
弁護士交渉後の金額
(逸失利益)
増額分
Kさん(女性・27歳・主婦)71万4611円135万1259円63万6648円

Kさんは、夫の運転する車両に乗車中、相手側に一時停止の標識がある交差点で、一時停止せずに進んできた車両と出合い頭の衝突をし、頸部受傷後の頭痛、嘔気、めまい、頸部痛及び腰部受傷後の腰部痛により後遺障害14級(併合)に認定されました。

保険会社の提示した逸失利益は、労働能力喪失期間が5年で算定されたものでした。

しかし、Kさんの場合、項部痛や頭痛のほかに、腰部痛についても14級の判断がなされた上で、併合14級とされており、とりわけ労働能力喪失期間については5年という裁判所の基準(裁判をしたならば認められる基準)がそのまま当てはまるものではないと考えられました。

そこで、弁護士は、労働能力喪失期間については10年で算定するよう保険会社と交渉を重ねました。その結果、後遺症慰謝料については、裁判所基準の110万円になり、また、逸失利益については、当事務所の主張どおり10年分が認められました。

後遺障害14級の場合の逸失利益については、裁判例でも5年程度に制限される場合がある中で、交渉のやり方次第では、労働能力喪失期間を通常の基準である5年よりも長く認めさせることができる場合があります。

(2)解決事例2|後遺症慰謝料と逸失利益の合計が3倍に!

保険会社の提示額
(逸失利益)
弁護士交渉後の金額
(逸失利益)
増額分
Iさん(男性・40歳・会社員)0円140万6169円140万6169円

Iさんは、腰椎捻挫により後遺障害等級14級9号に認定されました。

当初、保険会社からは、「後遺障害の内容を考えると逸失利益はない。慰謝料は75万円で十分である」と言われ、合計で75万円の損害しか認めてもらえず、「納得がいかないのであれば、自賠責保険へ不服申立てをするしか方法はない」の一点張りでした。

弁護士は、1.後遺症の逸失利益を認めてもらうこと、2.後遺症の慰謝料の金額を上げてもらうこと、を中心に保険会社と交渉しました。

保険会社は交渉においても、「少なくとも逸失利益は2年間分しか認めない。これで示談できないのであればいったん白紙に戻す」と言って、訴訟も辞さない構えでした。

しかし、Iさんの後遺障害の苦しみや補償の必要性を訴え、地道に交渉を重ねたところ、逸失利益については、裁判所の基準(裁判をしたならば認められる基準)の満額である約140万円(現実収入約650万円×5%の5年間分)が認められ、慰謝料については提示額より増額されることになりました。

逸失利益の請求は弁護士への相談がおすすめ!弁護士相談のメリットとは

交通事故のお金ことは保険会社に任せておけば大丈夫と思われるかもしれません。

しかし、これまで説明したとおり、保険会社が提示する金額は、実は、あなたが本来受けとるべき金額よりも低くなっていることが多くあるのが実情です。

そこで、適切な逸失利益を受けとるためには、保険会社が提示する金額を本来あなたが受けとるべき逸失利益よりも低くなっていないかを弁護士にチェックしてもらうことをおすすめします。

弁護士は、逸失利益に限らず、保険会社が提示する示談金額が適正な金額になっているかをチェックします。そして、増額できる可能性がある場合には、加害者側の保険会社と増額に向けた交渉を行います。

アディーレ法律事務所に相談したことで、保険会社が提示する金額よりも増額した金額の賠償金の受けとりに成功した方がいらっしゃいます。

【まとめ】逸失利益は交渉次第で増額の可能性あり!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 専業主婦の家事労働もきちんと金銭的に評価すべきと考えられており、逸失利益を請求することができる。

  • 後遺症による逸失利益は、基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算する。

  • 専業主婦の場合は、女性の平均給与額(賃金センサス)を基礎収入として計算する。

  • 逸失利益を増額する3つのポイント
    1. 適切な後遺障害等級を獲得する
    2. 適切な労働能力喪失期間で計算する
    3. 適切な労働能力喪失率で計算する

逸失利益は、保険会社に任せておけば大丈夫と思われているかもしれません。

しかし、保険会社が提示してくる逸失利益の金額は、実はあなたにとって不利な方法で計算されている可能性があります。

弁護士が交渉することで、逸失利益を増額できる可能性があります。

逸失利益の金額に納得ができない方、逸失利益がいくら貰えるのか知りたい方は、まずは一度弁護士へ相談されてみてはいかかでしょうか。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年8月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

交通事故に関するメリット満載

弁護士による交通事故のご相談は何度でも無料

朝9時〜夜10時
土日祝OK
まずは電話で無料相談 0120-250-742
メールでお問い合わせ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています